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言葉を用いなくても脅迫罪になる? 脅迫罪の慰謝料・示談金について弁護士が解説!

2019年02月26日
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言葉を用いなくても脅迫罪になる? 脅迫罪の慰謝料・示談金について弁護士が解説!

脅迫や恐喝などの粗暴事件(暴行・脅迫・恐喝)は後を絶ちません。
犯罪白書(法務省)によると、平成28年の検挙数は、暴行2万5428件、脅迫3145件、恐喝1680件に上っています。 出典:法務省ウェブサイト「平成28年度版 犯罪白書」

先日のニュースでは、兵庫県明石市の市長が市職員に暴言を浴びせたことが発覚し辞職した問題で、脅迫罪の告発状が神戸地検に提出されたことが報じられました。

今回のコラムでは、脅迫罪が成立する要件や刑罰、示談や慰謝料、脅迫事件で弁護士に相談するメリットなどについて詳しく解説していきます。

1、そもそも脅迫罪とは?成立要件や刑罰について

  1. (1)脅迫罪とは

    脅迫罪は、生命、身体、自由、名誉、財産などに対して害を加えることを告知し、脅迫することによって成立する犯罪です。

    刑法第222条の条文では下記のように規定されています。

    「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」(1項)
    「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」(2項)

  2. (2)脅迫罪の成立要件

    以下では、脅迫罪の成立要件についてご説明いたします。


    ●害悪の告知

    脅迫罪が成立するかどうかの大きなポイントは「人に対する害悪の告知」です。
    たとえば下記のようなケースでは、脅迫罪があてはまる可能性が高いです。


    ・生命に対する害悪の告知
    「殺してやる」「お前の家族を殺すぞ」「お前の子どもの命を奪うぞ」など

    ・身体に対する害悪の告知
    「顔を殴るぞ」「子どもにケガをさせるぞ」「友人のヤクザがお前をしめにいくからな」など

    ・自由に対する害悪の告知
    「監禁してやる」「二度と帰れないようにしてやる」など

    ・名誉に対する害悪の告知
    「この写真をネットにばらまくぞ」「不倫していることをばらすぞ」「世間に公表するぞ」など

    ・財産に対する害悪
    「お前の家を放火するぞ」「車を壊してやる」など


    ●相手が恐怖感を抱くかどうかは問わない

    脅迫罪は「害悪の告知」を行った時点で成立します。相手が恐怖を抱くかどうかは問いません。脅迫を受けた本人が恐怖を感じていなくても、客観的(一般的)に見て恐怖を感じる内容であれば脅迫罪になりえます。逆に、脅迫を受けた本人が恐怖を抱いても、客観的(一般的)に見て恐怖を感じる内容ではないと判断されるものは脅迫罪として成立しない可能性が高いです。



    ●SNS・メール・電話・手紙なども対象

    SNS・メール・電話・FAX・手紙などを使った脅迫も、内容次第では脅迫罪が適用されます。たとえばSNSで「お前の子どもに危害を加えてやるからな」と書いたり、FAXで「家を放火するぞ」などと送ったりしても脅迫罪が成立する可能性があります。

    また、たとえ言葉を発していなくても、「相手に暴力をふるうそぶりを見せる」「帰らせないような威圧的な行動をとる」など、態度だけで相手を恐怖状態に陥らせ、相手の自由(自由意志)を侵害すれば、脅迫罪が成立する可能性があります(古いですが大正時代の裁判例で同様の判断をしたものがあります)。



    ●脅迫罪は非親告罪

    親告罪とは、被害者が告訴しなければ検察は起訴することができない犯罪のことをいいます。脅迫罪は非親告罪なので、被害者本人が告訴しなくても逮捕される可能性があります。ただし、一般的には被害者からの被害届によって、逮捕となるケースが多い傾向にあります。



  3. (3)脅迫罪の刑罰

    脅迫罪を犯した者に対しては「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。どれくらいの刑罰が適用されるかは、脅迫内容の悪質さ、責任の重さ、犯行後の本人の態度などによって判断されます。

    起訴されたとしても微罪であれば略式裁判として処理され、罰金を支払うだけで事件が終わることもあります。

    脅迫内容が悪質で重大な責任が問われる場合や、同じような犯罪の前科(強要罪など)がある場合などは略式裁判になる可能性は低くなり、通常の刑事裁判によって裁かれることが多くなります。裁判で懲役刑を言い渡されることもありますが、前科が少ない場合、被害者との示談が成立している場合は執行猶予が付きやすくなります。

2、慰謝料と示談金の違いについて

  1. (1)示談とは

    示談とは、その事件で生じた賠償金トラブルを加害者と被害者が話し合いによって合意・解決することをいいます。示談が成立すると、加害者は「不起訴になる可能性が高まる」「執行猶予が付きやすくなる」などのメリットが得られます。

  2. (2)示談金と慰謝料の違い

    「慰謝料と示談金って何が違うの?」と、疑問を持つ方もいるかもしれません。前述の通り示談金とは、示談によって加害者と被害者が合意した金額のことをいいます。その紛争におけるすべての名目の金額が示談金に含まれていて、慰謝料は示談金の名目のひとつとなります。

    慰謝料とは、事件によって生じた被害者の精神的苦痛を填補する金銭による賠償であり、通常示談金のなかに含まれる金額です。慰謝料は、被害者が被った精神的な苦痛が大きければ大きいほどその金額が高くなります。

3、脅迫罪の慰謝料・示談金の相場について

脅迫罪における示談金(慰謝料)の相場は、一概に「これくらい」と言えるものではありません。脅迫といってもその形はさまざまで、微罪であれば金額は低くなりやすく、被害者に精神的なトラウマを与えるような悪質なものであれば金額は大きくなりやすくなります。

どれくらいの示談金(慰謝料)になるかは、その脅迫の内容、重さ、悪質さ、さらに被害者がどれほど精神的に苦しんだかということを含めて細かに評価されます。それぞれの事件によって金額は大きく変わってくるため、詳しくは弁護士にご相談ください。

4、脅迫罪の判例について紹介

脅迫罪でどのような判例があるのかをいくつかご紹介します。

  1. (1)罰金15万円のケース

    被告人がA社の飲食店で食べ物を注文し摂取した際、虫が混入しているのを発見した。その飲食店で働いていた被害者Bが対応に当たったが、後日被告人は電話で被害者Bに対し「対応がまずい」と因縁をつけた。被告人は電話で「俺にはテレビ局やマスコミに知り合いがいる。お前の会社のことをマスコミに流して騒ぐぞ。俺の知り合いに株主がいるから、この件を持ち出して騒ぐぞ」などと被害者Bを脅し、名誉・財産などに対する害悪が起こりかねないことを告知して脅迫した。

    裁判所は「被告人の発言は、人に十分な恐怖を与える害悪の告知であったとみなす」とし、被告人に15万円の罰金を言い渡した。
    (事件名:脅迫被告事件 平成14年3月6日 東京簡易裁判所)

  2. (2)罰金30万円のケース

    警察署の警部補として勤務していた被告人は、遺失物横領事件において被害者Aの取り調べを行っていた。取り調べにおいて被告人は被害者に対し「お前の人生無茶苦茶にしたるわ」「お前今ほんま殴りたいわ」「殴るぞお前。お前こら、なめとったらあかんぞ。手出さへんと思ったら大間違いやぞ」などと怒号し、被害者Aの身体・名誉に害悪を加えるような気勢で被害者を脅迫した。

    被告人は裁判において「被害者の苦しみがわかった」「申し訳ない気持ちでいっぱい」「自分が刑事として失格であり、捜査の現場に戻るつもりはない」などと反省の態度を示し、被害者に対しては50万円の賠償金を申し出た。また、被告人は減給処分を受けたほか、実名と顔写真でマスコミに報道されて社会的な制裁を受けた。

    裁判所は「被告人には生まれたばかりの子どもを含め生計を頼る4人の幼い子どもがおり、懲役刑を選択した場合、被告人は失職を余儀なくされるなど酌むべき点が少なくない」とし、諸事情を考慮して罰金30万を言い渡した。
    (平成23年4月28日 大阪地方裁判所)

5、脅迫罪で示談を弁護士に依頼するメリット・デメリット

脅迫罪で弁護士に依頼するメリットとデメリットについて紹介していきます。

  1. (1)被害者の連絡先がわかる

    事件が起こった場合、警察・検察側は基本的に加害者本人に、被害者の連絡先は教えてくれません。しかし被害者の連絡先がわからないと、示談交渉を始めることすらできません。加害者に弁護士が付いた場合、検察側は被害者に対し「加害者と示談にするつもりはあるか」を確認するのが普通です。被害者が示談を了承すれば、検察官は被害者の連絡先を弁護士に伝え、そこから示談交渉を開始することができます。なお、弁護士には守秘義務があります。

  2. (2)示談が成立する可能性が高まる

    仮に、被害者の連絡先を知っていても、加害者本人が示談交渉を行おうとすると「被害者が面会を拒否する」「提示した金額に納得しない」といった形で示談が成立しないケースも少なくありません。加害者が思っている以上に被害者の権利意識や被害感情は強いのです。また、加害者と被害者が顔を合わせて示談交渉を行うと、対応の仕方によってはかえって被害者の反感を買いかねません。つまり、加害者本人が示談交渉をすることは事態を悪化させるだけなので、弁護士示談金を提案する場合よりも示談がまとまりやすくなります。

  3. (3)示談書などの必要書類の作成を一任できる

    個人では作成が難しい示談書や、示談・裁判におけるすべての必要書類または手続きを弁護士に一任することができます。書類の不備、トラブル防止といった点などを考えれば、弁護士に任せるのが最善といえるでしょう。

  4. (4)慰謝料を減額できる可能性がある

    慰謝料がどれくらいかかるかは、事件によってケースバイケースです。しかし、被害者側が慰謝料の適正額を知らずに高額な慰謝料を請求するケースも少なくありません。弁護士は「民事裁判で認められる適正な金額」を基準にして、その事件における慰謝料の適正金額を提示して被害者と示談交渉に臨みます。こうして弁護士から説得を受けた被害者は、提示された金額に納得し示談に応じやすくなります。結果として、最初に被害者から提示された金額よりも、低い金額で示談が成立する可能性もあります。

  5. (5)弁護士に依頼するデメリット

    デメリットは、「弁護士費用がかかる」という点です。弁護士事務所によっては高額な弁護士費用を請求されるところもありますので、どれくらいの費用がかかるかは事前に詳しくチェックしておくことをおすすめします。

6、まとめ

釈放や不起訴を狙うのであれば、早期に弁護士に依頼することが重要です。家族や知人だけでは被害者との示談交渉が難しくなることが多く、連絡先すら分からないということもありえます。
弁護士に依頼をすれば、その働きによって示談がうまくまとまるだけでなく、「前科が付かない」「略式裁判で終わる」などのメリットが生じる可能性が高まります。本人の社会復帰という点を考えても、まずは弁護士に相談することをおおすめします。

ベリーベスト法律事務所は脅迫事件における解決実績が多数あります。弁護士が事件の円満解決と依頼者の早期社会復帰のために全力を尽くします。脅迫事件でお困りの方はベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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