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誹謗中傷を理由に名誉毀損で訴えられた! 過失傷害に該当する可能性は?

2020年12月15日
誹謗中傷を理由に名誉毀損で訴えられた! 過失傷害に該当する可能性は?
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誹謗中傷を理由に名誉毀損で訴えられた! 過失傷害に該当する可能性は?

自分の行動が意図していない結果を引き起こしてしまい、他人にケガを与えてしまうことがあります。
同じように、インターネット掲示板サイトやSNSでも、自分では悪意もなく投稿したつもりが他人を傷つけてしまい、心身を病んでしまった相手が健康被害を引き起こしてしまうケースも考えられるでしょう。
たとえ過失であっても相手がケガをすれば「過失傷害罪」が成立しますが、では過失によって他人の名誉を傷つけてしまった場合でも「過失傷害罪」が成立するのでしょうか?

本コラムでは、自分の行動が意図せず他人の名誉を傷つけてしまい、さらに被害者が健康被害を訴えた場合に刑法の「過失傷害罪」が成立するのかを、名誉毀損罪との関係から詳しくみていきます。

1、名誉毀損とはどのような犯罪?

名誉毀損とはどのような犯罪なのでしょうか?まずは名誉毀損罪について解説します。

  1. (1)名誉毀損罪とは

    名誉毀損罪とは、刑法第230条に規定されている犯罪です。公然と事実を摘示して、人の名誉を毀損した場合に成立します。

    「公然と」とは、不特定または多数の人が認識し得る状態を指します。伝播する可能性があれば足りるため、実際に不特定多数の人に知れ渡る必要はありません。インターネット掲示板やSNSといった場は不特定多数が閲覧可能であるため、公然性は十分に認められます。

    「事実の摘示」にいう「事実」とは「真実」という意味ではありません。内容の真偽は問わず、社会的評価を害する具体的な事実であれば足りるとされています。根も葉もない誹謗中傷はもちろん、たとえ真実であっても公表されると社会的評価が貶められるものであれば「事実の摘示」はあったものと考えられます。

    「名誉の毀損」とは、社会的評価が害されることを指しています。対象者の名誉心や自尊心が傷つけられたという意味ではなく、あくまでも社会的評価が害される危険のあることという意味です。

  2. (2)名誉毀損罪の罰則

    名誉毀損罪の罰則は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です。

    懲役の上限年数や罰金刑が設けられている点に注目すれば、比較的に刑罰の軽い犯罪のように感じるかもしれませんが、実刑判決を受けたケースもあります。
    たとえば、定期刊行誌の発行責任者が、自治体が運営するイベントを取り仕切っていた第三セクター及びその職員を誹謗中傷する記事を掲載した事件では、懲役1年2か月の実刑判決が下されています。
    【平成19(わ)1048 平成21年3月17日 札幌地方裁判所】

    また、名誉毀損罪が成立する場合、刑罰だけでなく相手から慰謝料として損害賠償請求を受ける可能性もあります。

  3. (3)侮辱罪との違い

    名誉毀損罪と類似した犯罪に「侮辱罪」があります。侮辱罪は刑法第231条に規定された犯罪で「公然と人を侮辱すること」で成立します。

    両者の違いは「名誉を毀損する」行為と「人を侮辱する」行為に注目すれば明らかです。名誉毀損罪は、人の社会的評価を害する具体的な事実について公然と摘示することで成立します。一方で、侮辱罪は事実の摘示に至らない侮辱のみで成立します。

    ここでいう「侮辱」とは、他人の人格を蔑視する価値判断を表示することを意味しており、社会的評価を害するまでには至りません。
    たとえば「あの人はバカだ」という発言は、他人の人格を蔑視するにとどまり、具体的な事実を適示したわけでもないので、名誉毀損罪ではなく侮辱罪に該当しうると考えられます。

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2、過失傷害罪とは?

「過失傷害罪」とはどのような犯罪なのでしょうか?

  1. (1)過失傷害罪とは

    過失傷害罪は刑法第209条1項に定められています。処罰の要件は「過失により人を傷害した者」です。

    本来、他人にケガをさせる「傷害罪」は故意による犯罪であり、ケガをさせる意思がなくても暴行の意思があれば故意が成立します。ところが、他人にケガをさせてしまうケースのなかには、暴行の意思が存在しないケースも少なくありません。
    たとえば、よそ見をしていて通行人とぶつかってしまい、相手が転倒してケガをした場合は暴行の意思がなくても「相手がケガをした」という結果が発生しています。
    暴行・傷害の故意がなくても、他人に傷害の結果をもたらしたという点を厳しく罰するために、過失傷害罪が規定されているのです。

    なお、過失傷害罪も名誉毀損罪と同じく、検察官が起訴するためには被害者の告訴が必要な「親告罪」と規定されています。

  2. (2)過失傷害罪の罰則

    過失傷害罪の罰則は「30万円以下の罰金または科料」と定められています。科料とは、1万円未満の金銭徴収の刑で、わが国の法制度においてもっとも軽い刑罰です。

    傷害罪の罰則が「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」であることと比べると、故意・過失の違いがあるだけで刑罰の重さに大きな差があります。

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3、過失傷害罪が適用されるのはどんなとき?

傷害罪と過失傷害罪は「故意」によるものなのか、あるいは「過失」によるものなのかによって区別されます。

  1. (1)「過失」による傷害であること

    「過失」とは、ある結果を認識・予見できたにもかかわらず注意を怠った、あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず回避行為を怠ったことを意味します。
    先に挙げた「通行人にぶつかって転倒させてケガを負わせた」という事例に照らすと、わざと通行人に体当たりをした場合は故意が認められて傷害罪に問われるのは当然でしょう。
    一方で、多数の通行人が行き交っている状況でよそ見をしていてほかの通行人にぶつかったケースでは、暴行の故意はなくとも「注意を怠った」とみなされて過失傷害罪が成立します。

  2. (2)誹謗中傷が傷害罪・過失傷害罪に該当することはあるのか

    一般的に傷害は「暴行」の結果として生じるものです。ところが、過去の判例をみると暴行によらない無形力を用いた傷害も肯定された事例があります。
    たとえば、嫌がらせ電話をかけ続けて精神を衰弱させる行為は、暴行という有形力の行使なしでも傷害罪の成立が認められています。
    すると、誹謗中傷によって相手の精神的な健康を害してしまえば傷害罪に、相手が気に病むとまでは予見していなかった場合には過失傷害罪に問われるのではないかという疑問が生じます。

    嫌がらせ電話の例に照らすと、執拗に誹謗中傷を繰り返す行為があれば傷害罪が成立する余地はあるかもしれません。とはいえ、傷害の原因を誹謗中傷などの無形力とするには、因果関係の立証において高いハードルがあります。
    数回程度の誹謗中傷を原因として健康被害が発生したと主張しても、傷害罪や過失傷害罪が成立する可能性は低いものと考えられます。

    ただし、誹謗中傷にあたる行為があれば、傷害罪・過失傷害罪が成立しなくても名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性は高いので「罪に問われる心配はない」と考えるべきではありません。

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4、訴えられてしまった場合、弁護士に相談すべき理由

誹謗中傷にあたる行為があり、名誉毀損などで訴えられた場合は、ただちに弁護士に相談してサポートを依頼しましょう。

  1. (1)被害者との示談交渉を一任できる

    誹謗中傷トラブルを解決する最善の方法は被害者との「示談」です。ただし、誹謗中傷の被害者は、加害者に対して強い怒りや嫌悪感をもっている可能性が高く、当事者間での示談交渉は難航しがちです。「示談には一切応じない」と頑なに拒絶する被害者も少なくありません。

    弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉のすべてを一任できます。示談交渉を拒否する被害者でも、弁護士が相手であれば警戒心が和らぎ、示談交渉に応じてくれる可能性があります。

  2. (2)示談が成立すれば刑罰を回避できる

    名誉毀損罪や侮辱罪、過失傷害罪は「親告罪」です。親告罪と規定されている犯罪は、被害者の告訴がない限り検察官が起訴できません。示談が成立し、被害者の宥恕(ゆうじょ:寛大な心で許すこと)が得られて告訴が取り下げられると、検察官が起訴できなくなります。

    検察官が不起訴処分を下せば刑事裁判が開かれないので、刑罰が科せられることも、前科がついてしまうこともありません。

  3. (3)損害賠償の負担が軽減できる可能性がある

    名誉毀損・過失傷害事件における示談では、被害者との和解に向けて慰謝料や治療費などの損害賠償責任を果たす必要があります。被害者のなかには、被害を受けたことを逆手にとって多額の賠償を求める人も少なからず存在しています。
    数多くの刑事事件について解決実績をもつ弁護士なら、事件の内容や発生した被害の程度に応じた適切な賠償額による示談成立が期待できるでしょう。無用に重たい負担を強いられる事態を回避するには、弁護士のサポートが必須です。

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5、まとめ

自分自身に悪意や敵意がなかったとしても、意図せず他人を傷つけてしまうことがあります。誹謗中傷を原因に名誉毀損罪などで訴えられてしまった場合は、被害者との示談交渉によって不起訴処分や刑の減軽を目指すのが賢明でしょう。

誹謗中傷を原因として刑事事件に発展してしまったら、ただちにベリーベスト法律事務所へご相談ください。刑事事件の解決実績を豊富にもつ弁護士が、不起訴処分や刑の減軽などの獲得を目指して全力でサポートします。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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