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事故で器物損壊! 当て逃げ行為をしてしまった場合の罰則はどうなる?

2020年06月04日
  • 暴力事件
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事故で器物損壊! 当て逃げ行為をしてしまった場合の罰則はどうなる?

車で狭い道路を走っているときや店舗の駐車場をでるときなどに、運転操作を誤り、別の車両や建物などにぶつかってしまうケースがあります。
すぐに車を停止させて警察へ連絡すれば、通常は刑事事件に問われることはありませんが、もしも気が動転して現場から離れてしまうなどすると、罪に問われる可能性があります。一般には「当て逃げ」と呼ばれる行為ですが、法律上では、具体的にどのような犯罪にあたり、どのような刑罰を科せられるのでしょうか。

そこで今回は、当て逃げをテーマに、罪の定義や刑罰の内容を解説していきます。当て逃げが器物損壊罪にあたるのかについても、あわせて確認しましょう。

1、当て逃げとは?

まずは当て逃げとは何かについて、ひき逃げや同乗者が問われる罪も含めて説明します。

  1. (1)当て逃げの定義

    交通事故が起こったとき、車両の運転者とその他の乗務員は、ただちに車両の運転を停止し、下記の行為をおこなわなければなりません(道路交通法第72条1項)。

    • 負傷者がいる場合には負傷者を救護すること(救護義務)
    • 道路における危険を防止する等必要な措置を講じること(危険防止措置義務)
    • 警察に対し、交通事故が発生した日時や場所、発生状況などを報告すること(報告義務)


    「当て逃げ」とは、上記のうち危険防止措置義務と報告義務を果たさずに、現場を立ち去ってしまう行為を指します。

    また、「ただちに」とあるように、義務を果たすタイミングとして、事故発生から時間的な間をおく余地はありません。交通事故があってからひとときでも現場から離れた場合には、あとで戻ってきたとしても当て逃げとみなされてしまうので注意が必要です。

  2. (2)当て逃げとひき逃げの違い

    ひき逃げも同じ条文に違反する行為ですが、当て逃げと違うのは、負傷者の救護義務違反が加わる点です。事故による負傷者がいれば救急車を呼ぶなどの必要な救護をしなければならず、これを怠ると救護義務違反となります。当然、危険防止措置や警察への報告もおこなわなくてはなりません。

    当て逃げは物損事故にかかわるもの、ひき逃げは人身事故にかかわるものと区別されることもあります。

  3. (3)同乗者は罪に問われるのか

    運転者と同様の義務を課される同乗者のことを、第72条1項では「その他の乗務員」としています。これは、ハイヤーやタクシーの助手、営業車両の同乗者など、業務上・職務上の理由で同乗していた者を指すと解されています。したがって、私生活において単に同乗していた人が罪に問われるわけではありません。

    もっとも、当て逃げを見て見ぬふりをすれば、単なる同乗者にも損害賠償の責任が生じる場合があります。
    また運転者に対してその場から逃げるようにそそのかした場合には、教唆犯(刑法第61条)が成立する可能性もあります。

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2、当て逃げの刑罰と量刑

物損事故を起こしたが危険防止措置をおこなわなかった場合の刑罰は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」です(道路交通法第117条の5)。事故を警察へ報告しなかった場合は「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金」となります(同法第119条1項10号)。

当て逃げは、危険防止措置と警察への報告をおこなわずにその場から逃げる行為なので、上記のうちどちらの刑罰が適用されるのかという問題があります。このように、ひとつの行為がふたつ以上の罪にあたる場合を観念的競合といい、重いほうの刑罰が適用されます。

したがって、当て逃げをした場合は危険防止措置の義務違反による刑罰が適用され、1年以下の懲役か、10万円以下の罰金に処されることになります。

量刑はこの範囲内で言い渡されますが、事故の態様によってさまざまなので一概にいえません。運転者の不注意にもとづく事故なのか、被害者(損壊された物の所有者など)と示談が成立しているのかなどが、量刑判断で考慮される要素のひとつになります。

また、刑罰を受ける以外には、行政処分として運転免許の点数が加算されます。当て逃げの付加点数は5点ですが、信号無視をして物にぶつかった(2点)、酒酔い運転をしていた(35点)などの違反があれば加算され、違反内容によって反則金の支払いを求められます。

このほか、民事上の責任として、物の所有者などから損害賠償を請求された場合には応じる必要があります。

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3、器物損壊罪の刑罰と量刑

器物損壊罪とは、他人の物を損壊し、または傷害する犯罪です(刑法第261条)。刑罰は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。

ここでいう損壊とは、単純に物を壊すという行為に限らず、物の効用を害する行為を広く含みます。たとえば店舗のシャッターに落書きをする、食器に放尿するなど、物の価値や性能を下げる行為もここでいう「損壊」にあたります。

器物損壊罪は、検察官が起訴するときに被害者の告訴を要件とする「親告罪」です。被害者が捜査機関へ告訴しない限り、起訴されることはありません。また、未遂罪の規定もないため、物を壊そうとしたが失敗に終わったという場合に罰せられることもありません。

当て逃げをした場合、器物損壊罪が成立するのではないかと考える方がいるかもしれません。しかし単純な当て逃げの場合、通常は器物損壊罪にはあたりません。器物損壊罪は故意犯のみを罰するものであり、過失犯は規定されていないからです。事故では不注意や運転の操作ミス(過失)で物にぶつかるケースが大半なので、器物損壊罪は、ほとんど成立しないことが多いでしょう。

もっとも、「家の壁に車をぶつけて所有者に嫌な思いをさせてやろう」などの意図でわざと物にぶつかったケースでは器物損壊罪が成立する可能性があります。

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4、当て逃げを放置するリスク3つ

当て逃げをしてしまい、何も対処せずに放置することには、いくつかのリスクがあります。

●後日逮捕
まずは逮捕されるリスクです。事故のあとすぐに逮捕されなかったとしても、捜査が開始され、後日に逮捕される可能性は十分にあります。

具体的には、防犯カメラの映像や周囲を通っていた車両のドライブレコーダー、目撃者の証言などから車両のナンバーが特定され、逮捕にいたるというケースです。逮捕・起訴となれば高い確率で前科がつきます。

●示談交渉が難航する
つぎに、示談交渉が困難になるリスクです。事故によって物を壊された被害者は、相手方が逃げたという事実によって処罰感情が強まるでしょう。本来であれば修理代など最低限の示談金の支払いをもって早期に解決できた問題も、逃げることで示談が難航するのです。

●自動車保険が適用されない
また、当て逃げでは、警察に交通事故が発生したということを届けていないため、交通事故が発生したということを証明できず、自動車保険で補償してもらえなくて、自腹で賠償しなければならないリスクもあります。

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5、事故を起こしてしまったときの対応

物損事故を起こしてしまったときは、ただちに車両を安全な場所へ停止させましょう。そして発煙筒などを用いて後続車両に事故の発生を伝えるなどの措置を講じます。あわせて警察へ連絡し、事故の状況などを報告します。その場から逃げると刑事事件に発展しかねませんので、時間をおかずに必ず連絡するよう心がけましょう。

もしも当て逃げをして逮捕されそうな場合は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。当て逃げで有罪になれば、たとえ罰金刑だったとしても前科がつきます。前科がつくと社会生活上の不利益が生じるおそれがあります。

また、前科を回避するための重要な対処法が被害者との示談です。示談が成立し、被害者からの許しを得られていれば、検察官がこれを評価し、不起訴処分となる可能性が高まります。

しかし当て逃げの場合、逃げたことで被害者の処罰感情は高まっている可能性が高く、そのため、ご自身による直接の交渉は難航する可能性があります。また物損事故の場合は、その場に示談の相手方がおらず、連絡先がわからないケースも少なくありません。

弁護士であれば捜査機関を通じて示談の相手方に連絡をとり、交渉のテーブルについてもらえることが期待できます。手続きの流れや示談書に盛り込むべき内容を理解しているため、スムーズな示談成立がかないやすいでしょう。

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6、まとめ

当て逃げは、物損事故を起こしたが必要な措置や警察への報告をしないで逃げる行為です。懲役刑や罰金刑を科される犯罪であると認識し、逃げずにしっかり対応しなければなりません。逃げればその分、罪が重くなります。ほんの少しでも現場から離れると、逃げたとみなされる可能性がある点にも注意が必要でしょう。

事故によって器物損壊してしまった、もしくは当て逃げによる逮捕の可能性がある、などでお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士がサポートします。

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