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弁護士コラム

2021年07月15日
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身柄送検、書類送検とは? 逮捕後に釈放されるのはどのような場合?

身柄送検、書類送検とは? 逮捕後に釈放されるのはどのような場合?
身柄送検、書類送検とは? 逮捕後に釈放されるのはどのような場合?

令和3年4月、小動物を生きたままヘビに食べさせる動画を配信した男が動物愛護法違反の疑いで書類送検されたとの報道がありました。ここで、「書類送検された」とは一体どのような状態を指すのか、疑問に感じた方もいるのではないでしょうか?

メディアでは似た言葉として「身柄送検」が使われる場合もあります。身柄送検や書類送検はいずれも「送検」の種類です。送検は刑事事件が発生した際の手続きの中で行われます。

本コラムでは送検とは何かをテーマに、身柄送検と書類送検との違い、逮捕や釈放との関連性などについて解説します。送検された場合に弁護士へ相談するべき理由も見ていきましょう。

1、送検とは? 送致との違い

刑事事件では、警察が一次的な捜査を行い、検察官が二次的な捜査を行ったうえで起訴・不起訴を判断します。警察が捜査した事件を検察へと引き継ぐための手続きを、一般に「送検」といいます。

  1. (1)送検と送致の違い

    「送検」は、法律上では「送致」と呼ばれる手続きを指します。

    刑事訴訟法第246条は、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類および証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない」と定めています。つまり、警察が事件を捜査したときは、検察官に送致するのが原則です

    送検は報道番組や新聞などが使用するマスコミ用語です。マスコミでは「事件が検察官へ送致されること」を指して送検と呼んでいます。もっとも、送検も送致も呼び方が違うだけで意味は同じです。

  2. (2)逮捕から送検、勾留までの流れ

    送検は逮捕されてからどの段階で行われる手続きなのか、逮捕後の流れとともに見ていきましょう。

    警察が被疑者を逮捕すると、取り調べを行ったうえで48時間以内に検察官へ事件(被疑者の身柄と捜査資料・証拠物)を引き継ぎますこの検察官へ事件を引き継ぐ手続きが送検です

    送致を受けた検察官は自らも被疑者の取り調べを行い、24時間以内に裁判所に対して「勾留」を請求するか否かを判断します。

    手続裁判官が検察官の勾留請求を認めると被疑者は原則10日間、延長されるとさらに10日間の勾留を受けることになります。

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2、身柄送検と書類送検

同じ送検でも、報道などでは「身柄送検」と「書類送検」という単語が使われています。どちらも警察から検察へ事件が引き継がれる手続きを指すマスコミ用語ですが、被疑者の状況によって使い分けられています。

  1. (1)身柄送検とは

    身柄送検とは、逮捕した被疑者の身柄を捜査書類や証拠物とあわせて検察官に引き継ぐことをいいます。身柄送検された被疑者は、警察署の留置場または法務省が管轄する拘置所に身柄を置かれ、必要に応じて検察官の執務室に呼ばれて取り調べを受けます。

  2. (2)書類送検とは

    書類送検とは、被疑者を逮捕せずに、捜査書類や証拠物のみを検察官に送ることです。書類送検は逮捕されていない事件、つまり在宅事件で行われます。

    書類送検をされた場合も、検察官から呼び出されて取り調べを受けます。ただし、身柄送検のように留置場や拘置所から執務室に向かうのではなく、自宅で日常生活を送りながら、呼び出しを受けた日に検察庁へ出向き、取り調べを受けることになります。

  3. (3)書類送検でも起訴、実刑判決のおそれがある

    身柄送検と書類送検の違いは、あくまでも身柄拘束をともなって送検されるかどうかという部分だけです。書類送検の場合は身柄を拘束されていないため、すでに事件が終わったり、罪を問われていないような感覚を覚えたりする方もいるかもしれませんが、そうではありません。

    どちらのケースでも、検察官は最終的に起訴または不起訴を判断し、起訴された場合は裁判で判決が言い渡されます。書類送検だから起訴されにくい、裁判で罪が軽くなりやすいなどの影響はありません。

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3、送検されずに刑事手続が終了する微罪処分とは

警察が事件を捜査すると原則的に送検しますが、例外的に送検せずに警察限りで刑事手続を終わらせる場合があります(刑事訴訟法第246条ただし書き)。これを「微罪処分」といいます。

  1. (1)微罪処分になるとどうなるのか

    微罪処分として扱われると、犯した罪について警察から厳重注意を受けて刑事手続が終了します送検されないので、起訴もされません。裁判で有罪になることもないので、前科もつきません

    ただし微罪処分は1か月ごとにほかの事件とまとめて検察官に報告されるため、警察に検挙されたという前歴は残ります。

  2. (2)微罪処分となる可能性のあるケース

    どのような事件で微罪処分となり得るのかは、管轄地域内の検事正が取り扱い基準を定めています。そのため都道府県によって多少の違いはありますが、おおむね次のような要素が影響しています。

    • 被害が軽微である
    • 被害回復がなされている
    • 素行不良者ではない
    • 被害者が処罰を望んでいない


    微罪処分となり得る犯罪としては、ごく少額の窃盗罪や占有離脱物横領罪、暴行罪などが挙げられます。たとえば、スーパーで少額のお菓子を万引きしたが初犯で店側と示談が成立しているケース、友人同士でケンカをして警察沙汰になったがケガもなく双方が仲直りしているケースなどが該当するでしょう。

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4、送検後に身柄の拘束を受けなければ在宅事件扱いになる

刑事事件の被疑者が逮捕・送検されると、そのまま身柄拘束が続く場合と、釈放されて在宅事件として扱われる場合があります。

  1. (1)送検後に身柄拘束が続く場合

    送検後に身柄拘束が続くのは、検察官が勾留を請求し、裁判官がこれを認めた場合です検察官は最長20日間の勾留期間中に警察を指揮しながら捜査を進めて、起訴・不起訴の判断を下します

    起訴された場合はそのまま起訴後の勾留へと移行して裁判を待つ身となり、不起訴となった場合はその時点で事件が終了します。

  2. (2)釈放されて在宅事件として扱われる場合

    釈放とは刑事手続の中で身柄の拘束を解かれることをいいます。釈放されるタイミングはいくつかありますが、逮捕・送検された事件で釈放されるタイミングのひとつが「勾留されなかった場合」です。

    勾留は被疑者の身柄を長期にわたり拘束する強制手続なので、厳格な要件が定められています。刑事訴訟法第207条および60条によれば、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、かつ被疑者の住居が不定か、逃亡または証拠隠滅のおそれがあるときでなければ勾留できません。

    したがって、勾留の要件を満たさないため検察官が勾留を請求しなかった、あるいは裁判官が勾留請求を却下した場合は勾留されず、釈放されて在宅事件に切り替わります。

  3. (3)在宅事件とは

    在宅事件とは、被疑者の身柄を拘束せず、自宅に置いたまま捜査を進める事件をいいます。

    被疑者の身柄を拘束したまま捜査を進める身柄事件では、警察は逮捕から48時間以内に事件を送検しなければなりませんが、在宅事件ではこのような時間制限がありません。いつ送検されるかは事件ごとに異なり、被疑者として特定されて数か月たってから送検される場合もあります。身柄事件と比べて事件が長期化するおそれがあるということです。

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5、刑事事件で送検されたときの弁護活動

刑事事件を起こして送検された場合には、早急に弁護士のサポートを受けましょう。

  1. (1)送検後の釈放を目指す

    検察官は身柄送検から24時間以内に被疑者を釈放するか、裁判官に対して勾留請求を行います。勾留されると最長で20日間も社会と隔離されてしまうため、弁護士が勾留を回避して釈放されるための活動を行います

    具体的には、検察官・裁判官に対して勾留の必要性や理由がないことを訴え、勾留請求または勾留決定しないよう働きかけます。勾留決定がなされた場合も、決定に対する準抗告などの法的手段により勾留の取り消しを求めることができます。

  2. (2)保釈請求を行う

    逮捕・勾留されたまま起訴された場合は、裁判で判決がでるまで身柄拘束が続いてしまいます。そこで弁護士は起訴後すぐに保釈請求を行います保釈が認められて保釈金を納めると、一時的に釈放され、裁判の期日に自宅から法廷に出向けばよくなります

  3. (3)不起訴処分を目指す

    送検されても不起訴処分になれば刑事裁判が開かれることなく事件が終了し、前科もつきませんそのため弁護士は不起訴処分を目指して活動します

    被害者がいる事件では、弁護士を通じて被害者との示談を成立させることが重要です。検察官は起訴・不起訴の判断にあたり被害者感情を重視するため、示談が成立し、被害者が宥恕(ゆうじょ)意思(許すという意思)を示している場合には、不起訴処分を下す可能性があります。

    直接の被害者がいない事件では、弁護士が検察官に対し、被疑事実が軽微であり被疑者が深く反省していること、家族が監督を誓約していることなどを示し、再犯のおそれが低い旨を主張して不起訴処分を目指します。

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6、まとめ

警察が検察へ事件を引き継ぐための手続きを送検(送致)といいます。身柄ごと送致するケースが身柄送検、捜査資料や証拠物のみを送致するケースが書類送検です。身柄事件と在宅事件のいずれであっても、送検(送致)の有無にかかわらず、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、不起訴処分を目指した弁護活動を依頼したほうがよいでしょう。

まずはお気軽にご相談ください。刑事事件で多くの解決実績があるベリーベスト法律事務所が適切なサポートを行います。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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