今すぐ弁護士に無料相談

弁護士コラム

NEW

集団でいやがらせ行為をしたらストーカーとして逮捕される? 逮捕の要件や刑罰を解説

2019年02月26日
  • 暴力事件
  • 集団ストーカー
集団でいやがらせ行為をしたらストーカーとして逮捕される? 逮捕の要件や刑罰を解説

犯罪白書(法務省)によると、平成28年に、ストーカー行為(つきまとい等)を行ったとして、警告を出された件数が3562件、禁止命令が出された件数が173件となっており、その数は平成19年から増加の一方です。
昨今はインターネットなどの普及から、いやがらせ行為も多岐にわたっており、何がストーカー行為に当たるかは判断が難しくなっていますが、自分ではストーカー行為をしているつもりはないが、相手に恐怖や不安を感じさせてしまうケースが多くみられます。そこで、どのような行為がストーカーとして問題になるのか、また、集団でひとりの方につきまとって嫌がらせをする行為はストーカー行為にあたるのか、家族がストーカー行為で逮捕されてしまった場合はどのようにすればいいのか、などについて解説します。

1、ストーカーとは? 集団でのいやがらせ行為はストーカーになるのか?

  1. (1)ストーカーとは

    ストーカーには「つきまといをする人」という意味があります。日本においては、以前は警察による対処が難しい事案でしたが、平成12年に桶川ストーカー殺人事件がきっかけとなり「ストーカー規制法」が成立しました。その後、罰則の強化や非親告罪化などを盛り込んだ改正法が平成29年に施行されています。

    ストーカーは、従来は単に有名人などを追っかける行為を指していましたが、私人が対象のストーカー行為が一般的になり、多くの事件が発生したことから法律で規制することになりました。ストーカーの語源のように特定の人を追っかけることだけでなく、待ち伏せや見張りをする、監視をしていると相手に伝える行為も含まれます。また、無言電話やSNS上でのつきまといなど実際に会わないでする行為も規制対象となっています。

    改正前の法律では親告罪でしたが、改正により非親告罪となり被害者が訴えなくても警察が事件を捜査し、検察が控訴提起できるようになりました。
    ただ、ストーカー行為に当たるとされた場合でも、突然逮捕されることはほとんどありません。通常はその前に警察から警告を受けて、それにも従わないときに逮捕されます。

  2. (2)ストーカー行為は集団でも罰せられるか

    ストーカーは単独での事案が多くみられますが、集団がひとりに対してする嫌がらせ行為では、どのようなときにストーカー行為として扱われるのでしょうか。
    たとえば、特定の相手に対して、複数人が共謀の上、自宅や職場などそれぞれ担当する場所を分けて見張りをする行為や「いつも見ている」などとSNSを通じて告げる行為も同法の規制対象となり、逮捕される可能性があります。

    また、特定の相手を中傷する内容をメールやSNS上で書くことも対象になりますので、加害者同士がお互いに面識がない場合でも同様に罰せられる可能性があります。
    ただし、これらの行為は繰り返して行われてはじめてストーカー行為として判断されるため、一度では対象となりません。

  3. (3)ストーカー行為で逮捕されたら

    逮捕され、起訴された場合、有罪が決定すれば前科が付き、同法では懲役刑が規定されているため刑務所での懲役を科せられる可能性があります。初犯である、あるいは犯罪の内容が軽度とみなされれば執行猶予や刑期が最大になることはほとんどありません。
    しかし、ストーカー行為によって被害者がうつ病などの精神病を患ったケースなどにおいては、さらに傷害罪が適用されるという可能性が考えられ、ストーカー行為の他に暴行罪や傷害罪などが加わると、刑罰が重くなる可能性は高まります。
    刑法では併合罪加重といって、2つ以上の罪を犯したときはその中でもっとも重い法定刑の1.5倍の量刑が科されるので、ストーカー規制法自体の刑期は短くても、その他にも罪が適用された場合は、より重い量刑が言い渡される可能性があるのです。

    ストーカー規制法はストーカー行為について規制していますが、それだけではなく行為の態様によってはその他刑法などの法律に触れることも注意しなければなりません。

2、ストーカー規制法の要件や量刑、逮捕後の流れを解説

  1. (1)ストーカー規制法の概要

    ストーカー規制法の対象とみなされる行為は「つきまとい等」と「ストーカー行為」の2つになっています。「つきまとい等」は特定の人物に対して恋愛感情や好意を持ち、その人に受け入れられなかった等の理由により生じる恨みを満たす目的で、相手本人やその家族などに対して行う以下の行為を「つきまとい等」として規定しています。(同法2条)


    1. ①つきまとい・待ち伏せ・うろつき等(同法2条1項1号)

      自宅や勤務先の見張りをする、押しかける、うろついたりする行為。また、外出先で待ち伏せをすることも含まれます。


    2. ②監視の告知(同法2条1項2号)

      行動を監視していることを相手に告げ、それがわかるような状況にすること。


    3. ③面会・交際の要求(同法2条1項3号)

      会うことや付き合ってほしいといった相手に義務のないことを要求すること。


    4. ④乱暴な言動(同法2条1項4号)

      大声で怒鳴ったり、電話やメールで乱暴な言葉を浴びせたり、相手の自宅の前でクラクションを鳴らすなどの行為が該当します。


    5. ⑤無言電話やしつこく電話を掛けたりメールを送る(同法2条1項5号)

      相手方が拒んでいるにもかかわらず、何度も電話を掛けたりメールを送りつけるなどの行為。


    6. ⑥汚物等の送付(同法2条1項6号)

      汚物や動物の死骸、それ以外に相手が著しく不快に感じるようなものを送りつけたり、自宅前に置くなどそれがわかる状態にすること。


    7. ⑦名誉を害することの告知(同法2条1項7号)

      相手の名誉を傷つけることを言うこと。また、直接言わなくても相手がその事実を知れる状態にすることも同様です。


    8. ⑧性的しゅう恥心の侵害(同法2条1項8号)

      相手が恥ずかしいと思う画像や写真を送りつけたり、インターネットなどを通じて相手が見られるように意図的に置いたりすること。


    これら「つきまとい等」の行為を、特定の同じ人物に対して繰り返してすることを「ストーカー行為」とみなし、規制の対象とされています。ただし、つきまとい等において、①から④、および⑤(電子メールの送受信に関する箇所のみ)までの行為が身体の安全・住居などの平穏・名誉などが侵害する場合、行動の自由を著しく害するか、あるいはそのような不安を与える方法で行われた場合に限定されます。
    ストーカー規制法に違反して逮捕された場合の罰則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。(同法第18条)

    また、被害者が申し立てを行い、警察がストーカー行為を止めるように加害者に対して警告したとき(禁止命令)で、その後も止めなかったときは2年以下の懲役または200万円以下の罰金と量刑が重くなります。(同法19条)

  2. (2)逮捕後の流れ

    法に触れる行為をした場合は逮捕されることになりますが、その後の流れはどうなるのでしょうか。

    まず逮捕されると警察の取り調べを受け、その後の48時間以内に身柄・事件が検察に送られます。
    検察では被疑者を取り調べますが、身柄拘束の必要があれば勾留請求がなされます。勾留請求されるケースのほうが圧倒的に多いようです。勾留中に捜査や取り調べをして、その後に起訴・不起訴されます。

    起訴になった場合は、裁判が行われます。刑事裁判において被告人は、基本的に身柄は拘束されたままです。初犯など軽いケースでは執行猶予がつくことが多いですが、悪質な場合や傷害罪など他の法律にも抵触していてそれらも併せて起訴されている場合は、実刑になる可能性もあります。
    ストーカーは故意犯ですが、ストーカーをしている加害者に協力をしても罰せられます。そのとき、ストーカーをしていることを知らなくても逮捕されることがあるので注意が必要です。

  3. (3)集団ストーカーとして逮捕された場合

    それでは、集団でストーカー行為をしていると判断された場合はどうなるのでしょうか。その場合でも、誰かが罪を免れるということはなく、ストーカー行為をした方は逮捕・起訴されることになります。

    逮捕されれば必ず起訴されるかといえばそうではなく、不起訴になることもあります。不起訴になるための重要な要素となっているのが被害者との示談成立の有無です。

3、ストーカー事件の慰謝料・示談金の相場は?

  1. (1)示談が有効な理由

    不起訴を獲得するためには被害者との示談交渉が大きな意味を持ちます。
    しかし、加害者が示談交渉を被害者に持ち掛けたところで、多くは拒否されるでしょう。そこで弁護士が示談交渉をすることにより、状況を有利に運ぶことができます。
    弁護士が入ることにより冷静に話し合いができますし、プロが示談交渉することにより成功の可能性はずっと高くなります。

    弁護士が被害者と示談をすることにより、不起訴に向けて有利になることはもちろん、慰謝料請求の民事裁判を起こされる前に決着できることも大きな利点です。民事裁判を起こされると起訴までに示談が間に合わなくなってしまう可能性が高く、刑事裁判に進んでしまって被告人となり、民事裁判では被告として裁判を受けることにもなりかねません。

    民事裁判を起こされる前に示談を成立させることが大きなポイントになりますので、もしも家族がストーカー行為で逮捕されてしまったときは、速やかに弁護士に依頼して適切な対処を要請するのが肝要です。

  2. (2)示談金の額は?

    示談の際は示談金が必要となります。その金額は事件によって異なり、数十万円以上となることも多いです。詳細は弁護士にご確認ください。

    集団ストーカーとして逮捕されたときにも、全員が同じ刑罰になるわけではありません。起訴は個別に行われるため、行為の内容によって起訴・不起訴が決まってきます。そのため、不起訴を目的として有利に進めることを考えれば、ひとりでも被害者と示談交渉をすることは大きな意味があります。

4、ストーカー事件の判例

  1. (1)保護観察付きの執行猶予がついた判例

    20代の男性に43歳の女性が大量のメールを送りつけたことにより逮捕されています。この女性は被害者に好意があり、接近禁止命令が出ているにもかかわらず男性の職場付近をうろついたり、見張ったりなどのつきまとい行為をしたとして逮捕・起訴されています。

    平成30年2月22日、千葉地裁の判決では、懲役6ヶ月、保護観察付き執行猶予3年を言い渡されています。犯行を認め反省していて、精神科で治療を受けるなど状況を改善する姿勢が実刑にならなかった理由とされています。

    過去にはストーカー規制法成立のきっかけとなった「桶川ストーカー殺人事件」やストーカー規制法改正のきっかけとなった「逗子ストーカー殺人事件」など、ストーカーに関わる大きく取り上げられた事例はあります。しかし、ストーカー規制法に関する判例はまだ少ないのが現状です。

  2. (2)執行猶予がついた判例

    平成23年8月10日に東京地裁で出た判例です。これは、加害者が被害者の自宅駐車場付近で、被害者が乗る自動車の見張り行為をしたり、自宅の玄関に行き何度も様子をうかがったりなどして起訴されています。

    判決では懲役10ヶ月で執行猶予がついています。被告人は罰金刑ではなく懲役刑の判決を不服として控訴しましたが、棄却されて確定しています。

    ストーカー規制法で逮捕される事案は改正を機に変化しています。これは改正でインターネットを使ったストーカー行為も対象となったためです。しかし、実際に起訴され裁判にまで発展するケースは少ないようです。
    ストーカー行為では、ストーカー規制法だけではなく、刑法の傷害罪や脅迫罪など他の法律にも抵触する可能性のあることが関係しているでしょう。

  3. (3)インターネットを使ったストーカーは難しくない

    インターネットを使ったストーカー行為、SNSなども法改正によって規制対象となったことから、集団ストーカーとして逮捕される可能性は高くなっているといえます。

    従来は何らかの接触が必要でしたが、インターネットでは簡単にストーカー行為ができてしまいます。たとえ協力していなくても、集団でひとりに対して嫌がらせを行えばストーカーとみなされます。

    集団の事例ではありませんが、女子高生に対してSNSから「バス停で見ているよ」などと投稿し、監視していることを伝えたとして平成29年にストーカー規制法違反で男が逮捕されています。

    現在では立件のハードルが下がっているため、気軽に言ったことでも逮捕されてしまうことがあります。そして、インターネットの普及により、複数の人が同じような攻撃をすることが容易になる環境ができています。

5、まとめ

法改正によってインターネットでのストーカー行為も対象となったため、気づかないうちに集団で嫌がらせ行為をしたとして、逮捕された件数は増加しています。家族がストーカー規制法違反で逮捕されてしまった、という場合は、起訴までの間に被害者と示談交渉をすることにより、不起訴に向けて有利に進めることができるようになります。示談交渉は迅速、かつ確実な対応が求められますので、プロに一任するのが間違いありません。
ストーカーとして逮捕された、そんなときは刑事事件での示談交渉について経験豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

40ページ中 18ページ

弁護士コラムトップにもどる

その他の暴力事件のコラム

カテゴリーから選ぶ

お近くの弁護士を探すお近くの弁護士を探す

北海道・東北
関東
中部・東海
北陸
近畿
中国・四国
九州・沖縄