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何をすると強制わいせつ事件になる? 具体的行為や量刑、逮捕後の対応について

2020年01月29日
  • 性・風俗事件
  • 強制わいせつ
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何をすると強制わいせつ事件になる? 具体的行為や量刑、逮捕後の対応について

平成30年版犯罪白書によれば、強制わいせつ罪の検挙率は平成29年で74.4%あり、平成14年以降、増加傾向にあります。もしも強制わいせつ罪にあたるような行為をしたのであれば、検挙される可能性は十分にあると理解しなくてはなりません。
とはいえ、何をしたら強制わいせつ罪にあたるのか、具体的にご存じの方は多くないでしょう。

今回は強制わいせつ事件をテーマに、処罰の対象となる行為や量刑、逮捕された場合の対処法を解説します。

1、強制わいせつ罪とは?

強制わいせつ罪とは、次の行為をする犯罪です(刑法第176条)。

  • 13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすること
  • 13歳未満の者に対し、わいせつな行為をすること

違反すると6か月以上10年以下の懲役に処されます。

暴行や脅迫の程度は、被害者の意思に反してわいせつな行為をするに足りる程度とされているため、必ずしも強い力で抑圧している必要はありません。したがって腕や服を引っ張る程度でも暴行や脅迫と認められる可能性があります。

また、相手の性別は問わず、男女ともに被害者となり得ます。
ここでいうわいせつな行為とは、人の性欲を刺激、興奮または満足させ、かつ一般人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為とされています。
要するに一般人の感覚からして性的に嫌だと思う行為全般が含まれます。

被害者が13歳未満の場合、暴行や脅迫という手段は関係なく、仮に被害者自身から同意と思われる発言や態度があったとしても、無条件に強制わいせつ罪が成立します。13歳未満という年齢ではわいせつ行為の意味や影響を理解できず、同意する能力がないと判断されるからです。

なお、強制わいせつ罪は平成29年7月施行の刑法改正によって被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪となったほか、同年11月には強制わいせつ罪の成立に必ずしも性的意図は要しないとする判例変更が行われ、強制わいせつ罪は厳罰化しているといえます。

2、どこからが強制わいせつ? ハグやキスでも該当する?

強制わいせつ事件として捜査を受ける可能性があるのは、たとえば次のような行為です。

  • 胸をもむ
  • 陰部を触る
  • 服を脱がせる
  • 下着の中に手を入れる
  • キスをする
  • 抱きつく

ただし、強制わいせつ罪にあたる行為には明確な定義はなく、その境界はあいまいな側面があります。たとえば痴漢行為ひとつとっても、その程度によって、都道府県の迷惑防止条例違反か、強制わいせつ罪かに区別されます。

また、ハグやキスのように、一概にわいせつな行為と判断しがたい行為もあります。
ハグの場合、軽く抱きついただけで強制わいせつ罪に問われるとは考えにくいですが、状況によっては別の罪となる可能性はあります。
ハグに加えて胸をもむなどすれば、強制わいせつ罪となるおそれが高まります。

キスの場合、状況や2人の関係性を鑑みて判断されますが、無理やりキスをすれば強制わいせつ罪に問われる可能性があります。
実際、キスは性愛や単純な性欲を満たすものとしての側面も大きく、強制わいせつ罪として認められたケースは存在します。
「キスは外国ではあいさつにすぎない」と思う方がいるかもしれませんが、日本の習慣とはなじまない点は、冷静に考えれば容易に想像できるはずです。

なお、わいせつ行為がエスカレートして性交等(性交、肛門性交、口腔性交)におよべば、もはや強制わいせつ罪ではなく強制性交等罪となり、刑罰も5年以上20年以下の懲役といっそう重くなります。

3、強制わいせつ罪は初犯でも実刑? 執行猶予がつく? 量刑について解説

強制わいせつ罪で実刑となれば最長で10年間、刑務所に収監されます。一方、執行猶予がつけば社会生活を送ることができます。
罰金刑はなく、懲役刑しかないため、実刑になるのか、執行猶予がつくのかは重大な問題でしょう。

  1. (1)強制わいせつ罪における量刑の基準

    法定刑の範囲内で、裁判官から実際に言い渡される刑の種類や長さを量刑といい、裁判官は量刑を複数の材料をもとに総合的に判断します。
    具体的には、行為の内容や被害の程度、悪質性、示談の成否、犯行におよんだ動機や経緯、計画性の有無、反省の程度といった点が挙げられます。

    たとえば、犯行現場の下見をしており、抵抗する被害者に対して執拗(しつよう)にわいせつ行為を続け、反省の色も見られないようなケースでは、量刑が重くなりやすいと考えられます。
    反対に、突発的な犯行であり、本人が深く反省して被害者への謝罪を行い、示談も成立しているようなケースでは、量刑は減軽される可能性があるといえます。

  2. (2)初犯だと量刑が軽くなる?

    刑事事件全般でいえば、初犯であれば量刑判断に有利に傾く傾向にあり、執行猶予がつくケースも多くあります。

    しかし、強制わいせつ事件においては初犯であることのみを理由として処分や刑が軽くなることはありません。社会的に糾弾される重い罪であり、被害者が受ける心身の苦痛は計り知れないため、悪質と判断されれば起訴され、実刑となる可能性は高いといえます。
    当然、強制わいせつ事件を起こしたのが2回目以降であるのなら、反省していない、更生できなかったと判断されるため、実刑となる可能性は極めて高いでしょう。

    また、仮に執行猶予がついたとしても、実刑と同様に前科がつくことに変わりはありません。今後社会生活を送るうえでの影響が懸念されます。

4、強制わいせつ事件で逮捕された場合の対処法

強制わいせつ事件で逮捕された場合には速やかな対処が必要ですが、容疑を認めるか否かで具体的な活動内容が変わります。

  1. (1)容疑を認める場合

    素直に容疑を認める場合は、不起訴処分、特に起訴猶予を目指すことになります。
    起訴猶予とは不起訴処分のひとつで、犯罪の事実はあるが、犯行の内容や被疑者の状況などに鑑み、検察官の裁量で起訴しないという処分です。
    起訴猶予となるための大きな要素のひとつは、被害者との示談です。示談が成立して一定の被害回復がなされ、被害者からの宥恕(ゆうじょ)意思を得られると、検察官もこれを考慮します。(宥恕意思とは、寛大な心で相手を許すことです)
    すなわち、強制わいせつ事件を起こした証拠はあるが、被害者が許していて処罰も望まないのだから、不起訴にしようという判断が期待できるのです。

    ただし、性犯罪の示談は決して簡単ではありません。
    被害者が加害者に対して相当の嫌悪感、恐怖心を抱いていることは想像に難くなく、示談交渉自体を拒否されるおそれが高いでしょう。
    加害者本人ではなく加害者の家族から被害者に対して連絡をしようとしても、被害者にとって加害者家族は性犯罪者の関係者にほかならないため、こちらも拒否されるケースが多いと考えられます。

    唯一、交渉の糸口を見つけられるのが、中立の立場にある第三者で守秘義務もある弁護士です。弁護士であれば示談の話し合いに応じてもらえる可能性が高まるため、早めに弁護士へ依頼をするべきです。

  2. (2)容疑を認めない場合

    強制わいせつ事件がまったくの事実無根であり、冤罪や誤認逮捕であると考えられる場合は、取り調べの段階から慎重な対応が必要です。
    警察からの質問に対して何を答えるのか、黙秘権はどう行使するのかといった点を把握した上で取り調べに臨むことが重要であるため、早期に弁護士からアドバイスを受けることが大切です。
    13歳以上の相手に対して同意のもと行った場合も、2人の親密な関係性を示すメールのやり取りや目撃者情報などの証拠があれば、強制わいせつ罪とは認められない可能性が生じてきます。
    ほかにも、正当な理由なく勾留期間が長引く場合の対応や検察官、裁判官へのはたらきかけ、無実である証拠の収集など、弁護士ができることは多岐にわたります。

5、まとめ

今回は、強制わいせつ罪の具体的な行為や量刑、逮捕後の対応とポイントなどを説明しました。罪を認める場合にできるのは、被害者を深く傷つける行為であったとしっかりと反省した上で、弁護士を介し、真摯(しんし)な姿勢で示談交渉をはじめることです。一方、身に覚えのない行為で逮捕のおそれが生じている場合には、ご自身の社会的立場や仕事を守るためにも、弁護士を通じて徹底的に争う姿勢を貫くことが必要です。
いずれの場合でも速やかな対応が望まれますので、まずはベリーベスト法律事務所までご連絡ください。

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