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遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)の時効は何年?窃盗罪や背任罪との違いも解説

2019年12月24日
遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)の時効は何年?窃盗罪や背任罪との違いも解説
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遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)の時効は何年?窃盗罪や背任罪との違いも解説

「ちょっとした出来心」というのは誰にでもあるものです。
たとえば、お金に困っているときに、路上にお金が入った封筒が落ちていたとすれば「間違いなく落とし物として警察に届け出る」と断言できるでしょうか?誰にも見られていなければ、つい懐に入れてしまうという方は決して少なくないでしょう。
しかし、その行為はれっきとした犯罪です。実際に、電車の客室内に放置されていた現金入りの封筒を自分のものにした清掃員が遺失物等横領罪で逮捕された事例もあります。

遺失物等横領罪とはどのような犯罪なのでしょうか? 窃盗罪やその他の犯罪とどのような違いがあるのでしょうか?
本コラムでは、遺失物等横領罪の概要や他の犯罪との関係について詳しく解説します。

1、遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)とは?

まずは遺失物等横領罪がどのような犯罪なのかについて解説していきましょう。別の形態の横領罪との違いもあわせて解説します。

  1. (1)遺失物等横領罪とは?

    遺失物等横領罪は、横領の罪のひとつです。
    刑法第254条の規定により「遺失物、漂流物そのほか占有を離れた他人の物を横領した者」が該当し、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処されます。

    「占有」とは、財物に対して事実的支配を有している、または管理している状態をいいます。現に手にしている「所持」の状態だけでなく、自家用車の中に置いている、バス停のベンチに置いたままごく短時間その場を離れたといったケースも「占有」が認められ得ます。

    遺失物や漂流物は、すでに元の持ち主が占有しているとはいえない状態なので、たとえ自分のものにしても窃盗罪は成立しません。ただし、占有を離れていても自己の所有物ではないので、これを自分の物のように自由に処分すると横領罪が成立してしまうのです。

    刑法では「遺失物等横領罪」と表記されていますが、警察から検察官に送致する場合には「占有離脱物横領罪」として送致されます。どちらも同じ刑法第254条に基づいて処罰されるため、呼び名が違っても同じ犯罪だと考えておけばよいでしょう。

  2. (2)横領に関する罪との違い

    横領に関する罪として挙げられるのが、単純横領罪と業務上横領罪です。

    単純横領罪は、刑法第252条1項に規定されています。罪名としては「横領罪」と規定されていますが、ほかの横領に関する罪と区別するために単純横領罪と呼ばれています。
    この罪は、自己の占有する他人の物を横領した場合に成立します。たとえば、友人から預かったお金を自分のものにする行為や、レンタカーを返却せず乗り回す行為が該当し、罰則は5年以下の懲役です。

    業務上横領罪は、刑法第253条に規定されており、業務上自己の占有する他人の物を横領した場合に成立します。経理担当者が会社のお金を着服する行為などが該当し、強い信用に基づいて占有を任されていることから、10年以下の懲役という重たい刑罰が科せられます。

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2、遺失物等横領罪の公訴時効

該当する行為があった場合でも、一定期間が経過してしまえば罪を問われなくなります。これが、テレビドラマなどでもよく描かれる「時効の成立」ですが、遺失物等横領罪は何年で時効が成立するのでしょうか?

  1. (1)公訴時効とは?

    犯罪事件で一般にいうところの「時効」は、正しくは「公訴時効」を指し、刑事訴訟法第250条に明記されています。
    犯行が終わったときを起算日として1日単位でカウントされ、公訴時効が過ぎてしまうと検察官は起訴できません。起訴ができなくなった場合は、刑事裁判は開かれず刑罰が科せられることはないわけです。
    公訴時効が完成するまでの期間は、法定刑の重さによって異なります。たとえば、無期懲役が規定されている犯罪では30年ですが、拘留または科料にあたる犯罪では1年です。

    刑事事件における時効のことを「公訴時効」として区別するのは、同じくタイムリミットが設けられている制度があるからです。
    よく混同されるのが「親告罪の告訴期間」です。起訴の条件として告訴が必要な親告罪では、被害者が犯人を知った日から6か月以内に告訴をしないと、告訴権が失われます。また、民事上の賠償を求める権利も一定期間の経過により権利が消滅します。
    これらの制度と公訴時効はまったく異なる制度なので、混同することがないように注意しましょう。

  2. (2)遺失物等横領罪の公訴時効

    遺失物等横領罪の法定刑を刑事訴訟法第250条の規定に照らすと「長期5年未満の懲役もしくは禁錮または罰金にあたる罪」に該当し、公訴時効は3年になります。

    事件を起こして3年が経過した日をもって公訴時効が完成しますが、国外逃亡または逃げ隠れており起訴状の送達や略式命令の告知ができなかった場合は時効の進行が停止します。
    この場合、通常の計算では公訴時効が完成しないため注意が必要です。

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3、遺失物等横領罪になる行為と注意点

遺失物等横領罪は、元の所有者の占有を離れたものや委託に基づかないで占有している物を横領した場合に成立します。
実際にどのような行為があれば犯罪が成立するのか、具体的な例をあげながら解説していきましょう。

  1. (1)落とし物を拾って自分の物にした場合

    路上や店舗内などで財布を拾い、そのまま自分の物にしてしまえば、遺失物等横領罪が成立します。もっとも、場合によっては窃盗罪成立します。
    いわゆる「落とし物」は、元の持ち主がその場を時間的・場所的に離れてしまえば「占有を離れた状態=遺失物」になります。ただし、遺失物を手にした人には、すみやかに落とし主に返還するか、または最寄りの警察施設に届け出る義務が課せられます(遺失物法第4条)。

  2. (2)ゴミ捨て場の物を拾った場合

    ゴミ捨て場に置かれた物が、すべて「ゴミ」であるかはわかりません。たとえば、窃盗被害に遭った自転車がゴミ捨て場に乗り捨てられていて、これを自分のものにしていれば遺失物等横領罪に問われるおそれがあります。
    また、実際にゴミとして置かれた物であっても、自治体や管理者に占有が認められるケースでは窃盗罪に問われる場合があるため注意が必要です。

  3. (3)レジで誤っておつりを多く受け取った場合

    店舗のレジで店員が誤ってしまいおつりを多く受け取った場合でも、遺失物等横領罪が成立する可能性があります。

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4、窃盗罪・背任罪との違い

横領に関する罪の成立が問われる場合によく登場するのが窃盗罪と背任罪です。どのような違いがあるのか、成立の要件や罰則に注目してみましょう。

  1. (1)窃盗罪との違い

    どちらも「ある物を自分の物にする」という行為によって成立しますが、成立を区別する決め手となるのが「占有侵害が認められるか?」でしょう。他人の占有を排除して自己の支配下におけば窃盗罪になり、他人の占有を離れたものであれば遺失物等横領罪になります。

    窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。まったく同じ行為だったとしても、対象物の占有状態によって刑罰が重たい窃盗罪が適用されるケースがあるという点には注意が必要でしょう。

  2. (2)背任罪との違い

    背任罪とは、他人のために事務処理する者が、自己もしくは第三者の利益のため、または損害を与えるために任務に背く行為をはたらき、財産上の損害を与えた場合に成立します。わかりやすい言葉に言い換えれば「わざと会社に損害を与える行為」などがこれにあたります。

    横領に関する罪、特に業務上横領罪と背任罪のどちらが成立するのかが問題となるケースが多く、判例や学説も明確ではありません。

    背任罪の法定刑は5年以下の懲役または50万円以下の罰金で、業務上横領罪のほうが重たい刑罰が科せられます。

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5、まとめ

遺失物等横領罪は、落とし物を拾って自分の物にしたり、買い物の際に多くおつりを受け取ってしまったりといった、日常生活にひそむ「ちょっとした出来心」が招きやすい犯罪です。特段の悪意がなくても成立することがあるため、非常に身近であり、かつ危険な犯罪だといえます。
また、同様の行為が窃盗罪や別の横領に関する罪に問われるおそれもあり、より重たい刑罰が科せられるケースもあるので、早急に被害者や元の所有者との示談交渉を進めるべきでしょう。
遺失物等横領罪に問われるおそれがある、現に遺失物等横領罪の疑いで警察からの取り調べを受けているという悩みを抱えている方は、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が、全力でサポートします。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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