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窃盗罪の構成要件とは? 誤って他人の物を持ち帰っただけでも逮捕される可能性はあるのか

2019年04月18日
  • 財産事件
  • 窃盗罪
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窃盗罪の構成要件とは? 誤って他人の物を持ち帰っただけでも逮捕される可能性はあるのか

窃盗罪には3つの構成要件があります。そのひとつに「不法領得の意思」があげられます。これは他人の財物を故意に自分の物にしようとする意思を指します。

では他人の財物を、不法領得の意思なくして持ち帰った場合は、窃盗罪にあたらないのでしょうか。今回は、窃盗罪が成立する構成要件を具体的な例をあげながら、弁護士が解説します。万が一、窃盗罪に問われた場合の量刑や、窃盗が未遂に終わった場合についても参考にしてください。

1、窃盗罪の構成要件について

窃盗罪とは財産罪のひとつにあたり、刑法第235条に規定されています。窃盗とは、他人の財物を盗むことです。

窃盗罪が成立するための構成要件は以下の3つです。すべてそろうと窃盗罪としてみなされます。

  1. ①窃取した物が他人の占有する財物であること
  2. ②不法領得の意思のもと行われたこと
  3. ③窃取の事実があること

ひとつ目の条件にある「財物」とは基本的に有形の財物ですが、気体や液体、電気なども含みます。また自分の所有物を他人に貸した、もしくは預けたあとは他人の占有下にある財物です。

2つ目の条件である「不法領得の意思」とは、他人の占有物を自らの物として経済的用法に従って利用処分しようとする意思を指します。領得罪や毀棄・隠匿罪と区別する目的で構成要件として定義づけられています。領得罪は盗んだ財物の経済的効果を得ること、毀棄・隠匿罪は財物がもつ効果を減少させたり減却させたりすることが目的です。

3つ目の「窃取の事実」は窃盗をはたらいた事実とそれによる結果が生じていることです。窃盗行為の範囲は幅が広いのが特徴です。

たとえば、以下のような行為をすると窃盗罪として罪に問われる可能性があります。

  • 空き巣、事務所や店舗荒らし、車上荒らし
  • 万引き
  • ひったくり
  • 置き引きなど
  • 無断の充電

2、窃盗罪の構成要件①他人の占有する財物

窃盗罪の構成要件のひとつである「他人の占有する財物」について、具体的に知っておきましょう。

  1. (1)盗まれた物を盗み返したケース

    もちろん本来は自分の持ち物ですが、窃盗罪にあたる可能性がある行為です。

    たとえ自分の持ち物であっても、相手の占有下にあれば「他人の占有する財物」に該当します。したがって、自分の物であってもそれを盗む行為は窃盗罪に抵触してしまうのです。

    たとえば、盗まれた自転車を路上で発見したとしても、無許可で持ち帰らないほうがよいでしょう。実際に目の前にある自転車が本当に自分の物であるという証拠はどこにもありません。この場合、まずは警察に通報する必要があります。

  2. (2)他人に貸している自分の物を勝手に持ち出したケース

    このケースでも、前項同様、窃盗罪にあたる可能性があります。いずれも本来は自分の物なのになぜそれを取り返す、持ち出す行為が窃盗罪にあたるのか? という疑問を抱くことでしょう。しかし、窃盗罪においては、財物の「本来の所有者」よりも、「現在の占有者」を重視するように考えられています。

    たとえば、貸した自転車をなかなか返してもらえないとき、勝手に持ち帰りたいと思うこともあるかもしれません。しかし、あなたが許可を出して貸し出している以上、その自転車の「現在の所有者」は相手にあります。したがって、自転車を貸していた相手の許可を得ず、黙って持ち帰ってしまえば、窃盗罪に抵触する可能性が高いと考えられます。

3、窃盗罪の構成要件②不法領得の意思

窃盗罪の構成要件の2つ目である「不法領得の意思」とは、どのような物でしょうか。

前述した通り、「不法領得の意思」とは他人の財物を自分の物として経済的用法に従って利用処分しようとする意思を指します。したがって、相手の了承を得ずに持ち帰ったとしても、盗もうと思っていなければ「不法領得の意思」は成立しない可能性があります。ここでポイントとなるのは、「持ち出した目的」です。たとえば、持ち出して質屋に売ろうとしたなど利益目的であれば、「不法領得の意思」があるとみなされるでしょう。

具体的には、駐輪場の自転車を乗って帰ったというケースについて考えてみましょう。乗って帰った理由が自分の自転車と似ていたために取り違えたのであれば「不法領得の意思」はないと考えられます。しかし、他人の物であると知りつつ自分の物にしようという意思があれば窃盗にあたるでしょう。

また、少し使用したあとに返す目的で他人の自転車を使用した場合は「不法領得の意思」はないと考えられ、窃盗罪には抵触しません。さらに、嫌がらせで相手の自転車を持ち出したなどの目的があるときは、「不法領得の意思」はないといえるでしょう。ただし、いずれも他の罪に問われる可能性があります。

これらを総合的に考えると、盗むつもりがなく持ち帰ったケースは、窃盗罪に問われる可能性は低いと考えられます。しかし、窃盗容疑で取り調べを受けたり裁判になったりしたとき、窃盗にあたらないと主張しても認められるかどうかはまた別の話です。まずは弁護士に「不法領得の意思」に該当するのかなどを相談することをおすすめします。

4、窃盗罪の構成要件③このような行為も窃盗となる

3つ目の構成要件、「具体的な窃盗行為」についても解説します。

「窃取」とは、相手に見つからないように、ひそかに盗む行為と考えられがちです。しかし「こっそり」でなくても窃盗は成立します。たとえば、窃盗罪の一つの類型である「ひったくり」は被害者から無理やり金品を奪うことを指しています。

また、カフェなどの店舗で勝手にコンセントを使用しスマホなどの充電をする行為は、盗電(刑法245条)に該当する可能性があります。電気は窃盗罪において財物とみなされるからです。もちろん、コンセントを自由に使用してよいと貼り紙などがある場合は問題ありません。しかし、貼り紙もなく許可も得ない状態で、店舗のコンセントを無断で使用して充電する行為は「窃盗罪として罪を問われる可能性がある」といえるでしょう。

5、窃盗はうまくいかなくても窃盗未遂として罪になる

窃盗をはたらこうとしたが被害者の抵抗にあうなどしてうまくいかず未遂に終わるケースもあるでしょう。しかし、前述した窃盗の3つの構成要件のひとつである「窃盗の事実」は成立していません。しかし、未遂罪(刑法243条)に抵触するため、この場合も罪に問われることになります。

たとえば、病院などの待合のソファに置いたままのカバンから財布を盗み取ろうとしたが、カバンの持ち主が戻ってきて相手に捕まり咎められた場合、窃盗未遂罪が成立する可能性があります。

窃盗未遂罪は、このあと説明する窃盗罪の量刑に比べ、一定の条件を満たせば量刑を軽くすることができる可能性があります。しかし、犯罪行為であり、有罪となれば前科がつくことは間違いありません。

6、窃盗罪の量刑とは

窃盗罪と判断された場合、以下のいずれかの刑罰が科されます(刑法第235条)。

  • 10年以下の懲役刑
  • 50万円以下の罰金刑

窃盗罪で有罪になったとき、懲役刑であれば3年以下、罰金刑は20~30万円の刑罰が科されるケースが多いようです。しかし、盗み取った物の内容や犯行の状況、前科の有無、示談が成立しているかどうかなどよって、科される刑罰は大きく変わります。

なお、窃盗罪を犯した者が未成年の場合は、少年法に基づき処分が決まります。一般的に、14歳以上の未成年は警察などの取り調べを受けたあと、家庭裁判所に送られることになります。最終的には状況などを顧みて少年審判によって判断され、保護観察や少年院送致、不処分などの処分が下されることとなります。したがって、窃盗のみであれば刑事裁判にかけられ、成人が受ける刑罰を受けるケースはほとんどないでしょう。その場合、前科がつくことはありません。

もし、窃盗を行った者が14歳未満だった場合、刑事責任を問えないため逮捕されることもありません。ただし、何も起こらないわけではなく、警察は罪を犯した可能性がある子どもを保護して、児童相談所へ送る可能性があります。

なお、窃盗罪の時効は7年です。この期間を経過すると検察官が公訴する権限は消失します。

7、窃盗罪の容疑をかけられて困ったら弁護士に相談を

窃盗は、いうまでもなく犯罪です。しかし、あなたは盗んだつもりがなくても、被害者とされる相手から窃盗容疑をかけられてしまうこともあるかもしれません。その場合は、構成要件を再確認する必要があります。

そのようなとき、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。あなたが行った行動とその意図、状況などに基づき、窃盗罪に抵触するかどうかを、最新の判例に基づいて判断します。ただし、刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士でなければ、判断ができないこともあるため注意が必要でしょう。

窃盗罪で逮捕されたときは、スピード感を持って対応することによって、将来に至るまで受ける可能性がある影響を最小限に抑えることができます。タイミングを逃さないよう、弁護活動をスタートし、示談を成立させることによって、過剰に重い罪に問われることを避けることができるでしょう。そのためにも、できるだけ早いタイミングで弁護士を頼ることをおすすめします。

8、まとめ

窃盗罪に問われるケースはさまざまです。盗んだ本人が故意ではなく持ち帰った場合でも、盗まれたと被害者が主張するケースも少なくないでしょう。

窃盗罪に問われ、有罪になれば、懲役刑や罰金刑が科されます。さらに窃盗未遂も犯罪であり同様に罪に問われます。有罪になれば前科がつくことになり、人生にも大きな影響を及ぼす可能性は否定できません。

窃盗罪に問われるかもしれないという不安があれば、まずはベリーベスト法律事務所で相談してください。刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士が、最新の判例をもとに適切なアドバイスを行います。

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