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詐欺の類型と構成要件をわかりやすく解説! 詐欺の容疑で逮捕された場合の対処法とは

2020年01月28日
  • 財産事件
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詐欺の類型と構成要件をわかりやすく解説! 詐欺の容疑で逮捕された場合の対処法とは

詐欺とは簡単に言えば相手をだまして利益を得る犯罪ですが、詳しく見ていくと詐欺に当たるかどうか微妙な行為も少なくありません。たとえば、何かを売ると言ってお金を受け取り何も渡さなければ明らかな詐欺ですが、あまり品質の良くない商品を素晴らしい物であるかのように説明して高額で売ったとしたら、詐欺に当たるのでしょうか。詐欺と詐欺ではない行為の境界はどこにあるのか、難しいところです。

そこで今回は、もしかしたら自分が詐欺を働いているのではないかと心配な方へ向けて、詐欺罪とは何か、どういう基準で犯罪が成立するのかといった点を解説します。また、詐欺の容疑で逮捕された場合の対処法も合わせて解説します。

1、詐欺罪とは? 罰則や時効など概要を解説

刑法に定められている詐欺罪について、罰則や時効を確認しておきましょう。

  1. (1)刑法上の詐欺罪

    冗談や軽口として使われる「詐欺」という言葉は、相手をだますといったニュアンスが強いですが、刑法上の犯罪としての詐欺は少々異なります。詐欺とは、⼈を欺いて⾦銭・物品を交付させたり、財産上の不法な利益を得たりする犯罪のことを指します。

  2. (2)有罪となった場合の罰則

    詐欺罪で有罪となった場合、罰金刑の定めはなく、懲役刑のみが規定されています。具体的には10年以下の懲役となっています。

  3. (3)詐欺罪の時効と期間計算

    刑事事件に関する時効には公訴時効と刑の時効があり、一般に問題となるのは公訴時効です。公訴時効は、犯罪後、法律の定める一定期間が経過すると検察官が被疑者を起訴できなくなるという制度です。
    詐欺罪は懲役が10年以下と定められている罪なので、公訴時効は7年です(刑事訴訟法第250条第2項第4号)。
    なお、民事事件上では、詐欺は不法行為に該当します。不法行為による損害賠償請求権は「損害および加害者を知った時」から3年間行使しないときは時効によって消滅し、また、不法行為の時から20年経過したときも行使できなくなります(民法724条)。
    刑事事件として起訴されなかったとしても、被害者から損害賠償請求をされる可能性があるのです。

2、代表的な詐欺の種類について解説

ここでは代表的な詐欺の種類を取り上げ、どのような行為が詐欺となるのかを説明します。自分の行為が詐欺に当たるかどうか心配な方は、確認してみましょう。判断が難しい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)借用詐欺

    詐欺の典型として挙げられる借用詐欺は、返すつもりや返済能力がないにもかかわらず、お金を借りるというパターンです。たとえば「今月の給料日まで金がなくて、1万円でいいから貸してくれないか」などと頼んでお金を借りつつ、実際に給料日が来ても返さない場合、詐欺に当たる可能性が高いでしょう。また、駅で「財布をなくして家まで帰るためのお金がないので、電車賃を貸してください」と言って運賃相当額をだまし取る寸借詐欺も、この類型に入ります。

  2. (2)投資詐欺

    借りるのではなく、「資産価値の上昇は間違いありません」「100%もうかります」「高額の配当利回りです」などと巧みに述べて、不動産や株式などを購入させたり投資させたりするパターンです。悪徳商法や誇大広告にも通じるものがありますが、虚偽の事実を示してだます点で商売上の手法と区別されます。

  3. (3)結婚詐欺

    相手と結婚する意思がないのに、結婚すると装って現金や財産をだまし取るパターンです。将来的に家計が同一になるとの期待を持たせることで、相手をだます犯罪です。

  4. (4)特殊詐欺

    特殊詐欺とは、不特定の人に対して、対面することなく、電話、はがき、ファックス、メール等を使って行う詐欺のことをいいます。被害者を直接だます旧来の詐欺とは異なるところから、特殊詐欺と呼ばれるようになりました。振り込め詐欺(オレオレ詐欺)や還付金詐欺などが代表的で、ATMに振り込ませたり受け子と呼ばれる末端人員に手渡しさせたりといった方法で被害者から金銭をだまし取ります。

3、詐欺罪における4つの構成要件をわかりやすく説明

商売で商品価値を多少誇張することがあるように、だますとまではいかなくても、人の思い込みや期待に乗じて約束や取引をすることはあるでしょう。
しかし、そうした行いがすべて詐欺として扱われては、経済の流れや人間関係に支障が生じかねません。そこで刑法では構成要件という犯罪行為の類型を定め、それに該当した行為だけを詐欺罪として処罰することとしています。
以下では詐欺罪の構成要件を順に見ていきましょう。

  1. (1)欺罔行為

    相手をだます行為のことを欺罔(ぎもう)行為といいます。詐欺罪が成立するには、相手をだます何らかの行為をする必要があるのです。
    たとえば、返すつもりがないのに「絶対に返すから」と約束してお金を借りると、その約束が欺罔行為に当たります。投資詐欺では保証がないのに「絶対にもうかるから」、結婚詐欺では結婚する気がないのに「結婚するから」といった説明や約束が欺罔行為となります。口で言う必要はなく、虚偽の資料を作成して見せたり、レンタル品を自己所有物に見せかけたりする行為も欺罔行為に該当します。
    欺罔行為といえるためには、仮に相手が本当のこと(返すつもりがないことやもうかる保証がないことなど)を知っていたらその行為(お金を貸したり投資したり)をしないといえるほどの重要な事項に関して相手をだます必要があります。

  2. (2)錯誤

    欺罔行為により、実際に相手が事実を誤認する必要があります。たとえば結婚詐欺で、被害者が「本当は結婚してくれるというのはウソだろう」と承知していて、それでも愛情や同情により金品を渡していた場合、欺罔行為はあってもだまされてはいないため、詐欺罪は未遂になります。ただし、詐欺罪は未遂も罰せられるので、注意が必要です。

  3. (3)財産交付・財産上の利益移転

    欺罔行為により、相手が実際にだまされた上で、金品や財産上の利益を移転させる必要があります。金品はお金や金銭的な価値のあるもの、財産上の利益とは、たとえば借金の免除などです。
    相手をだましたのに結局お金が借りられなかったようなケースでは、財産が交付されておらず相手方に損害が発生していないため、詐欺罪は既遂になりません。

  4. (4)因果関係に基づく処分行為

    被害者が加害者に金品や財産上の利益を渡すことを処分行為といいます。この処分行為は、加害者の欺罔行為による被害者の錯誤に基づく必要があります。この関係性を因果関係といいます。
    つまり、だまされたことと無関係に金品などを渡したとしても、詐欺罪は既遂になりません。

4、詐欺罪で逮捕された後の流れと対処法について

  1. (1)警察の捜査と取り調べ

    警察は、被疑者を逮捕してから48時間以内に事件を検察官送致(送検)するか、被疑者を釈放しなければなりません。取り調べ中、身柄を拘束された被疑者は留置場に留置されることとなります。
    逃亡や証拠隠滅の恐れなどがない場合、逮捕されず、または逮捕後に釈放され、在宅捜査となることがあります。在宅捜査となれば、通常の生活を送りながら、呼び出しに応じて取り調べを受けます。

    逮捕前の時点で自首し、反省の意を示すことで、在宅捜査となる可能性が高まります。取り調べに備えるために、弁護士に相談しておくといいでしょう。弁護士に自首に付き添ってもらうことも可能です。

  2. (2)検察の捜査と取り調べ

    検察官は、被疑者を起訴するか不起訴にするかの判断をします。捜査中は原則として拘置所に拘置され(逮捕時のまま留置場にいる場合もあります)、身柄拘束の必要がない場合は釈放されます。検察での拘束は送致から24時間以内と定められています。検察官が被疑者を引き続き拘束する必要があると判断した場合は、裁判官に勾留請求をします。
    逮捕段階で被疑者と面会できるのは弁護士のみであり、家族も面会できません。

  3. (3)勾留

    捜査のための拘束は、警察では48時間以内、検察では24時間以内、合計逮捕から72時間以内と定められています。その後も引き続き拘束が必要な場合は、裁判官の判断のもと勾留が認められます。原則は10日間ですが、さらに追加で10日間の勾留も可能です。つまり、最長で勾留期間は20日間となります。
    勾留による長期の身柄拘束から被疑者を解放するための手段として、勾留決定に対する準抗告や勾留取消請求などがあります。弁護士の力を借り、身柄釈放の可能性が高い手段を取りましょう。

  4. (4)起訴と不起訴

    逮捕から勾留期間までに、検察官は被害者の意向なども確認した上で被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。事件性がない場合や証拠が足りない場合には不起訴処分となり、起訴されれば裁判所で公判が⾏われます。不起訴になれば前科がつきませんが、起訴され有罪となった際には、前科がつき、その後の人生に大きな影響を与えることになるでしょう。
    被害者と示談できていることは、検察官の起訴不起訴の判断や裁判官の量刑判断に大きく影響します。弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を代行してもらいましょう。
    起訴後は保釈請求も可能ですので、手続きが難しければ弁護士に依頼するといいでしょう。

5、まとめ

今回は詐欺罪の構成要件と逮捕後の段階に応じた対処法などを説明しました。詐欺をした覚えがないのに詐欺の疑いをかけられている場合、不起訴処分を求めていく必要があります。
詐欺で逮捕された場合には、刑事事件での実績が豊富なベリーベスト法律相談事務所にご相談ください。

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