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背任罪で起訴されてしまったら? 保釈されるにはどんな条件がある?

2021年01月14日
背任罪で起訴されてしまったら? 保釈されるにはどんな条件がある?
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背任罪で起訴されてしまったら? 保釈されるにはどんな条件がある?

令和2年7月、ある企業の課長が背任罪の容疑で逮捕される事件がありました。自身の利益とするため、業者との契約に際して不必要な機器の代金を上乗せし、会社に約450万円の損害を与えたとみられています。

自分の近しい人が背任罪の容疑で逮捕・勾留されてしまったら、「はやく釈放してほしい」と思うことでしょう。釈放のうち、起訴後の被告人が利用できるのが「保釈制度」ですが、どのような条件を満たすと保釈が認められるのでしょうか。

本コラムでは背任罪で保釈されるための条件や、保釈の請求から保釈までの流れについて解説します。

1、背任罪と保釈

まずは背任罪とはどのような犯罪か、保釈とは何か、概要を説明します。

  1. (1)背任罪とは

    「背任罪」とは、信任関係にもとづき他人のためにその事務を処理する者が、自分や第三者の利益のために、または本人に損害を与える目的で、信任関係を破る行為(背任行為)をし、財産上の損害を生じさせる犯罪です(刑法第247条)。

    たとえば銀行の貸付担当者が資力のない者に対して、回収の見込みがないと分かっていながら無担保で金銭を貸し付け、銀行に損害を与えたケースが典型と考えられます。

  2. (2)保釈とは

    「保釈」とは、勾留中の被告人が、一定の要件を満たし、かつ保釈金を納付することで、一時的に身柄の拘束を解かれる制度です。

    「釈放」と混同されやすい言葉ですが、保釈が起訴後の被告人のみに関係する制度であるのに対し、釈放は起訴前の被疑者が在宅捜査に切り替わる場合や、刑務所に収監された受刑者が出所する場合も含む、身柄の拘束から解かれること全般を指します。

    したがって、保釈は釈放の一つの形であるといえます。

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2、背任で保釈が認められる条件とは

次に、背任罪で起訴された被告人が保釈を認められるための要件を確認しましょう。保釈には「権利保釈」「裁量保釈」「義務的保釈」の3種類がありますので、それぞれの要件を解説します。

  1. (1)権利保釈

    権利保釈とは、以下6つの除外事由のいずれにも該当しなければ、必ず認められる保釈です(刑事訴訟法第89条)。すなわち、除外事由にひとつでも該当すれば権利保釈は認められません。

    1. ① 死刑、無期または短期1年以上の懲役、禁錮にあたる罪を犯したものであるとき
    2. ② 前に死刑、無期または長期10年を超える懲役、禁錮にあたる罪で有罪判決を受けたことがあるとき
    3. ③ 常習として長期3年以上の懲役、禁錮にあたる罪を犯したものであるとき
    4. ④ 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
    5. ⑤ 被害者その他事件の関係者やその親族の身体や財産に危害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
    6. ⑥ 被告人の氏名または住居が分からないとき


    背任罪と上記6つの条件を照らして確認してみましょう。

    背任罪の法定刑は「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」と、懲役の下限が決まっていないため、①には不該当です。また懲役の上限は5年なので、仮に背任罪で前科がある場合でも②にも不該当です。しかし背任罪の常習犯であれば③には該当します。

    罪を否認しているなどの事情があると、④や⑤のおそれがあるとみなされやすくなります。
    ⑥については、氏名と住所が分かるのであれば該当しません。

    まとめると、背任罪の常習犯である場合や、背任罪を否認している場合などには権利保釈が認められない可能性が高いといえます。

  2. (2)裁量保釈

    裁量保釈とは、裁判官が職権で認めることができる保釈です(刑事訴訟法第90条)。

    裁判官の裁量で決まる保釈なので明確な条件はありませんが、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるのか、身柄を拘束し続けることで被告人に健康上、経済上、社会生活上の不利益等がどの程度生じるのかといった点を要素にして決定されると考えられます。

    背任罪で権利保釈が認められない場合には、これらの要素をもとに、裁量保釈を求めていくことになります。

  3. (3)義務的保釈

    義務的保釈とは、勾留による身柄拘束の期間が不当に長くなった場合に、保釈の請求権者からの請求または裁判官の職権で認められる保釈です(刑事訴訟法第91条)。

    ただ、具体的にどれくらいになると「不当に長い」といえるのかについて定めはありません。単純に期間だけでなく、犯罪の軽重や審理の進み具合などさまざまな事情をもとに判断されます。

    たとえば、別の事件で逮捕されたのちに、背任罪を含めて再逮捕が繰り返されたようなケースでは「不当に長い」と判断されやすくなる可能性があります。もっとも、義務的保釈は実務上ほとんど認められていないため、あまり期待はできないでしょう。

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3、保釈の請求方法と流れ

保釈をどのように請求するのかを知るために、請求から保釈されるまでの流れを見ていきましょう。

  1. (1)保釈の請求

    保釈を請求することができるのは被告人本人やその配偶者、直系の親族、兄弟姉妹、弁護人など、刑事訴訟法第88条で定められた人です。ただし、通常は事件を担当する弁護士が請求します。

    請求できるタイミングは「起訴された後」です。そのため起訴が予想される背任事件では、起訴前から請求の準備を進めておき、起訴されたタイミングでただちに保釈を請求する場合があります。

    また、保釈の請求にあたっては「身元引受人」の確保が不可欠です。適切な身元引受人がいれば保釈中に逃亡や罪証隠滅をはかるおそれがないと示せるため、身元引受人は保釈の事実上の条件ともいえるでしょう。

  2. (2)裁判所が許可・却下の判断を下す

    保釈の請求をすると2~3日ほどで許可・却下の判断が下されます。保釈が却下された場合は、何度でも保釈の請求が可能です。しかし却下されるのには理由があるため、同じ状況で保釈を請求しても結果は変わらないでしょう。

    再度の請求をするべきかどうかは弁護士と相談のうえ決めていくことになります。

  3. (3)保釈

    保釈が許可されると、保釈金の額と保釈中の制限を言い渡されます。保釈が許可されたときは保釈金を納めることで釈放されます。ただし、保釈中に制限事項を遵守しなければ保釈が取り消されてしまうため、注意が必要です。

    保釈金を納付し、領収印が押された保釈許可決定書を提出すると、準抗告・抗告がなければ数時間後に保釈されます。

    準抗告・抗告とは、検察官による保釈決定に対する不服申し立てです。準抗告・抗告がなされると保釈の執行が停止されるため、準抗告・抗告が棄却されるまでは釈放されません。

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4、保釈を取り消されないためには

保釈が認められても、保釈中の制限事項を守らなければ保釈が取り消され、本来であれば戻ってくるはずの保釈金も没取されてしまいます。保釈を取り消されないためにはどうすればよいのでしょうか?

  1. (1)保釈中に守るべき事項

    刑事訴訟法第96条1項では保釈を取り消しできる場合について定めています。以下、同条をもとに保釈中に守るべき最低限の事項を列挙します。

    • 裁判所の召喚を受けたら必ず出頭する
    • むやみに旅行をするなど、逃亡を疑われる行動をとらない
    • 事件の現場に近づくなど、罪証隠滅を疑われる行動をとらない
    • 事件の関係者と接触するなど、関係者への脅迫を疑われる行動をとらない
    • そのほか、住居の制限など裁判所が定めた条件に違反しない
  2. (2)背任事件における保釈中の注意事項

    一般的に刑事事件では、執行猶予の可能性がある場合は保釈中に職場に戻ることで、社会復帰の時期をはやめることができます。

    しかし背任事件の場合、職場の信任に背いて損害を与えたというケースが多いため、保釈中の職場復帰は現実的ではありません。職場へ戻れば関係者との接触や証拠書類・データの破棄などが可能となり、保釈を取り消しできる事由(罪証隠滅の疑いなど)に該当するからです。

    職場の人と連絡をとる必要がある場合には直接やり取りせず、弁護士を通すことが大切です。

    ほかにも、どのような行動を避けるべきかについては弁護士の助言に従うようにしましょう。

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5、まとめ

背任罪で勾留中に起訴されてしまうと、裁判が終わるまで身柄拘束が続くため、本人の心身の負担が重くなります。しかし保釈が認められると、一時的にせよ身柄の拘束を解かれて心身の負担が軽減され、今後の裁判のために弁護士と綿密な打ち合わせをすることも可能です。

保釈の許可を得るには弁護士のサポートを受けることが非常に重要であるため、もし起訴されている状況であれば早急に弁護士へ依頼しましょう。家族などの近しい方が背任罪の疑いで逮捕・起訴されてしまい保釈を希望する場合はベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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