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弁護士コラム

2023年01月31日
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窃盗で検察庁に呼び出される理由とは? 警察との違いや対応の注意点

窃盗で検察庁に呼び出される理由とは? 警察との違いや対応の注意点
窃盗で検察庁に呼び出される理由とは? 警察との違いや対応の注意点

犯罪事件を捜査して犯人を逮捕するのは警察の仕事というイメージをする方が多いでしょう。しかし、刑事事件に関するニュースなどに目を向けると「検察庁」や「検察官」といった機関も登場します。

警察と検察庁はいずれも捜査機関と呼ばれる立場であり、比較的軽微な事件でも重大事件でも、必ず検察庁・検察官を経たうえで処分が決定するのが原則です。もちろん、「窃盗」も同じで、警察の捜査が終わると検察庁に呼び出しを受けます。

本コラムでは、窃盗容疑で警察の捜査を受けたあとで検察庁に呼び出される理由を解説しながら、検察と警察との違い、検察庁から呼び出しを受けた場合に気を付けたいポイントなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、「検察庁」とは? 警察との違い

普段の生活において警察と何かしら関わることはあったとしても、「検察庁」と関わる機会はほとんどありません。検察庁とはどのような機関なのでしょうか?

  1. (1)検察庁の役割

    検察庁とは、犯罪の捜査や刑事裁判の提起・維持をする国の機関です。法務省が管轄しており、最高検察庁・高等検察庁・地方検察庁・区検察庁の4種類があります。
    ニュースなどでよく登場するのは地方検察庁で、一般的に「〇〇地検」といった略称が用いられています。

  2. (2)検察官と警察の違い

    検察庁に所属しているのは検察官・検察事務官などです。一方で、警察には警察官が所属しています。

    このように比較すると、警察官が警察という組織に所属している一職員であるように、検察官も検察庁に属している一職員かのように見えますが、実はそうではありません。
    ひとりの検察官は独立した官庁として検察業務を遂行する立場であり、言い換えればひとりの検察官はひとつの組織と同等です。そういった意味では、警察官と検察官は権限の強さに圧倒的な差があります。

    警察は第一次捜査権を有する組織です。市中で発生した事件の届け出を受けたり、独自の活動で犯罪を認知したりして、被疑者の特定や逮捕などをおこないます。
    検察官はさらに発展した第二次捜査権を有する立場で、警察が捜査した事件を中心にして「刑事裁判で罪を問う必要があるのか」を判断し、国の代表として刑事裁判を遂行します

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2、窃盗事件で検察庁への呼び出しを受ける理由

お店に陳列している商品を盗む「万引き」や他人の家に立ち入って金品などを盗む「空き巣」、他人の自転車やバイクを盗んで勝手に乗り回す「乗り物盗」は、すべて「他人の財物を窃取」する行為であり、刑法第235条の窃盗罪による処罰の対象です。

窃盗を犯せば、被害者からの通報や届け出を受けて警察が捜査をします。では、すでに警察で詳しい事情を含めて厳しい取り調べを受けたはずなのに、なぜあとになって検察庁にも出頭するように呼び出しを受けるのでしょうか?

  1. (1)検察官も自ら取り調べをおこなうため

    検察庁へと呼び出されるもっとも典型的な理由が「取り調べのため」です。

    検察官も捜査機関のひとつなので、警察と同じように被疑者の取り調べをおこないますが、検察官の取り調べと警察の取り調べはその目的が異なります。警察は罪を犯した事実の認否や行為の詳細、動機や背景といった点を明らかにすることを主眼としていますが、検察官の取り調べは「起訴するべきか、不起訴が妥当か」を判断するのが目的です
    警察の捜査では不明だった点や検察官が独自につかんだ証拠について追及されます。

  2. (2)起訴・不起訴を判断する

    検察官は刑事裁判を提起できる唯一の立場です。
    裁判官に対して刑事裁判を提起することを「起訴」といい、刑事裁判の提起を見送る処分を「不起訴」と呼びます。

    検察官が起訴・不起訴の要否を判断するためには、事件後の反省や被害者に対する賠償の有無、再犯防止のために尽くした対策の内容なども詳しく知らなければなりません。この点は、警察がまとめた書類だけでなく、実際に被疑者と面接して取り調べないとわからないことも多数なので、被疑者を検察庁へと呼び出して聴取がおこなわれます。

    つまり検察庁からの呼び出しは「起訴・不起訴の瀬戸際」ともいえる段階なのです。

  3. (3)略式起訴するため

    100万円以下の罰金・科料にあたる事件については、正式な裁判を経ずに罰金を言い渡す「略式手続」が可能です。
    窃盗罪に科せられる刑罰の範囲は10年以下の懲役または50万円以下の罰金なので、略式手続の対象に含まれます。略式手続を取るためには、検察官からの打診を受けて被疑者本人が略式手続に同意している必要があるので、略式手続のために検察庁へと呼ばれているのかもしれません。

    被疑者が略式手続を受け入れて略式命令が下されると、公開の法廷における裁判は開かれないまま罰金が言い渡されるので、被疑者の負担は少なくて済みます。ただし、自分の言い分を主張する機会を失ったまま有罪となり前科が付くので、もし捜査機関から指摘されている事実に疑問があるなら、検察庁に呼ばれて略式手続に同意する前に、弁護士と話して方針を決めることも必要です

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3、検察庁から呼び出しを受けた際に気を付けたい注意点

検察庁からの呼び出しを受けたときに気を付けたいポイントを挙げていきましょう。

  1. (1)警察の捜査が終わって時間がたってから呼び出されるケースが多い

    警察の捜査が終わって時間がたってから検察庁へと呼び出されるケースはめずらしくありません。

    一般的に、警察の取り調べが終わって捜査書類や証拠品が取りまとめられ、書類送検されるまでに1~2か月ほどの時間がかかります。
    検察庁でも、警察の捜査結果を吟味し、独自に補充捜査を進めたり組織内で処分の方針を検討したりと時間がかかるので、さらに1~2か月の時間が必要です。

    結果、警察から「今回で取り調べは終わりだ」と告げられた段階から数か月後に検察庁へと呼び出されるという流れになります。被疑者本人としては「もう終わったはずなのに」「いまさら何の必要があるのか」と感じるかもしれませんが、警察の取り調べが終わっても捜査や刑事手続きは続いているのだと理解しましょう。

  2. (2)呼び出しには必ず応じる

    検察庁からの呼び出しに法的な拘束力はありません。
    ただし、窃盗の容疑がかかっている状態で呼び出しに応じなかった場合は、任意の方法では取り調べが実現しないと判断され、逃亡や証拠隠滅を防ぐために逮捕される可能性が高まります。警察の段階で「無実だ」と主張してきた場合でも、検察庁からの呼び出しには必ず応じて、検察官による取り調べの機会でも自分の主張を述べるべきです。

    検察庁側には「起訴・不起訴を判断する」という目的もあるので、この段階での対応次第では不起訴になる可能性も十分にあります。仕事などの都合で指定された日時の出頭が難しい場合は、無視するのではなく担当検事に連絡して調整してもらいましょう。

  3. (3)供述調書に誤りがある場合は署名・押印しない

    警察の取り調べと同様で、検察官による取り調べにおいて述べた内容は供述調書に録取されます。検察官が作成した供述調書は「検面調書」と呼ばれ、警察官が作成した「員面調書」と比べると高い証拠能力が認められています。

    供述人が署名・押印すれば、たとえ誤った内容でもあとから覆すのは困難なので、はっきりしない、覚えていない事柄はありのままに供述し、文面に誤った内容があれば必ず修正を申し出ましょう。検察官が修正に応じない場合は、署名・押印をせずに拒否するほうが安全です。
    一方的に不利な供述調書を作成されてしまう可能性がある場合は、供述を拒否する黙秘権を行使することも検討しましょう。

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4、窃盗事件で検察庁からの呼び出しを受けたら弁護士に相談を

窃盗事件の被疑者として捜査の対象となり、検察庁からの呼び出しを受けているなら、弁護士に相談してサポートを受けましょう。

  1. (1)検察官の取り調べについてアドバイスを得られる

    弁護士に相談すれば、検察官の取り調べでどのようなことを尋ねられるのか、どのような受け答えをすればよいのかを事前にアドバイスを得られます。
    取り調べの前に、弁護士を相手として模擬面接で練習を積んでおくといった対応も可能です。準備を尽くしておけば、実際に検察官を目の前にしても焦らず対応できるでしょう。

    どうしても不安がぬぐえない場合は検察庁への同行も依頼できます。取り調べへの同席は許されませんが、弁護士が検察庁の庁舎内で待機することは可能です。取り調べ中の退席は自由なので、対応に迷う質問があれば退席して待機中の弁護士に相談できます。

  2. (2)不起訴を目指したサポートが期待できる

    窃盗事件を起こしても、必ず懲役や罰金といった刑罰が科せられるわけではありません。刑罰は刑事裁判を経ないと科せられないので、検察官が刑事裁判の提起を見送って不起訴とすれば、刑事裁判は開かれず、刑罰も科せられないというのが法律上の決まりです。

    令和4年版の犯罪白書によると、令和3年中の刑法犯の起訴率は36.8%でした。単純に計算すれば、警察が捜査して検察官に引き継いだ事件のうち、3件に1件が起訴されている計算になります。

    起訴・不起訴を判断する材料のなかには、被害者への謝罪や弁済を尽くしているかどうかも含まれているので、示談交渉を尽くせば起訴猶予による不起訴が選択される可能性も高まるでしょう。刑罰を回避したいと望むなら、被害者との示談交渉は最優先事項です

    ただし、被害者との示談交渉は決して容易なことではありません。窃盗事件の被害者のなかには「お金の問題ではないので賠償しても許さない」「示談は受け入れない」といったケースもあります。万全を期するためにも、示談交渉は弁護士に一任しましょう。

    その他、警察で話した内容のうち、検察官に伝わっているのは調書に記載された内容だけですので、再犯防止策などを考えた場合、別途弁護士側から報告をおこなわないと、検察官の目に留まらないことも多いです。そのようなサポートも、不起訴を獲得するうえでは有効です。

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5、まとめ

窃盗事件を起こして警察の捜査が終わると、数か月ほど時間がたったあとで検察庁からの呼び出しを受けます。起訴・不起訴が判断される重要な局面なので、事前の準備を尽くして取り調べに臨むのが最善です。

検察庁からの呼び出しに不安を感じているならベリーベスト法律事務所へご相談ください。検察官による取り調べに際しての注意点や防御策についてのアドバイスを得られるだけでなく、厳しい刑罰を回避するためのサポートも可能です。

刑事事件を自力で解決するのは簡単ではありません。穏便な解決を実現するためにも、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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