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建物内への侵入ではないのに罪になる? 住居侵入罪の構成要件について

2020年09月10日
建物内への侵入ではないのに罪になる? 住居侵入罪の構成要件について
  • 財産事件
  • 住居侵入
  • 構成要件
建物内への侵入ではないのに罪になる? 住居侵入罪の構成要件について

正当な理由がなく人の住居に侵入する犯罪を住居侵入罪といいます。一般的には家の中やマンションの一室など建物内に侵入したケースをイメージする方が多いでしょう。
しかし住居侵入罪は、建物内への立ち入りでなくても成立する場合があります。自分では犯罪だと思っていなかった行為でも逮捕される可能性がありますので、どのような行為をすると住居侵入罪が成立するのかを知っておきましょう。

本コラムでは住居侵入罪が成立するための要件について、具体的な行為内容とあわせて解説します。

1、住居侵入罪の構成要件

まずは住居侵入罪とはどのような犯罪なのか、構成要件をもとに解説します。

構成要件とは犯罪が成立するための原則的な要件をいい、法律の条文に犯罪ごとの要件が記載されています。

  1. (1)住居侵入罪が成立するための要件

    住居侵入罪は刑法第130条前段に規定された犯罪です。次の要件を満たすと成立します。

    1. ①正当な理由がないのに
    2. ②人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に
    3. ③侵入する


    ①の「正当な理由がない」は、違法にと解釈されています。

    ②の「人の住居」とは、まず他人が居住するものに限られ、食事や睡眠をとるなど日常生活をおくる場所を指します。
    「人の看守する」とは、鍵をかける、管理人をおくなどして他人が事実上、管理・支配している状態のことです。
    「邸宅」は空き家や別荘など住居用に作られたが、現在、日常の生活に使用されていない状態にあるもの、「建造物」は学校や会社、商業施設など住居、邸宅以外の建物を指します。「艦船」は軍艦や船舶のことです。

    ③の「侵入」とは住人や管理人の意思に反して立ち入る行為を指します。意思に反したかどうかは、立ち入った目的や住居の管理状況などによって判断されます。

  2. (2)住居侵入罪における住居の範囲

    ここで「人の住居」はどこまでの範囲を指すのかを確認しましょう。一軒家の中やアパートの部屋の中など住居の内部への侵入が代表的ですが、そうでなくても住居侵入罪は成立します。

    たとえば以下の場所も住居に含まれます。

    • 庭や駐車場、塀で囲まれた内側
    • ベランダ、屋上、屋根の上
    • ホテルや旅館の一室など一時的に生活する場所
  3. (3)刑罰の内容

    住居侵入罪の刑罰は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。

    有罪になれば懲役刑もあり得るわけですが、単純に住居侵入罪が成立するのみで検察官が罰金刑を求刑する場合は略式起訴となる可能性もあります。
    略式起訴とは公開による正式な裁判を請求せずに刑を言い渡す、簡略化した手続きです。罪を認めることが前提となり、罰金を支払って刑の執行が終わります。

    ただし、略式起訴が選択されるかどうかは事件の目的や悪質性によって異なりますので、必ず罰金刑となるわけではありません。

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2、他の犯罪のために侵入した結果、住居侵入罪が成立する場合もある

ある目的を達成するためにした手段としての行為が住居侵入罪にあたるケースがあります。
たとえば窃盗目的で住居に侵入して窃盗をおこなった場合、窃盗という目的を達成するための手段として住居侵入罪を犯し、さらに窃盗罪(刑法第235条)も犯していることになります。

このように2つ以上の犯罪が成立し、それぞれが手段と目的の関係になっている場合を「牽連犯(けんれんはん)」といいます。

牽連犯は、刑法第54条1項後段に「犯罪の手段もしくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する」と規定されています。つまり、2つの罪を比較して刑罰が重いほうの罪で処罰されるわけです。

上記のケースのように住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯となるときは、住居侵入罪よりも刑罰が重い窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)で処罰されます。

住居侵入罪は、他の犯罪と一緒におこなわれるケースが多い犯罪です。窃盗以外にも、盗撮目的で庭に侵入する、強姦目的で部屋に侵入するなどのケースが挙げられるでしょう。

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3、住居侵入罪が適用される行為

どのような行為をすると住居侵入罪になるのか、具体的なケースを紹介しましょう。

  1. (1)判断基準は「正当な理由」の有無

    住居侵入罪の成立を判断するときには、正当な理由があったかどうかが重要なポイントです。

    具体例として、次のケースでは正当な理由がなく侵入したため住居侵入罪が成立する可能性があります。

    • 盗撮する目的で住居の敷地内に侵入した
    • 強姦する目的でマンションの一室に侵入した
    • 干されている下着を盗む目的でベランダに侵入した
    • 刑事事件の被疑者として警察官に追われているところ、逃亡するために他人の家の庭に侵入した
    • 元恋人とヨリを戻すための話し合いと称し、元恋人宅に侵入した


    反対に次のケースは住居侵入罪に該当しません。

    • 宅配業者が住人に依頼された荷物を玄関先まで運んだ
    • 捜査機関が捜索差押許可状をもとに住居に立ち入った
    • 友人である住人に招き入れられて部屋に入った
  2. (2)立ち去るように要求されているのに居座る場合も罪になる

    住居侵入罪と同じ条文の刑法第130条の後段には、要求を受けたにもかかわらず住居などから退去しなかった者も処罰する旨が記載されています。
    不退去罪といい、刑罰は住居侵入罪と同様に「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。

    不退去罪は、もともとは適法または過失によって人の住居に立ち入り、住人などから立ち去るように要求されたのに居座った場合に適用される罪です。

    たとえば次のようなケースが該当します。

    • 友人に招き入れられて部屋に入ったが、その後友人とケンカをして「帰れ」といわれたのに帰らない
    • 訪問営業や布教活動のために玄関先まで立ち入り、住人から拒否されたのにしつこく居座り続ける


    なお、違法に人の住居に立ち入り、住人から立ち去るように要求されたにもかかわらず退去しない場合は、もともとの立ち入り行為が違法なので住居侵入罪として処罰されます。

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4、住居侵入でトラブルになった場合の対応

住居侵入行為をして被害者とトラブルになった場合の対応について解説します。

  1. (1)被害者と示談交渉

    まずは被害者へ丁寧に謝罪をし、示談交渉をおこなうことが大切です。示談は事件の当事者間で話し合いによるトラブルの解決を目指す民事手続です。

    示談が成立すると、加害者が被害者へ損害賠償金や慰謝料の支払いをおこないます。その代わり、被害届などの取り下げや「加害者を許す」という意味の文言を示談書に記載します。被害者の処罰感情が緩和された証となるため、刑事手続への良い影響が期待できるでしょう。
    逮捕・勾留を回避できる可能性や、仮に逮捕・勾留された場合でも起訴・不起訴の判断や判決の内容に影響をあたえる可能性が生じます。

    ただし、被害者は日常生活の場所である住居を違法に侵入され、非常に恐怖心を抱いているケースが多いため、加害者本人による直接の示談交渉は難しいことがあります。
    第三者の立場である弁護士を交渉の代理人とするのがよいでしょう。

  2. (2)謝罪と反省の意を示す

    住居侵入罪で逮捕されてしまい、被害者への直接の謝罪が難しい場合でも、謝罪や反省の意を示すことが重要です。謝罪文を作成する、捜査にしっかり協力するなどして示す方法があります。

    謝罪や反省の様子が検察官や裁判官に認められれば、再犯のリスクが低いとして不起訴処分となる可能性や刑が軽減される可能性が高まります。

  3. (3)弁護士に相談する

    住居侵入罪で逮捕されたら、弁護士へ相談することをおすすめします。

    弁護士は示談交渉の代理人となり逮捕を回避するよう活動するほかにも、万が一逮捕された場合の取り調べに関するアドバイスや不起訴処分、刑の軽減に向けたあらゆるサポートをおこないます。
    正当な理由があり立ち入った場合や、まったくの人違いであるのに犯行を疑われている場合にも、弁護士が証拠を集め、法的な主張をおこないます。

    逮捕されると刑事事件の経験がある弁護士を自分で探すことが難しくなるため、できるだけ早い段階で相談しましょう。

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5、まとめ

住人や管理人の許可なく人の住居に立ち入る行為はれっきとした犯罪です。住居の範囲には庭や塀の内側、ベランダなども含まれますので、「建物内ではないのだから犯罪ではない」との言い逃れはできません。
悪気なく立ち入った場合でも住人や管理人が不快に感じたのであればただちに謝罪し、状況に応じて示談交渉を試みましょう。

早い段階で適切な対応をすることが大切です。住居侵入行為をしてしまった場合は、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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