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レイプ行為で家族が逮捕! 判例や家族が対応すべき方法とは何か

2021年01月28日
レイプ行為で家族が逮捕! 判例や家族が対応すべき方法とは何か
  • 性・風俗事件
  • レイプ
  • 判例
レイプ行為で家族が逮捕! 判例や家族が対応すべき方法とは何か

相手の意思に反して性行為を強要する「レイプ」は、以前は強姦罪という罪名で処罰されてきました。法定刑は3年以上の有期懲役でしたが、平成29年の刑法改正を経て名称および内容が変更、厳罰化されています。

犯罪の成立要件が再定義された改正後は、旧強姦罪とは異なる視点でレイプ事件について見ていく必要がありますが、実際の裁判ではどのような点が争われているのでしょうか。本コラムでは、レイプ行為によって成立する犯罪や刑罰の内容について、主な改正点や裁判例を交えて解説します。

1、レイプ行為によって成立する犯罪

まずはレイプ行為によって成立する犯罪について解説します。犯罪が成立する要件と刑罰を中心に確認しましょう。

  1. (1)強制性交等罪(刑法第177条)

    強制性交等罪は、①13歳以上の者に対し、②暴行または脅迫を用いて、③性交、肛門性交、口腔性交(性交等)のいずれかをした場合に成立しますただし、13歳未満の者に対しては、②の暴行または脅迫を手段とせずとも、③の性交等をした事実をもって同罪に問われます

    法定刑は「5年以上の有期懲役」です。有期懲役とは1か月以上20年以下の懲役のことをいう(刑法第12条)ので、有罪になれば短くても5年、長ければ20年の懲役に処されることになります。

  2. (2)準強制性交等罪(刑法第178条2項)

    準強制性交等罪は、①人の心神喪失または抗拒不能状態に乗じ、またはその状態にさせて②性交等をした場合に成立します

    心神喪失とは泥酔や失神などにより自身の性的自由が侵害されていることを認識できない状態を、抗拒不能とは心神喪失以外の理由で物理的・心理的に抵抗できない状態をいいます。

    法定刑は「5年以上の有期懲役」です。「準」とつきますが、強制性交等罪よりも軽いという意味ではなく、「準ずる」という意味合いを持ちます。そのため、強制性交等罪と同じ法定刑の範囲で罰せられることになるのです。

  3. (3)監護者性交等罪(刑法第179条2項)

    監護者性交等罪は、①18歳未満の者に、②その者を現に監護する者が、③監護者であることの影響力を利用して、④性交等をした場合に成立します。実親や養親などによる、13歳以上の児童に対する性的虐待を想定した犯罪です。

    18歳未満の子どもは精神的、経済的に親などに依存せざるを得ないため、暴行や脅迫が伴わずに性行為が行われるケースがあります。以前は暴行・脅迫を成立要件とする旧強姦罪を適用できず、より軽い児童福祉法違反で処罰するしかありませんでした。

    しかし親などが子どもの依存状態を利用してする性行為は旧強姦罪と同じく悪質であることから、監護者性交等罪が平成29年に新設されました。「監護者」にあたるか否かは、経済面や生活状況などから継続的に児童を保護しているかどうかの視点で判断されます。

    法定刑は「5年以上の有期懲役」で、強制性交等罪、準強制性交等罪と同じです。

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2、法の改正により強姦罪から強制性交等罪に変更

平成29年7月施行の刑法改正により、強姦罪は「強制性交等罪」へと名称が変わり、厳罰化されています。以下で改正の内容を解説します。

  1. (1)罪名が変更された

    暴力により女性を犯すという意味の「強姦」の言葉からわかるとおり、旧強姦罪は被害者が女性であることを想定して付けられた名称です。

    しかし、男性に対する性犯罪も発生しています。そこで、同様に処罰するべきとの観点から、名称を強姦罪から強制性交等罪へと変更し、被害者の性別は問われなくなりました

  2. (2)非親告罪となった

    旧強姦罪は、被害者からの告訴がなければ検察官が起訴できない「親告罪」でした。被害者がいわゆるセカンドレイプを受けるのを防止するため、被害者のプライバシーを保護するためというのが理由です。

    しかし、訴追の有無を被害者の判断にゆだねることがかえって被害者の精神的負担となり、また加害者による報復をおそれて告訴できないケースも相次いでいることが問題視されました。そこで、改正後は「非親告罪」となったのです。

    したがって、レイプ事件は被害者の告訴がなくても、検察官の判断のみで起訴される可能性があります

  3. (3)成立要件が再定義された

    処罰対象となる行為の範囲が拡大され、犯罪の成立要件が見直されました。旧強姦罪は姦淫、すなわち男性器を女性器に挿入する膣性交のみが処罰対象です。しかし、強制性交等罪ではこれに肛門性交、口腔性交も加わることになりました

    これに伴い、男性が被害者のケースや、これまで強制わいせつ罪など、旧強姦罪よりも軽い罪としてでしか処罰されなかったケースも、強制性交等罪が適用されることになりました。

  4. (4)法定刑が変更された

    旧強姦罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」でした。重大犯罪であるのにもかかわらず法定刑が軽すぎるとの指摘を受け、「5年以上の有期懲役」に改正されています。

    懲役刑の下限が引き上げられたため、原則として執行猶予が付かない犯罪となっています(刑法第25条)

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3、レイプ事件における裁判例

改正後はどのような裁判が行われているのでしょうか。レイプ事件の裁判例を紹介します。

  1. (1)元教え子に対する強制性交等事件

    元高校教師が10代の元教え子に対して、公園で性交および口腔性交を強要したとして強制性交等罪に問われた事例です。

    被告人側は被害者が性交等に同意しており、そうでなくても被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行を加えておらず、被害者の同意があったと誤信したとして無罪を主張しました。

    しかし、一審は被害者の供述は真摯で信用性が高く、被告人の供述は一貫性を欠き信用性に乏しいとして、懲役5年の実刑判決を言い渡しています(宮崎地裁 令和元年(わ)第88号 令和2年2月3日判決)。その後、被告側が控訴しましたが、福岡高裁で棄却されたため、さらに上告する意向を示していることが報道されています。(福岡高裁 令和2年(う)第5号 令和2年6月30日判決)

  2. (2)実の娘に対する準強制性交等事件

    当時19歳だった同居の実の娘に対し、かねてから被告人による性的虐待や暴力などにより抗拒不能の状態に陥っていることに乗じて、2度にわたり性交をしたとして、準強制性交等罪に問われた事例です。

    本件の争点は準強制性交等罪の成立要件である「抗拒不能状態にあったか否か」でした。結果、一審では、被害者本人の同意はなかったことは認めたものの、抗拒不能の状態になかったとして無罪判決を言い渡しています(名古屋地裁岡崎支部 平成29年(わ)549号・平成29年(わ)599号 平成31年3月26日判決)。しかし、検察側は控訴。名古屋高裁は、一審の被害者が抗拒不能の状態にあったとして有罪判決(懲役10年)を言い渡しました(名古屋高裁 平成31年(う)160号 令和2年3月12日判決)。

    その後、被告側は上告しましたが、最高裁は令和2年11月に被告側の上告を棄却したことが報道されています。これにより控訴審の判決である懲役10年が確定したことになります。

  3. (3)養女に対する監護者性交等事件

    当時14歳だった養女に対して、監護者であることの影響力に乗じて性交したとして、監護者性交等罪に問われた事例です。

    争点となったのは養女の供述の信用性です。一審は養女の証言は信用性に欠け、被告人と性交したという証拠もないとして無罪を言い渡しました(福岡地裁 平成30年(わ)第716号 令和元年7月18日判決)。

    この結果を受けて、検察側が控訴しました。福岡高裁で行われた控訴審では、被害者の供述を適切に評価するための審理が不足しているとして一審の判決を破棄し、差し戻す判決を下しています(福岡高裁 令和元年(う)第282号 令和2年3月11日判決)。差し戻しとは、一審を行った裁判所へ再度審理を行うよう要請することです。差し戻しの判決に異議を唱えた被告人は上告しましたが、最高裁で本上告が棄却されたと報道されています(最高裁 令和2年9月12日判決)。本事件の判決は確定しておらず、再び地方裁判所で刑事裁判が行われることになります。

  4. (4)性犯罪は審理が長期化する傾向がある

    紹介した裁判例ではいずれも被告人と被害者の主張に大きな隔たりがありました。さらに、裁判での判決も一審、二審で解釈が異なり、最高裁での審理に到達しているなど、事件が長期化しています

    性犯罪は全体的に見てもこのようなケースが少なくないため、裁判での対応やその前の弁護活動が極めて重要になってきます。性犯罪の疑いをかけられた場合はできるかぎりはやいタイミングで弁護士に相談するべきでしょう。

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4、レイプ行為で家族が逮捕されたらすべきこと

家族がレイプ事件を起こして逮捕された場合に、残されたご家族が何をするべきなのかを解説します。

  1. (1)弁護士に弁護活動を依頼する

    最優先で行うべきは弁護士への依頼です。弁護活動は多方面におよびますが、とくに重要な活動を2点お伝えします。

    まずは取り調べ対応のアドバイスです。レイプ事件の性質上、取調官からの厳しい追及を受けることは必至です。精神的な不安や焦りなどから事実と異なる供述をすれば後の裁判で不利になってしまうため、取り調べには適切に対応する必要があります。逮捕直後の72時間はご家族でも面会できないため、早急に弁護士が面会し、取り調べのアドバイスを与えることが大切です

    次に被害者との示談交渉です。検察官や裁判官は被害者の処罰感情を重視する傾向があるため、被害者へ真摯に謝罪をし、被害者が厳罰までは望まないという意思を示してくれた場合には、刑が減軽される可能性が生じます

    しかし事件の性質からして被害者の恐怖や屈辱の感情が強く、示談交渉を拒否する可能性は非常に高いため、ご家族による交渉は困難です。弁護士であれば被害者感情に配慮し、繊細かつ粘り強い交渉を進められる可能性がありますので、交渉を一任しましょう。

  2. (2)身元引受人になる

    レイプ事件では逮捕後に勾留される可能性が高く、起訴された場合には裁判で判決がでるまで身柄拘束が続きます。
    これを回避するために利用できるのが起訴後の一時的な身柄釈放である「保釈」です。しかし、レイプ事件のような重大犯罪は想定される処罰内容が重く、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるため、保釈が認められない可能性が高いでしょう。

    しかしご家族が身元引受人となり、保釈中に本人を監督する状況が整っていれば保釈が許可される可能性が生じます

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5、まとめ

レイプ行為を処罰する強姦罪は、法改正によって強制性交等罪へと名称および内容が変更されています。行為様態や被害者の年齢によっては、準強制性交等罪や監護者性交等罪で処罰される可能性もあるでしょう。いずれの罪に問われた場合も重い刑に処せられるおそれが高いと考えられます。

もしご家族がレイプ事件の加害者となってしまった場合は早急にベリーベスト法律事務所へご相談ください。性犯罪事件の解決実績が豊富な弁護士が力を尽くします。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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