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横領罪の時効は5年? 10年? 20年? 時効の起算点と、発覚したときにすべきことを解説

2018年12月04日
  • 財産事件
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横領罪の時効は5年? 10年? 20年? 時効の起算点と、発覚したときにすべきことを解説

横領罪には、単純横領罪と業務上横領罪、遺失物横領罪の3種類があります。単純横領罪の法定刑は、5年以下の懲役です。一方、業務上横領罪の法定刑は、10年以下の懲役、遺失物横領罪の法定刑は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金もしくは科料です。このように、業務上横領罪の方が単純横領罪や遺失物横領罪よりも重い犯罪です。また、時効となる期間は遺失物横領罪の場合で3年、単純横領罪の場合で5年、業務上横領罪の場合は7年です。
横領罪では、5年、10年、さらには20年という期間が取りざたされることがあります。ここでは、横領罪の時効について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説していきます。

1、横領罪とは? 業務上横領と遺失物横領の違いについて

横領罪とは、会社や他人から預かっている金品を、誰の承諾もなしに自分の物とすること、あるいは売却や処分することに対する罪のことを言います。
ここでは横領罪として、業務上横領と遺失物横領の違いについて説明します。

  1. (1)業務上横領罪とは

    業務上横領とは、会社の所有物である金品や物品を業務上預り、管理する立場にある人が、それらの財物を自分のものにすること、または業務上預かっている他人の金品や物品を自分のものとする行為を指し、その罪を業務上横領罪と呼んでいます。業務上横領罪には罰金刑がありません。業務上横領罪を犯すと、10年以下の懲役刑が科せられます。
    業務でなく、相手と自分の間の個人的な信頼関係の上で預かっていた金品、物品を横領した場合などは、単純横領罪となります。単純横領罪にも罰金刑はありません。単純横領罪を犯すと、5年以下の懲役が科せられます。

  2. (2)遺失物横領罪とは

    遺失物横領というのは、他人の手を離れた物を許可なく取得する行為です。たとえば、他人がバス停の待合所などにバッグを忘れ、そのバッグを自分のものにするような行為がこれにあたります。この罪を遺失物横領罪、もしくは占有離脱物横領罪とも呼びます。これは窃盗罪とは異なります。窃盗罪は、財物を占有している他人から直接盗む犯罪ですが、遺失物横領罪は、忘れ物などでいったん他人の占有を離れた財物を自分のものにする犯罪です。遺失物横領罪の法定刑は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料です。

    業務上横領にしても遺失物横領にしても、許可を得ずに他人や会社の所有物を入手する、あるいは自分のものにする、ということになります。遺失物については、警察に届ける義務があるのですが、そうせずに自分のものとすることで横領罪となります。

    罪名 刑罰
    単純横領罪 5年以下の懲役
    業務上横領罪 10年以下の懲役
    遺失物横領罪 1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料

2、横領罪の時効は5年? 10年? 20年?

横領罪の時効について説明する際には、「5年」、「10年」あるいは「20年」という3つの年数を説明することになります。この年数は、前述した懲役の年数と、時効の年数を表しています。ここでは横領罪の時効について詳しく紹介します。

  1. (1)時効とその存在理由

    ニュースなどでしばしば「時効が成立した」という言葉が使われることがあります。時効という言葉は知っていても、その意味を正確に言える方は少ないでしょう。時効というのは法律用語で、発生した犯罪が一定期間経過してしまい、罪に問うことができなくなることをいいます。
    刑事事件においては、検察官が起訴することによって刑事裁判にかけますが、犯罪行為が終わってから一定の期間が経つと、検察官は起訴を起こすことができなくなります。

    時効が成立すると、警察はその事件の犯人を逮捕できなくなり、事件を捜査した資料を被疑者不詳として検察官に書類送検します。これによって事件は完結となります。
    また、犯罪の種類によって、時効が成立するまでの期間は違ってきます。

    時効制度が設けられている大きな理由として、時間が経過するとともに犯罪を立証するための捜査が難しくなることがあげられます。

    犯罪を立証するには証拠や人の証言が必要ですが、時間がたつにつれて証拠や記憶は風化していくため、証拠集めが困難になります。加えて、ひとつの事件に対して継続して捜査するための人員や労力にも限界があります。事件の重大さや被害などによって時効の期間が変化するのもこのためです。ただし、殺人事件などの重大な犯罪においては時効が廃止されるなど、時効の考え方は徐々に変化しているようです。

  2. (2)横領罪のそれぞれの時効

    横領罪には、単純横領罪、業務上横領罪そして遺失物横領罪があります。時効は法定刑の重さによってその期間が変わってきます。単純横領罪は5年以下の懲役で、業務上横領罪は10年以下の懲役です。そのため、単純横領罪の時効期間は5年、そして業務上横領罪の時効期間は7年です。そして、遺失物横領罪の時効は3年です。

    罪名 刑罰 公訴時効期間
    単純横領罪 5年以下の懲役 5年
    業務上横領罪 10年以下の懲役 7年
    遺失物横領罪 1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料 3年

    横領罪にかかわる「5年」と「10年」については解説しましたが、それでは冒頭で出てきた「20年」という年数はなんの数字かというと、民法上の時効(除斥期間)にあたります。民法とは個人間の紛争について定めた法律であり、それによると、被害を受けた個人あるいは団体が損害賠償請求を行えるのは横領が行われてから20年の間となり、その期間を過ぎると損害賠償の請求権は消滅します。ただし、加害者を知っている場合には、加害者を知ってから3年間行使しなければ、時効により消滅するとされています。

3、自分の時効は成立した? 起算点という概念について

横領罪の種類によって時効期間は違ってきます。しかし、時効期間が開始する起算点はどの横領罪についても変わりはありません。起算点がはっきりしないと時効期間の判断ができないのです。

「時効の起算点」とは、簡単に言うと、時効のスタート地点ということで、時効期間が始まる日時を指します。法律で定める時効期間が過ぎると時効を主張することができるので、時効の起算点はいつなのかが重要になります。時効期間の起算点は、どのように決まるのでしょうか。

公訴時効の起算点は、犯罪が終わったときになります。横領行為が一度であれば、その横領行為をしたときからが起算点となります。遺失物横領の場合は、その遺失物を手にしたときとされています。

また、被害者が横領されたかどうか、その事実を知っていたか知らなかったかというのは、公訴時効の期間算定には影響しないとされています。起算点は刑事、民事どちらでも同じ算定となります。
(ただし、先ほども述べたように、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権を行使する場合には、加害者を知ったときから三年間行使しなければ、時効により消滅します。)

4、横領は発覚する? 横領はいずれ発覚します

横領、特に業務上横領は、いずれは知られる運命にあるといえるでしょう。横領は何故発覚するのか、また、発覚した場合の謝罪について説明します。

  1. (1)横領は何故発覚する?

    ここでは主に業務上横領について説明します。
    業務上横領は、たとえ少額であっても発覚するケースが多いです。なぜ発覚するかというと、自分以外の社員、あるいは取引先などの外部の方もお金や物品の流れを見ることができるからです。
    発覚した場合は、懲戒解雇はやむなしでしょう。横領は一度では済みません。結局はその旨味から何度でもおこなってしまって、知らず知らずのうちに少額が大金となってしまうのです。結果的に発覚する間まで横領を続けることになるのです。一度で大金を横領すると発覚するのは当然ですが、少額だと発覚しにくいということを感覚的に知ってしまい、何度も繰り返してしまうのです。

    お金を横領してしまうと、発覚しないようにするために、どこかでそれを補填しなければいけません。しかし補填するとさらにそこにかぶせるように補填をしなくてはいけません。お金を抜いたわけですから、同じお金を社内で補填するのではなく、外部から補填しない限りは発覚してしまいます。自分が管理しているから大丈夫という過信が、大金の横領につながっていくのは過去の事例が物語っているのです。

    発覚するまで止めることができないことが多いのですが、できるだけ早いうちに弁護士に相談するようにしましょう。

  2. (2)誠意をもって謝罪

    業務上横領を行った場合、会社に報告しなくてはいけません。報告の仕方やその後の示談交渉の方法は、弁護士に相談してみましょう。懲戒解雇・損害賠償はまぬがれないでしょうが、示談交渉のやり方によっては結果が異なる可能性もあります。謝罪を行い、横領したお金が残っていたら全て返済します。全額返済とはならないでしょうから、返済できなかったお金は必ず返済する旨の覚え書きを謝罪文に含めて、会社に提出します。誠意を持って対応すれば、示談できる場合もあります。その点については、弁護士とよく相談しましょう。会社側がどのように処置をしたいのか示談交渉の中で判断いたします。

5、まとめ

横領罪には刑事についての時効と民事についての時効があります。民事の時効(除斥期間)のほうが長くなっています。時効期間に差があるので、刑事上の時効が成立しても、民事上の時効が終わらない可能性があります。横領した場合は、弁護士に早めに相談して、示談での解決を目指すようにしましょう。
どこに相談したらよいかわからない場合は、お近くのベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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