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盗撮は何罪? 軽犯罪法および迷惑防止条例と盗撮行為の関係について

2019年11月15日
  • 性・風俗事件
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盗撮は何罪? 軽犯罪法および迷惑防止条例と盗撮行為の関係について

盗撮は当然犯罪行為にあたりますが、「盗撮罪」という罪名は存在しません。
盗撮を行ってしまった場合、条例や法令違反にあたる可能性があります。
では、具体的にいったい何罪に当たるのでしょうか。ここでは、盗撮を規制している法令や盗撮をしてしまった場合の罪の重さについて解説します。

1、盗撮による逮捕で適用される法令

前述の通り、刑法典には「盗撮罪」という罪名はありません。
一般的には、軽犯罪法もしくは都道府県の迷惑防止条例のいずれかが適用されます。

  1. (1)軽犯罪法と迷惑防止条例

    軽犯罪法とは、比較的軽微な秩序違反行為について刑罰を定めた法律です。軽微とはいえ、れっきとした犯罪なので、逮捕される可能性はじゅうぶんにあります。
    これに対して迷惑防止条例とは、各都道府県や市町村の定める、人びとに迷惑を及ぼす暴力的不良行為などを防止して住民生活の平穏を保つことを目的とした条例です。全国一律の規制ではなく、各地域によって内容は若干異なります。

2、軽犯罪法違反に該当する盗撮行為と罰則について

  1. (1)軽犯罪法違反となる盗撮行為とは

    盗撮行為の中でも軽犯罪法による処罰対象となるのは、公共の場所ではない私的な空間で行われたものです。具体的には被害者の自宅やトイレ、更衣室、その他私有地での無断撮影・録画行為は、軽犯罪法違反となります。
    主な盗撮対象としては、人の裸体です。軽犯罪法では、「人が通常衣服をつけないでいるような場所」の、のぞき見が禁じられているからです。
    たとえば、他人の住居の庭へ入り込み、開いている窓からカメラやスマートフォンを差し入れて入浴している人物の裸体を撮影した場合などが挙げられます。なお、この場合は刑法上の住居侵入罪も成立する可能性があります。

  2. (2)軽犯罪法違反の罰則

    軽犯罪法に違反した場合、罰則は一律で拘留または科料とされています。
    拘留とは、1日以上30日未満という期間での身柄拘束をいいます。また、科料とは1000円以上1万円未満の金銭徴収をいいます。
    どちらも刑法上の刑罰に比べれば重くはありませんが、拘留となれば最長で1ヶ月近くもの身柄拘束処分を受けることもあり、決して軽視できるものではありません。

3、迷惑防止条例違反に該当する盗撮行為と罰則

  1. (1)迷惑防止条例と盗撮行為

    迷惑防止条例は、各都道府県や市町村によって正式名称も異なり、たとえば東京都では「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」といいます。
    東京都の条例の場合、盗撮行為は第5条の第1項第2号に規定されています。

  2. (2)迷惑防止条例違反となる盗撮行為とは

    盗撮行為の中でも迷惑防止条例による逮捕・処罰対象となるのは、もっぱら公共の場所で行われたものです。東京都の迷惑防止条例では、特定の場所や乗り物が例示されており、そこでの盗撮行為が禁じられています。具体的には、次の通りです。

    • 住居、便所、浴場、更衣室、人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所
    • 公共の場所・乗物、学校、事務所、タクシー、不特定または多数者が利用・出入りする場所、乗物

    たとえば、駅や電車、公共施設や店舗内での盗撮行為が対象となります。ただし、上述したように迷惑防止条例は各都道府県で内容が若干異なるため、条例で禁じられる盗撮行為の内容や場所も違ってくる可能性があります。ご自分の住む都道府県や市町村の条例を確認してみるとよいでしょう。
    なお、東京都の条例では盗撮行為そのものだけではなく、撮影目的での写真機などの差し向け行為や設置行為もあわせて禁じられています。

  3. (3)迷惑防止条例違反の罰則

    迷惑防止条例違反の罰則もまた、各都道府県や市町村ごとに異なります。
    東京都の条例の場合、第8条第2項および第7項に罰則規定があります。第8条第2項第1号では通常の盗撮行為について、1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が定められています。これに対して第7項では常習の盗撮行為について、2年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が定められています。

4、軽犯罪・迷惑防止条例違反以外の法令が適用されるケース

  1. (1)その他の関係法令について

    盗撮行為の場所や被写体によっては、軽犯罪法や迷惑防止条例以外の法令が関係してくることもあります。代表的なものとして刑法の不法侵入罪や、児童ポルノ規制法が挙げられます。以下では、それぞれを具体的に見ておきましょう。

  2. (2)不法侵入罪に当たるケース

    不法侵入罪は、侵入先によって住居侵入や建造物侵入などと呼ばれ方が変わりますが、行為態様としては同じものです。すなわち、正当な理由なく、その住居や建造物などの管理者による明示・黙示の意思に反して侵入することをいいます。刑罰は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。
    なお、他人の住居や建造物に侵入して盗撮した場合、住居・建造物侵入罪と軽犯罪法違反の両方が成立します。

  3. (3)児童ポルノ規制法違反に当たるケース

    盗撮した被写体が児童の裸や半裸、性器などであった場合、写真や撮影データの所持や提供、陳列は児童ポルノ規制法違反となります。
    刑罰は、行為態様や目的によって異なります。自分のために写真やデータを持っていた場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。これに対し、他人のために盗撮し、あるいは提供したのであれば3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。さらに、不特定多数への提供や公然陳列を行ったなら、5年以下の懲役か500万円以下の罰金、またはこれの併科というように、情報の拡散範囲に応じて刑罰も重くなるのです。
    なお、これらの所持、提供などについて未遂処罰の規定はありません。

5、まとめ

今回は、盗撮行為に適用される法令やその刑罰についてご説明しました。
刑法上、盗撮罪は存在しないため、盗撮を行った場所と行為の態様によって、軽犯罪法か迷惑防止条例が適用されることとなります。もっぱら私的な空間での盗撮を規制する軽犯罪法に対して、迷惑防止条例は主に公共空間での盗撮を規制対象としますが、都道府県ごとに罰則や対象範囲が異なることにも注意が必要です。
また、盗撮するために住居に侵入したり、被害者が18歳未満の児童だったりすると、不法侵入罪や児童ポルノ規制法違反の罪に問われることもあります。
自分のした盗撮行為がどの法令に適用されるかわからないという方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。親身になって対応いたします。

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