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弁護士コラム

2021年04月15日
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出頭するとどうなるの? 刑罰に与える影響や自首との違いについて解説

出頭するとどうなるの? 刑罰に与える影響や自首との違いについて解説
出頭するとどうなるの? 刑罰に与える影響や自首との違いについて解説

令和2年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響による持続化給付金を巡り、不正受給で逮捕されるニュースが目立っています。また、このようなニュースを目にして、軽い気持ちで不正受給に手を染めてしまった人が逮捕をおそれ、自主返金を申し出るケースも相次いでいるようです。

この記事を読んでいる方の中には、何らかの罪を犯してしまい、いつ自分が逮捕されるのか、おびえながら日々暮らしている方がいるかもしれません。あるいは、すでに捜査機関から出頭を要請され、今後自分はどうなるのか、不安に駆られている方もいることでしょう。

本記事では、これから出頭を考えている方に向けて、出頭と自首との違いや、法律における出頭の意味、出頭をする場合に弁護士に相談すべき理由などについて解説します。

1、出頭の概要

まずは、出頭の意味と内容について解説します。

  1. (1)出頭とは

    「出頭」とは、警察や検察などの捜査機関に出向くことをいいます。

    ニュースなどで、「指名手配中の容疑者が◯◯警察署に出頭した」と聞くことがあります。刑事事件では、このように罪を犯した者が自ら警察に出向くことを「出頭」と表現するケースが多いですが、「出頭」という言葉はこれ以外の場合にも広く使われます

    たとえば、裁判所に行くときも「出頭」という用語が使われます。刑事訴訟法68条では、「裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる」と規定し、裁判所に行く場合に「出頭」という言葉を用いています。

    また、被疑者に限らず、犯罪の被害者や目撃者が事情聴取のために捜査機関に呼び出されて出向くときも「出頭」という言葉が使われます。
    刑事訴訟法223条1項は、捜査機関は「犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べることができる」旨を規定しています。

    このように「出頭」とは、被疑者以外の事件関係者についても広く使われ、警察や裁判所に出向くという事実行為を指します。

  2. (2)出頭は明確な定義のある法律用語ではない

    出頭と似ている用語として「自首」があります。
    自首も出頭も、罪を犯した者が自ら警察に出向くという点で共通しますが、自首は特定の要件を満たした場合に成立する法律上の概念であるのに対し、出頭は法律上、明確に定義された概念ではありません。
    出頭は、単に警察などに出向いた事実そのものを指します。したがって、自首とは法律上の効果も異なります。

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2、出頭と自首との違い

ここでは、自首の意味と出頭との違いについて詳しく解説します。

  1. (1)自首の意味

    自首(刑法42条)とは、自己の犯罪事実を、自主的に捜査機関に申告し、処罰を求めることをいいます。

    刑事ドラマでは、刑事が犯人に自首を促す場面を見かけますが、正確にいうとこのような場面では法律上の自首は成立しません。

    自首が成立するためには以下のいずれかの状況で申告する必要があります。

    • 犯罪そのものが捜査機関に発覚する前
    • (犯罪そのものは把握したとして)捜査機関が犯人を把握する前


    つまり自首は、警察が犯人を特定する前にしなければならないのです
    先ほどの刑事ドラマのケースでは、捜査機関がすでに犯人を特定している以上、自主の要件を満たさず自首は成立しません。

    自首が成立すると、裁判官が刑罰を適用するときに減軽することができる、と規定されています(刑法42条1項)。

  2. (2)出頭と自首との違い

    出頭も自首も、罪を犯した人が自ら捜査機関に出向くという点では一致しています。しかし、自首は、捜査機関が犯罪事実そのものを把握していないとき、もしくは犯人が判明していないときでないと成立しません。

    つまり、すでに事件の犯人が特定されている場合には、自ら警察署に出向いても自首とはなりません。この場合は出頭として扱われます。

    簡単にいえば、犯人が特定される前は自首、特定された後は出頭、ということです

    自首と出頭は、その後の扱いが大きく異なります。自首が成立すると、法律上の減軽事由となる可能性があるのに対し(刑法42条)、出頭の場合は法律上の減軽事由にはなりません。ただし、自ら出頭したことで、反省を示す事情として考慮され、量刑で有利に働く可能性はあります。
    場合によっては検察官が出頭を評価し、不起訴処分になる可能性も生じるでしょう。

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3、捜査機関から呼び出される出頭

ここでは、捜査機関から呼び出される意味の出頭について解説します。

  1. (1)任意出頭とは

    任意出頭とは、捜査機関からの出頭要請に応じて警察署などに出向くことをいいます。任意出頭は、逮捕という強制的な身柄拘束の手続きを取らずに、被疑者を取り調べるために行われます。

    刑事訴訟法198条1項は、「犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる」と規定しています。

    任意出頭はその名の通り、任意に出頭に応じるものなので、応じるか否かは本人の自由です。拒否することもできますし、出頭後、いつでも退去することができます(刑事訴訟法198条1項ただし書き)。

    しかし、現実的には、出頭を拒むケースはほとんどないといえるでしょう。出頭しなければ逮捕されてしまう可能性があるからです。

  2. (2)任意出頭に応じた場合

    任意出頭を求められ、これに応じると、事情聴取が行われます。被疑者として事情聴取を受ける場合、聞かれる内容は逮捕された場合に受ける取り調べと同じ内容です。通常は供述調書が作成されることになります。

    軽微な事案などの場合、逮捕されずに在宅事件として捜査が進められることもありますが、事案によっては、被疑者の自白を獲得した後に、そのまま逮捕される可能性もあります。

    被疑者として取り調べを受け、供述調書を作成された際には、サインをする前に慎重に内容を確認しなければなりません。

  3. (3)任意出頭を拒否した場合

    任意出頭に応じるか否かは自由であり、出頭を拒否することも可能です。

    しかし任意出頭を拒否した場合、捜査への非協力的な態度から逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕につながってしまう可能性もあります。

    また、一定の軽微な事件については、被疑者が正当な理由なく出頭に応じないことが逮捕の要件となっていますので、逮捕されやすい状況を作ってしまいます。これらの不利益を踏まえれば、可能な限り任意出頭には応じた方がよいでしょう。

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4、出頭を求められたら弁護士に相談するべき理由とは?

警察などの捜査機関から出頭を求められたら、弁護士へ相談するのが賢明です。弁護士は以下のような活動を通じてサポートします。

  1. (1)警察への対応についてアドバイスをもらえる

    任意出頭を求められた場合、すでに逮捕令状が出ている場合があります。
    警察がいきなり逮捕するのではなく、まず任意出頭を求めるのは、逮捕後の身体拘束に時間制限があるため、あらかじめ任意で取り調べを行い、その間に自白を得ようとしていることもあります。

    事情聴取が行われると、通常、供述調書が作成されます。何も知らないまま事情聴取に臨むと、警察の思い描くストーリーに沿うように供述を誘導され、事実と異なる内容の供述調書にサインしてしまうおそれがあります。一度作成された供述調書の内容を覆すのは非常に難しく、後の裁判で不利に働いてしまうこともあります。

    出頭する前に弁護士に相談することで、事情聴取へ臨む際の心構えや、供述調書にサインする際の注意点などについてアドバイスを受けることができます。

  2. (2)同行を依頼できる

    弁護士に対し、警察に出頭する際の同行を依頼することもできます。その際、弁護士から警察に対して逮捕しないよう交渉することができ、その結果、逮捕を回避できる場合もあります。

  3. (3)逮捕後の弁護活動を速やかに開始できる

    あらかじめ弁護士に相談しておけば、任意出頭後にそのまま逮捕されてしまった場合にも、速やかに弁護活動を開始することができます。
    たとえば検察官や裁判官に対して勾留しないように働きかける、不起訴処分の獲得を目指して被害者との示談交渉を進めるなどの活動です。

    また、起訴されて刑事裁判となった場合にも、引き続き弁護を依頼できます。

    警察などの捜査機関から出頭を要請されたときは、できる限り早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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5、まとめ

自首と出頭は似ている言葉ですが、その意味や効果は大きく異なります。捜査機関から出頭を要請されているにもかかわらず従わなかった場合には、逮捕される可能性もあります。どのように警察に出頭をすればよいのか分からない場合や、ひとりでの出頭に不安を感じている場合は、ぜひベリーベスト法律事務所にご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士があなたを全力でサポートします。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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