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家族が逮捕され留置場へ! 面会や差し入れは可能? 今後の流れは?
刑事事件を起こして逮捕されると、多くのケースでは釈放されるまで留置場で生活を送ることになります。身柄の拘束期間が長引けば、心身への負担が大きくなるため、ご家族としては留置場から少しでもはやく出してあげたいと感じるでしょう。また面会や差し入れが可能かどうかについても気になるかもしれません。
本コラムでは逮捕から留置されるまでの流れと、留置場での生活、留置された本人のために家族ができることについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、逮捕されると身柄を確保され留置場へ
刑事事件を起こし、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合は逮捕され、一時的に身柄を拘束されます。その際に使用される施設が「留置場」です。
留置場は、通常は警察署の2階以上の階に設置されており、警察が管轄しています。留置中の被疑者はあくまでも罪を犯した疑いがあるという立場であり、裁判で有罪判決を受けた罪人ではありません。被疑者の人権を保障するために捜査と留置は分離されていますから、留置場が警察署の中にあるとはいえ、警察が取り調べで自白を獲得するために留置場での処遇をコントロールするようなことはありません。
なお、留置場と呼び名がよく似ている施設に「拘置所」があります。拘置所は、主に起訴後の被告人や死刑囚が身柄を拘束される、法務省管轄の施設ですが、起訴前の勾留場所が拘置所になるケースもあります。勾留される場所が留置場となるのか拘置所となるのかは、様々な事情によって決定されています。
もっとも、留置場は全国に1140施設(平成30年4月時点)であるのに対し、拘置所は全国で8施設(平成31年7月時点)しかなく、数に圧倒的な差があります。警察庁の情報によると、勾留中の被疑者の98%以上が留置場に収容されているとされています。
なお、刑務所や少年刑務所の敷地内に設定されている「拘置支所」と呼ばれる施設は、全国に100施設以上あります。拘置所と拘置支所に大きな違いはありませんが、拘置支所のほうが基本的には規模は小さいでしょう。
2、逮捕から留置されるまでの流れ
警察に逮捕され、留置にいたるまでの流れを解説します。
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(1)事件発覚から逮捕まで
刑事事件を起こすと、被害者や目撃者の通報、職務質問などをきっかけとして事件の捜査が開始されます。捜査の結果、被疑者として特定されると警察が裁判官に逮捕状を請求し、裁判官が「逮捕の理由と必要がある」と判断した場合には逮捕状を発付します。このような逮捕状にもとづく逮捕を「通常逮捕」といいます。
逮捕の時間帯や場所は特に決まっていませんが、事前に被疑者の生活実態が調査され、確実に身柄を確保できる時間帯に逮捕されるケースが多いでしょう。
通常逮捕以外には、犯行の様子を現認された状態で逮捕される「現行犯逮捕」や、一定の重大事件で罪を犯したと疑われる十分な理由があり、緊急性の高いときになされる「緊急逮捕」があります。これらの逮捕の場合、逮捕時に逮捕状は必要ありません。 -
(2)逮捕後の流れ
逮捕後は、48時間以内を期限に警察からの取り調べを受けた後、検察官へ送致されます。送致された後、24時間以内に検察官は、勾留するか釈放するかを判断します。
検察官が、身柄を拘束した上でさらなる捜査が必要と判断した場合は、裁判官に対して勾留請求を行います。
裁判官が勾留を認めると、原則10日間、延長を加えると最長20日間の身柄拘束を受けます。検察官は、勾留が満期を迎えるまでに起訴・不起訴を判断します。
なお、一般に逮捕と聞くと警察がするものというイメージがあるかもしれませんが、検察官が独自に捜査を進めた上で逮捕に踏み切る場合もあります。たとえば脱税や収賄、企業犯罪などのケースです。
検察が逮捕した場合は、基本的に留置場所が留置場ではなく拘置所になります。また検察官は逮捕から48時間以内に裁判官へ勾留請求するかを判断しなくてはなりません。
3、留置場での生活とは?
留置場では、どのような生活を送ることになるのでしょうか。一般的な生活様態について、確認していきましょう。
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(1)標準的な生活スケジュール
留置場によって時間に多少の違いはありますが、標準的な時間割としては午前6時30起床で午後9時に就寝します。日中は刑務作業などに従事する必要はなく、ほかの被留置者に迷惑をかけるなどしない限り、留置場の居室内で本や新聞を読むなどして自由に過ごすことができます。
取り調べなどの捜査活動は、スケジュールを尊重しつつ、通常は午前8時30分から午後5時15分の間に行われます。就寝時刻を過ぎても取り調べをする事情があった場合は、次の日の起床時間を遅らせるなどしてもらえるため、十分な睡眠時間が確保されます。 -
(2)留置場での健康管理
留置場では、健康・衛生管理に十分な注意が払われます。
●食事
午前7時30分、午後12時、午後6時の計3回、栄養士が定期的にチェックしている、栄養バランスの良い食事が支給されます。
●運動
平日の1日30分(希望する場合は1時間以上)、屋外での運動が認められています。また、このとき喫煙することも許可されています。
●衛生
5日に1日以上、原則として週に2回以上の入浴ができ、留置場内は自動手指消毒器、加湿器の整備などにより衛生が保たれています。
●健康診断や治療
被留置者は月に2回ほど、委嘱医師による定期健康診断を受けるよう義務づけられます。また、病気やケガをしている場合は留置場外の病院で治療を受けることもできます。
4、留置中の家族にできること
家族が逮捕され留置場にいると聞けば、残されたご家族は動揺や不安で何をすれば良いのか分からなくなるでしょう。しかし、ご家族にはできることがあります。まずは冷静になり、次の行動を起こしましょう。
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(1)弁護士の選任
弁護士を選任していない場合は、すみやかに弁護士を探して依頼しましょう。刑事事件は、初動の対応が後々の流れを左右するといっても過言ではありません。逮捕された事実がわかった時点で、早急に依頼することが大切です。
少しでもはやく釈放させたい、処分を軽くしたいといった場合、弁護士のサポートは不可欠でしょう。 -
(2)本人との面会
事件の内容にもよりますが、勾留段階においては、本人とご家族の面会が可能になります。面会日や時間、回数などに制限はありますが、ご家族に会えるだけでも励みになるので、可能な限り面会すると良いでしょう。
ただし、勾留に接見禁止が付された場合には面会できません。たとえば共犯者がいる事件や組織的犯罪など、外部との面会によって証拠隠滅のおそれが強いと判断されるケースでは、接見禁止になる可能性があります。 -
(3)差し入れ
心身の負担を少しでも軽減するためには、差し入れも効果的です。差し入れ可能なものは留置場のルールによりますが、たとえば居室内で読む本や雑誌、手紙などが差し入れできます。留置場内では入浴や洗濯も回数が限られているため、清潔な衣類を差し入れするのも喜ばれるでしょう。
現金も差し入れすることができます。留置場内では、歯ブラシやノート、支給された食事とは別にお菓子やジュース、乳製品などを購入することが可能です。
一方、たばこなどの嗜好(しこう)品、医薬品や化粧品など差し入れできないものもあります。自殺や自傷行為を防止する観点からタオルやハンカチなども差し入れできません。
差し入れしたいものがある場合は、事前に留置場に問い合わせると良いでしょう。
5、逮捕から留置場に収容されている間の弁護活動
逮捕後の72時間(勾留が開始されるまでの間)は、たとえご家族であっても本人と面会できず、接見禁止が付けば勾留段階でも面会はできません。このような制約の中でも、弁護士だけは逮捕直後から本人と面会することが可能です。取り調べについてアドバイスをするほか、次のような弁護活動を通じてサポートします。
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(1)逮捕された直後
勾留は最長で20日にもおよぶため、会社や学校など社会生活への影響が大きくなってしまいます。そのため、勾留を回避するための弁護活動が重要です。
たとえば、ご家族が身元引受人となる、事件現場に近づかない旨の誓約をするなどし、検察官や裁判官に対して逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを主張します。勾留されず在宅捜査に切り替われば、社会生活への影響も少なくすみ、本人はもちろんのことご家族の負担も大幅に軽減されるでしょう。 -
(2)勾留された後
勾留段階では不起訴処分を目指した弁護活動が重要です。たとえば被害者がいる事件では被害者との示談の成立が有効となる場合が多く、弁護士が本人に代わり示談の交渉を進めることができます。
被害者と示談が成立すると被害者が加害者を許し、また、一定の被害が回復された証しとなるため、検察官が不起訴処分を下す可能性が高まります。
被害者がいない事件の場合は、贖罪(しょくざい)寄付や依存症の治療など、少しでも有利になる活動を行うなどして、不起訴獲得を目指します。
6、まとめ
留置場での生活は健康・衛生に配慮された環境が整っているとはいえ制約も多く、我慢を強いられることは想像に難くありません。ご家族としては、留置場内での負担が少しでも軽減されるよう面会や差し入れなどをすると同時に、事件の早期解決に向けた活動を弁護士へ依頼することが重要です。
ご家族が逮捕されてしまった、警察に呼び出されているといった場合は、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所が全力でサポートします。まずは、ご連絡ください。
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※本コラムは公開日当時の内容です。
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