今すぐ弁護士に無料相談

弁護士コラム

NEW

暴行罪で逮捕!? 加害者家族が知っておくべき罰金、懲役、保釈金などを弁護士が解説

2019年01月09日
  • 暴力事件
  • 暴行罪
暴行罪で逮捕!? 加害者家族が知っておくべき罰金、懲役、保釈金などを弁護士が解説

家族が暴行罪で逮捕されたと連絡があったら、うろたえてしまう方も少なくありません。

「暴行」と聞くと、殴ったり蹴ったりして相手にケガを負わせてしまったと考える方もいるでしょう。
しかし、一般的なイメージと微妙に異なっており、刑法上での暴行罪とは、暴行を加えたものの、相手が傷害を負わなかったケースをいいます。

ここでは、加害者家族が知っておくべき罰金や懲役、保釈金などについて、弁護士が詳しく解説していきます。

1、暴行罪とは

  1. (1)「暴行罪」の定義

    暴行罪とは、人や物に暴行を加えたものの相手が傷害を負うには至らなかったという場合に当てはまる罪です。相手がケガを負った場合は、「傷害罪」となります。

  2. (2)どんなことが「暴行」なのか

    「暴行」については、殴ったり蹴ったりするなどが分かりやすい例ですが、それだけでなく、髪の毛を切ったり、日本刀を振り回したりするなどの行為も、「暴行」として処罰の対象となった例があります。

    また、お清めと称して塩をまいたり、人に対して農薬をまいたりするような行為も暴行とされる可能性もあり、さらには、ブラスバンドの太鼓を連打して、被害者の意識をもうろうとさせた事件も、音による暴行と認められたことがあります。

  3. (3)被害者の身体に接触するかどうかは関係ない

    上述したように、暴行は、殴ったり蹴ったりするような、直接被害者の身体に接触するような行為だけを指すものではありません。

    たとえば、人を狙って石を投げたものの、たまたま当たらなかったような場合、暴行罪は成立していないように思えます。しかし、そもそも人を傷つけることが目的の危険な行為をしていることは確かなので、それが偶然当たらなかったとしても、「暴行」として当てはめられる可能性が高いです。

2、暴行罪の時効について

  1. (1)暴行罪の時効は刑事と民事で違う

    暴行罪の時効には、刑事の時効と、民事の時効があります。そして、刑事の時効とは、一般的に公訴時効のことをいいます。刑事と民事の時効は、それぞれ期間や時効となる要件などが違います。

  2. (2)暴行罪の「刑事」の時効

    暴行罪の刑事の時効とは「公訴時効」のことをいう


    一般に暴行罪の時効とは、公訴時効のことをいいます。公訴時効とは、検察官が暴行罪について起訴する権限がなくなるまでの期間のことです。公訴時効が成立すると、検察官はその暴行罪について起訴することはできなくなり、不起訴処分とするしかなくなります。


    暴行罪の公訴時効は3年


    一般に暴行罪の時効とは、公訴時効のことをいいます。公訴時効とは、検察官が暴行罪について起訴する権限がなくなるまでの期間のことです。公訴時効が成立すると、検察官は暴行罪の公訴時効は、刑事訴訟法250条2項6号によると、3年となっています。この3年という期間は、暴行罪にあたる犯罪行為が終わったときからはじまります。

    つまり、暴行罪にあたる犯罪行為が終わったときから3年たっていたら、検察官はその暴行事件を起訴することができないということです。ちなみに傷害罪の場合は刑事訴訟法250条2項3号によると、10年です。

  3. (3)暴行罪の「民事」の時効

    暴行罪の民事の時効とは、損害賠償請求権の時効のことです。
    暴行事件の加害者は、国家機関から刑事裁判を起こされるとともに、被害者から損害賠償を請求されることがあります。請求権の時効が成立すると、被害者は加害者に損害賠償を請求することができなくなります。

    暴行罪の場合、被害者が加害者に損害賠償を求めることのできる期間は、刑事と同様に3年です。
    ただし、3年の時効は、民法724条で被害者が事件による損害および加害者を知ったときから開始すると定められており、被害者が損害および加害者を知らないような状況の場合、事件から20年が経つと損害賠償請求権を行使できなくなります。

  4. (4)暴行罪の時効についてのまとめ

    • 刑事(公訴時効)……暴行行為があったときから3年
    • 民事(損害賠償請求権)……事件から20年、あるいは被害者が損害および加害者を知ったときから3年

3、暴行罪における保釈金の相場や賠償金との違い

  1. (1)保釈とは

    保釈とは、勾留されている被告人を刑が決まる前の刑事裁判がはじまるまでの間、身柄を拘束しないでおく制度のことで、保釈されるためには、条件があります。


    保釈される条件


    過去に重い罪を犯していない
    過去に長期10年を超える懲役や禁固刑を受けたことのある場合は、次の裁判で重い判決が下される可能性があるので、逃亡の恐れがあり、保釈は認められません。そういった重い罪を起こしていなければ、保釈が認められます。


    常習犯でない
    過去に暴行罪を犯していると、それがたとえ軽い罪だったとしても常習犯とみなされ、重い判決が下される可能性が高いので、逃亡の恐れがあり、保釈される可能性が低くなります。初犯だとしても、常習性が認められるような証拠などがあったら、保釈が認められないこともあります。


    証拠隠滅の恐れがない
    被告人が罪を認めていなかったり、反省していなかったり、ほかにも罪を犯していると疑われる場合など、保釈中に証拠隠滅の恐れがあると、捜査に支障が出てしまうので保釈が認められない可能性があります。


    被告人が証人に危害を与える恐れがない
    保釈中の被告人が、裁判の証人が自分に不利な証言をしないように脅迫したり、暴行を働いたりする恐れがある等の場合、保釈は認められません。被告人が罪を認めていなかったり、反省していなかったりする場合も、被告人や証人に危害を与える恐れがあるとして、保釈が認められません。


    氏名や住所が明らかである
    氏名や住所が不定だと、逃亡の恐れがあったり、裁判に召集する書類を送ることができなかったりするので、保釈は認められません。

  2. (2)暴行罪における保釈金の相場

    保釈金は被告人の経済力によって違いがある。


    保釈金は、被告人の逃亡を防ぐために裁判所に預けておくお金なので、被告人にとって「戻ってこなければ困る」金額でなければなりません。したがって、保釈金の金額は、被告人の経済状況によって大きく違ってくるのです。

    そのことも踏まえて、暴行罪の保釈金の相場は、一般的に150~200万円といわれています。 これは、一般サラリーマンの平均年収が約400万円であることを考慮して、暴行罪という罪の大きさを加味した金額です。

    ただし、これはあくまで相場で、たとえば年収が2億円の方だと、保釈金が200万円では保釈金が返ってこなくても生活に支障がないので、海外に逃亡することなども考えられることから、相場の150~200万円はもちろん当てはまりません。


    保釈金は事件の大きさによっても違いがある


    保釈金は、事件の大きさによっても違いがあるので、暴行罪の程度によっても、金額に違いがあります。これは、罪が大きければ刑も重くなる可能性が高くなるので、それに応じて保釈金の金額も大きくなるということです。

  3. (3)保釈金と賠償金、罰金とは違う

    保釈金
    保釈を認めてもらうために、裁判所に納める必要のあるお金のことです。


    賠償金
    暴行罪における賠償金とは、民事で損害賠償請求をされた場合の慰謝料のことで、暴行による精神的損害に対するものです。金額は、暴行の程度により違いがあり、損害が大きいほど金額も高くなります。ただ、そもそも暴行罪は、被害者に傷害を負わせていない場合に当てはまるので、後遺症が残るような傷害罪より高額になることはありません。


    罰金
    罰金とは、刑法における刑罰の一種で、強制的に金銭を取り立てる財産刑のことです。暴行罪における罰金は、30万円以下と刑法で定められています。

  4. (4)保釈金は戻ってくる

    保釈金は、被告人を裁判にきちんと出席させるためのものです。裁判に出席して、裁判が終わるまで保釈中の条件を守ったら、判決に関係なく、返却されます。

    条件とは、「証拠隠滅をしない」や「裁判に出席する」、「逃亡しない」といったものです。これらに違反しなければ、保釈金は全額返ってくるのです。

  5. (5)保釈金は立て替えてもらえる

    保釈金が払えない方のために、保釈金を立て替えてくれる一般社団法人日本保釈支援協会といった団体もあります。このシステムは、被告人以外の方が利用でき、立て替え限度額は500万円となっています。立て替え金は、保釈金が裁判所から返却されたときに、一括で返すことになります。立て替え期間は2ヶ月で、それを過ぎると延長手数料がかかります。

  6. (6)保釈金が没収されることもある

    もしも、保釈中の条件に違反したら、保釈は取り消されて身柄を拘束され、保釈金は没収されることになります。

4、暴行罪のときは示談で不起訴(和解)を獲得しよう

家族が暴行罪で逮捕されたら、被害者との間で示談の成立を目指すことをおすすめします。

  1. (1)示談とは

    示談とは、加害者と被害者との間で話し合って、事件の解決を目指すことです。加害者が被害者に賠償として示談金を支払うことで、被害者に許してもらうことを目指します。

  2. (2)示談成立の重要性

    示談が成立すると、起訴を回避する可能性が高まったり、その後の被害者からの損害賠償請求を回避したりなど、その後の流れにさまざまな効果があるので、とても重要となります。また、被害者感情を考えると代理人である弁護士を介した方が示談成立の可能性が高まります。


    刑事手続きが有利になる


    示談が成立すると、加害者は被害者に示談金を支払うことになります。一見、加害者には何のメリットもないように思えますが、次に述べるように、実は示談の成立で、その後の刑事手続きが有利になることが多いといえるでしょう。

    示談を成立させたということは、被害者と金銭面で和解したということなので、場合によっては不起訴になり、刑事裁判がおこなわれないこともあります。


    損害賠償義務が免除される


    被害者との示談が成立し、示談金を支払ったら、その内容にもよりますが、その後の損害賠償義務が免除されます。

  3. (3)示談の流れ

    示談は、加害者側と被害者側の交渉によって進んでいきます。加害者が被害者と連絡をとることができたら、以下のように当事者同士で話を進めることもできます。


    1. ①当事者同士の話し合い
    2. ②示談条件を確定する
    3. ③示談書を作成する
    4. ④示談金を支払う
    5. ⑤示談書にサインする

    しかし、もともと知り合い同士でお互いの連絡先を知っていたとしても、加害者やその家族が被害者に直接示談交渉を行うことは、脅迫などと受け取られる可能性もあるので、弁護士に依頼した方が、示談が成立する可能性は上がるでしょう。
    加害者が被害者の連絡先を知らない場合は、弁護士を選任する必要があります。弁護士を通すことで、警察官や検察官から被害者の連絡先を教えてもらえることが多い傾向となっています。この場合、上述した流れのように、弁護士が被害者と話し合って、示談を成立させることになります。

  4. (4)示談金の相場

    暴行罪における示談金の相場は、暴行の程度や、被害者の感情によって大きく違うので、一概にはいえないでしょう。
    お互いの同意によって決まるものですので、まずは弁護士にご相談ください。

5、まとめ

家族が暴行罪で逮捕されてしまったら、加害者家族は罰金や懲役、保釈金など分からないことがたくさんあって、うろたえてしまうこともあるでしょう。

また、示談成立はその後の刑事手続きを有利に進める上で、とても重要なことです。被害者感情を考えると、代理人である弁護士を通した方が、示談は成立しやすくなるでしょう。

どこに相談すればよいかお困りでしたら、お近くのベリーベスト法律事務所にご相談ください。

40ページ中 7ページ

弁護士コラムトップにもどる

その他の暴力事件のコラム

カテゴリーから選ぶ

お近くの弁護士を探すお近くの弁護士を探す

北海道・東北
関東
中部・東海
北陸
近畿
中国・四国
九州・沖縄