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誹謗中傷で訴えられた! 訴えられた場合の示談や対応方法について解説

2020年06月15日
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誹謗中傷で訴えられた! 訴えられた場合の示談や対応方法について解説

「ツイッターで他人を誹謗中傷する発言をしてしまった」、「匿名の掲示板で根拠のない悪口を書き込んでしまった」等、インターネット上で発言していく中で、このような経験のある方は少なくないようです。この点、匿名アカウントでなされたネット上の誹謗中傷であっても、名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪が成立する場合があり、さらに民事でも訴えられる可能性があります。

このような状況になってしまった場合、「深く考えていなかった」、「人を陥れるつもりはなかった」などと弁解しても、事態は簡単に収束するわけではありません。今回は、ネット上の誹謗中傷に対して訴えられた場合にどのような問題が生じてしまうのか、穏便な解決のためにはどのように対処するべきか等について、弁護士が解説します。

1、ツイッターなどネットでの誹謗中傷の広がり

現代はツイッターやブログ、掲示板など、インターネットの投稿機能を利用して各人が自由に発言でき、多くの人とコミュニケーションをとることができる便利な時代です。
一方、ネット上で他人を誹謗中傷する、根拠のないうわさを流してしまう人が後を絶ちません。

法務省が公表した、【平成30年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)】でも、ネット上の人権侵害情報に関する事件は増加傾向にあることがわかっています。平成30年は1910件と、前年に次ぐ過去2番目に多い数字となっており、そのうちプライバシー侵害が849件、名誉毀損が667件と大きな割合を占める結果となっているようです。

ネットでの誹謗中傷行為が多発している大きな要因に「匿名性」が挙げられます。人は自分の名前や顔をだした状態であれば発言に責任をもちやすいものですが、ネットを使えば名前や顔を伏せたまま投稿できるかのように感じている方は少なくないようです。そのため、「誰が書いたかバレないからいいだろう」と他人の個人情報を流したり、不確かな情報をもとにした悪口を書き込んだりしてしまうわけです。結果、ネット上に載せられた情報は簡単に広まってしまい、半永久的に残り続けることになります。

ネット上の誹謗中傷は法益侵害にあたり、被害者の尊厳を傷つけ、社会的評価を下げる行為です。被害者が誹謗中傷によって職場や学校へ通えなくなる、引っ越しを余儀なくされる、脅迫や暴行を受けてしまうなど重大な損害が生じる可能性もあります。

上記行為は、民法や刑法等の法律に違反する可能性がある行為で、被害者が何らかの法的措置をとろうと考えていたとしても不思議ではありません。なぜならば、一見匿名に見えたとしても、調査を行えば誰がどのような投稿をしたのかについては特定が可能だからです。

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2、誹謗中傷で問われる罪とは?

ネットで誹謗中傷をしたとき、問われる可能性がある罪について解説します。いずれの場合も、刑事事件として逮捕される可能性があるだけでなく、被害者から民事上の損害賠償請求をされる可能性もあります。

  1. (1)名誉毀損罪

    公然と事実を摘示して人の社会的評価を下げる投稿をした場合には、刑法第230条の名誉毀損罪に該当します。罰則は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

    名誉毀損罪の構成要件(成立要件)は、①公然と、②事実を摘示して、③社会的評価を下げた場合に満たします。

    それぞれを具体的に解説します。

    ①「公然」とは、不特定または多数の者が知ることができる状況であることです。たとえ、特定少数人にしか摘示しなくても、その者らから不特定多数人へと伝播する場合には、「公然」の要件を充足し得ますので、注意してください。

    ネットで発言をする行為は、一般的に多くの人の目にとまるといえることから、原則として公然といえると考えられています。いわゆる鍵アカウントといった、自分が許可した人だけが閲覧できるコンテンツ内で発言しただけだとしても、インターネット内での発言は残ってしまう上に、外部に知られてしまう危険はありますから、公然と判断される可能性があります。

    ②「事実を摘示して」の「事実」は、人の社会的評価を低下させるような具体的事実であることが必要です。したがって、「アイツは悪魔だ」とか、「アイツは人間のクズ」などと投稿しても、これらは単なる価値判断でしかなく、具体的事実とはいえないことから、原則としては名誉毀損罪には該当しません。

    ただし、単なる価値判断・評価と具体的事実の境界はわかりにくい部分がありますから、安易に単なる価値判断・評価なら名誉毀損にならないと判断した上で好きに放言して良いわけではありませんし、最終的に事実の摘示があったと判断されることもありますから、不用意な発言は控えましょう。

    ③「社会的評価を下げた」とは、発言された人がどう思うかではなく、一般人を基準に、一般人ならこの表現をどのように受け取るか、という判断基準になります。したがって、被害者が発言によって傷ついたと感じたとしても、一般人を基準にすると社会的評価を下げるような事実ではないと判断された場合には、この要件は満たさない可能性があります。

    以上の構成要件に該当したとしても、真実性の証明による免責を認める規定が設けられています(刑法230条の2)。具体的には、①名誉毀損行為が、公共の利害に関する事実に関することであり(事実の公共性)、②その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合で(目的の公益性)、③摘示した事実が真実であることの証明があった(真実性の証明)ときには、これを罰しないとされています。

    さらに、真実性の証明による免責を認める規定についても解説します。
    ①事実の公共性とは、公共の利害に関する事柄を指していると考えられています。公共の利害とは、私たち国民全体の利益につながることですから、私人のプライベートな情報は、原則として該当しないことになります。ただし、政治家など選挙によって選ばれた方たちは、国民の信託を受けて職務に就いていますから、投票の際に参考にするべき事実の場合には、プライベートな情報であっても公共の事実に該当すると認められることがあります。

    もっとも、政治家など公職に就いている人に関する事実であれば、どんな事実であっても公共の事実に該当するというものではありません。具体的に公共の利益につながる事実かどうかを慎重に判断されますので、不用意な発言等は避けたほうが良いでしょう。

    ②目的の公益性とは、公共の利益を増進する目的を有していたことです。目的という主観的な要件ですが、基本的には客観的な証拠や事実から認定することになります。
    また、公益目的に加えて、たとえば、嫌がらせ、復讐、営利などの別の目的と併せ持つこともあるでしょう。この要件は、主たる動機が公益を図るためであることが必要であり、公益以外の目的が主たる動機となっている場合には、要件を満たさないことになります。

    ③真実性の証明とは、表現した事実が真実であることを意味します。客観的事実と表現した事実が、その主要・重要な部分について一致していることが必要です。

    真実ではなかった場合、この要件は充足しないことになります。しかしながら、真実であると信じたことについて、確実な資料・根拠に照らし相当な理由が存在すると認められる場合には、真実でなかったとしても免責を肯定する旨判示した裁判例があります。したがって、手に入れた情報を安易に真実だろうと思い込んで、追跡調査をせずに投稿してしまったような場合には、この要件を充足しない可能性があります。

    「本当のことなのだから投稿しても悪くないだろう」と誤解している方がいますが、名誉毀損罪はたとえ投稿の内容が真実であっても成立することがあります。これは、真実であるという要件は満たしますが、公共の事実や、公益目的という要件を充足しなければ、処罰されうるということです。

    たとえば、「〇〇は上司と不倫している」、「〇〇は前科がある」などと具体的な事実を投稿した場合、それが本当のことであっても名誉毀損罪にあたる可能性があることを知っておきましょう。

  2. (2)侮辱罪

    事実を摘示せずに公然と人を侮辱する投稿をした場合、刑法第231条の侮辱罪が成立し得ます。罰則は「拘留又は科料」です。拘留とは1日以上30日未満、刑事施設に拘置される刑罰を、科料とは1000円以上1万円未満の金銭を徴収される刑罰を指します。

    「バカ」「ブス」「頭が悪い」など、表現する人の価値観に左右される評価、抽象的な誹謗中傷がこれに該当します。事実の摘示でなくとも成立しうることが、名誉毀損罪と異なる点です。

  3. (3)信用毀損および業務妨害罪

    ネットで虚偽の情報を投稿・拡散したり、欺く等の威力以外の不正な手段を用いたりして、他人の業務を妨害したり、他人の経済的な信用を毀損したりした場合には、刑法第233条の信用毀損や業務妨害罪に問われる可能性があります。罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

    たとえば「〇〇店の店主が感染症にかかっている」などのデマを投稿したケースが考えられます。投稿によって店に客が来ない、問い合わせの電話が鳴りやまないなどで業務を妨害した場合だけでなく、実際に業務が妨害されなかったとしても、これらの結果を生じさせるおそれがあれば罪に問われます。

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3、民事上の責任(肖像権・プライバシー権)

肖像権とは、自分の容姿をみだりに撮影されたり公開されたりしない法的利益をいいます。プライバシーとは個人の住所や職業、日常の行動、身体的特徴や通院歴など、私生活上の事実や、およそ人が公開されたくないと考える事項を指します。これらは、憲法第13条の幸福追求権の一部として保護される利益であると考えられています。

たとえば被写体から許可を得ずに写真や動画を投稿する、プライバシー保護の対象となる情報を勝手に投稿すれば肖像権や人格権の侵害に該当するおそれがありますので、民事上の損害賠償請求の対象になり得ます。

それに加えて、投稿内容によっては、侵害の内容が名誉毀損罪などを構成する場合には刑事罰を受ける可能性もあります。各要件は別個独立のものです。民事責任、刑事罰両方の要件に該当する場合もありますし、いずれか一方のみ該当する場合もありますので、注意しましょう。

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4、誹謗中傷で訴えられた後の流れ

被害者から損害賠償請求訴訟を提起された、あるいは告訴がなされたという場合、ご自身が誹謗中傷の発信者として特定されている可能性があります。

前述のとおり、匿名の投稿でも、被害者は「発信者情報開示請求」で発信者を特定することが可能です。これはネット上で権利侵害を受けた方がサーバー管理者やアクセスプロバイダに対して発信者の情報開示を求める手続きです。訴訟外にて発信者情報の開示を受けられなかった場合、裁判所の手続きを利用して発信者情報の開示を求めることになります。一般的には、発信者情報の開示を求める仮処分を申し立てることになります。

身元が特定された後、誹謗中傷の内容が名誉毀損罪などの犯罪にあたる場合には刑事告訴される可能性があります。開示請求という手間をかけているため、被害者は真剣に責任追及をしようとしているといえるでしょう。刑事告訴は加害者への処罰を求める手続きです。告訴がなされた場合には、被害者の処罰感情は高い可能性があります。

警察が告訴状を受理し、刑事事件として捜査を開始した場合、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断し、逮捕状発付請求がなされると、逮捕される可能性があります。逮捕されてしまった場合、職場や学校に通うことができなくなり、外部との自由な面会すらできなくなる可能性も生じます。
身体拘束されることによって、会社に連絡できなくなる可能性がありますから、無断欠勤として懲戒処分を受けてしまう危険が生じます。

その後に起訴され有罪判決が言い渡されると、刑罰の執行がなされることになります。逮捕されずに在宅捜査となった場合でも、取り調べは続きますし、起訴されることがあります。有罪判決の言い渡しがなされれば、同様に刑罰の執行がなされます。

懲役刑になれば執行猶予が付かない限り刑務所に収監されますし、罰金刑であっても前科になります。刑の執行を受けることが解雇事由となっている場合は解雇される危険もあります。犯罪の事実が報道されてしまう等、ご自身だけでなくご家族にまで不利益が及んでしまう可能性があります。

さらに、不起訴処分になったとしても、民事訴訟で損害賠償(主に慰謝料)を請求される可能性は残ります。慰謝料の額は、被害者に与えた精神的損害が大きい場合には、金額が高くなることもあり得ます。

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5、誹謗中傷で訴えられたら弁護士に相談を

ネットで誹謗中傷をして訴えられた場合は、速やかに弁護士へ相談しましょう。弁護士を介して被害者と示談交渉を行い、謝罪と被害弁済、投稿記事の削除といった対応をするのが賢明な選択肢です。示談成立の時期が早いほど、不利益は少なくて済むでしょう。

訴えられた時点では、被害者にはすでに弁護士が付いている可能性が高いといえます。発信者情報を開示させるには、原則として裁判所への申し立てが必要になりますから、手続きについて専門的な知識を有する弁護士へ依頼することが合理的だからです。個人で対応しようとしても、被害者の不満を大きくし、刑事告訴がなされたり慰謝料の請求額が増大してしまったりする可能性を高めてしまうこともあり得ます。したがって加害者側も弁護士を付けて、法的知識に基づいた適切な対応をすることが重要です。

刑事告訴された場合には逮捕される可能性が高くなるため、速やかに対処しなくてはなりません。刑事告訴される前に示談を成立させることが重要ですが、刑事告訴された後でも示談を成立させて告訴や被害届の取り下げがなされれば、前科にならずに解決できる可能性が出てきます。

特に名誉毀損罪や侮辱罪は、起訴にあたり被害者の告訴を要する親告罪です。示談で告訴をしない、あるいは取り下げる旨を盛り込むことには大きな意味があります。信用毀損および業務妨害罪は非親告罪なので告訴がなくても起訴の危険は消えませんが、示談が成立した事実は検察官の起訴・不起訴の処分にあたり、考慮事情となるため、やはり重要です。

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6、まとめ

インターネットでの投稿は、たとえ匿名だとしても誰が発信したのか特定することは可能です。目の前に相手がいないからといって人を傷つけるような投稿をすれば、最悪逮捕される可能性があるということです。実生活ではもちろん、インターネット上であっても、自分の発言には責任をもち、相手を傷つけてしまわないよう配慮することが大切です。

ネットで誹謗中傷をして訴えられた場合には、個人で事態を収束させるのは困難となるケースが多いでしょう。事態が悪化する前に弁護士へ相談して適切に対処しましょう。ネット上でトラブルに発展してお困りであれば、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。ネットのトラブル解決実績が豊富な弁護士が穏便な解決に向けて全力でサポートします。

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