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窃盗の時効は何年? 過去の窃盗で逮捕される可能性があるのはいつまでか

2019年04月18日
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窃盗の時効は何年? 過去の窃盗で逮捕される可能性があるのはいつまでか

過去に窃盗を犯したことが発覚すれば、「もうずいぶん前のことだし、大丈夫」と思っていても、逮捕されてしまうことがあります。これは自分だけではなく、友人や知人、家族など過去に罪を犯した人であれば起こりうる事態です。逮捕されるかどうかは、窃盗の事実が時効を迎えているかどうかによって変わります。

この記事では、家族に過去の窃盗を打ち明けられた方向けに、法的な視点から解説します。窃盗をはたらいた過去が露呈したとき、どこまでさかのぼって責任を追及されるのかをご存じでしょうか。また、逮捕されて処罰を受ける可能性はどの程度あるのかなども知っておきたいことでしょう。ぜひ参考にしてください。

1、窃盗罪とは

窃盗罪とは、端的にいえば人の物を盗んで自分の物にしてしまう犯罪です。「故意」と「不法領得の意思」に基づいて他人の財物を窃取し、物の所有が移転することで成立します。

ここで示す「故意」とは、他人の財物を窃取すると認識していることです。
「不法領得の意思」は持ち主の意思を無視して自分の物として自由に扱おうとする意思を指します。

一例として、自分の物ではない財布を持ち帰ったケースについて考えてみましょう。

「財布を盗もう」という故意と「財布に入っているお金を使おう」という不法領得の意思があれば、窃盗に該当するため、罪に問われることになります。他方、捨てられた物だと思って持ち帰ったのであれば、そこには窃盗の故意がないので窃盗罪は成立しません。ただし、この場合は遺失物等横領罪にあたる可能性があります。

また、「相手が困るだろうから財布を持ち帰って捨てよう」と考え、実際に行動した場合もあるかもしれません。このケースは、嫌がらせ目的で他人の物を盗み壊したことになるため、窃盗罪ではなく器物損壊罪に該当する可能性があります。

窃盗罪として有罪になれば、刑法第235条に基づいて処分されます。窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

実際の量刑は個別の事案に応じて、法定刑の範囲内で言い渡されます。なお、人の物を盗もうとして失敗に終わった場合も、窃盗未遂罪として窃盗罪と同じ法定刑の範囲内で処罰されることになります。

2、窃盗罪にも時効がある

法律には時効という制度があり、窃盗罪にも適用されます。なお、窃盗罪を犯すと刑事上の責任と民事上の責任が生じるため、責任ごとに時効を考える必要があるでしょう。

刑事上の時効とは、一般的には刑事訴訟法における「公訴時効」を指します。公訴時効は、検察官が被疑者を起訴できるタイムリミットのことです。したがって、刑事上の時効を迎えると逮捕されなくなりますし、処罰を受けることもありません。

他方、窃盗事件における民事上の時効は消滅時効と呼びます。民事上の時効を迎えると、被害者が加害者に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を行使できなくなります。言い換えれば、相手が賠償金を請求してきたとしても、時効を迎えていれば支払う義務はないということです。

ただし、時効には停止できる条件が定められているため、それらに該当すれば時効が停止します。したがって、本人は「時効が成立した」と考えていても、実際には時効を迎えていないケースもあるかもしれません。

3、窃盗を行ってから公訴時効が完成するまでの7年間は起訴される可能性がある

窃盗の公訴時効がいつ成立するのか、いつまで罰せられる可能性があるのかについて解説します。

「罰せられる」という状態は、一般的には、捜査機関の取り調べを経て刑事裁判にかけられ、刑罰を科されることと考えられます。したがって、公訴時効が完成していれば、罰せられることはないでしょう。

公訴時効は、法定刑を基準に刑事訴訟法第250条第2項に定められています。窃盗罪の公訴時効は7年です。公訴時効の起算点は犯罪行為が終わった時点となるため、他人の物を窃盗した瞬間から時効が進行し、7年が経過すると時効が完成すると考えられます。

ただし、前述のとおり公訴時効には「停止」という概念があります。したがって、時効の完成が猶予されるケースがあるでしょう。時効停止事由には、起訴された場合、国外にいる場合、逃亡により起訴を告知できない場合があります。これらの理由に当てはまったとき、それまでの時効期間は有効ですが、時効の進行が一時的にストップします。

また、共犯者が起訴された場合、時効停止は他の共犯者に対しても適用されます。家族が起こした窃盗事件に共犯者がいて、すでに起訴されている場合は、窃盗から7年が経過していても家族の公訴時効が完成していない可能性があるわけです。これらの停止事由がなくなった時点から公訴時効は再び進行することになります。

なお、窃盗罪は非親告罪ですから、被害者の告訴がなくても起訴できる犯罪です。告訴期間を気にする方もいるようですが、告訴期間とは親告罪(告訴がなければ起訴できない犯罪)を告訴できる期間のことです。したがって、窃盗罪においては告訴期間がないため、時効の成立にも一切関係性がありません。

4、民事上の損害賠償請求の時効は損害および加害者を知ったときから3年間

次に、窃盗罪を犯した本人が負うことになる、民事上の責任について知っておきましょう。

窃盗罪の加害者は、盗んだ金銭や物の弁済などを被害者から求められることがあります。これは、被害者が民法で定められている損害賠償請求権を行使しているものです。したがって、正当な請求であれば加害者は損害賠償を行う必要があります。

ただし、前述のとおり民事上の責任においても時効が設定されています。具体的には、「被害者が損害および加害者を知った時点」を起算点とし、3年で消滅時効が完成することになります。

なお、窃盗事件によって生じた精神的苦痛に対する慰謝料を求められることもあるでしょう。慰謝料は、被害者が窃盗事件で恐怖を感じて精神的に不安定になった場合や、盗まれた物が遺品など特に思い入れが強かったような場合に請求されます。慰謝料請求権の時効も「被害者が損害もしくは加害者を知ったときから3年」です。

ただし、あなたの家族による犯行であるという事実を被害者が知らなかった場合は、窃盗を行った時点から20年経過するまでは時効が成立することはありません(民法第724条)。さらに、民事上の時効は「中断」されることがあります。具体的には、請求や差し押さえなどをされると時効が中断することになります。刑事上の時効における「停止」とは異なり、中断されるとそれまでの時効期間がリセットされます。

したがって、多くのケースで時効の成立を待つよりも、被害者に謝罪して自ら賠償を行う示談を成立させて民事上の責任を果たすほうがよいと考えられます。示談を成立させて、被害者から「罪を問わない」「処罰は望まない」などの言葉をもらうことができれば、刑事的な処分を回避できる可能性が高まります。

5、未成年が窃盗をすれば少年法に基づき処分される

もし、窃盗罪を犯した家族が未成年だったときも、14歳以上であれば逮捕され処分を受けます。14歳以上であれば、成人と同様に刑事責任能力があると判断されるためです。他方、14歳未満であれば、刑事責任を問われることはありません。

いずれも、未成年者が罪を犯したときは、少年法に基づく処分や保護が行われます。犯した罪が窃盗のみであれば、成人と同じ刑事罰を受けることはないと考えられます。

14歳以上の未成年が窃盗で逮捕された場合、逮捕直後のおおまかな流れは成人とほぼ同じです。大きく違うのは、捜査終了後、事件が家庭裁判所へ送られる点にあります。

家庭裁判所では、さまざまな調査などを通じて事件を起こした原因や更生の方法などが検討されます。その後、審判不開始とならなければ少年審判を受け、処分が決定します。なお、時効は成人と同じ7年です。

6、窃盗罪での示談はあるのか?

刑事事件では、被害者との示談が成立したかによって、その結果が大きく変わることがあります。警察や検察、裁判所では、被害者の処罰感情を非常に重視するためです。

「示談」とは、事件の当事者間で話し合いによって取り決めを行う手続きのことです。窃盗事件の示談では、被害者へ可能な限り被害品や被害金を弁済し、損害賠償責任を果たします。同時に、前述のとおり被害者に許しをもらい「処罰を望まない」などの意志を明確にしてもらうことを目指すことになります。窃盗罪の場合は被害者が何よりも被害回復を望むことが多く、示談成立の影響は大きいといえます。

示談を成立させる大きなメリットは、成立が早ければ早いほど、逮捕や勾留、起訴を回避できる可能性が高まる点が挙げられます。起訴されなければ、罪を裁かれることがなく、前科がつくこともありません。また、示談を成立させることによって民事的な責任を果たしているため、被害者からさらなる損害賠償請求や慰謝料請求を回避する効果もあります。

ただし、加害者本人や家族が直接示談交渉をすることは非常に難しいでしょう。被害者感情や交渉力などを考慮して、示談交渉を行う必要があります。加害者本人や家族が被害者と直接接触することは避け、弁護士に依頼することをおすすめします。

7、早めに弁護士に相談へ

窃盗は、犯行時だけでなく、犯行後日に逮捕される可能性がある犯罪です。あらかじめ対処をしておくことで逮捕を回避できるかもしれません。

特に家族が過去に窃盗罪を犯したことが発覚した場合、誰かに相談するわけにもいかず、どうすればよいのかわからないと悩んでしまうはずです。時効が成立しているかどうかや、できるだけ軽い処分にする方法を探している方、家族が過去の窃盗で逮捕されそうで不安な方は、すぐに弁護士に相談しましょう。

弁護士は法的観点からアドバイスするだけでなく、被害者との示談交渉や逮捕された場合の弁護活動など、法的なサポートを行います。将来に受ける影響を最小限に抑えることを目指すため、罪を犯した本人や家族の大きな助けになることでしょう。

8、まとめ

今回は窃盗罪の時効について解説しました。窃盗罪には刑事上の時効と民事上の時効があり、加害者は時効が完成するまで逮捕や損害賠償請求される可能性があります。

安易に「かなり前の犯罪行為だから時効が成立しているだろう」と考えないほうがよいでしょう。可能な限り、万が一に備えて弁護士に相談しておくことをおすすめします。事前に相談しておけば、窃盗容疑で家族が逮捕されたとしてもすぐに弁護活動を受けることができます。

ベリーベスト法律事務所では、刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士が、逮捕の回避や示談交渉に力を尽くします。家族の過去の窃盗にお悩みであればご相談ください。

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