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強制わいせつ等致死傷罪で逮捕! 執行猶予がつく可能性はあるのか

2020年09月20日
強制わいせつ等致死傷罪で逮捕! 執行猶予がつく可能性はあるのか
  • 性・風俗事件
  • 強制わいせつ等致死傷
  • 執行猶予
強制わいせつ等致死傷罪で逮捕! 執行猶予がつく可能性はあるのか

同意なくわいせつ行為をし、結果として人を死傷させると、強制わいせつ等致死傷罪に問われます。

平成30年9月には、男が帰宅途中の女性を脅迫して公園に連れ込んだうえでわいせつな行為におよび、逃げる女性を突き倒してケガを負わせる、強制わいせつ等致傷事件がありました。男は別の事件で起訴されていましたが、令和2年には上記の事件で再逮捕されています。

強制わいせつ等致死傷罪は性犯罪の中でもとりわけ重大な犯罪に分類されますが、どのような場合に成立するのでしょうか。また判決に執行猶予がつくことはあるのでしょうか。罪に問われた場合の対応とあわせて解説します。

1、強制わいせつ等致死傷罪の定義とポイント

まず、強制わいせつ等致死傷罪の定義とともに、その内容を詳しく確認していきましょう。

  1. (1)強制わいせつ等致死傷罪とは

    強制わいせつ等致死傷罪は、刑法第181条1項に規定された罪です。強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪・監護者わいせつ罪のいずれか、またはその未遂罪を犯し、その行為によって被害者を死亡もしくは負傷させた場合に成立します。

    • 強制わいせつ罪……13歳以上の者に暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をする、もしくは13歳未満の者にわいせつ行為をする犯罪(刑法第176条)
    • 準強制わいせつ罪……人の心神喪失や抗拒不能に乗じ、またはその状態にさせてわいせつな行為をする犯罪(刑法第178条1項)
    • 監護者わいせつ罪……18歳未満の者に対し、現に監護者であることの影響力を行使してわいせつな行為をする犯罪(刑法第179条1項)


    強制わいせつ等致死傷罪の刑罰は「無期または3年以上の懲役」です。

  2. (2)わいせつな行為とは

    わいせつな行為とは人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為のことです。具体的には、胸を揉む、下着を脱がせる、自己の陰部を押し当てるなどの行為が該当します。

    わいせつな行為にとどまらず、性交または口腔性交、肛門性交をして死傷させた場合は、強制性交等致死傷罪に該当します。刑罰は「無期または6年以上の懲役」と、強制わいせつ等致死傷罪よりも重くなります。

  3. (3)被害者が13歳未満の場合

    日本の性交同意年齢は13歳とされています。そのため、13歳未満の者に対する強制わいせつ罪の成立については、被害者の同意の有無や加害者による暴行・脅迫の有無は関係ありません。そのため、13歳未満の児童に対し、わいせつな行為をすると強制わいせつ罪に問われることになります。

    したがって、被害者が13歳未満だった場合、被害者の同意があったとしても行為におよび死傷させてしまうと、強制わいせつ等致死傷罪が成立します。

    なお、監護者わいせつ罪の成立にも、暴行・脅迫の有無は要件とされていません。監護者が18歳未満の子どもに対しわいせつ行為をした場合、監護者わいせつ罪が成立し、死傷結果が生じれば、監護者わいせつ致死傷罪が成立することになります。

  4. (4)未遂の場合

    わいせつな行為をしようとしたが未遂に終わった場合でも、結果として被害者を死傷させれば、強制わいせつ致死傷罪が成立し、法定刑は「無期または3年以上の懲役」となります。

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2、執行猶予がつく可能性はあるのか

執行猶予とは、刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再び罪を犯さなければ刑の効力が失われる制度です。起訴され有罪になっても、執行猶予がつくと社会生活の中で更生を目指すことができます。

ただ前提として、執行猶予付きの判決を得るためには、以下の条件を満たしている必要があります(刑法第25条)。

  • 3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金を言い渡されること
  • 以前に、禁錮以上の刑に処されたことがないこと
  • 以前に、禁錮以上の刑に処されたことがあっても、その執行を終わった日、またはその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと


強制わいせつ等致死傷罪の刑罰は無期または3年以上の懲役であるため、3年の懲役刑、もしくは情状酌量等による減軽により3年以下の懲役を言い渡されなければ、執行猶予の対象とはなりません。

強制わいせつ等致死傷事件は裁判員裁判の対象となるため、量刑を決めるのは裁判官と裁判員です。量刑判断では、次のような点が考慮されます。

  • 犯行様態の悪質性
  • 結果の重大性
  • 犯行の動機や計画性の有無
  • 反省や謝罪の意思
  • 被害弁償や示談の有無
  • 前科前歴の有無


たとえば被害者が亡くなっている場合や凶器を使って脅したなど悪質な場合には量刑が重く傾くでしょう。一方で、ケガの程度が軽く、被害者が示談に応じて宥恕(ゆうじょ)意思も示している場合には、量刑が軽くなり、執行猶予がつく可能性もあります。

もっとも、強制わいせつ等致死傷は性犯罪の中でも大変重い罪であり、確実に執行猶予がつくとは言い切れません。

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3、ケガの判断はどのように行われるのか

強制わいせつ「致傷」について、何をもって人を負傷させたといえるのでしょうか。

  1. (1)わいせつ行為によるものではないケガも対象

    わいせつ行為とケガの間には因果関係が必要ですが、必ずしもわいせつ行為自体によって与えたケガである必要はありません。

    たとえば被害者が逃げる際にケガをしたケースでは、わいせつ行為とケガの間に因果関係が認められます。そもそもわいせつ行為をしなければ、被害者が逃げる必要はなく、ケガをすることもなかったと考えられるからです。

    ほかにも、わいせつ行為の手段としての暴行によってケガをさせた場合や、現場から逃走するために被害者に暴行を加えてケガをさせた場合などもわいせつ行為とケガの間に因果関係が認められることになります。

    また、ケガの程度は関係ないので、仮に小さな擦り傷であっても強制わいせつ等致傷罪が成立します。

  2. (2)ケガをさせる故意がなくても罪になる

    ケガをするとは思わなかった場合や、ケガをさせるつもりはなかった場合であっても、強制わいせつ行為の故意があったのなら、強制わいせつ等致傷罪が成立します。

  3. (3)精神的な障害も対象

    「致傷」の範囲として、骨折や打撲、切り傷などだけを指すのではなく、精神的な障害も含むと解されています。
    たとえば被害者が事件の後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)やパニック障害などの精神的な障害を発症した場合などです。わいせつ行為と症状に因果関係が認められれば、強制わいせつ等致傷罪が成立する可能性があります。

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4、弁護士に依頼すべき理由

逮捕されたら、速やかに弁護士へ依頼することが大切です。弁護士はさまざまな活動を通して刑の軽減を求めます。

強制わいせつ等致死傷罪では示談が重要な意味をもちます。真摯な謝罪と被害弁済によって示談が成立すると、一定の被害回復が図られたと評価され、刑が減軽される可能性が生じるのです。

しかし事件の性質上、被害者や被害者家族の処罰感情は高く、被疑者による直接の交渉や謝罪は困難でしょう。被害者や被害者家族の精神面へ配慮した繊細な交渉が必要なので、弁護士を介して示談交渉を進めるケースが大半です。

示談が成立しなかった場合でも、被害者や遺族に対して謝罪文を送るなどして、謝罪の意思を示し続けます。同時に、深い反省や謝罪の意思がある点や、初犯の場合には初犯であること、更生の可能性が高い点、家族による監督が期待できるなど有利となる事情を検察官や裁判官に主張します。

また、13歳以上の相手へのわいせつ行為に関して、合意の有無について、被害者が虚偽の事実を述べることにより、両者の主張に相違が生じるといったことも考えられます。この場合は、早期に弁護士が介入し、新たな証拠収集や調査を通じて事実の確認を行います。不利な供述調書をとられないように取り調べのアドバイスをし、被害者の供述の矛盾点を示すなどの活動もします。

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5、再発防止に向け加害者にできること

事件を起こしてしまった場合は処罰を受けるだけでなく、再発防止に努めることも加害者の責務でしょう。

方法としては、更生プログラムへの参加が挙げられます。刑務所に収監された人向けのプログラムもありますが、裁判の判決がでる前に受けることで、反省の意思があり、再犯のおそれが低いと判断され、刑が減軽される可能性が生じます。

具体的な内容は実施されるプログラムによって異なりますが、たとえば心理カウンセリングやグループワーク、認知行動療法などのアプローチによって自己の性志向や犯した罪と向き合うことになります。あわせて、生活習慣を安定させる、飲酒をやめるなどの行動によって性衝動が起こらない環境をつくることも大切です。

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6、まとめ

強制わいせつ等致死傷は被害者の性的自由を侵害し、加えて死傷という重大な結果を生じさせる犯罪です。「合意があったと思った」などの主張が通用せず、重い処分を受ける可能性があるでしょう。社会からの厳しい視線が注がれることも覚悟しなければなりません。
強制わいせつ等致死傷事件を起こし、被害者へ謝罪したい場合や処分の軽減を望む場合には弁護士の介入が不可欠です。

刑事弁護の実績が豊富なベリーベスト法律事務所がサポートしますので、まずはご連絡ください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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