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未成年の子どもが殺人事件で逮捕された。家族がすべきことは?

2020年09月10日
未成年の子どもが殺人事件で逮捕された。家族がすべきことは?
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未成年の子どもが殺人事件で逮捕された。家族がすべきことは?

未成年が犯罪行為をすると少年法にもとづき罪が問われることは、ご存じの方が多いかもしれません。しかし、未成年の犯罪は年齢や事件の内容によって逮捕の有無やその後の流れが異なり、仕組みが複雑です。 もし自分の子どもが犯罪行為をしてしまったら、「逮捕されるのか?」「実刑判決がくだるのか?」など多くの疑問があることでしょう。とくに殺人のような重大事件では、その不安は計り知れないでしょう。 本コラムでは、未成年が殺人罪を犯したケースに着目し、処分の内容や事件発覚後の流れ、ご家族ができることなどを解説します。

1、未成年が殺人罪を犯した場合

  1. (1)犯行当時の年齢によって対応が変わる

    20歳未満の未成年といっても、すべての年齢で同じ取り扱いを受けるわけではありません。分かれ目となるのは「14歳」です。刑法第41条には「14歳に満たない者の行為は、罰しない」とあります。

    刑法に触れる行為(触法行為)をしたときに14歳未満だった者を「触法少年」といい(少年法3条1項2号)、刑事責任能力がないとされ刑事処分の対象になりません(刑法41条)。刑事責任能力とは、物事の善悪を区別し、自身の行動を律する能力をいいます。

    これに対し、犯罪行為をしたときに14歳以上だった者を「犯罪少年」といい、刑事責任能力があるとされて刑事処分の対象となります。

    また、14歳以上の未成年の中でも年齢による違いがあります。たとえば死刑・無期懲役の緩和について、14歳~17歳の者が殺人罪を犯した場合の刑は最長でも無期懲役と緩和されますが、18歳~19歳の者は死刑が選択される可能性があります(少年法51条1項)。

  2. (2)未成年が罪を犯した場合は少年法が適用される

    少年法の目的は、非行のある少年を健全に育成することであり、刑罰ではなく教育を通じて更生させ、再犯を防ごうというのが基本的な考え方です。

    処分の内容としては保護観察処分(保護観察官などの指導を受けて社会内での更生を目指すもの)や、児童自立支援施設送致、少年院送致などがあります。

    一方、成人の殺人事件で適用される刑法には、刑罰をあたえて罪の大きさを認識させることで、再犯を防ぐ目的があります。刑罰は懲役や禁錮、罰金といった種類がありますが、殺人罪では「死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役」が科されます。

    なお、未成年のうち14歳未満の者は触法事件として少年法よりも児童福祉法が優先されるため、罪を犯した場合は児童相談所へ送致され、児童福祉法にもとづく措置がとられます。ただし殺人事件では、原則として児童相談所から家庭裁判所へ送致され、少年法にもとづき審判を受けます(少年法6条の7第1項)。

2、逮捕された未成年に対する措置と流れ

  1. (1)14歳未満の場合

    14歳未満は刑事責任能力がないとみなされるため、児童福祉法にもとづき児童相談所へ送致されます。その後、児童または保護者への訓戒や児童自立支援施設への入所、里親への委託などがおこなわれます。
    また、児童相談所の判断次第では家庭裁判所への送致がおこなわれ、裁判官による審判が開かれる可能性があります。

    なお、審判の結果、14歳未満でも特に必要と認める場合に限りおおむね12歳以上を基準に少年院へと送致されることがあるので注意が必要です。

    また、殺人行為をしても逮捕というかたちで身柄を拘束されることはありませんが、児童相談所の一時保護というかたちで自由な行動が制限される場合が多いです。

  2. (2)14歳以上の場合

    14歳以上の場合は次の流れで手続きが進められます。

    ●逮捕
    殺人事件を起こしたのが14歳以上の未成年で、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合は、成人と同じく逮捕されます。

    ●検察庁へ送致
    逮捕から48時間以内に警察官から取り調べを受け、検察庁へ送致されます。その後24時間以内に検察官から取り調べを受けます。検察官は引き続き少年の身柄を拘束して捜査する必要があると判断すると、裁判官へ勾留を請求します。

    ●勾留または観護措置
    裁判官が勾留を認めると、原則10日間、身柄を拘束されます。また、未成年は勾留に代わる観護措置がとられる場合があります。殺人事件で観護措置が決定した場合、少年鑑別所に送致されるケースが多いでしょう。

    ●家庭裁判所へ送致
    検察官は少年をどのような処分にするべきかの意見書をつけて、事件を家庭裁判所へ送致します。家庭裁判所は審判を開始するかどうかを判断します。

    ●検察へ送致(逆送)
    家庭裁判所が刑事処分にするべきと判断した場合は、検察庁へ送り返されます(逆送)。殺人事件を起こした未成年は逆送される可能性が高いでしょう。また、故意に被害者を死亡させたと判断された16歳以上の未成年は、原則として逆送されることが少年法20条2項に定められています。

    ●起訴
    検察庁に逆送された未成年は、原則として起訴されます。起訴されると、未成年も成人と同じ公開の法廷で刑事裁判を受けます。殺人事件は、無作為に抽出された一般人が裁判に参加する裁判員裁判の対象です。

    ●判決
    裁判で有罪が確定して実刑となった場合、16歳以上の者は少年刑務所へ、16歳未満の者は16歳になるまで少年院で刑の執行を受けることができます。その後、仮釈放となれば保護観察所で社会復帰のための指導・支援がおこなわれます。

    一方、刑事裁判を受けても、刑罰ではなく家庭裁判所による保護処分が相当と判断される場合もあります。この場合は家庭裁判所へ移送され、児童自立支援施設送致や第3種(旧:医療)少年院送致(心身に著しい故障のあるおおむね12歳~26歳の者を収監する少年院)などの保護処分となる可能性があるでしょう。

  3. (3)未成年の処分は慎重に判断される

    殺人罪は重い罪ですが、未成年の場合は刑罰を科されるのか、教育的観点から更生の機会をあたえられるのかが慎重に判断されます。このとき、少年の生い立ちや家庭環境などを裁判官・裁判員に的確に伝えられる弁護士の役割が重要になります。

3、未成年事件でも実名報道はあるか?

逮捕された未成年が名前を報道される可能性はあるのでしょうか。

成人が加害者の事件における実名報道については、法律で明確な基準が設けられているわけではなく、報道機関の判断に委ねられています。

犯罪の報道は公共の利益にあたると考えられているため、社会への影響が大きい事件は実名報道される傾向にあります。たとえば、あおり運転や振り込め詐欺などの社会問題となっている事件や、殺人や強盗致死などの重大事件が挙げられるでしょう。

一方、未成年が加害者の事件では、実名報道されないケースが大半です。少年法第61条で、氏名や年齢、職業など本人だと推知できるような記事、写真を新聞や出版物に掲載してはならないと定められているからです。

ただし、社会への影響が大きい重大事件で、未成年の保護よりも公共の利益を優先するべきと判断された場合などには、実名報道される可能性があります。殺人事件を起こした未成年が凶器を持ったまま逃走しているなど、緊急性や特殊性が高い場合に限られるでしょう。

4、未成年が逮捕された場合に弁護士に相談すべき理由

  1. (1)執行猶予つきの判決や殺人罪の不成立を主張

    執行猶予とは、情状によって刑の執行を一時的に猶予される制度です。執行猶予は言い渡された刑が3年以下の懲役だった場合につくため、法定刑が死刑、無期または5年以上の懲役となる殺人罪は、原則として執行猶予がつきません。

    しかし弁護士が、未成年が事件を起こした背景を丁寧に示すことで、刑が減軽されたうえで執行猶予つきの判決を得られる可能性は残されています。

    また殺人罪が成立するには、殺人の故意が必要です。殺人の故意とは、相手が死亡するとわかっているのにあえて殺人行為をすることです。故意がなかった場合は、弁護士が客観的な証拠を集め、捜査機関や裁判官に対して殺人罪が成立しない旨を主張することができます。

  2. (2)社会復帰に向けたサポート

    逮捕・勾留期間や、少年院や少年刑務所に収容される期間が長引くほど、学校や職場への社会復帰が難しくなります。退学処分や解雇されるなどして社会復帰の場が失われれば、再び非行に走り、更生への道のりが遠くなるおそれがあるでしょう。
    このような状況を回避するため、弁護士が学校や職場へ事情を説明し、復帰に向けた交渉をするなどして、更生をサポートします。

  3. (3)家族へのフォロー

    加害者の家族は裁判までの流れや、今後の対応をどうすればよいのがわからず、大きな不安を感じるものです。弁護士は家族に対し、裁判までの流れや更生に向けてどのような活動をするべきかを説明し、不安を緩和させます。

    また、家庭環境に問題を抱えている場合には、その原因や今後の対応についてアドバイスするなどし、更生につながる環境づくりをフォローします。

    以上のことから、未成年が殺人事件を起こした場合、少年の更生や家族への適切なフォローといった点からも弁護士をつける必要性が高いといえるでしょう。

5、まとめ

未成年が犯罪行為をした場合、年齢によって逮捕の有無やその後の流れが大きく変わります。殺人事件では未成年であっても逮捕・起訴され、重い刑罰を受ける場合がありますので、ご家族は早急に弁護士へ相談し、サポートを受けましょう。少年事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所が力を尽くしますので、まずはご連絡ください。

監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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