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逮捕された家族が略式起訴に! 前科はつく? 略式手続の流れは?

2021年01月14日
逮捕された家族が略式起訴に! 前科はつく? 略式手続の流れは?
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逮捕された家族が略式起訴に! 前科はつく? 略式手続の流れは?

刑事事件を起こして警察に逮捕されると、法律で定められた期限の範囲内で身柄拘束を受けます。
身柄拘束が認められる期限が到来するまでに、検察官が起訴または不起訴を判断することになり、起訴された場合は保釈されない限り身柄拘束が続き、刑事裁判に移行するというのが一般的な刑事事件の流れです。
一方で、一定の条件を満たす場合は「略式起訴」という手続きが採用されることがあります。略式起訴となった場合は早期釈放が期待できますが、その点にばかり注目して「略式起訴にしてほしい」と望むのは必ずしも良い判断だとは言えません。

このコラムでは、刑事手続きのひとつである「略式起訴」について、通常の起訴との違いや条件について解説します。安易に略式起訴を受け入れるべきではない理由もあわせて解説します。

1、略式起訴とは

「略式起訴」とは、その名のとおり、通常の「起訴」を簡略化した手続きです。このように説明すると、ほとんどの方が「略式にしてほしい」と望むでしょう。しかし、略式起訴が採用されるには一定の条件があります。

  1. (1)略式起訴とは

    略式起訴とは、正式な刑事裁判をとるのではなく簡略した形で進められる刑事手続きのひとつです。全体としては「略式手続」と呼ばれ、そのなかで行われる検察官による起訴を「略式起訴」と言います。

    略式手続がとられると、正式な刑事裁判は開かれません。公開の法廷で裁判官によって審理されるのではなく、書面上の審理のみで刑事罰が下されます。これを「略式命令」と言います。

  2. (2)略式起訴の条件

    略式起訴が採用されるのは、次の条件を満たす場合に限られます。

    • 簡易裁判所が管轄する事案が明白で簡易な事件である
    • 量刑が100万円以下の罰金または科料である
    • 被疑者が略式手続に同意している


    簡易裁判所は、原則として禁錮以上の刑を科すことができません。そのため、簡易裁判所には、罰金以下の刑にあたる罪や窃盗・横領といった比較的に軽微な罪の事件について第一審の裁判権が与えられています。略式起訴は、これら簡易裁判所が管轄できる事件のみが対象です。

    「量刑が100万円以下の罰金または科料」とは、実際に下されることになる刑罰が100万円以下の金銭徴収の刑であるという意味です。
    刑法などの処罰法令で定める「◯年以下の懲役または◯◯万円以下の罰金」という決まりは「法定刑」と言い、量刑とは異なります。

    さらに、略式起訴は「被疑者の同意」がない限り採用できません。
    なぜなら、すべての国民は、日本国憲法第31条および32条の規定により、法律の定める手続きによらない限り刑罰を科せられず、裁判によって公平に審理を受ける権利があるからです。
    つまり、略式起訴が採用されるためには、犯罪の事実に争いがなく、被疑者が罰金・科料の刑を受け入れる意思を示していることが重大な条件となります。

  3. (3)罰金が支払えない場合は?

    略式起訴を受けた場合は、直ちに罰金・科料の刑が科せられます。

    刑法第18条の規定により、罰金が支払えない場合は1日以上2年以下、科料が支払えない場合は1日以上30日以下の期間、労役場に留置されます。
    特に法律で規定されているわけではありませんが、現在は裁判所の多くが労役場での作業1日を5000円と換算しています。つまり、罰金10万円であれば、20日間留置されることになると考えられます。

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2、逮捕から略式起訴までの流れ

刑事事件を起こして逮捕されてから、略式起訴に至るまでの流れをみていきましょう。

  1. (1)逮捕・勾留

    刑事事件を起こし、逃亡・証拠隠滅のおそれがあると認められた場合は、逮捕によって身柄を拘束されます。逮捕後は警察による取り調べを受けたのち、48時間以内に検察官へと送致されます。
    送致を受けた検察官は、さらに取り調べをしたうえで逮捕から72時間以内に勾留請求を行うか判断します。さらなる捜査が必要なため勾留が必要だと判断した場合、検察官は裁判官に対して身柄拘束の延長を求めます。
    この手続きを勾留請求と言い、勾留が認められた場合は原則10日、延長によって最長20日間まで身柄拘束が続きます。

  2. (2)起訴・不起訴の判断

    勾留の期限が満期を迎える日までに、検察官は起訴・不起訴を判断します。検察官が「刑罰に問うべき」と判断すれば起訴されますが、刑事裁判を開く必要はないと判断された場合は釈放されるというのが一般的な流れです。

  3. (3)略式手続の開始

    検察官が起訴すれば刑事裁判に移行します。
    ただし、被疑者が素直に罪を認めており犯罪事実に争いがなく、略式起訴による罰金刑を受け入れる意思を示しているといった条件を満たしていれば、検察官は起訴と同時に略式手続を開始します。

    なお、ここまでの流れは「逮捕された場合」を想定していますが、身柄拘束を受けない在宅事件であっても略式起訴をされる可能性があります。
    在宅事件の場合は送致・勾留の期限に縛られず、書類送検を受けた時点から検察官が起訴・不起訴を判断し、取り調べなどの結果から略式起訴が選択されることになります。

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3、略式起訴で前科はつく?

略式起訴は、煩雑な刑事手続きを簡略化し、迅速に事件を終結させるための制度です。加害者にとっては、刑事裁判や被告人としての勾留による負担が軽減され、社会復帰を早めるという利点がありますが、決して良いことばかりではありません。
略式起訴を受け入れた場合は、確実に「前科」がつくことになります。

  1. (1)「前科」とは

    前科とは、刑事裁判で有罪判決が言い渡された事実を言います。前科がついてしまうと、一定の職種・資格への制限がかかるほか、実名報道などによって社会復帰が難しくなるおそれもあります。

    前科がついてしまうのは、刑事裁判で有罪判決を受けた場合に限られます。たとえ警察に逮捕されても、また書類送検されたとしても、有罪判決が下されない限り前科はつきません。

  2. (2)略式起訴を受け入れれば確実に前科がつく

    検察官が略式起訴をするには、被疑者が略式手続に同意しており、罰金・科料の刑を受け入れる意思を示している必要があります。つまり、略式起訴を受けると刑事裁判で審理されることなく罰金・科料の刑罰が科せられるので、確実に前科がついてしまいます。

    早期の身柄釈放や刑事裁判による負担を軽減できても、前科がついてしまうことのほうが大きな不利益を被ると考えるなら、略式起訴を受け入れるべきではありません。

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4、弁護士へ相談するべき理由

逮捕されてしまい、検察官から略式起訴に向けた打診を受けているのであれば、直ちに弁護士へ相談することをおすすめします。

  1. (1)略式起訴に応じるべきかを判断できる

    弁護士に相談することで、略式起訴に応じるべきかについて適切なアドバイスが得られます。状況によっては、検察官からの打診に応えて略式起訴を受け入れることが最良の選択になることもあります。
    しかし、やむを得ず犯行におよんだなどのくむべき事情がある場合など、正式な刑事裁判で争うべきケースも少なからず存在します。最善の選択をするためにも、弁護士への相談は必須と言えるでしょう。

  2. (2)不起訴処分の獲得に向けたサポートが期待できる

    既に述べたとおり、略式起訴を受け入れた場合は、確実に前科がついてしまいます。しかし、略式起訴を受けいれなければ、起訴されて刑事裁判にかけられることになります。そうすると起訴されないこと、つまり不起訴を獲得することが非常に重要になると言えます。

    被害者がいる事件において不起訴を獲得するために重要であるのは、示談を成立させることでしょう。弁護士に依頼すれば、不起訴処分の獲得を目指して、被害者との示談交渉を進めてもらうことができます。
    また、示談交渉だけではなく、捜査機関への働きかけを行うなど、不起訴獲得に向けたさまざまな弁護活動が期待できます。

  3. (3)刑事裁判で争うためのサポートも依頼できる

    略式起訴を拒んで正式な刑事裁判で事実を争う姿勢があるなら、検察官の主張を退けるために有効な証拠収集が必須です。弁護士は、無罪判決・執行猶予・刑の減軽などの有利な結果を得るために必要な証拠の収集などを行い、最後まで徹底的なサポートを行います。

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5、まとめ

略式起訴は、正式な刑事裁判における審理を経ることなく迅速に事件を終結できるという意味では、加害者にとっても有利な制度と言えます。ただし、確実に罰金・科料の刑が科せられて前科がついてしまうので、同意するには慎重な判断が必要です。
刑事事件を起こしてしまい、検察官から略式起訴について打診を受けているのであれば、刑事事件の解決実績を豊富にもつベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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