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家族が窃盗罪で逮捕されたときに知っておきたい法律、懲役や執行猶予を解説

2019年02月26日
  • 財産事件
  • 窃盗罪
家族が窃盗罪で逮捕されたときに知っておきたい法律、懲役や執行猶予を解説

全国的に窃盗犯の認知件数が減少傾向にあるとはいえ、さまざまな犯罪の中でも窃盗犯の件数が群を抜いて多いことは変わっていません。警察庁が公表している平成29年の「刑法犯に関する統計資料」によると、平成29年における刑法犯全体の認知件数が91万5042件ですが、うち窃盗は65万5498件にものぼり、半数以上を占めています。

今回は、窃盗罪についての概要と、窃盗罪の刑罰や懲役、時効や損害賠償について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、窃盗罪とは

窃盗罪とは、他人が所有・管理する金銭や品物などの財産を自分の所有物にしようと盗み取ったことに対する罪で、刑法第235条により懲役刑の場合は10年以下の刑期、罰金刑の場合は50万円以下の支払いが義務付けられています。

  1. (1)窃盗に当てはまる行為

    店の商品を盗む万引きや、置いてある荷物を持ち去る置き引き、建物に侵入して盗みを働く空き巣、自転車や自動車の盗難や車上荒らしなどの行為は、すべて窃盗罪に当てはまります。また、すりやひったくりのように他人から強引に奪う行為も、窃盗罪に含まれます。

    その他にも、自宅以外で許可なく携帯電話などの充電をする行為も、刑法第245条により窃盗罪とみなされます。

  2. (2)窃盗罪が成立する要件

    犯罪が成立するための要件を「構成要件」といいます。窃盗罪として成立するには、次のような構成要件が必要になります。


    • 盗んだものが他人が所持・管理するものであること
    • 自分のものにする意思があること
    • 盗み取ること

    ただし、窃盗を行った犯人に精神障害などで責任能力がない場合は刑事責任を問われません。また、盗みを働いたものの未遂に終わったときには、刑法第243条により「窃盗未遂罪」として処罰されます。

  3. (3)窃盗罪による逮捕

    窃盗罪による逮捕は、窃盗を行った当日にその場で逮捕される「現行犯逮捕」と、後日に逮捕される「通常逮捕」があります(なお、例外的に「緊急逮捕」という逮捕もあります)。現行犯逮捕は、一般的に事件の現場で逮捕された後に警察署へ連行されます。

    通常逮捕は、裁判所が発行した逮捕状に基づいて、身柄を拘束する逮捕手続です。

  4. (4)逮捕後の一般的な流れ

    逮捕されるとまず警察による取り調べが行われます。この警察の捜査は48時間以内と決められており、この時間内に警察は検察官に事件を送致するか決定します。

    事件が送致されると検察官は24時間以内に被疑者から話をきいたうえで勾留請求するかどうか判断します。
    検察官が勾留請求しない場合や、裁判官が勾留を認めない場合は釈放されますが、勾留が認められた場合は10日間身柄が拘束され、細かな取り調べを受けることとなります。取り調べや捜査が10日間では不十分とされた場合にはさらに10日間勾留されることがあります。この期間中、検察官は起訴するか、不起訴にするかを判断します。

    起訴されると被告人と呼ばれる立場に変わり、裁判で裁かれることになります。不起訴となれば、釈放されます。
    なお、検察官が、証拠が十分でなくすぐに起訴はしないが様子を見るときに「起訴猶予」という決定があります。起訴猶予になった際には、裁判にならず「不起訴」で終結する場合もあります。また、後に説明する「損害賠償」が行われ示談が成立したような場合にも、不起訴となるケースがあります。

2、刑罰と懲役の相場

続いて、窃盗罪による刑罰と懲役の相場を具体的にご説明します。

  1. (1)窃盗罪による刑罰の相場

    窃盗罪は刑法によって50万円以下の罰金もしくは10年以下の懲役と定められています。初犯で軽微な場合、略式裁判で罰金刑が科されるケースが多い傾向にありますが、犯行が悪質である場合や再犯の可能性が高いような場合には懲役刑となることもあります。

  2. (2)窃盗罪による懲役の相場

    窃盗の初犯でも犯行が悪質な場合は懲役刑が下されますが、窃盗罪のみで10年も収監されるケースはほとんどなく、約6割が3年以下の刑期になります。なお、再び窃盗罪を犯したときは初犯よりも重い判決が下ります。

    しかし、懲役刑が下った場合でも、示談が成立しているなど情状により「執行猶予」となるケースもあります。執行猶予とは、刑の執行まで一定期間刑の執行を猶予し、その決められた期間を問題なく過ごせば刑の言渡しの効力が失われる制度です。

3、時効や損害賠償について

次に、時効と示談における損害賠償について説明します。

  1. (1)刑事上の時効と民事上の時効

    刑事上の時効とは公訴時効を指し、一定の期間が過ぎると検察官が事件を起訴できなくなる制度です。窃盗の場合の公訴時効は、7年です。

    なお、民事の時効とは損害賠償請求の消滅時効を指し、被害者が損害及び加害者を知ってから3年もしくは、事件から20年たつと、時効が成立します。

  2. (2)損害賠償と示談の基礎知識

    損害賠償とは、他人に損害を与えたときに金銭などで補償し、損害が起きる前と同様または近い状態にすることであり、民法第709条などで定められています。また、示談とは民事上で起きたトラブルに対し、当事者間で解決することを言います。

    民事上のトラブルが起きたときには、示談の場で損害賠償について話し合い、加害者が被害者に対して慰謝料などを含む損害賠償金を支払います。これは「示談金」とも呼ばれます。

  3. (3)民事上の時効と損害賠償

    それでは、上記を踏まえた上で時効と損害賠償について解説します。民法第724条では、損害賠償を請求できる期間は被害者側が損害及び加害者を知ったときから3年と定めているため、この期間が過ぎると消滅時効により損害賠償請求権が消滅します。

    窃盗が関わる民事上の裁判では、損害賠償請求などが多く執り行われています。そのため、盗みを働いた際に刑事上で起訴されなくても、民事上で損害賠償請求の訴訟が起きることがあります。

4、窃盗罪での判例

最後に、刑事事件として扱われた窃盗罪の判例をご紹介します。

  1. (1)執行猶予がついた判例

    平成29年の4~7月にかけて、ギャンブルするお金欲しさに防衛省のパソコンなどを盗んだとして、千葉地方裁判所は刑法に基づき、陸上自衛隊通信学校の元職員に対して懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。立件された被害総額は約180万円でしたが、平成22年ごろから逮捕される平成29年8月までに盗んで換金した物品は9300万円にも上りました。裁判官は、防衛省の備品管理の甘さが被害を拡大させたと認定し、また、被告人が猛省の態度を示し被害弁償を誓約していることなどから、被害が高額にもかかわらず執行猶予付きの判決となりました。

  2. (2)無罪となった判例

    平成13年12月15日にホームセンターの商品であるモーターオイルを万引きしたとして逮捕・起訴された事件は、被告人が店を出たり入ったりする不審な言動から本店舗に派遣されていた保安員が駐車場で声を掛けるも無視して立ち去ったため通報された事案です。目撃証言が曖昧で一貫性がない上、その他の証拠もそろわず万引きをしたことが断定できず、犯罪の証明がないことから栃木簡易裁判所は被告人に対し無罪を言い渡しました。

5、まとめ

今回は、窃盗罪の概要と刑罰や懲役、時効と損害賠償について説明してきました。事件の状況によって刑罰や損害賠償の額も異なりますが、示談が成立すれば不起訴になって前科が付かない場合や、裁判に持ち込まれても執行猶予になることが十分に考えられます。

もしもご家族が窃盗罪で逮捕されたときには、一刻も早くベリーベスト法律事務所の弁護士までご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が力になります。

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