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危険運転致死傷罪の懲役は何年? 逮捕された場合の対応方法は?

2020年09月10日
危険運転致死傷罪の懲役は何年? 逮捕された場合の対応方法は?
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危険運転致死傷罪の懲役は何年? 逮捕された場合の対応方法は?

法務省が公表している検察統計調査によると、平成30年の危険運転致死傷罪に対する起訴率は78.6%でした。道路交通法違反事件の起訴率が56.9%であることと比較すると、高い水準にあることがわかるでしょう。

自動車の危険な運転によって人を死傷させてしまうと、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の「危険運転致死傷罪」によって罰せられます可能性があります。厳罰化を求める社会の声に応えたかたちで重たい刑罰が規定されており、懲役刑が科せられる可能性があります。

本コラムでは、危険運転致死傷罪に問われて逮捕された場合の対応方法や刑罰について弁護士が解説します。

1、危険運転致死傷罪に該当する行為

危険運転致死傷罪とは、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」、通称「自動車運転処罰法」に定められた犯罪です。最近ではニュースなどでもたびたび登場するため、耳にしたことのある方も多いでしょう。

まずは危険運転致死傷罪がどのような背景で制定されたのか、危険運転とみなされるのはどのような運転なのかについて解説します。

  1. (1)危険運転致死傷罪が制定された背景

    最初に「危険運転致死傷罪」という罪名が登場したのは、平成13年に行われた刑法改正が行われたころのことでした。改正以前は、交通事故により人を死傷させた場合は、刑法211条により、法定刑は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金とされており、重大な過失がある事故に対してもこの限度での刑しか科されないことから、「罰が軽い」との声が寄せられていました。

    結果、平成13年の刑法改正により、「危険運転致死傷罪」という罪名が新設され、平成17年には法定刑の上限が引き上げられ、平成26年には新設された自動車運転処罰法へと移行されたのです。

    このように、危険運転致死傷罪は、厳罰化を求める声に応じて何度も改正・新設をくり返した結果、現在のかたちにいたっており、さらに状況に応じて改正が加えられています。

  2. (2)危険運転とみなされるケース

    危険運転致死傷罪における「危険運転」とは、次のような運転行為を指します。

    • アルコールまたは薬物の影響によって正常な運転が困難な状態で運転する場合
    • 進行の制御が困難な高速度で運転する場合
    • 自動車の進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる場合
    • 人または車の進行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で運転をしている場合
    • 赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視をし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する場合
    • 通行禁止の道路を走行している場合かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転をする場合


    これらは飲酒運転や無免許運転、高速度の運転や歩行者用道路での暴走行為など、これまでに発生したさまざまな危険運転による事故を反映したかたちで規定されています。さらに令和2年7月2日からは、社会的に大きな問題となった「あおり運転」についても危険運転として処罰の対象とする内容の改正が施行されています。

    新たに加えられた危険運転の類型は次のとおりです。

    • 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る)の前方で停止しその他これに著しく接近することとなる方法で運転する行為
    • 高速道路等で自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止しその他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより走行中の車を停止または徐行させる行為


    これらの運転行為によって、相手を傷害または死亡させてしまった場合は、危険運転致死傷罪として罪に問われることがあります。

    たとえ大事故に発展しなくても道路交通法第117条の2の2第11号に規定される「妨害運転罪」に問われる可能性があることも、併せて知っておきましょう。妨害運転罪として有罪になれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、妨害運転剤に当たる行為をして、かつ、高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通上の危険を生じさせた場合には5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます(同法117条の2第6号)。

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2、法定刑は懲役刑のみ

危険運転致死傷罪は、自動車運転処罰法の第2条に規定されています。
同条では、次のとおり刑罰が規定されています。

  • 人を負傷させた場合……15年以下の懲役
  • 人を死亡させた場合……1年以上の有期懲役(上限20年)


このように、懲役刑のみが規定されており罰金刑の規定はありません。負傷程度が軽い場合は短期間の懲役刑で済まされる可能性がありますが、人を死亡させてしまった場合は最低でも1年以上の懲役刑となります。

懲役刑のみの規定であるため、有罪判決を受ければ確実に懲役刑となります。懲役刑の場合、執行猶予の要件は言い渡された判決の刑が懲役3年以下と法律で決められています。したがって、懲役3年を超える判決を受けてしまうと刑務所に収監されてしまう事態となります。

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3、危険運転致死傷罪で逮捕された場合の流れ

危険運転致死傷罪で逮捕されると、その後はどのような流れで刑事手続きを受けるのでしょうか?

  1. (1)身柄拘束の期間は最長で23日間

    逮捕されると、被疑者と呼ばれる立場として、まずは警察による取り調べを受けます。警察は48時間以内に取り調べを終え、事件記録と被疑者の身柄を検察へ送致します。送致を受けた検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内に再度取り調べを行い、勾留(こうりゅう)が必要どうかの判断を行うことになります。勾留とは、被疑者を刑事施設に拘束する処分です。一般的には、警察の留置場が代用刑事施設として、ここに拘束されます。

    逮捕から勾留の可否が決定するまでのこの期間は、自由な行動の一切が制限されるため、自宅へ帰ることも会社に出勤することもできません。

    勾留が必要だと検察が判断すると、裁判所に対して勾留請求を行います。裁判官がこれを認めると、原則として10日間、延長を受けてさらに最長10日間の合計最長20日間まで身柄拘束が続きます。

    勾留が満期を迎える日までに検察官が起訴・不起訴を判断するため、逮捕から起訴までの身柄拘束の期間は48時間+24時間+20日間=最長23日間です。ここまでで検察官が起訴すれば刑事裁判が開かれることになりますが、不起訴となれば即日で釈放となります。不起訴となったときは前科もつきません。

    他方、被疑者自身が負傷して入院しているときなど身体的理由や、証拠隠滅や逃亡を疑うに足りる相当な理由がないとき等には、勾留を受けないことがあります。これを在宅事件扱いと呼ばれますが、この場合ももちろん捜査は続きますし、要請に応じて出頭し、取り調べを受ける必要があります。在宅事件扱いになったときは、取り調べが終わり次第、起訴か不起訴かが決定することになるため、事件が集結するまでに時間がかかるケースが多いでしょう。

  2. (2)家族が本人と面会できるのは逮捕から最長で72時間後

    前述のとおり、警察に逮捕されたのちの48時間と検察官が勾留を請求するまでの24時間の最長の合計72時間は、自由な行動が制限されます。しかし、それだけでなく、知り合いや家族であっても、面会や直接連絡をとることができなくなります。身柄の拘束を受けている間、家族との面会が可能になるのは、勾留が決定したあととなります。

    また、勾留が決定しても接見禁止という面会を認めない決定が下されてしまうケースがあります。このときは、面会ができなくなります。

    逮捕直後からの勾留決定がされるまでの最長72時間において本人との面会が可能なのは弁護士だけです。弁護士であれば、原則、いつでも、何回でも自由な面会が可能となります。

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4、逮捕されたときに家族ができること

家族の誰かが危険運転致死傷罪で逮捕されてしまった場合、帰宅を待つ家族にはどのようなサポートができるのでしょうか?

  1. (1)本人と面会をする

    逮捕された本人は、何の前触れもなくいきなり社会から隔絶されて動転しています。まずは本人と面会し、精神的なサポートを心がけましょう。

    ただし、逮捕から勾留決定がされるまでは家族であっても面会は認められない点は注意が必要です。警察から連絡を受けたら、まずはどの警察署で身柄の拘束を受けているのかなどの状況を確認しておきましょう。

  2. (2)弁護士に相談

    逮捕された本人のためにできる、もっとも適切なサポートのひとつが弁護士を依頼することといえます。

    まず、弁護士に相談することによって、逮捕直後の面会を依頼できます。依頼した弁護士が面会を通じて、取り調べへの対応や今後の手続きなどについてアドバイスが可能です。さらには、勾留を回避するための弁護活動を行うこともできます。また、後述する被害者への示談交渉や、職場や学校でできるだけスムーズに社会復帰することを目指した交渉を行うことも可能です。

    早い段階で弁護士に相談すれば、それだけ多くの弁護活動を行える可能性が高いことを知っておいてください。

  3. (3)示談金や保釈金の準備

    危険運転致死傷罪では、被害者との示談が成立すれば不起訴や刑罰の減軽が期待できます。示談交渉を進めていくためには、被害者に支払うための示談金が必要になるので、家族が用意する必要があるでしょう。

    また、検察官が起訴した場合は保釈が認められることがあります。保釈金を支払えば条件付きで釈放されるため、保釈金もあらかじめ用立てておくことをおすすめします。

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5、まとめ

危険運転致死傷罪は、自動車のハンドルを握っている限り誰もが思いがけず容疑をかけられてしまう可能性がある犯罪です。あなたの家族が突然、容疑者として逮捕されてしまうおそれもあるでしょう。逮捕された本人も、残された家族も、大きな不安に押しつぶされそうになるのも当然です。

危険運転致死傷罪の容疑で家族が逮捕されてしまったら、交通事故トラブルや刑事事件に対応した経験が豊富なベリーベスト法律事務所にお任せください。直ちに弁護士が適切なサポートを提供し、不当に長い身柄拘束や重い刑罰が回避できるように力を尽くします。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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