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暴行罪で逮捕されると懲役何年? 初犯の場合に懲役刑となる可能性を弁護士が解説

2020年02月07日
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暴行罪で逮捕されると懲役何年? 初犯の場合に懲役刑となる可能性を弁護士が解説

「友人と口論になり突き飛ばしてしまった」「恋人とケンカをして髪の毛を強く引っ張ってしまった」
こうした行為は、刑法の暴行罪に該当する可能性があります。暴行罪は、場合によっては懲役刑となり刑務所へ収監される可能性もあり、それは初犯であっても同じです。

人に暴行を加えてしまった場合、どのような対処が必要となるのでしょうか。有罪になった場合にはどの程度の罰を受けるのでしょうか。この記事では暴行罪に着目し、刑罰の内容や懲役刑となってしまうケースを解説します。

1、暴行罪の刑罰

暴行罪で有罪になった場合の罰則は以下のいずれかです(刑法第208条)。

  • 2年以下の懲役
  • 30万円以下の罰金
  • 拘留(1日以上30日未満、刑事施設に拘置される刑)
  • 科料(1000円以上1万円未満の金銭を徴収される刑)

刑罰の種類や内容(量刑)は、裁判の判決で言い渡されます。裁判官は量刑の決定に際し、暴行事件の内容が悪質か、同種の前科があるか、被害者と示談しているかといった複数の事情に照らして総合的に判断します。

また、事実関係が明らかで軽微な暴行事件の場合、正式裁判が開かれず、略式裁判になるケースもあります。
略式裁判とは、手続きが簡略化され、書面審査のみで判断が下される裁判を指します。100万円以下の罰金または科料に処す際に利用され、懲役や拘留などの身体拘束の刑が言い渡されることはありません。
したがって暴行罪で略式裁判となった場合は罰金か科料が選択され、刑務所へ収監されることはないため、社会復帰がスムーズとなるでしょう。

なお、どの刑が確定しても前科がついてしまい、職業や海外渡航などに一定の制限がかかります。

2、暴行罪の定義

暴行罪は、人に暴行を加える犯罪です。人の身体の安全を守るために設けられています。

暴行罪における暴行とは、人に対する不法な有形力の行使を指します。
殴る、蹴るなどの暴力行為が典型的ですが、それ以外にも、服を引っ張る、水をかける、足元に石を投げるといった行為も暴行とみなされる場合があります。近年では危険なあおり運転についても、暴行罪として書類送検されているケースもあります。
ただこれらの行為をすれば必ず暴行罪になるのではなく、暴行の故意が必要です。ここでいう故意は、暴行の認識をもって積極的に行う意図だけでなく、暴行にあたるかもしれないが構わないとする意図(未必の故意)でも足りるとされています。

暴行罪を規定する刑法第208条では「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に暴行罪が成立すると規定しています。
暴行を加えた結果、ケガなどの傷害が生じた場合は別の罪、つまり傷害罪が成立します。傷害罪となった場合の罰則は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。暴行罪と比べてかなり重くなることが分かるでしょう。

傷害罪における傷害とは、傷や腫れなど目視で確認できるものに限らず、生理機能の障害を負わせることをいいます。
たとえば、むちうち症、性病の感染、嘔吐、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病といった結果を生じさせるもののほか、飲み会の席でお酒を無理やり飲ませ、胃炎や急性アルコール中毒にさせるのも傷害とみなされる可能性があります。いずれの場合も、傷害にあたるかどうかは医師の判断や診断書が重要な証拠となるでしょう。

3、初犯と懲役の関係

初犯であるという事実は、処分や量刑が有利に傾く材料のひとつになります。再犯の場合は、反省していない、今後も同じ罪を犯すといった印象を与えますが、初犯であれば更生の可能性があると判断されやすいからです。
実際、初犯の暴行罪の場合には略式裁判となり罰金刑で済むケースや、不起訴処分となるケースが多くあります。

しかし、あくまでも処分や量刑判断の一要素にすぎず、初犯だからといって必ずしも懲役を免れるとは限りません。懲役刑になれば刑務所内で刑務作業をしながら刑期まで過ごすことになり、その間は社会と隔離されるため、出所後の社会生活にも影響を与えます。

もっとも、懲役刑が選択された場合でも、執行猶予の可能性が残されます。執行猶予は3年以下の懲役、禁錮、50万円以下の罰金を科される判決につくため、最長で2年の懲役と定める暴行罪は対象事件です。
社会生活の中での更生機会を与えられる措置なので、ただちに刑務所に収監されるのではなく、普段通りの生活を送ることができます。仕事や学校に行くことや、引っ越し、国内旅行なども可能です。
ただし、執行猶予期間中に再び罪を犯せば原則として執行猶予は取り消され、前の罪と新たな罪を合算した期間、刑務所へ収監されます。

懲役刑とならず、また懲役刑となっても執行猶予をつけてもらうには、初犯だから大丈夫だろうと安易に考えるのではなく、反省を深めて被害者へ真摯な謝罪をするとともに、今後の対応を検討することが大切です。

4、懲役刑となってしまうケース

暴行罪で懲役刑となり得るのは次のようなケースです。

  • 暴行事件の内容が悪質
  • 被害者の処罰感情が強い
  • 被害者と示談が成立していない
  • 加害者がまったく反省していない

事件の内容が悪質というのは、たとえば凶器を使っていた、執拗に暴行を加えていた、計画性があったなどのケースを指します。
悪質な暴行事件では被害者の心情的に示談が成立しにくい点もデメリットになり、いっそう不利な状況に陥ると考えられます。結果として懲役刑の実刑となったり、罰金でも金額が高くなったりと、重い刑罰を受けやすくなるでしょう。

刑事責任だけでなく民事責任を問われるおそれもあります。暴行罪の場合は傷害罪とは異なり、ケガなどの結果が生じていないため、主に被害者から精神的苦痛に対する慰謝料を請求される可能性があります。
この点は、示談が成立していれば、新たに賠償金を請求しない旨の取り決めをし、民事上の賠償問題を解決させることができます。

なお、未成年の暴行事件では成人のように懲役刑を科されることはありません。教育的観点から家庭環境の調査や更生支援などを行う必要性が高いからです。
ただし悪質な暴行事件を起こした未成年が何の措置も受けずに自宅に帰されるわけではありません。
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年は触法少年といい刑事責任は問われませんが、児童相談所へ通告され,一時的に保護されることはあります。
14歳以上で罪を犯した少年は犯罪少年と呼ばれ、刑事責任能力があるとみなされるため、必要があれば逮捕もされます。その後は家庭裁判所に送られ、保護観察処分や少年院送致などの処分を受けます。

5、まずは不起訴を目指した活動が重要

日本の刑事事件では起訴後の有罪率が99%以上といわれています。そのため暴行罪で逮捕された場合には、まずは起訴されないように、つまり不起訴処分を目指すことが重要です。
不起訴処分になれば刑事裁判が開かれることも、前科がつくこともありません。

具体的には、被害者に賠償をし、示談にしてもらうようはたらきかけます。起訴前に示談が成立すれば検察官はこれを有利な事情として扱い、不起訴処分となる可能性が高まります。
しかし、暴行をした加害者自身が被害者と直接交渉をするのは避けるべきです。むやみに接触すれば被害者に恐怖心を与え、被害者の捉え方によっては強要罪や脅迫罪など別の罪で告訴されるおそれがあります。加害者自身でなくその家族などであっても、被害者側が感情的になってしまう可能性が高まります。

こうした事態を回避するには、弁護士への相談が有効です。弁護士は不起訴処分の獲得に向けて今何をするべきかのアドバイスをし、示談交渉の代理人となってくれます。
弁護士が間に入れば被害者の心理的ハードルが下がり示談に応じてもらいやすくなるほか、適切な額の示談金での示談成立にも期待できます。

6、まとめ

暴行罪で有罪になると、罰金、科料、拘留のほか、懲役刑に処せられるおそれもあります。初犯の場合でも行為様態が悪質であれば懲役刑となる可能性はあるため、今後の対応が重要となるでしょう。また暴行にとどまらず相手にケガなどの傷害を負わせた場合は、さらに重い罰を受けるおそれがあり、こちらも早急な対応が求められます。暴行罪や傷害罪にあたり得る行為をしてしまったのであれば、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。経験豊富な弁護士が示談交渉から刑事裁判での弁護活動まで徹底的にサポートします。

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