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弁護士コラム

2020年01月23日
  • 性・風俗事件
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  • 示談

準強制性交等罪(旧準強姦罪)における示談交渉の流れと弁護活動

準強制性交等罪(旧準強姦罪)における示談交渉の流れと弁護活動
準強制性交等罪(旧準強姦罪)における示談交渉の流れと弁護活動

準強制性交等罪(旧準強姦罪)で逮捕された場合、被害者との示談交渉が重要です。

丁寧に謝罪をして示談金を支払うことで、少しでも被害者の傷を癒やすことにつながり、また加害者としては重い処分を避け、日常生活の中で更生を目指せるという意味があります。

しかし、具体的な示談の進め方や、交渉を開始するタイミング、示談金の額など、分からない方も多いかもしれません。

この記事では、準強制性交等罪の加害者またはそのご家族に向けて、示談の流れや弁護活動について解説します。

令和5年7月13日に準強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」へ、準強制性交等罪は「不同意性交等罪」へ改正されました。
この刑法改正によって、犯罪が成立する要件が明文化され、処罰の対象となる行為が拡大されました。

目次

  1. 1、準強制性交等罪とは?
  2. 2、準強制性交等罪で逮捕された後の流れ
  3. 3、準強制性交等罪における示談交渉の進め方と弁護士へ依頼すべき理由とは?
    1. (1)連絡先を入手できない
    2. (2)性犯罪の示談交渉は極めて難しい
  4. 4、準強制性交等罪で逮捕された場合の弁護活動
    1. (1)罪を認めない場合
    2. (2)罪を認める場合
  5. 5、まとめ

1、準強制性交等罪とは?

準強制性交等罪は、人の心神喪失もしくは抗拒不能(こうきょふのう)に乗じ、またはこれらの状態にさせたうえで、性交等(性交、肛門性交、口腔性交)を行う犯罪です(刑法第178条2項)。
刑罰は「5年以上、20年以下の懲役刑」です。罰金刑は設けられておらず、原則として執行猶予もつきません。
「心神喪失」とは、熟睡や泥酔、高度の精神障害などによって正常な判断能力を失っている状態です。
睡眠薬を飲ませて眠らせたうえで性交等を行う、すでに酩酊(めいてい)状態にある相手をホテルの一室に連れ込み性交等を行うといったケースが典型的な例です。

「抗拒不能」とは、恐怖や錯誤など、心神喪失以外の理由で心理的、物理的に抵抗できない状態をいいます。
虚偽の事実をもとに言葉巧みに欺罔(ぎもう)させ、性交等の必要性があると信じ込ませた結果、被害者が性交等を受け入れたケースなどがこれにあたります。

平成29年6月の刑法改正によって、準強姦罪から名称および内容の変更がなされました。主な改正点は次のとおりです。

  • 被害者が女性のみならず男性も対象となった
  • 規制される行為が拡大された(性交→性交等)
  • 被害者の告訴がなくとも起訴できるようになった
  • 懲役刑の下限が長くなった(3年から5年に)


なお、相手が13歳未満の場合は、性交等をすること自体が処罰の対象となるため、相手の状態や同意の有無、手段などは関係なく、準強制性交等罪ではなく、強制性交等罪(刑法第177条)に問われます。

2、準強制性交等罪で逮捕された後の流れ

準強制性交等罪で逮捕されると、警察による48時間以内の捜査が行われます。
その後、検察庁へと身柄が送られ(いわゆる送検)、検察官による24時間以内の捜査があり、必要があれば勾留請求がなされます。
裁判官が請求を認めると勾留となり、原則10日間の身柄拘束が継続します。勾留は10日間の延長が可能であるため、最長で20日間となるおそれもあります。
勾留期間が終わるまでに検察官が起訴・不起訴の判断を行い、起訴されると刑事裁判へと進みます。

この流れの中で示談交渉を行うタイミングは「可能な限り早く」です。早ければ早いほど、示談の効果が大きいからです。
もっとも望ましいのは、起訴されるよりも前です。ここで示談成立となれば、起訴・不起訴の判断に際して考慮され、不起訴になる可能性も生じます。不起訴になれば釈放され、裁判は開かれず、前科もつきません。

そのためには早急に加害者本人と面会し、事情を聴いたうえで被害者との示談交渉に臨みたいところですが、ご家族が本人と面会できるのは、少なくとも勾留段階に入ってからです。
面会できるようになっても、面会できる曜日や、1日に面会できる回数や時間には一定の制約があります。
また、勾留されてからも、接見禁止がつき、面会できない場合があります。逃亡や証拠隠滅、関係者を使って被害者や目撃者に圧力をかけるおそれがあるといったケースや共犯者で口裏を合わせるおそれがあるといったケースで接見禁止がとなります。

しかし被疑者(起訴される前の呼び名)や被告人(起訴された後の呼び名)には、弁護人との接見交通権が認められています。したがって弁護士だけは、いつでも時間制限なく本人と面会できます。

3、準強制性交等罪における示談交渉の進め方と弁護士へ依頼すべき理由とは?

示談交渉の基本的な流れは以下のとおりです。

  • 被害者の連絡先を入手し交渉を開始する
  • 条件面を話し合う
  • 示談書を作成する
  • 示談金を支払う
  • 双方が示談書へサインし示談成立


まずは被害者へ誠心誠意、謝罪を行います。
その後、納得を得たうえで条件面の交渉へと移ります。これには、示談金の額や支払期日などのほか、接触禁止や謝罪文の送付など、被害者が希望する条件も含みます。
サインが済んだ示談書を検察官や裁判官へ提出し、示談が成立した証拠として扱ってもらいます。

流れとしては比較的シンプルに思えるかもしれませんが、実際は非常に難しい交渉が待ち受けていますので弁護士の力が必要です。その理由をご説明します。

  1. (1)連絡先を入手できない

    準強制性交等事件では相手の連絡先を知らないケースがあります。
    捜査機関は連絡先を知っていますが、加害者本人やご家族に教えてくれません。被害者からすればさらなる危害を受ける恐怖があり、加害者側とかかわり合いになりたくないと感じるからです。

    しかし、弁護士であれば捜査機関を通じて被害者に許可を得たうえで、連絡先を入手できる可能性があります。
    被害者は加害者に連絡先を知られずに示談交渉できるため、弁護士であればと教えてくれるケースが多いのです。

  2. (2)性犯罪の示談交渉は極めて難しい

    どの刑事事件においても、加害者の立場で行う被害者との交渉は難しいことです。不利な立場に立たされるのは容易に想像できるでしょう。

    特に準強制性交等罪をはじめとする性犯罪は、人の尊厳にかかわる重大な犯罪ですので、交渉の難しさは際立っています。
    被害者の心身に一生の傷を負わせてしまったことになるため、被害者の気持ちに寄り添いながら、粘り強く交渉しなくてはなりません。それを加害者本人や、ご家族が行うのは困難です。
    むしろ、事件の恐怖や屈辱がよみがえり、いっそうつらい思いをさせてしまうだけです。むやみに接触すれば口止めや圧力と疑われかねない危険性もあります。

    また、被害者感情に大きく左右される犯罪の性質から、示談金に相場はなく、高額の示談金を請求されやすいという難しさもあります。
    あまりにも高額な示談金の支払いは避ける必要があるでしょう。
    こうした理由から、示談交渉は弁護士を通じて行うのが最善の方法です。

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4、準強制性交等罪で逮捕された場合の弁護活動

準強制性交渉等罪で逮捕された場合は、罪を認めるかどうかで弁護活動の方針が変わってきます。まずは本人から真実をきちんと話してもらうことが重要です。

  1. (1)罪を認めない場合

    身に覚えのない嫌疑をかけられた場合、何としても起訴を食い止め、早期に身柄を解放させる必要があります。
    弁護士は犯行時刻のアリバイやDNA鑑定の結果、防犯カメラの映像などの証拠をもとに、本人の犯行ではないことを主張します。
    同時に、相手方の供述に信ぴょう性がないこと、矛盾があることを追及します。

    性交等を行ったのは事実だけれど同意があった場合は、事件前後におけるLINEのやり取り、会うことになった経緯などからふたりの関係性を確認します。
    防犯カメラの映像や目撃者(居酒屋の店員やホテルのフロント係など)の証言から、被害者の足取りはしっかりしていたのか、ろれつは回っていたのか、表情はどうだったのかといった点を調査します。
    これらの証拠をもとに心神喪失や抗拒不能状態にはなかったと検察官や裁判官へ説明し、同意のあった性交等であると主張します。

  2. (2)罪を認める場合

    起訴前から示談交渉を進めます。いきなり示談交渉を求めても応じてはもらえませんので、加害者本人には謝罪文を書いてもらい、弁護士が被害者へ渡します。
    ご家族の協力も必要です。ご家族が家庭内での監督体制を整え、具体的な対策を記載した陳述書を検察官へ提出し、起訴猶予による不起訴処分を求めます。

    起訴された場合も、引き続き示談交渉や被害者のケアを行います。
    保釈を請求し、性依存症のカウンセリングや治療を受ける方法も考えられます。

    裁判になった際には、性依存症治療の担当者に出廷してもらう、示談が難しい場合でも贖罪(しょくざい)寄付をして反省の気持ちや賠償の意思を示すなどし、情状酌量による減刑を求めます。

5、まとめ

準強制性交等罪は起訴するために告訴を要しない非親告罪ですが、検察官は処分決定にあたり被害者感情を重視するため、示談が依然として重要な役割を担います。
しかし犯罪の性質からしてきめ細やかな配慮や慎重な交渉が必要となるため、本人やご家族が自己判断で交渉に臨むのは避けるべきです。逮捕から起訴決定まで時間は限られているため、その間に示談を成立させるのも至難の業です。
こうした難しい状況の中でも具体的な対策を講じられるのは弁護士だけです。在宅起訴された方、身近な方が準強制性交等罪で逮捕された方は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。弁護士が示談交渉から裁判の対応まで、力を尽くします。

監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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