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弁護士コラム

2021年07月15日
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取り調べの要請が来たら拒否はできる? 黙秘権を行使しても問題ない?

取り調べの要請が来たら拒否はできる? 黙秘権を行使しても問題ない?
取り調べの要請が来たら拒否はできる? 黙秘権を行使しても問題ない?

「取り調べ」と聞くと、犯罪の疑いをかけられた人物が逮捕された後に行われる手続きだとイメージする方が多いかもしれません。しかし取り調べは犯罪の被疑者に対して行われるだけでなく、事件の事情を知っている参考人に対して行われる場合もあります。また被疑者の取り調べであっても、捜査の対象となっていれば逮捕の有無にかかわらず行われます。

警察や検察から取り調べのための出頭要請を受けたら、そのまま逮捕されるのではないかと不安に感じることでしょう。取り調べでは何を質問されるのか、拒否や黙秘をしても問題ないのかなど、わからないことも多いはずです。

本コラムでは、取り調べで聴かれる内容や供述調書の重要性、黙秘権の行使など、取り調べにまつわる知識について解説します。

1、取り調べの対象になる人

取り調べの対象になるのは、「被疑者」「参考人」「重要参考人」です。

  1. (1)被疑者

    被疑者とは、犯罪の疑いがあり、捜査の対象となっている人をいいます。

    被疑者としての取り調べは、逮捕状を提示され身柄拘束を受けたうえで取り調べられる場合と、在宅捜査の中で任意で取り調べられる場合があります。警察から電話がかかってきて呼び出されたのであれば、現時点では任意での取り調べになるでしょう。

  2. (2)参考人

    参考人とは、事件の目撃者や被疑者の知人など、事件や被疑者について何らかの情報を持っている人を指します。医師や通訳、有識者など、事件とは無関係だが専門的知識を示してほしい人も参考人に含まれます。また被疑者とまではいえないが、犯罪の疑いがある人を参考人として取り調べる場合もあります。

    刑事訴訟法第223条は、「犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ…ることができる」としています。被疑者以外の人に対しても取り調べは行われるのです。

  3. (3)重要参考人

    重要参考人とは、参考人のうち、犯罪の疑いがある程度強く、被疑者になるかもしれないと考えられている人のことを指す俗語です。出頭要請の段階では被疑者と断定されていなくても、取り調べで自白したため犯罪の嫌疑が強まり、被疑者として逮捕されることは考えられます。

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2、取り調べとは

取り調べとは、捜査機関が被疑者や参考人などから事情を聴き、供述を求める行為をいいます。取り調べはどのように行われるのでしょうか?

  1. (1)質問される内容

    被疑者の場合は、罪を犯したのかどうかをはじめ、犯行の動機や犯行時の状況、犯行の方法などを詳しく聞かれます。被疑者の生い立ちや家族構成、生活状況など身上に関する質問も行われるでしょう。

    参考人の場合は、事件や被疑者の行動について知っていることはないか、専門家であれば事件に関連する専門的知識について聴かれます。

  2. (2)取り調べが行われる時間・期間

    取り調べが行われる時間は事件ごとに異なります。

    罪を認めて事件内容も単純であれば短時間で終わる可能性がありますが、否認している、被害者が多い、重大犯罪など、複雑な事件なら長くなるおそれがあります
    ただし、長時間におよぶと違法な取り調べにあたる危険があるため、何回かにわけて行われます。

    取り調べが行われる期間は、検察官が起訴・不起訴を決定するまでです。逮捕されている場合は、警察段階で48時間、検察段階で24時間を上限に行われます。勾留された場合はさらに20日間が上限です。

    在宅事件や参考人としての取り調べに期間の制限はないため、捜査が終わるまで続きます

  3. (3)取り調べの場所・環境

    取り調べは原則として警察署で行われます。取調室は警察官1~2名と、被疑者または参考人が入れる程度の狭い部屋です。日本では弁護士が取調室に入ることは基本的に認められないため、一人で対応することになります。

    逮捕・勾留されている事件では、取り調べ中は外部と連絡をとることや退室は認められません

    一方、在宅事件で任意の取り調べを受けている場合は、いつでも取調室から退室し、弁護士や家族に連絡を取ることができます(刑事訴訟法第198条1項ただし書き)。参考人の場合も同様です。

  4. (4)検察官による取り調べ

    警察官による取り調べが終わると事件は検察官に送致され、今度は検察官も取り調べを行います。取り調べの場所は検察庁の執務室です。

    質問内容は警察のときとほとんど同じですが、警察の取り調べが自白や証拠の確保を目的とするのに対し、検察官の取り調べは起訴・不起訴という終局処分を決定するために行われます。

    また参考人も検察官から任意の取り調べを受ける場合があります。

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3、供述調書とは

供述調書とは、被疑者や参考人が供述した内容を、取調官が書面におこしたものをいいます。

  1. (1)供述調書は供述証拠となる

    裁判で用いられる証拠には、凶器などの物的証拠と、被疑者や参考人の供述にもとづく供述証拠の2つがあります。供述調書は供述証拠となるものです。物的証拠が見つからない場合は供述証拠が有力な証拠となるため、取り調べで話す内容が、いかに重要かわかるでしょう。

    供述調書が証拠として採用された場合、一度話した内容を覆すことは困難です。後で「実は違った」と言っても、供述が二転三転していて信用性が欠けるとして、不利になる危険が上がってしまいます

    なお、参考人の供述も、一定の要件のもとで証拠となります。

  2. (2)供述調書へのサインは慎重に

    供述調書が完成すると、取調官が内容を読み上げ、異論がなければサインするよう求められます。供述人がサインした供述調書には裁判で法的な証拠として採用される能力が与えられるため、裁判の結果を左右することもあります。そのため自分の供述と少しでもニュアンスが違う場合や誤りがある場合は、訂正を求めるか、サインを拒否しましょう

    サインを拒否する権利を署名押印拒否権といいます。黙秘権の告知と異なり、署名押印拒否権については告知義務がないため、ご自身でしっかりと認識しておくことが大切です

  3. (3)うそをつくべきではない

    供述調書が裁判での証拠となり得るからといって、うそをつくべきではありません。うそをついたこと自体は罪にはなりませんが、取り調べが長引くおそれがあります。

    また後の裁判で「取り調べでうそをつくなど反省の様子が見られない」とされ、量刑が重くなる危険も生じるでしょう。

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4、取り調べは拒否できない?

捜査機関から同行や出頭の要請を受ければ動揺し、拒否したいと考えることもあるでしょう。取り調べは拒否できるのでしょうか?

  1. (1)被疑者の取り調べは拒否できる?

    任意の同行・出頭要請は拒否できます。捜査機関が逮捕状もないのに無理やり取り調べることはできません。逮捕できるのは、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡または証拠隠滅のおそれがある場合です。したがって、取り調べを拒否したことを理由に逮捕することもできません。

    しかし拒否しても、捜査機関は何度も出頭を要請してくるでしょう。正当な理由もなく拒否を繰り返していると、逃亡または証拠隠滅のおそれが高いとして逮捕状を請求される危険があります。自宅など生活圏での逮捕につながってしまうおそれもあるため、任意であっても拒否しないほうが賢明です。

    任意の場合は日程の調整をしてもらえることがあるので、仕事の都合などで調整が必要であれば捜査機関に相談してみてください。

    一方、逮捕・勾留によって身体拘束されている被疑者は、取り調べに応じる義務があるとされています。拒否することはできません。

  2. (2)参考人の取り調べは拒否できる?

    参考人の取り調べは任意なので拒否できます。参考人という立場が変わらなければ、取り調べの後に逮捕されることもありません。

    とはいえ、出頭要請を受けた立場が被疑者なのか参考人なのか、参考人であるとしてどの程度被疑者となるおそれがあるのかは、要請を受けた側が判断することはできません

    仮に重要参考人だった場合、取り調べを拒否し続けることで犯罪の疑いが強まってしまうでしょう。したがって、参考人の取り調べも、やはり拒否せずに協力するのが賢明だといえます。

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5、取り調べにおける黙秘権の行使

黙秘権とは、自分の言いたくないことや、自分に不利になりそうなことは言わなくてもよい権利のことです(憲法第38条1項、刑事訴訟法第198条2項、同法第311条1項)。自分に不利になりそうな内容だけは黙秘し、ほかの内容は供述する「一部黙秘」と、一切の質問に答えない「完全黙秘」があります。

  1. (1)黙秘権を行使する効果

    取調官は、違法な取り調べまではしないにしても、罪を認めたと思わせる供述をさせようと誘導する場合があります。しかし何が危険な誘導か、誘導に応じると法的にどのような影響があるのかは、一般の人には判断できません。

    この点、黙秘権を行使すると、起訴・不起訴の判断や、後の裁判で不利になる供述をしなくて済みます。取調官は、捜査機関の意図に沿った供述調書を作成できないため、裁判で犯罪を認定するための証拠が減ることになります。

    また勾留満期まで黙秘を貫き、かつほかに証拠もない場合には、嫌疑不十分による不起訴につながる場合があります。処分保留で釈放される可能性もあるでしょう。

  2. (2)黙秘権の行使による不利益

    黙秘したからといって逮捕されるわけではないとしても、黙秘すれば逃亡または証拠隠滅のおそれがないと判断する理由がひとつ存在しないことになります。つまり素直に供述している場合と比べると、逮捕の危険は上がってしまいます。

    また、被疑者の供述は重要な証拠のひとつです。供述が得られないとなれば、ほかの証拠を得るために追加の捜査が必要になります。そのため取り調べが何度も行われ、結果的に拘束期間も長くなる場合があるでしょう。

    さらに裁判の結果に影響を与えるおそれがあります。裁判において、黙秘したことを理由に不利に扱われることはないですが、これは自白した場合と比べて有利に扱われるという意味でもありません。

    黙秘せずに自白して反省している人と比べると、相対的に量刑が重くなる場合はあるということです。

  3. (3)参考人の黙秘権

    憲法第38条は、「何人も」、自己に不利益な供述を強要されないとしており、参考人についても黙秘することが可能です。ただし参考人に対する黙秘権の告知は義務ではないため、捜査機関が黙秘権について必ずしも告知するとは限りません。

    なお、参考人として取り調べを受けている過程で容疑が強まり、被疑者としての取り調べに切り替わる場合は、その時点で黙秘権の告知が必要です。

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6、取り調べの前に弁護士に相談する理由

捜査機関からの取り調べを受けることになったら、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。

  1. (1)不利な供述調書を取られないためのアドバイスをもらえる

    供述調書が与える影響や、どんな供述をすると不利にはたらくのかについて、ほとんどの方は詳しくは知らないでしょう。捜査機関から呼び出しを受けるという状況に動揺し、頭が真っ白になる方も多いはずです。

    しかし弁護士に相談すれば、相談者の味方となり、不利な供述調書を取られないためのアドバイスをしてくれます。黙秘権や署名押印拒否権などの重要な権利や今後の見通しなどについても教えてくれるため、自分が置かれた状況が整理され、落ち着いて取り調べに臨むことができます

  2. (2)黙秘権の行使についてアドバイスをもらえる

    黙秘権を行使するべきかどうかは、事件の内容やそのときの状況によって異なり、その判断には高度な知識や経験が求められます。一般の方が判断できるものではないため、弁護士に相談したほうがよいでしょう。

    任意の取り調べであれば取り調べの期日前に弁護士に相談し、強制の取り調べであればまずは黙秘し、弁護士との接見を待ってから供述すべきか判断する方法があります

  3. (3)示談交渉などの活動を依頼できる

    弁護士は取り調べのアドバイスを行うと同時に、不起訴の獲得や重すぎる刑の回避を目指した活動を展開します。被害者がいる事件であれば、特に示談交渉が重要となるでしょう。

    刑事事件の示談交渉は被害者の処罰感情が強い、被害者の連絡先を入手できないなどのハードルがあり、加害者本人による示談交渉は困難です。しかし弁護士であれば被害者の警戒心を和らげ、示談成立の可能性を高められます。

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7、まとめ

取り調べは任意の出頭要請であれば拒否することが可能ですが、逮捕のおそれが高まるため、日程を調整してもらってでも応じるのが賢明です。ただし作成された供述調書は裁判での証拠となり得るため、状況に応じて黙秘権を行使するなどして、不利な供述をしないよう適切に対応しましょう。

取り調べについて少しでも不安があれば、刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者
萩原 達也
荻原達也
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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