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親戚に準強制性交等(旧準強姦)をしたとき問われる罪と逮捕の可能性

2021年01月14日
親戚に準強制性交等(旧準強姦)をしたとき問われる罪と逮捕の可能性
  • 性・風俗事件
  • 準強制性行等
  • 親戚
親戚に準強制性交等(旧準強姦)をしたとき問われる罪と逮捕の可能性

準強制性交等罪(刑法第178条2項。平成29年7月施行の刑法改正によって準強姦罪が準強制性交等罪に改正されました。)は、被害者の抵抗困難な状態を利用して性交等をする重大犯罪です。準強制性交等罪に対しては、最低でも懲役5年という厳しい刑罰が定められています。

平成29年7月施行の刑法改正以前の強姦関連罪は、被害者等の告訴がなければ起訴される可能性がない、いわゆる「親告罪」でした。
平成29年7月施行の刑法改正によって強姦関連罪が準強制性交等罪に改正され、被害者等の告訴がなくとも起訴することができる「非親告罪」となりました。

本コラムでは、自らの親戚に対して準強制性交等罪にあたる行為をしてしまった場合、親戚からの告訴がなくても逮捕・起訴される可能性はあるのかということを中心に、準強制性交等罪の概要や類似の犯罪との違い、逮捕・起訴された場合の影響について解説します。

1、準強制性交等罪とは

「準強制性交等罪」は、かつて「準強姦罪」と呼ばれていた犯罪です。平成29年7月施行の刑法改正により、名称および内容が大幅に変わりました。具体的に何がどのように変更されたのかも踏まえ、準強制性交等罪の概要を解説します。

  1. (1)準強制性交等罪の定義

    準強制性交等罪は、人の心神喪失や抗拒不能に乗じ、またはその状態にさせて、性交等をする犯罪です(刑法第178条2項)。

    「心神喪失」とは、たとえば泥酔や失神などによって正常な判断能力を失った状態をいいます。「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由で物理的・心理的に抵抗できない状態をいい、たとえば医師が治療と称して被害者を誤信させ、性交等を強制した場合が該当するでしょう。

    「性交等」に「等」がつくのは、処罰の対象となる行為が、男性器を女性器に挿入する膣内性交のみならず、口腔性交および肛門性交も含まれるからです。また「人の」とあるように被害者は女性に限定されず、男性も含まれます

  2. (2)準強制性交等罪の法定刑

    準強制性交等罪の法定刑は「5年以上20年以下の懲役」です。

    旧準強姦罪の法定刑は懲役の下限が3年でしたが、人の尊厳を踏みにじる重大犯罪であるにもかかわらず法定刑が軽すぎるとの批判を受け、厳罰化されています。法定刑の下限が5年となったことで、刑期が長くなっただけでなく、刑法第25条の規定により、原則として執行猶予がつかない犯罪となりました

  3. (3)親告罪ではない

    旧準強姦罪は、検察官が起訴するにあたり被害者等の告訴を要する「親告罪」と呼ばれる犯罪でした。しかし平成29年の改正時に「非親告罪」に変わっています。つまり準強制性交等罪は、被害者等からの告訴がなくても、逮捕・起訴される可能性があるということです。

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2、親戚に対して無理やり性交したとき問われる可能性がある罪

自らの親戚に対して性交等や性交等類似行為をした場合、「自分と親戚との関係性」や「行為様態」によって、準強制性交等罪に問われるのか、それとも別の罪に問われるのかが変わってきます。

  1. (1)監護者性交等罪

    親戚が18歳未満の児童で、かつその親戚を監護する立場であることの影響力を利用して性交等をしたケースでは、「監護者性交等罪」に問われます(刑法第179条2項)。

    親戚とひとくちに言っても、親戚付き合いの一環としてときどき会う程度の間柄と、親代わりとして一緒に暮らし、経済面や生活面の面倒を見ている間柄とでは関係性が大きく異なります。親戚との関係性が後者である場合には監護者性交等罪の「監護者」にあたり、同罪に問われる可能性が高いでしょう。

    「影響力を利用する」とは、18歳未満の児童が監護者に対して経済的、心理的に依存せざるを得ないために性交等を拒めない状況を悪用するという意味です。

    監護者性交等罪の法定刑は「5年以上20年以下の懲役」です。

  2. (2)準強制わいせつ罪

    準強制性交等罪と準強制わいせつ罪(刑法第178条1項)との違いは、行為の内容です。

    親戚にした行為が「性交」「肛門性交」「口腔性交」だった場合は準強制性交等罪に、それ以外のわいせつ行為、たとえば胸を触る、無理やりキスをするなどの行為をした場合は準強制わいせつ罪に問われます

    準強制わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以下の懲役」です。

  3. (3)強制性交等罪

    準強制性交等罪と強制性交等罪(刑法第177条)との違いは、手段としての暴行または脅迫の有無です。

    強制性交等罪は13歳以上の者に暴行・脅迫を用いて性交等をすると成立する犯罪であるのに対し、準強制性交等罪は暴行・脅迫がなくても抵抗困難な状態を利用して性交等をすれば成立します

    親戚が13歳未満だった場合は、相手の状態や手段に関係なく性交等をすること自体が処罰の対象となるため、準強制性交等罪ではなく強制性交等罪に問われます。

    強制性交等罪の法定刑は「5年以上20年以下の懲役」です。

  4. (4)強制わいせつ罪

    13歳以上の親戚にした行為が性交等以外のわいせつ行為であり、かつ暴行または脅迫を手段としていた場合は強制わいせつ罪に問われます(刑法第176条)。

    強制わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以下の懲役」です。

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3、準強制性交等容疑で逮捕された際、考えうる影響

準強制性交等罪の疑いで逮捕されると、裁判までは次の流れで手続が進められます。

  • 逮捕から48時間以内:警察による取り調べ、検察庁への送致
  • 送致から24時間以内:検察官による取り調べ、必要に応じて勾留請求
  • 勾留:最長20日間の勾留、勾留満期までに起訴・不起訴の決定
  • 起訴:起訴後勾留、起訴からおよそ2か月後に裁判


逮捕・勾留された場合には以下のような影響が考えられます。

  1. (1)実名報道される

    事件が実名報道されると、性犯罪の事実が職場や知り合い、近所の人などに知られてしまいます。これまでの人間関係が崩れる、悪いうわさを流されるといったケースは当然考えられるでしょう。

    勤務先の規定次第では解雇されるおそれもあります。
    昨今は企業の採用活動に際して応募者の氏名をネットやSNSで検索するケースが多く見られますので、ネットに残った実名報道の記事が原因で再就職が難しくなる可能性も考えられます。

  2. (2)逮捕の事実が職場に知られる

    実名報道されなくても最長で23日もの長い期間、職場に行くことができなければ、職場に逮捕の事実を隠し通すことが難しくなってきます。最終的には不起訴になり、また解雇にまではいたらなくとも、職場でうわさが広がるなど居づらくなる可能性はあるでしょう。

  3. (3)有罪になった場合の影響

    事件の性質からして、有罪になった場合には解雇される可能性が高いと言えるでしょう。

    原則的に執行猶予がつかない実刑となるため何年も社会から隔離されることになり、出所後の再就職も簡単ではありません。前科がつくことにより、公務員や士業、警備員など一定の職業に制限がかかります。ほかにも前科がつくと離婚を請求されて家族が離れていく、海外渡航で一部の国に申告が必要になるなどの影響が考えられます。

    このように、逮捕された影響は多方面におよぶため、少しでも影響を抑えるには早急に措置を講じる必要があります。

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4、重すぎる罪に問われないためにすべきこと

準強制性交等罪にあたる行為をしてしまった場合は速やかに弁護士へ相談し、以下のような活動を依頼することが重要です。

  1. (1)被害者との示談交渉

    準強制性交等罪は非親告罪なので、被害者と示談が成立しても必ず起訴を免れるわけではありません。また示談の成立をもって必ず刑が減軽されるわけでもありません。

    しかし被害者へ誠心誠意の謝罪をし、慰謝料を含めた賠償を行い、被害者が厳罰までは望まない旨の意思を示してくれた場合には、検察官や裁判官もこれを無視できないでしょう。
    場合によっては、不起訴処分や刑が減軽されたうえで執行猶予がつく可能性もでてきます


    とはいえ、犯罪の性質上、加害者が被害者と直接対面するのは、事件の恐怖や屈辱を思い起こさせてしまうため、容易ではありません。また不起訴処分を目指す場合には、逮捕から最長でも23日以内での示談成立が不可欠であり、時間的な猶予もありません。

    このように、性犯罪の示談交渉はとりわけ繊細な交渉が必要となり、スピードも求められます。示談交渉の経験のある弁護士でなければ示談を成立させるのは困難ですから、できるだけはやく弁護士へ対応を依頼しましょう

  2. (2)釈放や保釈のための活動

    身柄拘束期間の長期化によって生じる社会生活への影響を最小限に抑えるには、弁護士による早期の釈放や保釈のための活動が必要です

    たとえば本人を監督できる家族が同居しており、捜査に協力して証拠をすべて提示しているため、逃亡や証拠隠滅のおそれがない旨を検察官や裁判官に主張すれば、勾留されずに在宅捜査に切り替わる可能性があります。

    起訴後であっても保釈が認められ、一時的に身柄の拘束を解かれる可能性があるでしょう。

  3. (3)裁判での弁護活動

    裁判での弁護活動によっては刑が減軽され、場合によっては執行猶予がつく可能性も残されています。

    弁護士は引き続き示談交渉を試み、難しい場合は贖罪(しょくざい)寄付や謝罪文の提出などにより反省と謝罪の意思を示します。また性依存症の場合は治療を開始し、家族の監督体制を整えるなど、具体的な再犯防止対策を提示します

    裁判ではこうした事情をいくつも積み上げ、適切に主張することで、情状酌量による刑の減軽を求めていきます。

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5、まとめ

親戚に対して同意なく性交等を行ったときは、準強制性交等罪その他の犯罪に問われる可能性があります。いずれも重罪なので逃亡のおそれがあるとして逮捕される可能性が高く、その後の影響も計り知れないものとなるでしょう。このような影響を最小限に抑えるためには弁護士による助言や弁護活動が不可欠です。

準強制性交等罪の加害者となってしまった場合には、早急にベリーベスト法律事務所へご連絡ください。状況をおうかがいし、適切なサポートを実施します。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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