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窃盗罪でも懲役刑になることはある? 懲役の相場や判例について

2019年07月03日
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窃盗罪でも懲役刑になることはある? 懲役の相場や判例について

窃盗とは、簡単に言うと、他人が所有している物品を盗む行為をいいます。場合によっては、窃盗をしたことにより逮捕されてしまうこともあります。起訴された場合は懲役刑も覚悟しなくてはなりません。もしご家族が窃盗罪の容疑をかけられ、逮捕されてしまったら、もしかしたら懲役刑になるのではないかと不安になってしまうでしょう。
そこで、この記事では、窃盗事件ではどのような場合に起訴され、裁判になってしまうのか、懲役刑を科された場合はどの程度の刑期になるのかなど、実際の裁判例も交えてご紹介します。また、刑を軽くするにはどうしたらよいのかも併せて解説します。

1、窃盗罪について

  1. (1)窃盗罪の法定刑

    窃盗罪は刑法第235条に規定があり、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とされています。窃盗をした場合でも、その内容が軽い場合には、不起訴になることや、略式手続(起訴はされるが公判を開かずに書面で審理する手続き)となり、罰金のみで済むこともあります。
    一方、盗んだ金額が大きい場合や、たとえ低額でも何回も繰り返す常習犯の場合は、懲役刑を科されてしまうことがあります。窃盗罪では罰金刑の上限が50万円と低く設定されていることもあり、行為が悪質だった場合は罰金刑では済まされず、懲役刑の判決がくだってしまうこともあります。

  2. (2)窃盗の検挙率は31.2%

    実際に起きた窃盗事件を見ると、万引き、車上荒らし、空き巣、自転車の窃盗などが多く発生しています。法務省がまとめている犯罪白書によると、窃盗の認知件数自体は、平成13年~14年頃をピークに減少傾向にあります。平成29年のデータでは、窃盗の認知件数は65万5498件であるのに対し、検挙されたのは20万4296件であるため、検挙率は31.2%です。

2、窃盗罪で懲役刑となる可能性

では、実際にどのような窃盗をすると懲役刑になってしまうのかを見ていきましょう。

  1. (1)初犯でも懲役刑の可能性はある

    通常、初犯の場合はある程度刑の軽減が考慮されますが、被害額が大きい場合や、住居に侵入するなど行為態様が悪質な場合、今後も同じような罪を犯す可能性が高いと判断された場合には、初犯でも懲役刑になる可能性はあります。
    とはいえ、窃盗罪単独でその上限である10年の刑期を科されるケースはほとんどありません。また、3年以下の懲役となった事案も多数存在します。
    3年以下の懲役であれば執行猶予がつく可能性も出てきます。もちろん必ず執行猶予がつくわけではありません。盗んだものや盗んだ方法、被害者との間に示談が成立しているかなどが判断材料となります。

  2. (2)軽い窃盗でも懲役刑の可能性はある

    被害額の小さい万引きや自転車の窃盗などは、窃盗の中でも比較的よくあるパターンですが、これらの初犯であれば、いきなり実刑判決を受ける可能性は低いといえます。送検されずに、警察署での調書作成のみで済む微罪処分とされることもあるでしょう。
    しかし、たとえ被害額が小さくても、2回目以降の窃盗となれば、罰金刑となる可能性が高まり、さらに窃盗を繰り返した場合は懲役刑に至ることもあります。

    また、こうした軽い窃盗でも、被害者の処罰感情が大きい場合、警察や検察はその意向も考慮します。
    さらに、民事裁判等によって、実際に窃盗した金額よりも大きい金額の賠償を求められることもあります。そのため、被害者に対して謝罪を行うとともに、早期に弁償しておく必要があります。

  3. (3)懲役刑となることのデメリット

    日本では、検察に起訴されてしまうと、その後の裁判では約99%が有罪判決を受けてしまいます。仮に執行猶予を得たとしても前科がつくため、社会生活において大きな影響が発生します。会社を解雇されるおそれや、公務員への就職や国家資格の取得にも制限が生じます。まして実刑判決を受けて収監されてしまうと社会復帰も大変です。懲役刑を免れるためには、早い段階で弁護士に相談することが重要です。

3、窃盗罪で懲役刑が科された裁判例

窃盗に対してどの程度の量刑を科すかは、犯罪の起きた状況を総合的に判断して決定されます。ここでは実際の裁判例をもとに、刑期や執行猶予の有無などを解説していきます。

  1. (1)窃盗金額が大きいケース

    • 事件の概要:合計160kgの金塊と多額の現金等を窃盗し、被害総額が7億6000万円余りに上った、類例を見ないほどの窃盗事件。事前に入手した情報をもとに周到な計画を立て、警察官を装って犯行におよび、短時間で大量の窃盗を行った。

    • 被告人の概要:被告人はAとBの2名。A、Bともに前科3犯で、特にAは複数の服役経験があり、前回の服役の終了からわずか8ヶ月で再び同じような事件を起こした。

    • 求刑:被告人両名につきそれぞれ懲役10年。

    • 判決:被告人両名をそれぞれ懲役9年に処する。

    求刑は窃盗罪の上限である10年でしたが、これだけの事件であっても、判決はそれをわずかに下回る9年でした。

  2. (2)常習性があるケース

    • 事件の概要:A店において、キャンディ1袋など3点(販売価格合計382円)を窃取した。被害品はすでに還付されている。

    • 被告人の概要:同種の窃盗で罰金前科2犯、さらに懲役1年執行猶予3年の判決からわずか約3ヶ月で再び犯行におよぶなど、常習性が認められた。しかし、摂食障害を抱え、前回の事件が報道されたことでストレスを受け、万引きの衝動を制御する能力が低下していた。

    • 求刑:懲役1年の実刑

    • 判決:被告人を懲役1年に処する。ただし4年間その刑の執行を猶予し、保護観察に付する。

    執行猶予期間であるにもかかわらず、再び万引きを行ったことで、一般的には実刑判決は免れませんが、被害金額が少なかったことや、摂食障害の影響等が考慮され、再度の執行猶予となりました。

  3. (3)被害が高額かつ悪質のケース

    • 事件の概要:漁船の船長が、乗組員らと共謀し、発電機など30点(時価合計約77万1300円相当)と太陽電池モジュールなど9点(時価合計約486万8900円相当)を窃取した。

    • 被告人の概要:無人島に漂着した外国漁船の船長で、前科はない。反省の態度を示しており、被害品についても原動機付自転車1台を除く全てを被害者らに返還した。

    • 求刑:懲役2年6ヶ月

    • 判決:被告人を懲役2年6ヶ月に処する。ただし4年間その刑の執行を猶予する。

    被害額が大きく犯行の悪質性があるものの、盗品のほとんどがすでに返還されていることや、国内においては初犯であったこと、また反省の態度が見えることから、求刑通りながら、執行猶予がつく判決となりました。

4、窃盗罪で懲役刑を免れるには?

窃盗罪のような財産犯では、示談を成立させているか否かが、刑を決めるうえで重要視される傾向があります。また、起訴された場合は、実刑を避けて執行猶予を勝ち取ることが目標となりますが、そもそも不起訴で終われば前科がつくこともありません。そのためにも示談を成立させることが重要です。被害者との間で示談交渉を行い、示談金を支払うことで許しを得れば、送検や起訴を免れる可能性が高まります。さらに、早期に示談や謝罪を行えば、事件化を回避することすらあり得ます。いずれにしても、刑事事件とは別に、被害者から民事裁判で訴えられることもありますので、被害者への謝罪や弁償はするに越したことはありません。
しかし、加害者本人やご家族が対応すると希望通りの結果にならないことが多々あります。ご自身や身内の方が窃盗罪で訴えられそうになったら、できるだけ早めに弁護士へ相談することが解決につながります。

5、まとめ

窃盗罪は、その行為が悪質ではなく被害額も少ない場合は、起訴されても執行猶予がつく可能性が高くなります。また、示談や被害の弁償が済んでいれば、不起訴となって前科がつかずに済むことにも期待できます。そのためには早期に被害者との示談を成立させ、警察や検察に示談書を提出することが重要です。ただし、示談交渉は、加害者本人がやってもうまくいかないことが少なくありませんし、専門的な知識が必要となることもあります。そのような場合には、弁護士のサポートが欠かせません。
ご自身や、大切なご家族が窃盗罪に問われてしまったら、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。「窃盗をしてしまったが懲役刑だけは免れたい」「被害者に許してもらって起訴を避けたい」といった不安に寄り添い、一人ひとりの事情に合わせて弁護士が全力でサポートいたします。

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