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暴行事件の示談金に相場はあるのか? 刑罰の罰金と示談金の違いや量刑傾向を解説

2019年09月25日
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暴行事件の示談金に相場はあるのか? 刑罰の罰金と示談金の違いや量刑傾向を解説

暴行罪は刑法第208条に規定されている犯罪です。殴る蹴るなどの直接的な暴力だけでなく、水や塩をかける、あおり運転をする、爆音で意識をもうろうとさせるなどの非常に幅広い行為が対象となることは意外と知られていないようです。カッとした次の瞬間、加害者になる危険性をはらんでいるといえるでしょう。
身内が暴行事件を起こしてしまえば、動揺されるのは当然のことです。暴行事件を早期に解決するには被害者と示談を成立させることが重要ですが、示談金の相場はいくらなのか、交渉は家族が行ってもよいのか、さまざまな疑問があるはずです。量刑はどの程度なのか、罰金を払えない場合にどうなるのかも気になるでしょう。
そこで今回は、暴行罪における示談の意味や示談金の相場、量刑について解説します。

1、暴行事件を起こした場合の示談金の相場

そもそも示談とは、当事者が話し合いによって問題の解決を目指すことをいいます。ここでは、暴行事件を起こした際に行う示談について解説します。

  1. (1)暴行事件における示談とは

    暴行事件の場合は、加害者が被害者に対してつらい思いをさせたことへの償いとして示談金を支払い、謝罪して許してもらうことを目指すことになります。

    早期に示談を成立させることは、加害者にとって大きなメリットがあります。ひとつめは、被害者に対する民事的は責任を果たすことができる点です。示談をもって当事者には何ら債権債務が存在しないことを明確にし、今後、被害者からの民事における損害賠償請求を防ぐことができます。

    さらに、もし示談を通じて許してもらえれば、被害者からの「宥恕(ゆうじょ)」意思を示談書に盛り込みます。宥恕とは、相手を許すという意味の言葉です。警察や検察、裁判所は、被害者の処罰感情を非常に重視するため、刑事手続きにおいて不起訴処分や減刑につなげられる可能性を高めることになります。

  2. (2)示談金の相場はどのくらい?

    暴行事件における示談金の額は当事者の話し合いによって決まります。暴行行為の悪質性や被害者の処罰感情によってケース・バイ・ケースですので、相場を明確に示すことはできません。

    初犯であれば示談金が安く済むとのイメージを持たれている方は多いようですが、暴行事件の場合、初犯だからといって必ずしも低額になるわけではありません。

    たとえば、次のような場合には示談金が高額になることも十分に考えられます。

    • 暴行を執拗に繰り返した
    • 日常的に暴行を加えていた
    • 被害者には何の落ち度もないのに一方的に暴行した
    • たまたま怪我をしなかったが大怪我をするおそれが十分にあり、被害者の恐怖心も甚大だった

    もっとも、刑法第208条では暴行罪にあたる場合を「人に暴行を加えた者が傷害するに至らなかったとき」と定めていますので、傷害罪などと比較すれば低額で済むケースは多々あります。結果としては怪我などが生じていないため、ある程度の示談金を支払うことで被害者の感情が収まり、納得してもらえるケースが少なくないと考えられます。

  3. (3)示談交渉を加害者や家族が直接行うことの是非

    示談交渉は、あくまでも当事者同士による話し合いです。しかし、暴行をした本人やそのご家族が示談交渉に臨むことは避けたほうがよいでしょう。暴行を受けた被害者は、事件当時から現在に至るまで強い恐怖心を抱いたり、屈辱的な思いをさせられたりしています。むやみに接触することで怒りの感情が爆発したり、脅迫を受けたと感じたりするケースも考えられます。その結果、より事態が悪化するおそれがあるためです。特に被害者の方が脅迫を受けたと感じるなどむやみに被害者と接触すると罪証隠滅のおそれがあるとして身柄拘束につながる危険もあります。

    暴行をした本人はもとより、ご家族であっても、被害者や被害者家族にとっては同様です。本人ではないから大丈夫と接触することは避けたほうがよいでしょう。スムーズに示談を進めるのであれば、第三者である弁護士に代理人となってもらい、対応を依頼することが賢明な選択です。

2、暴行事件の示談金と罰金は別物

金銭に絡む問題であることから、示談金を罰金と混同されている方もいるようです。

示談金と罰金は性質が全く異なるものであり、罰金を払ったからといって示談金の支払いを免れるわけではありません。反対に、罰金刑を言い渡された者が、示談金の支払いをもって罰金の支払い義務から免れることもできません。2つの違いを押さえておきましょう。

示談金は、あくまでも民事上の責任を果たすために支払われる損害賠償金のことです。

暴行事件の場合は被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料が中心となりますが、暴行の際に相手の物を壊したのであれば修理代を負担し、暴行を受けて恐怖心を抱いたために被害者が引っ越しをすれば、引っ越し代を負担することもあります。

事件によって被害者に与えた損害を補うことは、加害者が果たすべき民事上の責任です。そのために被害者に支払うのが示談金というわけです。

他方、裁判を通じて言い渡される「罰金」は、加害者が刑事上の責任を果たすために科される刑罰のひとつです。刑法第15条で1万円以上と規定されており、犯罪ごとに額が異なります。

刑罰ですので、暴行罪で逮捕、起訴され、有罪となって罰金刑を言い渡された場合に支払い義務が生じます。罰金刑を科されると前科がつきますし、任意に支払わないと財産に対して強制執行が行われ、身体拘束を受けて作業した対価で罰金を支払うという、いわば強制労働をしなければならないこともあります。

示談金は被害者へ支払うものですが、罰金の支払先は国です。所定の期間内に、原則一括で検察庁へ納付します。また、その額は法律にもとづき、裁判官が事件の内容を総合的に判断して決めることになります。

3、暴行事件の罰金と量刑相場

暴行容疑で逮捕されて有罪になると、どのような量刑であっても前科が付きくことになります。具体的にどのような処罰が下されることになるのかについて知っておきましょう。

  1. (1)暴行罪の量刑はどれくらい?

    暴行罪の罰則は「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。実際の量刑はこの範囲内で、裁判官が事件の悪質性や被害者の処罰感情、示談成立の有無などを考慮して決定します。

    罰金刑となるケースが多いと考えられるものの、懲役刑を言い渡されるケースも当然あります。したがって、安易に量刑相場を判断することはできません。

    ただし、類似の暴行事件における判決が一定の目安となるため、刑事事件に詳しい弁護士事務所に相談すれば、ある程度の見通しをアドバイスしてもらうことができるでしょう。

  2. (2)罰金を払えないとどうなるのか

    暴行罪の罰金刑は最大で30万円です。示談を進めていた場合には加えて示談金の支払いもあるため、本人やご家族の資力によっては支払いが難しいケースもあるでしょう。

    前述のとおり、罰金を支払わないと強制執行により財産を差し押さえられます。差し押さえる財産すらない場合は代わりに労役に就かなくてはなりません。労役とは、一定期間、労役場で強制労働させられることです。この間は家族との面会も制限され、会社や学校に行くこともできません。

  3. (3)罰金以外の刑罰について

    罰金のほかに科される可能性がある、「懲役(ちょうえき)」、「拘留(こうりゅう)」、「科料(かりょう)」の意味も確認しておきましょう。

    「懲役」とは、一定期間、刑事施設へ収監され、刑務作業を行わせる刑罰です。暴行罪の場合は最長で2年間、生活の自由を奪われ、家族とも満足に会えず、施設内で刑に服する可能性があります。もっとも、懲役刑となっても執行猶予が付きき、猶予期間中に罪を犯さないことを条件に、社会生活を送りながら更生を目指せるケースもあります。

    「拘留」とは、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される刑罰です。起訴前の被疑者が捜査のために身柄を拘束される勾留とは別のものです。

    「科料」とは、1000円以上1万円未満の金銭納付を命じられる刑罰で、行政上の罰である過料とは異なります。少額の科料で済んでも前科が付きくことになります。

4、暴行事件を起こしたとき弁護士を依頼したほうがよい理由

身内が暴行事件を起こしてしまったら、速やかに弁護士へ相談するべきです。このタイミングは早ければ早いほうがよいでしょう。

まず、被害者が被害届を提出する前であれば、弁護士が被害者との間に入り示談を成立させることで、事件化されず、逮捕を免れる可能性があります。逮捕されている場合でも、示談が成立していれば早期の身柄釈放や不起訴処分につながりやすくなります。不起訴処分になれば前科がつきません。

起訴となったあとであっても、検察官や裁判官に対して示談書や反省文を提出するなどの活動を通じて、罰金刑や執行猶予付き判決を得られる可能性を高めます。身柄を拘束されず日常生活を送ることができるため、非常に大きなメリットを得られるでしょう。

さらに依頼を受けた弁護士は、示談交渉の中で、類似事件に即した適正な示談金を提示します。不当に高い示談金を求められることも回避できます。万が一のときには、個人で判断したり行動を起こしたりせず、弁護士に相談してください。

5、まとめ

今回は暴行罪をテーマに、示談金の意味や相場、量刑の傾向などについて解説しました。

暴行によって被害者が受けた恐怖や苦痛を考えれば、被害者への真摯な対応と謝罪が必要であることはいうまでもありません。しかし、不当に高い示談金の支払いや重い処罰を受けることは、加害者となった本人の更生を考えても避ける必要があります。そのために具体的な活動ができるのは弁護士だけですので、身内が暴行事件を起こしたのならすぐに弁護士を頼りましょう。

ベリーベスト法律事務所の弁護士は刑事弁護に対応した実績が豊富です。示談交渉や捜査機関および裁判官への働きかけなど、不起訴処分や減刑に向けた活動を全力で行います。まずはご連絡ください。

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