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万引きしていないのに誤認逮捕された! 逮捕した相手に慰謝料を請求できる?

2019年09月18日
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万引きしていないのに誤認逮捕された! 逮捕した相手に慰謝料を請求できる?

スーパーや量販店で買い物をしていただけなのに万引きの容疑で逮捕されてしまった。
誤りとはいえ容疑者として扱われてしまいます。逮捕されたご本人やそのご家族はどうすれば誤解が解けるのか、また、誤認逮捕した店側に慰謝料を請求できないかと考えるでしょう。
今回は万引きの容疑で誤認逮捕されてしまった場合の慰謝料請求について解説します。

1、誤認逮捕とは? 冤罪とはどう違うのか

誤認逮捕とは、罪を犯していないのに逮捕されてしまうことです。
冤罪とは、罪を犯していないのに逮捕、起訴され、有罪判決を受けてしまうことです。
2つは法律用語ではなく一般的に使用されている言葉ですので、罪を犯していないのに逮捕、起訴される一連の流れを冤罪事件と呼ぶ場合もあります。
いずれにしろ、身に覚えのない罪によって不当な扱いを受けている点に変わりはありません。

  1. (1)誤認逮捕が起きる原因

    逮捕には、現行犯逮捕、通常逮捕、緊急逮捕の3種類があります。中でも特に誤認逮捕になりやすいのは現行犯逮捕です。
    現行犯逮捕は、逮捕状なしに、かつ私人による逮捕も可能であることから、犯人を見間違う、証拠がないのに決めつけてしまうなどで、誤認逮捕となる可能性があります。
    また、被害者とされている人や目撃者の証言などの証拠が誤認逮捕の要因となる場合があります。

  2. (2)誤認逮捕で事実と異なる供述をするリスク

    誤認逮捕されると、捜査機関から厳しい取り調べを受けることで、平常心を失い、早く釈放してほしいという思いから嘘の供述をしてしまう場合があります。こうなると、供述が犯罪の証拠として扱われ、起訴、有罪となるリスクが高まります。一度した供述を裁判で覆すのは困難ですので、どんなに厳しい取り調べを受けてもやっていないことをやったという嘘の供述をしては絶対にいけません。

2、万引き事件で誤認逮捕されたら店側に慰謝料を請求できる?

万引き事件の誤認逮捕では、店員や警備員が見間違ってしまったために、身柄を拘束されてしまうケースが典型的です。
警察署で取り調べを受け、場合によっては検察に送致され長期間勾留されてしまい、会社や学校に行くこともできなくなります。
そこで、誤認した店や警備員などに対し、精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料を払ってもらいたいと考えるでしょう。

結論として、誤認逮捕した相手への慰謝料請求は可能です。
ただし、相手方に故意や過失があったことを明らかにする必要があります。
ここでいう故意とは、万引き犯ではないと知っていながら犯人だとでっちあげた場合などが想定されます。
ちなみに、この場合はでっちあげた者に虚偽告訴罪(刑法第172条)が適用される可能性があります。

ただし、万引き事件においては、店側があえて虚偽の申告をすることは通常は考えにくく、過失が問題になることが多いでしょう。
過失の場合は、適切な手続きを経た逮捕だったのかが重要です。たとえば、店側が本人から丁寧に事情を聴いたのか、防犯カメラの映像をよく確認したのかといった点です。
これらの過程を経ていたのなら、店側に過失はなかったと認定されやすく、慰謝料を請求することは難しくなります。

とはいえ、店側の過失の程度や、誤認逮捕による損害の度合いは事件によって大きく異なるため、安易に判断することはできません。店側の過失が小さくても、店側に謝罪の気持ちがあれば、交渉により慰謝料を支払ってもらえることがあるでしょう。
いずれにしても誤認逮捕された本人やご家族が店側と対応することは困難です。また、容疑が晴れない以上、そのまま刑事手続きが進んでしまうおそれがあります。
店側と慰謝料の交渉をするにせよ、誤認逮捕の容疑を晴らそうとするにせよ、まずは弁護士へ相談されることが大切です。

3、万引き事件での慰謝料はどのように決まるのか

万引き事件で誤認逮捕した相手に請求できる慰謝料の金額について、次のような点が算定の要素となります。

・逮捕された本人について、万引きをしたと誤解されるに足る理由があったのか

たとえば、会計前の商品を持ったままお手洗いに入ってしまった場合や、買い物かごに入れるつもりが誤って自分のカバンなどに商品を入れてしまった場合などには、万引きを誤解されても仕方がないと判断されるかもしれません。
疑われる方にも一定の過失があったとされ、慰謝料は低くなったり、全く認められない可能性があります。
ごく普通にルールを守って買い物をしていたのに誤認逮捕されてしまった場合は、逮捕された人に過失はないため、慰謝料減額事由にはなりません。

・肉体的、精神的苦痛の度合い

誤認逮捕されるときの状況が強引で、床に倒されて痛い思いをしたり、怪我を負わされたりした場合、これらの事情が考慮され慰謝料が増額する可能性があるでしょう。
また、連行される様子を知人に見られたり学校へ通報されたりすると、犯罪者と扱われて周囲からの信頼を失う、屈辱的な思いをするなど、精神的な苦痛は大きくなります。
このような精神的苦痛も慰謝料の算定の際に考慮される可能性があります。

なお、誤認逮捕が明らかになれば、刑事補償法や被疑者補償規程にもとづき国から補償金を受け取れる場合があります。
拘束された期間や財産上の損失、逮捕されていなければ得ていたはずの賃金、精神的苦痛などが考慮され補償額が算定されます。
ただし、刑事補償法や被疑者補償規程では1日あたり上限1万2500円と定められていますが、この金額は十分な補償とはいえないでしょう。
これらの補償とは別に、国家賠償法にもとづき国や公共団体に損害賠償を求めることも考えられます。
ただし、警察などの捜査に不法行為があったといえなければならないため、認められるハードルは高いといえます。

4、万引きで誤認逮捕された場合の対処方法

万引きで誤認逮捕された後の取り調べに際しては、次のような点に留意して自身を守る必要があります。

  1. (1)黙秘権の行使

    刑事訴訟法第198条2項では捜査機関は「取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない」とされており、また、憲法第38条では、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」とされています。これらが取り調べにおける黙秘権の根拠となります。
    本人は誤認逮捕だと分かっていても、捜査機関は犯人だと思って取り調べをしており、ときには自白を誘導するような質問も行います。
    一貫して否認することは必要ですが、何を伝え、何を黙秘するのか、供述の仕方には慎重さが求められます。

  2. (2)供述調書へのサインの拒否、変更権の行使

    捜査機関は取り調べの内容を「供述調書」として記録し、これに被疑者の署名、捺印を求めてきます。
    供述調書は単なる記録ではなく、後に裁判になったときの重要な証拠のひとつとなりますので、慎重に確認しなくてはなりません。
    供述調書にむやみにサインをすると、自白の証拠として扱われてしまうおそれがあります。

    また、署名、捺印は義務ではありませんので、一部でも不明な記述があればサインを拒否することができます。
    供述調書に事実と異なる記述があれば、修正を求めることもできます。

  3. (3)権利の行使について弁護士へ相談を

    上記の権利について、事前に知っているか否かが、その後の手続きに大きな影響を与える可能性があります。しかし、通常、自分が逮捕されることなど想定しないで生活している人がほとんどで、取り調べの時に適切に権利を行使できる人は少ないはずです。
    逮捕された段階ですぐに弁護士に相談し適切なアドバイスを受ければ、不利な処分がされる可能性を小さくすることができます。
    ご家族としては、一刻も早く本人のもとへ弁護士を派遣し、取り調べに臨む際のアドバイスをしてもらうことをお勧めします。

5、まとめ

今回は万引き容疑で誤認逮捕されてしまったケースを想定し、慰謝料請求の可否や算定の根拠、取り調べの留意点などをお伝えしました。
誤認逮捕が起こり得る以上は、自分を守る術を身につけ、いざというときには適切に対処する必要があります。また、もしご自身やご家族が誤認逮捕されてしまったら、犯行の事実がないことをしっかり主張し、誤解を解かなくてはなりません。
とはいえ、万引きをされたと思っている店側や、捜査機関と対等に渡り合うことは極めて困難です。できるだけ早い段階で弁護士へ相談しサポートを受けることが大切です。
ベリーベスト法律事務所でもご相談をお受けします。刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が事件の解決に向けて尽力しますので、一度ご連絡ください。

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