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冗談のつもりで送ったLINEで脅迫罪!? 脅迫罪の成立要件とは

2019年03月12日
  • 暴力事件
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冗談のつもりで送ったLINEで脅迫罪!? 脅迫罪の成立要件とは

SNS利用者数の増加に伴い、従来にはなかった手法で犯罪が行われるようになっています。たとえば脅迫罪の場合、相手に直接向き合って脅すことで罪になるというイメージがあるかと思いますが、実は対面でなくとも脅迫罪が成立する場合があります。
今回は、多くの方がコミュニケーションツールとして利用している「LINE」で脅迫罪が成立することがあるのか、LINEではどのようなケースが脅迫罪にあたる可能性があるのか、もしもLINEを利用して脅迫罪で逮捕された場合にはどうすればよいのか、弁護士が解説していきます。

1、脅迫罪とは

まずは脅迫罪がどのような犯罪であるのか刑法を見てみましょう。

「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」

これは、刑法222条の1項の条文です。
脅迫罪の構成要件、つまり脅迫罪が成立する行為は、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫」することとされています。
そして脅迫罪で有罪となってしまうと、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科される場合があります。

また、2項では脅迫罪にあたる脅迫の方法を少し具体的にしています。

「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」

本人だけではなく、「家族を殴るぞ」と本人に伝えて脅した場合でも脅迫罪が成立すると規定されています。
この規定は脅迫罪に該当する範囲を広げているようにも見えますが、一方では、親族以外へ加害を行う旨の告知では脅迫罪にならないということでもあり、脅迫の概念が狭められています。

脅迫罪における脅迫よりも、脅迫の概念をより広義に捉えている犯罪に、恐喝罪があります。
恐喝罪は暴行や脅迫などによって、金銭や財産などを奪い取ることで成立します。そしてここでの脅迫内容は、本人およびその親族への加害に限定されません。
たとえば親しい友人や恋人を「殴るぞ」と言った場合、それだけで脅迫罪は成立しませんが、その脅しによって金銭や財産を奪い取ることになれば恐喝罪が成立します。
なお、お金を要求し、脅迫が相手の反抗を抑圧するほどひどい行為であった場合には、恐喝罪でもなく強盗罪が該当するようになり、より重い処罰が下されます。

脅迫罪における脅迫は「相手を畏怖させるに足る」程度のものです。脅迫の概念が近いものとしては強要罪がありますが、この犯罪ではただ脅迫をするだけでなく、相手に義務のない行為をさせる必要があります。

こうして考えてみると、脅迫罪が成立するには脅迫行為において、相手に作為を求めていないこと、金品を要求していないことなどが前提とされています。そして加害の対象として認められるのは告知相手とその親族に限られています。ただし、どのような方法で脅迫をするのか、ということまでは指定されていません。

2、LINEを送るだけで脅迫罪は成立するのか

LINEのメッセージで脅迫罪は成立するのでしょうか。結論から言えば、LINEであっても脅迫罪が成立する可能性は十分にあります。

脅迫罪では、特にどのような方法で脅迫をした場合に該当するのか定義されていません。そのため対面で相手を脅迫した場合であってもLINEで脅迫メッセージを送った場合であっても関係なく脅迫罪は適用されると言えます。証拠が残りやすいという意味では、LINEで脅迫を行った方が逮捕の可能性が高いと言えるかもしれません。

では、LINEでどのようなメッセージを送れば脅迫罪にあたるのでしょうか。ポイントとなるのは加害の意思と加害の対象です。
脅迫罪が成立する要件として「生命、身体、自由、名誉又は財産」に対し加害する旨を告知するとされています。「ぶん殴るぞ」というメッセージを送信すると、身体に対する加害の意思を伝えたことになります。「お前を殴るぞ」や「お前の妻を殴るぞ」など、加害する対象を含んだメッセージを送信すると、脅迫罪が成立する要件を満たします。しかし「お前の彼女を殴る」というメッセージでは先ほど説明した通り、加害の対象が親族でないため脅迫罪が成立しません。

親族を加害する旨のメッセージを送ったからと言って絶対に脅迫罪に問われるわけではありません。たとえば前後の文章や当事者の関係性などから考えて明らかに冗談である場合には有罪とはならないでしょう。
逆に、「殴る」などの直接的な言葉を使用していなくても、スタンプや絵文字、顔文字などで加害の意思をにおわせていれば有罪になる可能性はあります。

3、電話、メール、インターネットの書き込みの場合について

LINEのメッセージから少し広げて電話やメールでのやり取り、インターネットに書き込まれた言葉などについて見てみましょう。
ここまでの説明から分かるように、上記の方法すべてで脅迫罪が成立する可能性はあります。ただし具体的な状況に応じて判断していく必要があります。たとえば電話の場合には口調によって受け取り手の感じ方は変わります。きつい言葉を使用していなかったとしても、一般に畏怖すると考えられる会話をしていると脅迫罪が成立する可能性はあります。メールのやり取りについても、LINEで成立し得る脅迫罪のケースとほとんど同じように考えることができます。

4、LINEやインターネットの書き込みが脅迫罪に問われた実例

実際にLINEで送ったメッセージがきっかけとなり逮捕された例があります。
その事件では、元交際相手に対して「ころす」といった文言が送信されていました。被害者が警察へ相談したところ、警察官は加害者の職場までかけつけて即日、逮捕をしています。その後加害者は被害者に対し謝罪の気持ちと被害の弁償をする意向を伝え、示談を持ちかけましたが、被害者は当初これを拒否しています。

示談というのは当事者間の合意で紛争を解決することを言います。刑事事件では示談ですべてを解決させることはできませんが、それでも示談を成立させることには大きな意味があります。ひとつは逮捕後の身柄拘束から解放されること、次に起訴を避けることなどの効果が期待できます。また、起訴されてしまった場合であっても、減刑や執行猶予つき判決を得る期待が持てます。

この事件においては、依頼を受けた弁護士が示談交渉を持ちかけています。一度は被害者側が示談を拒否したものの弁護士が代理人となって交渉を続けた結果、最終的には示談が成立し、勾留延長に対する準抗告により釈放、さらに不起訴処分となりました。

この事例では結果的に脅迫罪は成立していませんが、この事件から考えてもLINEのメッセージがきっかけで逮捕され、起訴されれば有罪判決が下される可能性が十分にあるということが分かります。

5、LINEだからこそ注意しなければならない点とは

LINEのメッセージが原因で脅迫罪になる可能性があることから、文面には注意して送信する必要があります。冗談で脅迫めいたことを送った場合でも冗談で済まされないケースがあります。しかもその内容が証拠として残るため、冗談でも脅迫にあたるメッセージは送らないようにしましょう。
LINEのように文字だけでやり取りをする場合には、自分の伝えたかった気持ちとは違った意味で相手に捉えられる可能性もあります。自分に脅迫の意思がなかったとしても、その主観を証明することは難しく、状況によっては脅迫と疑われるかもしれません。

6、脅迫罪に問われそうなときには弁護士に相談を

LINEで送ったメッセージが脅迫になってしまうかもしれないと不安に感じている場合には、弁護士に相談してみましょう。逮捕後でも、逮捕前でもかまいません。弁護士への相談はできるだけ早期にすることが重要です。逮捕されてから72時間が経過すると勾留が決定されてしまう可能性が高く、勾留請求が認められると長い期間身柄を拘束されてしまいます。早期釈放、不起訴処分の獲得のためにもできる限り早く弁護士に相談するべきです。

7、まとめ

脅迫罪は相手を畏怖させるに足る脅迫をした場合に成立する可能性があり、手段が特別限定されているわけではないため、LINEのメッセージが原因で脅迫罪が成立することはあり得ます。LINEやメールなどの場合には文章が残ってしまうため、証拠としてされやすい特徴があります。冗談であっても相手を脅迫するような言葉を送らないように注意しなければなりません。
「自分の送ったメッセージが原因で脅迫罪に問われるかもしれない」「逮捕されるのだろうか」と不安をお抱えの方はベリーベスト法律事務所までご相談ください。

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