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家族が出し子の現行犯で逮捕! 逮捕後の流れや早期解決のための対応方法を解説

2020年12月28日
家族が出し子の現行犯で逮捕! 逮捕後の流れや早期解決のための対応方法を解説
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家族が出し子の現行犯で逮捕! 逮捕後の流れや早期解決のための対応方法を解説

警察庁が公開している「令和元年における特殊詐欺認知・検挙状況等について」によると、振り込め詐欺をはじめとした特殊詐欺の認知件数は前年比でマイナス993件、被害金額もマイナス67億円となりました。
特殊詐欺の抑止対策が功を奏した結果となりましたが、依然として1日あたり約8650万円という膨大な被害が発生している現状は見過ごせません。

近年における特殊詐欺には「未成年者が詐欺グループに巻き込まれる」という特徴があります。令和元年中では619人の少年が被疑者として検挙されており、受け子・出し子といったハイリスクな役回りを押し付けられている状況がうかがえます。

このコラムでは、未成年の子どもが特殊詐欺の「出し子」として検挙されてしまった場合に家族としてとるべき行動を解説します。

1、振り込め詐欺の出し子として問われる可能性のある刑罰とは?

「振り込め詐欺」とは、電話やメールなど非対面の方法で被害者と接触し、家族や知人のトラブルを装って口座にお金を振り込ませるオレオレ詐欺などの総称です。振り込め詐欺はその多くがグループで犯行におよび、役割に応じて複数人が実行犯として処罰を受ける対象となります。
振り込め詐欺における役割の種類とそれぞれに科せられる刑罰をみていきましょう。

  1. (1)振り込め詐欺の役割と科せられる刑罰

    振り込め詐欺には、次のような役割が存在します。

    ●架け子(かけこ)※「掛け子」と表記されることもあります。
    虚偽の話をもちかけて電話をする役割です。

    ●受け子(うけこ)
    被害者のもとへ出向いて現金やキャッシュカードを受け取る役割です。被害者に看破されてしまったり、警察の「だまされたふり作戦」の矢面にたってしまったりするため逮捕のリスクは高く、未成年者などが割のいいアルバイトだなどとそそのかされて関与させられるケースが目立ちます。

    ●出し子(だしこ)
    ATMに出向きキャッシュカードを使って現金を引き出す役割です。防犯カメラなどに確実に姿が記録されてしまうため、犯行グループの中心に近い人物が出し子をすることはまずありません。受け子と同様に逮捕のリスクが高く、未成年者が巻き込まれやすい役割といえます。

    このほか、犯行を取り仕切る首魁(しゅかい)、犯行ツールを用意する口座屋・名簿屋・レンタル携帯会社・私書箱業者なども関係しますが、実行犯は架け子・受け子・出し子の三つです。
    これら三つの役割は、それぞれ次の犯罪に該当します。

    • 架け子:詐欺罪
    • 受け子:詐欺罪または窃盗罪
    • 出し子:窃盗罪


    詐欺罪に問われた場合は10年以下の懲役、窃盗罪では10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます

  2. (2)窃盗罪の成立要件

    窃盗罪は刑法第235条に規定されています。「他人の財物を窃取すること」で成立する犯罪ですが、振り込め詐欺では「盗む」という行為がないかのように感じられるかもしれません。

    振り込め詐欺における一連の手口のなかで窃盗罪が適用される主な対象は出し子です。出し子が窃盗罪に問われるのは、正当な権利なく銀行の占有下にある口座から現金を引き出すからです。不正に口座から現金を引き出す手口は「払い出し盗」と呼ばれ、金融機関を被害者とする窃盗罪が成立します。

  3. (3)窃盗罪の処分が決まる基準

    窃盗罪に問われると、10年以下の懲役または50万円以下の罰金という法定刑の範囲内で処分が決定します。どの程度の処分になるのかは主に次のような要素が基準となるでしょう。

    • 犯行の悪質性・計画性
    • 被害額
    • 本人の前科前歴・生活状況・性格
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2、出し子で現行犯逮捕されるケースとは

出し子は個人を特定されやすいため警察に逮捕されやすい役回りです。全国の警察は振り込め詐欺が発生した場合に迅速な初動捜査をおこなっているため、現行犯逮捕されてしまうケースもめずらしくありません。

  1. (1)現行犯逮捕される例

    出し子が現行犯逮捕されるのは、被害者が振り込んだ現金をATMから引き出したところを捜査員などに確保された場合です。実は、全国の警察は振り込め詐欺が発生した場合に、金融機関と連携していち早く「どこのATMで現金が引き出されたのか」を特定しています

    振り込め詐欺が発生し、まだ現金が引き出されていないタイミングであれば、市中に配置された捜査員が銀行・コンビニエンスストアなどのATMを警戒しており、被害金が引き出されたという連絡を受けた捜査員が現場に急行することで現行犯逮捕されてしまいます。

  2. (2)通常逮捕されるケースもある

    ATMから現金を引き出した時点で現行犯逮捕されなくても、犯行の後日に逮捕状に基づいて通常逮捕されるおそれがあります
    「ATMでお金を引き出したくらいでは個人を特定されない」などと考えてはいけません。警察は、次のような証拠に基づいて出し子を特定し、逮捕します。

    • 店内・店外に設置された防犯カメラの映像
    • ATMに内蔵されているCCDカメラの画像
    • 前後の取引やコンビニ内での買い物の状況からの各種照会
    • 受け子などほかに逮捕された被疑者による供述
  3. (3)現行犯逮捕と通常逮捕の違い

    現行犯逮捕は、犯行のそのとき、その場所で身柄を確保される逮捕です。逮捕状を必要とせず、また、捜査権をもたない一般人であっても可能という特徴があります(刑事訴訟法第213条)。
    一方の通常逮捕は、捜査で得られた証拠によって容疑が固まった場合に裁判官が発付する「逮捕状」に基づく逮捕です(刑事訴訟法第199条)。

    現行犯逮捕と通常逮捕は、逮捕の方法に違いがあるだけで、その後の刑事手続きの流れに差はありません。どちらが有利でも不利でもないので、いずれにしても素早いアクションが必要です。

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3、未成年が出し子として逮捕された場合の流れ

振り込め詐欺の出し子は窃盗罪として最長10年・最高50万円の刑罰を受ける可能性がありますが、未成年の子どもが出し子として逮捕されてしまった場合も厳しい刑罰が科せられるのかというとそうではありません。成人と未成年の少年では手続きの流れが異なります。

  1. (1)逮捕から送致まで

    刑事事件の被疑者として逮捕されると、警察の取り調べが実施され48時間以内に検察官へと送致されます。
    送致を受けた検察官は、さらに取り調べを実施したうえで24時間以内に起訴・不起訴の判断を下しますが、この段階では捜査が尽くされていないため判断材料が足りず、検察官は、裁判官に対して身柄拘束の延長を求める「勾留」を請求するという場合が多く見受けられます。勾留が認められると、原則10日間、延長によって最長20日間の身柄拘束が続きます

    未成年の少年であっても成人と同じように逮捕・送致されたうえで身柄拘束を受けます。
    少年の場合、勾留の要件が厳格になり「やむを得ない」場合でないと勾留することはできず、また、勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容されるということも少年法が認めているところですが、多くのケースでは勾留が認められ、警察署に留置されているのが現状です。

  2. (2)家庭裁判所への送致

    成人事件では、捜査が終了すると検察官が起訴・不起訴を判断します。一方、少年事件では検察官が判断を下すのではなく、捜査が終了した段階でさらにすべての事件が家庭裁判所に送致され、処遇が検討されます。これを全件送致主義と言います。
    これは、少年が精神的に未発達であることを考慮して、少年事件の専門家である家庭裁判所に適切な処遇を決定してもらうための措置です。

  3. (3)少年審判

    家庭裁判所は、検察官から引き継がれた事件書類をもとに「少年審判」の要否を検討します。少年審判は、成人事件の刑事裁判と同じ位置づけだと考えればよいでしょう。

    審判の必要があると判断されれば、非公開の少年審判が開かれたうえで、本人が更生するためにもっとも適した保護処分が下されます。保護処分には、一般社会と隔離して施設内で更生を目指す少年院送致や、社会生活を送りながら家庭での更生を目指す保護観察などがあります
    審判の必要がないと判断された場合は審判不開始となり事件が終了します。

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4、未成年の家族が出し子で逮捕された場合の弁護活動

未成年の家族が振り込め詐欺の出し子として逮捕されてしまった場合は、ただちに弁護士に相談して適切なサポートを受けましょう。

  1. (1)接見による取り調べへのアドバイス

    警察に逮捕されると、勾留が決定されるまでの72時間は家族であっても面会が認められません。精神的に未成熟な未成年の子どもであれば、逮捕されたという重圧に耐えられず、取り調べをする警察官に迎合してしまったり、不利な供述をしてしまったりするおそれがあります。
    弁護士は逮捕後72時間以内であっても逮捕された被疑者と接見できるので、取り調べに際しての具体的なアドバイスを与えることが可能です。

  2. (2)被害者との示談交渉

    弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉を進めることができます。少年事件の場合、たとえ被害者が被害届や告訴を取り下げたとしてもすべての事件が家庭裁判所に送致される全件送致主義が採用されているため、示談が成立しても成人事件のように不起訴処分や執行猶予の獲得は望めません
    特に、振り込め詐欺のような社会的に重い責任を負う事件に関与してしまった場合は、更生を目指すために少年審判が開かれる可能性は高いでしょう。
    ただし、被害者からの許しを得ている事実や、被害者への謝罪を通じて本人が深く反省する機会を得たことは、処分の軽重に大きな影響を与えます。示談交渉を進めることで、無用に重たい処分を下されてしまう事態の回避が期待できます。

  3. (3)付添人としてのサポート

    少年審判において弁護士は、成人の刑事事件における「弁護人」のような役割として、「付添人」としての参加が認められています。未成年の子どもは、自分が考えていることや感じていることを率直に表現する能力に乏しく、不利な言動をしてしまうケースもめずらしくないので、弁護士の付添人によるサポートは必須です

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5、まとめ

振り込め詐欺を中心とした特殊詐欺は、被害の悪質性や規模が重大であるため、出し子のように直接は被害者をだましたわけではない役割でも厳罰に処されるおそれが高いでしょう。未成年の子どもでも逮捕や身柄拘束を受ける可能性は十分にあるので、厳しい処分が下される事態を防ぐには、ただちに弁護士によるサポートを求めるのが賢明です。
未成年の子どもが出し子として逮捕されてしまった場合は、少年による刑事事件の解決実績を豊富にもつベリーベスト法律事務所にお任せください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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