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「盗撮罪」という法律はない! 盗撮の定義やどのような罪に触れるのか詳しく解説

2019年04月18日
  • 性・風俗事件
  • 盗撮
  • 定義
  • 法律
「盗撮罪」という法律はない! 盗撮の定義やどのような罪に触れるのか詳しく解説

盗撮のニュースは後を絶ちません。平成28年12月には総務省の職員が女性のスカート内をスマートフォンで盗撮して逮捕され、平成31年2月にも大阪で約60件の盗撮を繰り返した消防士が書類送検される事件がありました。
盗撮は犯罪行為ですが、どのような行為が盗撮として問題になるのかを知っておかなければ、罪の意識なく軽い気持ちでした行動で逮捕される恐れもあります。
今回は、盗撮がどのような行為を指すのか、どんな法律に違反するのかといった点を解説します。

1、盗撮の定義・構成要件について

盗撮は、撮影場所、対象、態様によって成立する罪名や処罰に違いがあります。ここでは、一般的に盗撮に該当しやすい要件、逮捕される行為をご説明します。

まずは撮影場所が公共の場所や乗り物、または通常は衣服を身につけないでいる場所であることが挙げられます。駅の構内や階段、公園、電車やバスの中、更衣室、銭湯などがあります。個人宅の中やホテルの個室であっても該当します。

撮影対象は、原則として裸体や下着です。ただし、「人を著しく羞恥させ、または不安を覚えさせる行為」と判断されれば、裸体や下着でなくとも、盗撮とみなされることがあります。
また、相手の許可を得ない行為も盗撮と該当することがあります。

盗撮の具体例としては、エスカレーターで下から女性のスカートの中を撮影する、更衣室にビデオカメラを設置し着替える姿を撮影するといった行為が挙げられますが、これらはあくまでも盗撮の一例です。
衣服の上から後ろ姿を撮影して逮捕された事例や、チアリーダーの女子大生を撮影して書類送検された例もあります。
あくまでも個別の状況によって異なると知っておきましょう。

2、盗撮はさまざまな法律や条例に触れる

いわゆる盗撮行為は、以下の4つの法律・条例によって規制されています。「法律」は国が定めるルール、「条例」とは各都道府県が定めるルールです。

  1. (1)迷惑防止条例違反

    迷惑行為防止条例は、都道府県によって名称や内容に違いはあるものの、おおむね盗撮や痴漢などの迷惑行為全般を規制しています。

  2. (2)軽犯罪法違反

    軽犯罪法では、通常人が服を着ていない場所での盗撮が問題になります。文言上禁止されているのは「のぞき見」行為ですが、そのような場所で撮影する「盗撮」も禁止されます。

  3. (3)児童ポルノ規制法

    児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)は、18歳未満の者である「児童」の買春や、児童ポルノを作成、所持する行為などを規制しています。「盗撮による児童ポルノの製造」の処罰規定は平成26年の改正で新たに禁止されました。

  4. (4)知的財産権侵害

    知的財産権の侵害が問題になる盗撮の典型例は、映画館で映画を撮影する行為です。これについては昨今の映画の盗撮による被害の重大さを鑑み特に規制されています。

3、迷惑防止条例違反|定義と処罰内容の解説

東京都を例に定義や処罰について解説します。

  1. (1)迷惑防止条例の盗撮の定義と行為の内容

    禁止されているのは「下着や身体を撮影する行為」「その目的でカメラなどを向けたり設置したりする行為」です。具体的には、電車内で女性のスカート内を撮影する、トイレにカメラを設置するといった行為等です。
    加えて「卑猥な言動」も禁止され、例えば服の上から執拗(しつよう)に撮影するような行為も処罰対象になることがあります。

  2. (2)改正で変わった盗撮の場所

    東京都に限らず、迷惑防止条例では「公共の場所や乗物」での盗撮が禁止されるのが一般的でした。しかし、東京都では平成30年7月から対象となる場所が拡大されており、従来は規制対象外だった会社や学校、店舗、自宅といった場所も広く処罰の対象に含まれることになっています。

  3. (3)迷惑防止条例違反の盗撮行為の処罰

    東京都で盗撮をおこなうと次の処罰を受けます。

    • 下着や身体を撮影した場合……1年以下の懲役または100万円以下の罰金
    • 上記が常習の場合……2年以下の懲役または100万円以下の罰金
    • 盗撮目的でカメラなどを設置したり差し向けたりした場合……6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑
    • 上記が常習の場合……1年以下の懲役または100万円以下の罰金

4、軽犯罪法違反|定義と処罰内容の解説

軽犯罪法とは、のぞき見行為や立小便などの身近な行為を規制する法律です。行為の態様によって軽犯罪法違反に問われるケースがあります。

  1. (1)軽犯罪法と迷惑防止条例違反の違い

    軽犯罪法では、「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」が処罰対象とされています。 一方、迷惑防止条例では、従来、公共の場所が主な規制対象とされていました。東京都をはじめ私的な空間も規制対象とする改正が進んでいますが、すべての都道府県で改正されているわけではありません。そこで、改正されていない都道府県では、一例として「公共の場所」での盗撮が条例違反、「私的な場所」での盗撮が軽犯罪法違反と区別されることもあります。

  2. (2)軽犯罪法違反の盗撮の定義と行為の内容

    プライベートな場所をのぞき見し、撮影する行為等が処罰対象となります。
    また、他人の住居に立ち入ったり、男性が女性用トイレに侵入するなどの行為を伴うこともあります。これらの行為は住居侵入罪や建造物侵入罪にもあたるため、2つの犯罪が同時に成立することも多くなります。

  3. (3)軽犯罪法違反の盗撮行為の処罰

    有罪になると、拘留(1日以上30日未満の拘束刑)または科料(1000円以上1万円未満の罰金刑)が科されます。住居侵入罪や建造物侵入罪も成立すれば3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

5、児童ポルノ規制法|定義と処罰内容の解説

  1. (1)児童ポルノ規制法とは

    18歳未満の者に対価を払って性的行為をする「児童買春」と「児童ポルノ」の製造、所持などが規制されます。児童ポルノとは、写真やデータに「児童が性交などをしている姿」「他人が児童の性器を触ったり、児童が他人の性器を触ったりする姿」「児童の全裸や半裸の姿」を写したものを指します。

  2. (2)児童ポルノと盗撮の関係

    盗撮による児童ポルノ製造の典型例としては、児童用の更衣室にカメラを隠して裸や半裸の児童の姿を撮影するケースです。

  3. (3)児童ポルノ法違反の盗撮行為の処罰

    児童ポルノを製造した場合の刑罰は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。また、不特定多数の人への児童ポルノの提供・公開は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはこれの併科と、さらに重くなります。
    初犯の場合に罰金刑となることもありますが、被害児童が複数人いる、同種の前科があるといった場合は悪質性が高いため懲役刑になりうることもあります。

6、知的財産権侵害|定義と処罰内容の解説

  1. (1)知的財産権侵害が問題になる盗撮の定義

    「知的財産権」とは、人の知的活動で生まれた財産的価値を持つ創作物やアイデアの総称です。盗撮との関係では、上映中の映画を撮影する行為等が、知的財産権を侵害するとして問題になることがあります。昨今、映画の画像が流通し、映画産業界の被害が大きいことから、「映画の盗撮の防止に関する法律」という法律で特別に規制されています。

  2. (2)知的財産権侵害の盗撮行為の処罰

    映画を盗撮すると、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金を科される恐れがあります。たとえ私的に利用する目的であったとしても、例外なくこの罰則の対象となります。

7、まとめ

よくニュースなどで目にする盗撮が、さまざまな法違反にあたることに驚いた方もいるのではないでしょうか。また、つい魔が差して盗撮行為をし、後悔されている方もいらっしゃるかもしれません。盗撮で逮捕されると、行為の態様や撮影された被害者の処罰感情いかんによっては、初犯であっても起訴され前科がつくこともあります。できるだけ早く弁護士に相談して、適切な対応をすることが大切です。盗撮をしてしまいお困りであれば、ベリーベスト法律事務所までご連絡ください。担当弁護士が全力でサポートします。

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