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横領してしまったことが発覚したら懲戒解雇か逮捕? 弁護士が解説

2020年04月30日
横領してしまったことが発覚したら懲戒解雇か逮捕? 弁護士が解説
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横領してしまったことが発覚したら懲戒解雇か逮捕? 弁護士が解説

令和元年版の犯罪白書によると、平成30年中に認知された横領事件の件数は1万9971件で、そのうち1万6694件、83.6%にあたる犯人が検挙されています。
この統計をみると「横領は検挙されやすい」とみてとれますが、一方で同年度の検察統計をみると横領罪の起訴率は17.0%と非常に低く、検挙されても起訴される事例は少ない傾向です。

横領事件の多くは、会社と従業員、取引先、知人といった関係のなかで起きるため、高い確率で容疑者として特定され、警察の捜査対象にあげられてしまいます。そこで、横領罪の概要や具体例に触れながら、会社に対する横領事件の処分、示談の重要性について弁護士が詳しく解説します。

1、横領罪について

「横領」とは、他人や会社から依頼を受けて、一時的に自分が占有した金銭や物品を、自分のものにしてしまうことです。「横領罪」の成立には、この横領の事実と、「自分のものにしよう」という不法領得の意思が必要です。

横領罪は、下記3つの種類に分類されます。詳しくみていきましょう。

  • 単純横領罪

    「自己の占有する他人の物」を横領した際に、成立します(刑法第252条)。
    たとえば、他人から預かった物を自分のものにする行為がこれにあたります。単に「自分のものにする」だけではなく、友人から借りていた物品を無断で売却する、レンタカーを返却せず乗り回す、といった行為も単純横領罪にあたります。
    量刑は5年以下の懲役と定められています。

  • 業務上横領罪

    「業務上自己の占有する他人の物」を横領した場合、成立する犯罪です(刑法第253条)。
    たとえば、業務において管理を任されていた金銭や物品を横領した場合が、これにあたります。
    「業務」とは、会社の仕事はもちろん、保護者会の経理担当や同窓会の年会費の管理なども「業務性がある」とみなされます。単純横領よりも、強く信任関係を裏切る行為であるため、罰金刑はなく、ほかの横領罪よりも重い量刑が定められています。
    量刑は10年以下の懲役と定められています。

  • 遺失物等横領罪

    「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物」を横領した場合、成立する犯罪です(刑法第254条)。
    落とし物のように誰のものかわからない、持ち主の管理を離れてしまった金銭や物品を領得した場合がこれにあたります。「放置自転車を勝手に乗り回した」というケースで罪に問われる場合は、この遺失物等横領罪が適用されます。
    量刑は3つの中では比較的軽く、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処すると定められています。

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2、よくある横領の具体的ケース

会社と従業員という関係において発生しやすい横領の具体的なケースについて紹介します。

なお、下記に該当する罪を犯してしまった場合、逮捕・起訴されるリスクがあるため、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。

  1. (1)会社の売上金を横領する

    集金担当者や経理担当者が手にしたお金を横領する、店長などの管理職が売上金を私的に使い込むといったケースが想定されます。売上金を少なく報告して差額分を自分の懐に入れる行為も一時的に預かっているようなケースも業務上横領罪にあたるでしょう。

    なお、コンビニのレジ係が金銭をとると、横領罪ではなく窃盗罪(刑法第235条)に問われます。業務作業として会社のお金を扱うだけの立場であれば窃盗罪であり、管理的立場であれば横領罪と区別されます。
    窃盗罪の量刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

  2. (2)会社の商品を転売する

    商品管理や在庫管理の担当者が、管理を任されている商品を自分のものにする、またはインターネットオークションなどで転売する行為は業務上横領罪にあたります。
    このケースの場合でも、管理者ではない、いち従業員が倉庫から商品をとって自分のものにしたり転売したりする行為は、横領罪ではなく窃盗罪に問われるでしょう。

  3. (3)会社所有の郵便切手や印紙を換金する

    郵送関連の管理を任されている総務などの担当者が、顧客への封書の郵送などに使用する切手や領収書に貼付する印紙など、有価証券類を自分のものにし、換金して懐に入れる行為も業務上横領とみなされます。

  4. (4)会社の預金口座から自分の口座に移し替える

    会社の口座管理をしている経理担当者が、インターネットバンキングなどを利用して、会社の口座から自分の口座にお金を移す行為も業務上横領とみなされます。
    なお、社員が外部の業者などと共謀して架空請求を行い、金銭を自分の口座を振り込ませる行為は、横領罪よりも詐欺罪に問われる可能性が高いでしょう。

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3、横領してしまったことが会社に発覚したら

会社に対する横領が発覚してしまった場合、どのような処置がとられる可能性があるのか解説します。

  1. (1)損害賠償請求

    会社に対する横領の事実が発覚した場合、ただちに会社から「横領したお金や損害分の返却」を請求されるでしょう。この損害賠償請求の時点で、一括返済に応じることができれば、逮捕や起訴される可能性は高まります。
    もし横領した金銭を使い切ってしまい賠償不能だった場合は、民事訴訟による損害賠償請求や仮差し押さえ申し立てのおそれがあるでしょう。

  2. (2)懲戒解雇

    就業規則において横領に対する懲戒処分の規定があれば、懲戒解雇の可能性があります。「会社の金品を着服した場合」という具体的な記載がない場合でも、信任を裏切る行為のように広い定義を理由にして解雇処分が下されるおそれがあります。
    会社に対する横領で解雇された場合は、不当解雇を訴えても有利な結果は期待できません。退職金も支払われないか、または了承のうえで横領金と退職金が相殺されることがあります。
    懲戒解雇は、労働者にとって大変重い処分です。早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

  3. (3)刑事告訴

    横領が常習であったり、極めて悪質な手法であったりした場合、刑事告訴されることも考えられます。
    業務上横領罪の場合、会社内で起きるケースが多いため、会社としても公にしたくない、警察沙汰として注目を浴びたくない等、被害申告をしないことも少なくありません。その分、刑事事件に発展した場合は、逮捕や家宅捜索のおそれや、新聞やニュースで実名報道される、刑事裁判で懲役刑が下されるといった不利益を受ける可能性があります。

    警察への被害届や告訴状の提出を防ぐには、早い段階での謝罪に加え、横領した金銭や財物の返済をしなければなりません。一括返済が難しい場合は、分割でも返済計画を示すことで心証は変わるでしょう。
    経験豊富な弁護士に依頼をすることで、事態の深刻化を防げる可能性は確実にあがります。お悩みの場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。

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4、横領したら逮捕されるのか?

もし、会社に対する横領が発覚してしまった場合は、警察に逮捕されてしまうのでしょうか?
ここでは横領と逮捕の流れについて、詳しく解説します。

  1. (1)被害申告の有無によって異なる

    会社に対する横領を警察が認知するのは「横領事件が発生した」という被害申告が起点となることがほとんどでしょう。横領は親告罪ではないため、被害者からの告訴がなくても、検察から起訴される犯罪です。

    しかし、業務上横領罪は、被害者である会社が警察に被害届や告訴状を提出しない限り、警察が事件を認知することは困難なため、会社が動かなければ逮捕される可能性もほぼありません。

    平成30年中の横領事件の認知件数は1万9971件ですが、これはあくまでも「警察が認知した件数」です。被害届や刑事告訴という手段を用いず、警察が認知しなかった事例も多数存在するため、実際はもっと多くの横領が行われている可能性があります。

  2. (2)横領で逮捕されるときの条件

    たとえ会社が被害届や告訴状を提出し、警察がこれを受理して捜査がはじまったとしても、必ずしも逮捕されるわけではありません。逮捕は「捜査機関に被疑者の身柄をおき、取調べの実効を高める手続き」であり、なおかつすべての国民は不当に逮捕されない権利をもっています。

    横領事件で逮捕の要否に影響する要素には、以下の要素が考えられます。これらの条件がそろうと逮捕状が発行される可能性が高まります。

    • 被害届・告訴による被害申告がなされている
    • 加害者による弁済が不能で、示談が成立していない
    • 被害額が弁済不能であるなど一定の金額を超えている
    • 任意の呼び出しに応じないなど、逃亡や証拠隠滅のおそれが高い
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5、示談の場合は弁護士に相談を

横領の被害金額や悪質さの程度により、会社との示談交渉が難航することもあるでしょう。
しかし、弁護士に依頼して示談交渉を進めてもらえば、現時点で可能な弁済の計画や今後の合理的な返済計画を提示し、会社側との示談が成立へ一歩進めることができるでしょう。

業務上横領罪は罰金刑の規定がない重罪です。有罪判決が下されてしまえば、原則として懲役刑が科せられてしまいます。

とはいえ、被害届・刑事告訴に先立って示談が成立すれば、事件化のリスクは大幅に回避できるでしょう。たとえ起訴されても、すでに示談が成立していれば執行猶予つきの判決が得られる期待も高まるでしょう。

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6、まとめ

会社に対する横領事件が発覚すると、懲戒解雇のおそれが高くなります。また、被害金の弁済がかなわなければ、警察への被害届や刑事告訴の可能性もあり、逮捕や刑罰といった人生とって大きな不利益を被ってしまいます。

会社への横領が発覚してしまった、または発覚してしまう前にトラブルを穏便に解決したいと考えている方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。会社との示談交渉や刑事弁護など、多数の解決実績をもつ弁護士が全力でサポートします。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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