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窃盗罪の罰金を払えないとどうなる? 窃盗の具体例や時効などについて

2020年02月05日
  • 財産事件
  • 窃盗
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窃盗罪の罰金を払えないとどうなる? 窃盗の具体例や時効などについて

他人の物をひそかに盗み取る窃盗罪では、有罪になると、10年以下の懲役か、50万円以下の罰金刑を科されます。窃盗をしてしまった場合、逮捕の不安におびえると同時に、「万が一有罪となり罰金刑となっても高額で払えない場合はどうなるのか」と心配になるかもしれません。分割払いは可能なのか、自首をすれば罰金額を低くしてもらえるのかといった点も気になるでしょう。

この記事では窃盗罪と罰金刑をテーマに、窃盗の具体例や時効も含めて解説します。

1、窃盗罪の定義や具体例について解説

まずは、窃盗罪はどんな犯罪か、何をすると窃盗罪にあたるのかを知っておきましょう。

  1. (1)窃盗罪とは

    刑法第235条では「他人の財物を窃取した者」を窃盗と定義し、刑罰は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と規定されています。

    他人の財物とは、他人が事実上支配している(占有)物を指します。窃盗罪は故意と不法領得の意思にもとづき、所有者の意思に反して他人の財物を自分の占有下におくと成立します。たとえば人に貸した物を無断で取り返すような行為も窃盗罪となります。
    窃取とは、そっと盗み取るという意味です。したがって暴力をふるったり凶器をちらつかせたりして人の物を奪った場合には、窃盗罪ではなく強盗罪などが成立し得ます。

  2. (2)窃盗の具体例

    窃盗罪と聞くと、他人の住居に侵入して盗みをはたらく侵入盗や、店の商品を盗む万引き、スリ、車上ねらいなどをイメージする方が多いでしょう。もちろんこれらもれっきとした窃盗罪ですが、身近な場所でつい犯してしまいがちな窃盗もあります。

    たとえば、次の行為はいずれも窃盗罪となる可能性があります。

    • 店の入り口においてある他人の傘を持ち去る
    • 飲食店のストローや割りばしを持ち帰る
    • 無料配布の試供品サンプルを大量に持ち帰る
    • 許可のない場所でスマートフォンやパソコンの充電をする(電気窃盗)

    など

  3. (3)未成年の窃盗は刑罰を受ける?

    刑法第41条では14歳未満の者の行為を罰しないとしているため、未成年者のうち14歳未満であれば刑事責任を問われることはありません。これは刑事責任能力がないとされるためです。

    14歳以上の場合は刑事責任能力があるため窃盗罪で逮捕されるおそれがありますが、成人と同じ刑罰ではなく、原則として家庭裁判所が少年審判において決定する処分(保護観察処分や少年院送致など)を受けます。未成年の場合は教育的観点から、家庭裁判所による更生のための処置が適当だとされているからです。

2、窃盗罪による罰金が支払えない場合はどうなる?

罰金刑とは、1万円以上の金銭を徴収される刑罰を指し、窃盗罪では1万円以上50万円以下の範囲で金額が決まります。刑罰ですので、必ず所定の期間内に検察庁へ納付しなくてはなりません。
窃盗罪に限りませんが、罰金は原則として分割納付はできないため、現金一括で支払う必要があります。50万円近くもの大金を一括で支払えないと感じるかもしれませんが、納付しないと多大な不利益が生じます。

故意に支払わなかった場合、まずは支払いの督促状(催促状)が届きます。さらに無視した場合は預金口座などの財産に対して強制執行(差押え)が行われます。

強制執行する財産すらない場合は、刑法第18条の定めにより、1日以上2年以下の労役場留置となります。
労役場は刑務所などに併設された施設で、ここで軽作業をして罰金の分を労働することになります。1日の労働につき何円に換算されるのかは判決で言い渡されますが、1日5000円相当のケースが多いようです。仮に罰金が50万円だった場合、100日の労役が必要になる計算です。

もっとも、実際に労役場留置が行われるケースは少なく、その前に検察庁が分割払いに応じてくれる可能性は残ります。労役場留置は施設や経費の問題があり国としても避けたい手段だからです。
あくまでも一括払いを原則とする罰金刑なので確実ではありませんが、どうしても一括払いが難しい場合は,その旨を検察庁へ相談するということは、考えられる方法ではあるでしょう。

3、自首することで窃盗罪の罰金額は低くなる?

窃盗をした事実があるが、現時点で逮捕されていない場合、自首をすれば罰金額が低くなるのかとの疑問について解説します。

  1. (1)自首による刑の軽減

    刑法第42条は「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」と定めています。したがって窃盗罪で自首をすれば、罰金刑を科された際に、その金額が下がる可能性があります。
    ただし、あくまでも「できる」という規定であり、裁判官が自首以外のさまざまな要素も含めて総合的に判断し、裁量によって減軽するものです。必ず罰金の額が下がるのではない点は知っておきましょう。

    一定の事由に該当した際に刑をどの程度軽減するべきかは、刑法第68条に規定されており、罰金を減軽する際は「その多額および寡額の2分の1を減ずる」とあります。
    窃盗罪の罰金刑は最大で50万円なので、減軽されるとこれが25万円になるということです。

  2. (2)自首の定義

    自首とは、犯罪の事実や犯人が発覚する前に、犯人自らが捜査機関へ申告することをいいます。任意聴取の際に自白した、すでに容疑をかけられている中で申し出たといった場合は、法律上の自首に該当しません。
    自身の処分を求める趣旨で申告する必要もあるため、犯罪事実の一部を隠したり自身の責任を否定したりする内容で申告すれば、これも自首にはなりません。

    このように、自首が法律上、成立するか否かの判断は難しいです。事案によっては自首の前に被害者へ謝罪と弁済を行い、示談を成立させることで事件化を回避できる場合もあるでしょう。
    いずれにせよ自首の判断には専門的な知識を要するため、もし自首を検討している場合は弁護士のアドバイスを受けるべきです。

4、窃盗に時効はある?

刑事上の時効(公訴時効)とは、犯罪行為から一定期間が経過すると、検察官が事件を起訴できなくなる期限のことです。
長い年月が経過するにつれて証拠の収集や事実認定が難しくなり、国民の処罰感情も薄れていくため、もはや裁判を起こす必要性がないというのが、公訴時効の存在理由とされています。
どの罪にも時効があるのではなく、殺人罪や強盗殺人罪のように,人を死亡させた事件で,法定刑の上限が死刑となる罪に時効はありません。

時効の期間は、刑事訴訟法第250条に定めがあります。窃盗罪の上限は「10年以下の懲役」なので、同法2項4号の「長期15年未満の懲役または禁錮にあたる罪」に該当し、時効期間は「7年」です。
したがって、窃盗罪を犯してから7年が経過すると公訴時効が成立することになります。

ただし、公訴時効が成立するには条件があり、具体的には停止事由が問題となります。
起訴された場合、海外にいる場合、逃げ隠れしているために起訴状の送付や略式命令の告知ができない場合の期間はカウントされません。起訴された場合の停止は共犯者にも適用されるため、窃盗の共犯者が起訴されていれば停止事由に該当します。
自分では公訴時効が成立しているだろうと思っていても、実際には成立していないケースがあるため注意を要します。

なお、公訴時効とは別に、民事上の消滅時効(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)もあります。期間は被害者が損害および加害者を知ってから3年か、不法行為から20年です。
被害者が誰の犯行か知らなかった場合は、犯行から20年が経つまでは、被害者から損害賠償を請求されるおそれは残ることになります。

5、まとめ

窃盗罪の罰金刑は最大で50万円となるため、場合によって支払いが困難なケースもあるでしょう。しかし被害者の方のお気持ちや財産が差し押さえられる可能性があることを考えて,家族に借りるなどしてでも支払うべきです。
窃盗罪の場合、初犯で、被害者との示談が成立しており、罪を認めて反省しているといったケースでは、不起訴処分となる可能性があります。不起訴処分となれば前科がつかず今後の社会生活への影響を回避できるため、まずは不起訴処分を目指すべきでしょう。
窃盗罪を犯してしまい、逮捕されそうな不安を感じている場合は、自首の検討も含めて弁護士へ相談するのが最善策です。ベリーベスト法律事務所でご相談をお受けしますので、ぜひ一度ご連絡ください。

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