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恐喝罪で逮捕されるとどうなる? 逮捕後の流れや示談を詳しく解説

2019年03月28日
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恐喝罪で逮捕されるとどうなる? 逮捕後の流れや示談を詳しく解説

平成30年に公表された「犯罪被害者等施策に関する基礎資料」によると、平成29年における恐喝罪の認知件数は1946件にのぼるそうです。「恐喝罪」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、どのような場合に恐喝罪が成立するのかご存じない方も多いのではないでしょうか。似た言葉に「脅迫罪」というものがありますが、これは恐喝罪とは分けて考える必要があります。
ここでは恐喝罪がどういった罪なのか解説するとともに、逮捕後の流れや、不起訴を獲得するためにすべきことなどを弁護士が説明していきます。

1、恐喝罪はどんなケースで成立する?

まずは恐喝罪についての法律の規定を見てみましょう。刑法249条1項に以下のとおり法律上の成立要件および法定刑が定められています。

「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」
また、恐喝罪には刑法249条2項の規定もあります。
「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」

恐喝罪(1項)は「人を恐喝して財物を交付させた」ことが成立要件ということになります。もう少し具体的に説明すると、恐喝罪が成立するには、「恐喝」すなわち暴行又は脅迫によって相手を畏怖させ、相手に「財物」の処分行為(お金を渡すなど)をさせることによって、「財物」を取得することが必要です。

ここで「脅迫」という言葉が出てきましたので、脅迫罪についても触れておきます。

刑法222条に以下のとおり脅迫罪の規定があります。
「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」

同じ「脅迫」を行う犯罪であっても、脅迫罪と恐喝罪とで大きく異なる点は、財物を交付させるかどうかということです。つまり,恐喝罪では、脅迫された者がお金を渡すなどの処分行為をすることが必要ですが、脅迫罪ではこの処分行為を要しません。

また、上記規定に明記されているように、脅迫罪を成立させるためには、本人やその親族の生命、身体、自由、名誉又は財産(以下「生命等」といいます。)に対して危害を加える旨を告知する必要があり、生命等以外に対する危害や、親族ではない恋人や友人の生命等に対して危害を加える旨を告知しても脅迫罪にはあたりません。

他方で、恐喝罪を成立させるための「脅迫」については、単に危害を加える旨を告知するだけで足り、加える危害の内容や危害を受ける対象に制限はありません。

さらに、脅迫罪にいう脅迫行為によって、相手方に財物の交付ではなく、義務のない行為をさせた場合には、強要罪に問われる可能性が出てきます。

そのほかにも、恐喝罪では、相手方を畏怖させることが必要であるものの、財物の交付はあくまで相手方の任意によりますが、相手方が反抗できないほどの脅迫行為により、相手方の任意によらず財物を交付させた場合には、強盗罪が成立する可能性もあります。

おおまかにまとめると、財物の交付をさせずに脅迫をした場合は脅迫罪、脅迫により相手方に義務のない行為をさせた場合は強要罪、脅迫により相手方を畏怖させ任意に財物を交付させた場合は恐喝罪、相手方が反抗できないほどの脅迫により財物を交付させた場合には強盗罪が成立する可能性があるということになります。

2、恐喝罪で逮捕された際の逮捕後の流れ

恐喝罪に該当する行為をした場合には、逮捕される可能性があります。なお、逮捕には、裁判所の出す逮捕状にもとづいてなされる「通常逮捕」と、犯罪行為が現認された状況などで逮捕状なくなされる「現行犯逮捕」とがあります。

どちらの方法であっても、逮捕されると、まずは警察によって一定期間身体が拘束され、その状態で取り調べなどの捜査が行われます。この逮捕にともなう身体拘束期間は最大48時間と定められており、その後は、一定の軽微な犯罪を除き、警察から検察へと事件(被疑者の身体と捜査書類)が送致されます。

検察に送致されると、検察官は、24時間以内に「勾留」を裁判所に請求するかどうかを判断します。検察官が勾留請求をしなかった場合(勾留請求せずに起訴などの処分をすることもあります)や、裁判所が勾留を認めなかった場合には釈放されることになりますが、後で詳しく説明するとおり、検察官が請求した勾留を裁判所が認めると、延長期間を含めて最大で20日間の身体拘束が続きます。この間に検察官は被疑者を起訴するかどうかを決めることになり、不起訴となれば無事釈放、起訴されれば刑事裁判手続へと進むことになります。

3、勾留とは? 釈放される条件や時期について

「勾留」とは、起訴前の被疑者や起訴後の被告人の身体を、拘置所や警察署の留置施設において拘束する処分のことをいいます。なお、間違いやすいものに「拘留」がありますが、こちらは刑罰のひとつであり、勾留とは異なる概念です。

被疑者の勾留は、逮捕に引き続き行われ、検察官が請求し裁判官がこれを認めた場合に、その旨の令状(勾留状)を発付して行うものです。勾留期間は10日間ですが、やむを得ない場合は、検察官の請求により裁判官が更に10日間以内の延長を認めることもあります。
これに対し、被告人の勾留は、起訴された被告人について、裁判を進めるために身体の拘束が必要な場合に行われるものです。勾留期間は2か月で、特に継続の必要性がある場合には、1か月ずつ更新することが認められています。

いずれの勾留も、裁判官・裁判所に認められるためには、被疑者・被告人に「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」がある場合で、かつ、被疑者・被告人が①定まった住居を有しない、②犯罪の証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある、③逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるという条件のいずれかに該当することが必要です。

逮捕に引き続き勾留をされると、長い間警察署の留置施設などに留め置かれ、自宅にも帰ることが許されませんので、肉体的にも精神的にも大きな負担となります。また、この間仕事にもいけず、勤め先から解雇されるおそれなどもあるでしょう。
こういった事態を避けるためには、まずは、逮捕されたとしても、できるかぎり勾留される前に釈放されるようにすることが大事です。逮捕されたとしても、被疑者に逃走や証拠隠滅のおそれがないと認められた場合などには、検察官による勾留請求や裁判所による勾留決定がされずに釈放されることがあります(なお、釈放された場合でも、起訴・不起訴といった処分が決まっていない状況であれば、在宅での捜査が続くことになります)。

また、一度勾留が認められたとしても、勾留期間中に釈放されることもあります。具体的には、まず、さきほど述べたような勾留が認められる要件を満たしていないといえる場合には、勾留の決定に対して「準抗告」という不服申立手続をすることが考えられます。これにより、勾留を決定したのとは別の裁判官が、勾留が正当(適法)であるかを検討し、不当(違法)であると判断すれば、勾留の決定は効力を失い、釈放されることになります。

さらに、勾留決定自体は不当とまではいえないとしても、その後の事情などから、勾留の理由や勾留の必要がなくなったといえるような場合には、「勾留取消」を請求することも考えられ,これが認められることにより釈放される可能性もあります(ただし、実務上、「勾留取消」が認められるのは稀といわざるをえないのが現状です)。

以上のように、一度逮捕・勾留されると、長期間にわたって身体を拘束されことも少なくないのですが、勾留前(逮捕期間中)や勾留期間中でも、検察官や裁判官に対して、逃走や証拠隠滅のおそれがないことを認めてもらうための手続や活動をすることによって、早期に釈放される可能性もあります。
もっとも、実際にはこれらの手続きや活動を行うのは、弁護士(弁護人)でなければ困難です。

4、起訴と不起訴の違いとは

起訴とは、刑事事件において裁判所の審判(判決)を求める行為(意思表示)のことをいい、その権限は原則として検察官にのみ認められています。現状、日本の刑事裁判では、起訴されると99%が有罪になるといわれており、有罪判決を受けると、前科がつくことになります。

そこで、有罪判決を受け、前科がつくことを避けるためには、検察官から起訴されないこと、すなわち不起訴となることが重要になってきます。
犯罪の事実がない、あるいは、犯罪の証明する証拠が十分でないと判断された場合以外に、被害者と示談が成立するなどしたために、裁判にかけて刑罰を与える必要性がないと判断された場合にも、不起訴となる可能性があります。
したがって、不起訴となるために、検察官に対し、犯罪の事実や証拠がないことを主張したり、後で詳しく述べるように、被害者との間で示談を成立させたりすることが必要であり、これらの活動には、やはり弁護士(弁護人)が不可欠といえます。

5、起訴された場合の実刑の内容や懲役、執行猶予について

恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役であり、裁判官は、その法定刑の範囲内で、様々な事情を考慮して、被告人が実際に受ける刑を決めて、これを言い渡します。
執行猶予は、前科がない者などについて、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡すときにのみ付けることができ、執行猶予がつかなければ、実刑すなわち刑務所に入らなければならないということになります。

実際に言い渡される刑がどのようになるか、また、執行猶予がつくかどうかについては、恐喝行為の具体的な内容や経緯、被害額、反省態度、前科の有無などさまざまな事情(情状)が考慮されます。弁護士(弁護人)は、起訴された事実に誤りがある場合にこれを争うのは当然ですが、起訴された事実に争いがない場合でも、裁判官に対し、事案に応じてこれらの情状を適切に主張・証明することにより、減刑や執行猶予を求めていきます。
なお、執行猶予がついた場合でも保護観察が付くことや、また、刑の一部につき執行猶予がつくこともあります。

6、恐喝罪では示談が重要

示談とは、当事者が合意によって紛争を解決することあり、通常、民事上の損害賠償(被害弁済)や慰謝料の支払などについて合意をすることが主な内容になりますが、刑事事件に関して、被害者が加害者を許すことや刑事処分についての意見を含める場合もあります。
恐喝罪でいえば、被害者との間でこのような示談が成立していることはとても重要で、不起訴や、裁判での減刑・執行猶予を得るうえで大きな材料となります。

もっとも、犯罪の被害者は、加害者に対して、強い恐怖心や怒りの感情を持っていることが多く、当事者だけの話し合いで示談を成立させることは困難といえます。そもそも、被害者が話し合い自体に応じてくれないことも少なくありません。
したがって、示談の成立を目指す場合には、弁護士(弁護人)に依頼し、弁護士を通じて話し合いをすることが不可欠といえます。また、弁護士であれば、示談金はどのぐらいの金額が妥当かなど、示談の内容について法律的・客観的な基準をもって話をすることができます。

7、まとめ

これまで述べたように、もし、恐喝罪で逮捕された場合、身体拘束からの解放や不起訴処分を得たり、裁判で減刑や執行猶予を認めさせたりするためには、弁護士による弁護活動が重要で、できるだけ早期に弁護活動を開始することが望ましいと言えます。
刑事事件は時間との勝負です。ベリーベスト法律事務所では、刑事事件に精通した弁護士が多数所属しており、迅速かつ的確な対応を行います。ご自身だけでなく、身内の方が逮捕されてしまったという場合でも、できる限り早くベリーベスト法律事務所までご相談ください。

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