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強盗致死とは? 死刑や無期懲役を免れるために家族ができる対処法

2019年11月20日
  • 財産事件
  • 強盗致死とは
強盗致死とは? 死刑や無期懲役を免れるために家族ができる対処法

刑法第240条で「強盗が、人を······死亡させたときは死刑または無期懲役に処する」と定められています。
家族が強盗致死の容疑で逮捕されたのであれば、ご家族はとても不安な思いをしているでしょう。しかし何の対処もしなければ極めて重い罰を受ける恐れがあるため、速やかに動き出す必要があります。

この記事では、強盗致死の概要や刑罰の内容について解説します。強盗殺人との違いや、減軽となる事由もあわせて見ていきましょう。

1、強盗致死とは

強盗は、暴行や脅迫を用い、人の財物を強取する犯罪です。強盗の機会に人を死亡させてしまうのが強盗致死になります。
たとえば、次のようなケースは、強盗致死が成立する可能性があります。

  • カツアゲをして、抵抗を受けたので殴ったら死亡させてしまった
  • 歩行者にバイクで近づきバッグを強奪したところ、相手が転倒し、打ちどころが悪くて亡くなってしまった
  • コンビニに押し入り、脅すつもりでナイフを向けたら、相手が抵抗した際に刺さって亡くなってしまった

強盗が人を死亡させてしまった場合の刑罰は、「死刑」か「無期懲役」しかありません。
重大犯罪と聞くと多くの方が思い浮かべる殺人罪ですら、「死刑または無期もしくは5年以上の有期懲役」と刑に幅があります。この点を踏まえても、強盗致死は極めて重い罰を科される深刻な犯罪だとわかります。

死刑となった場合、判決が確定した後6か月以内に、法務大臣が執行を命令することになっています(刑事訴訟法第475条)。ただし再審の請求や、法務大臣の判断などによって執行時期は変わります。
無期懲役とは、期限の定められていない懲役刑を指します。生涯刑務所に収監される終身刑とは異なり、どこかのタイミングでは身柄を解放される可能性があります。
もっとも、かなりの長期間、刑務所に入ることに変わりはなく、生涯のうちに必ず出所できる保証はありません。

2、強盗致死と強盗殺人の違いとは

強盗致死と同じく、強盗犯が人を死なせてしまう犯罪に強盗殺人があります。2つの罪はどのように異なるのでしょうか。

  1. (1)殺意の有無

    強盗致死は、強盗の故意はあったが、殺害する意図はなく人を死亡させてしまった場合に成立する犯罪です。
    一方、強盗殺人は、強盗の故意があり、かつ殺意をもって人を殺害する場合に成立する犯罪です。

    2つの罪の決定的な違いは、殺意の有無です。殺意とは、殺してやろうという意思はもちろん、相手を死亡させてしまう危険な行為であることあることを認識し、結果として相手が死んでも構わないという意思も含まれます。
    強盗の手段として故意に人を殺害すれば、強盗殺人罪が成立します。
    また、殺意が強盗の被害者に向けられたものではなくても、強盗殺人が成立する場合があります。
    たとえば、強盗をして逃げているところ、追いかけていた警備員や目撃者を故意に殺害した場合でも、強盗殺人になりえます。

  2. (2)量刑の重さ

    強盗致死も強盗殺人も、刑法第240条が定める「死刑または無期懲役」で罰せられます。
    すると、いずれにしても同じ刑罰が適用されるのなら、そもそも殺意の有無を確認する必要はないのではとないかと疑問が生じるのではないでしょうか。
    しかし、裁判の際に言い渡される量刑に大きな違いが生じます。殺人の意図はなく死なせてしまった強盗致死と、意図して殺害した強盗殺人とを比較すると、強盗殺人の量刑が重くなる可能性が高いということになります。

  3. (3)殺意の有無を判断するもの

    同じ刑罰が適用されるとはいえ、量刑に差が生じる以上、強盗致死になるのか、強盗殺人になるのかは大きな違いです。

    このとき争点になる殺意の有無は内面の問題なので、本人が認めない限りは、客観的な事情から判断されます。
    たとえば、凶器の有無、凶器の種類や殺傷部位、傷の深さ、暴行の回数などが挙げられます。ほかにも、犯行前後の行動として、強盗殺人の計画を知人らに話していた、暴行の直後は被害者がまだ生きていたのに救急車を呼ばなかったといった点も、殺意の認定に傾く材料になります。

3、強盗致死の場合には必ず死刑か無期懲役になる?

酌量減軽といって、犯罪に酌むべき事情があると、量刑判断で減刑される場合があります。
たとえば、初犯であること、被害者のご遺族と示談が成立していることなどが挙げられます。したがって、強盗致死の法定刑は死刑または無期懲役ですが、減刑されて有期懲役になる可能性は残されています。
ただし結果の重大性からいって、減刑されてもかなりの長期になることは免れず、また無期懲役が選択される可能性も十分にあるでしょう。

参考までに、強盗致死事件において、死刑または無期懲役を言い渡された割合を確認してみましょう。

4、家族が強盗致死で逮捕されたら、家族にできることとは?

家族が強盗致死で逮捕された場合、たとえ初犯であっても、非常に重い刑罰を科せられる恐れが生じています。

残されたご家族ができるのは、一刻も早く弁護士へ相談することです。刑の減軽を求める活動は弁護士でなければできないからです。

強盗致死で減軽される可能性のある事由としては、犯行に残虐性や悪質性がない場合、計画性がない場合、ご遺族との示談が成立している場合などが考えられます。
ただし示談といっても、ご遺族の悲しみや怒りは計り知れないため、とても繊細な交渉が求められます。弁護士を通じて慎重に交渉しなくてはなりません。

事件を起こした経緯として、同情に値するような特別な事情があった場合も、一定の考慮がなされる可能性があります。
犯行の後に自首をしているケースでも、反省の意思を示すひとつの材料となり、刑の減軽が認められる可能性があるでしょう。
逮捕されたときの罪名が強盗致死でも、弁護士の活動によって、窃盗と傷害致死など、別の罪名で起訴される場合もあります。適用される罪名が変われば執行猶予の可能性も生まれます。

ほかにも、弁護士は本人に接見し、取り調べの対応をアドバイスします。取り調べで何をどう答えるのかは、とても重要だからです。
殺意がなかった場合でも、「本当は死んでも構わないと思っていたのだろう」などと誘導される可能性があり、安易に認めると殺意の自白とみなされてしまいます。
また、強盗致死で起訴されると、裁判員裁判の対象となるため、公判前整理手続きの知識や経験、一般市民の方々にもわかりやすく伝えるための法廷弁護能力が必要です。
刑事弁護の実績のある弁護士を選任する必要があるでしょう。

5、まとめ

死刑または無期懲役のみが予定される強盗致死では、刑の減軽のための弁護活動が非常に大切です。そもそも強盗致死に該当するのか、犯行に酌むべき事情があるのかといった点も含め、適切に対処する必要があるでしょう。
起訴される前の活動からが重要になってくるため、時間的な猶予はありません。ご家族は一刻も早いタイミングで弁護士へ相談し、今後の対応を依頼してください。

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