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DV(加害者)側の特徴とは? DVの罰則や逮捕について

2019年03月28日
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DV(加害者)側の特徴とは? DVの罰則や逮捕について

DVはドメスティック・バイオレンス(domestic violence)の略であり、本来は家庭内の暴力行為を意味しています。そのため、かつては警察も「民事不介入」を理由に家庭内の問題には介入しないことが通常でした。

しかし、2001年に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)が施行され、警察官に被害者の保護や被害防止に努める義務が課されたことなどから、警察や行政の対応も大きく変わりました。
なお、DV防止法により規制の対象とされる「配偶者からの暴力」には、離婚後(又は内縁解消後)に元配偶者(又は内縁関係にあった者)から引き続き受ける暴力も含まれており、「家庭内」の暴力に限られるわけではありません。もっとも、恋人関係にあるにすぎない場合には、DV防止法の規制対象とはなりません。
平成26年の内閣府による「男女間における暴力に関する調査」によると、配偶者間で起こった殺人・傷害・暴行事件で検挙された件数は5807件にのぼります。

今回は、DV加害者の特徴や心理、DVの類型、DVにつき犯罪が成立するのはどのような場合か、さらにその刑罰について、弁護士が詳しく解説します。

1、DVの加害者になる人の特徴や心理とは?

  1. (1)DV加害者の特徴

    DV加害者の特徴としては、「相手に対する支配欲が強い」、「DVを愛情表現だと主張し、暴力をふるう時と優しい時の落差が激しい」「DVを行っている自覚がない」、「自分は特別だという意識を持っている」、「相手より優位に立ちたがる」、「自分を正当化する」、「外面がいい」などがあげられます。
    DV加害者がそのすべてを備えている場合もあれば、いくつかが該当する場合もあります。

  2. (2)DVの類型

    DV防止法による規制対象となる「配偶者からの暴力」(DV防止法1条1項)には、殴る、蹴るなどの「身体に対する暴力」のみならず、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」も含まれます。このような言動として具体的には、「心理的暴力」、「経済的暴力」、「性的暴力」などがあるとされています。以下では、それぞれについて説明をいたします。
    なお、「配偶者からの暴力」のうち、身体に対する暴力又は被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫については、これを行った場合、被害者からの申立てによって、裁判所から保護命令が出される可能性があります。
    保護命令は、被害者に対するつきまとい、被害者の住居付近の徘徊、被害者への面会要求、被害者へ電話をかけることなどを禁止する命令であり、これに違反したときは、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

    1. 1 心理的暴力

      心理的暴力とは、相手の行動を監視する、電話やメールなどをチェックする、日常的に相手を侮辱したり罵ったりする、無視する、自殺をほのめかして心理的な負担を与えるなどの行動をさします。

    2. 2 経済的暴力

      経済的暴力とは、本来渡すべき生活費を渡さない、無計画な買い物や借金をする、相手のお金を持ち出す、お金を奪い取るなどの行動をさします。

    3. 3 性的暴力

      性的暴力とは、妻が妊娠を望んでいないのに夫が避妊をしてくれない、性交を強要する、性的嗜好を押しつけるなどの行動をさします。

  3. (3)DV加害者になってしまう原因

    DV加害者自身も「親から虐待されていた」、「親の愛情を受けずに育った」など、生育環境がDV加害者を生む原因である、という考え方もあります。
    また、「暴力は愛情の裏返しである」、「自分に自信が持てず弱い相手に対して優位に立ちたくなる」といった心理的な原因でDVを行ってしまうというケースもあります。
    だからといってDVが正当化される事情にはならない、と考えるべきです。
    ただし、不幸な生育環境などは、刑事裁判において、情状酌量の対象となる可能性はあります。

2、DVで逮捕されるケースと刑罰

DVについて犯罪が成立する場合には、逮捕、起訴され、刑事裁判によって刑罰を受ける可能性があります。 それでは、DV行為にどのような犯罪が成立するか、またどのような刑罰を科せられる可能性があるかを解説いたします。

  1. (1)暴行罪(刑法208条)

    相手(DV被害者)に対して、暴力をふるった場合には暴行罪が成立します。
    ただし、「殴る、蹴る」だけが暴力ではありません。
    刑法の解釈上、暴行とは人に対する不法な有形力の行使だとされています。
    つまり、殴る蹴るという直接的な有形力の行使だけではなく、被害者の近くで危険なものを振り回したりする間接的な有形力の行使でも暴行にあたる可能性がある、ということです。
    「当たってないから」、「叩いてないから」という弁解は、通用するとは限りません。
    暴行罪の法定刑は、「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と定められています。

  2. (2)傷害罪(刑法204条)

    相手の身体に傷害を与えた場合には、傷害罪が成立します。
    刑法の解釈上、「傷害」とは人の生理的機能を害することだと考えられています。殴って骨折させる、包丁で切りつけるなどの外傷に限られず、精神的な疾患も「傷害」に含まれます。また、傷害罪の場合には、暴行罪と異なり、「暴行」(物理力の行使)は成立要件となっていません。ですので、暴言のみによっても傷害罪は成立しうるのです。
    以上をまとめると、日常的な暴言によって、相手(DV被害者)が精神疾患にかかった場合にも、傷害罪が成立します。
    傷害罪の法定刑は、暴行罪よりも重い、「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。

  3. (3)窃盗罪(刑法235条)

    「経済的暴力」として挙げた例のうち、「相手のお金を持ち出す」という事例の場合はどうでしょうか?
    交際相手のお金だからといって、本人の承諾なく持ち出すことは許されません。相手に断りなく金品を持ち出した場合には、窃盗罪が成立します。
    窃盗罪は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科さられます。
    ちなみに、配偶者に対する窃盗罪については、親族間の犯罪に関する特例(刑法244条)が適用され、窃盗罪自体は成立するものの刑は免除されます。

    また、暴行や脅迫によって金品を奪った場合には、恐喝罪(刑法249条)や強盗罪(刑法236条)が成立します。配偶者に対する恐喝罪については244条が準用され刑が免除されますが、配偶者に対する強盗罪については準用がなく、刑は免除されません。

  4. (4)強制性交等罪(刑法177条)

    相手が同意していないにもかかわらず、性交を強要した場合には、強制性交等罪が成立する可能性があります。
    「強制性交等罪」は、2017年の刑法改正まで「強姦罪」と呼ばれていたものです。
    強制性交等罪の法定刑は、「5年以上の懲役」と定められています。

    改正前の強姦罪は「親告罪」といって、被害者が刑事告訴しない限り、検察官が公訴を提起することができませんでした。そのため、刑事告訴をした場合の復讐をおそれて泣き寝入りする被害者も少なくありませんでしたが、法改正により「非親告罪」となり、被害者本人が告訴しなくても刑事裁判にかけることができるようになりました。

  5. (5)侮辱罪(刑法231条)

    夫婦間または恋人同士の場合でも、人前で「お前はバカだ」、「お前は常識がない」などと相手を侮辱すると、侮辱罪が成立する可能性があります。
    侮辱罪の刑罰は「拘留または科料」と、他の犯罪と比較すると軽い刑罰となっていますが、日常的な侮辱行為によって、相手(DV被害者)の心身に不調を来した場合には、傷害罪が成立する可能性もあり、その場合は刑罰が重くなります。

3、DVで逮捕されて不起訴となった解決事例

  1. (1)交際相手に暴力をふるった事例

    ケンカが原因で同居の交際相手に暴力をふるった事例です。
    被害者の被害感情が重かった事例ですが、加害者の謝罪により事件発生3日目に示談が成立し、示談成立を検事に報告した結果、不起訴処分となりました。

  2. (2)元交際相手に対する恐喝容疑で逮捕された事例

    交際相手の浮気に逆上して金品を要求、さらに性行為時の動画をネットにばら撒くと恐喝し、逮捕された事例です。
    この事例の場合、弁護士が勾留請求却下の意見書を作成して裁判官と面談したうえ、日常での被疑者は誠実な人間であることを伝え、勾留請求は却下されました。
    さらに、検察官の準抗告も棄却され、逮捕翌日には身柄が解放されるとともに、最終的に被害者との示談も成立し、不起訴処分となりました。

4、身内がDVで逮捕された場合はすぐに弁護士に相談を

逮捕後、捜査機関から取り調べを受ける際に、気が動転して事実でないことつい言ってしまうというケースもあります。その後、不利な展開で進んでしまうと、なかなか挽回できない可能性もあります。
逮捕されてから72時間は、ご家族であっても面会できないことがあります。弁護士であれば、逮捕されてすぐに被疑者と面会することが可能です。面会では、取り調べに対するアドバイスを行ったり、ご家族に対して被疑者の様子を伝えることができます。

被害者と示談交渉を行う際も、加害者の方が被害者の方に連絡先を聞くのは通常難しいです。弁護士であれば、捜査機関を通じて連絡先を教えてもらい、示談交渉を行うこともできますので、なるべく早く弁護士に相談されることをおすすめいたします。

5、まとめ

DV加害者の中には自覚なくDVを行っている人もいます。また、加害者自身も特殊な環境で育ったため、それが犯罪であると気づかないケースも少なくありません。
万が一、家族や近しい人物がDVで逮捕されてしまった場合、まずは弁護士にご相談ください。経験豊富なベリーベスト法律事務所の弁護士が、必ず力になります。

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