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弁護士コラム

2021年11月18日
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  • 未遂罪とは

未遂罪とは? 殺人未遂でも逮捕されるの? 成立要件や量刑を解説

未遂罪とは? 殺人未遂でも逮捕されるの? 成立要件や量刑を解説
未遂罪とは? 殺人未遂でも逮捕されるの? 成立要件や量刑を解説

未遂罪とは、「犯罪を実行しようとしたが完遂できなかった」という場合に問われる罪です。どのような犯罪にも未遂罪の規定があるのではなく、刑法に未遂罪の定めがある犯罪の身に対して適用されます。具体的には、殺人や窃盗、詐欺などです。

令和3年8月には、小田急線の車内で乗客10名に対して重軽傷を負わせた男が殺人未遂罪などの容疑で逮捕される事件が起きています。男は殺意の有無について「覚えていない」などと供述しましたが、殺人未遂罪においては、殺意があったかどうかは極めて重要なポイントとなります。

本コラムでは、殺人未遂を代表とする未遂罪の定義や成立要件や量刑などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説いたします。

1、未遂罪の定義

まず、未遂罪とは何か、未遂罪でも逮捕される場合があるのかについて解説します。

  1. (1)未遂罪とは

    「未遂」とは、犯罪の実行行為に着手したものの、完全に実行されるには至らなかった場合をいいます。犯罪の実行行為に着手し、それを完全に実行した場合を指す「既遂」と区別される言葉です。

    犯罪が成立するには次の4つの段階があります。

    • ① 犯罪を決意する
    • ② 犯罪の実行行為に着手する
    • ③ 犯罪の実行行為が終了する
    • ④ 犯罪の結果が発生する


    未遂は、犯罪の実行行為に着手したが実行行為が終了しなかった場合である「着手未遂」と、犯罪の実行行為に着手して実行行為も終了したが結果が発生しなかった場合である「実行未遂」とに分けられます。

    犯罪の実行に着手する時点については、「犯罪結果を引き起こす現実的な危険が発生した時点」とされます。たとえば、過去の判例では以下のように示されています。

    • 夜中に窃盗のため侵入した電気器具店において、店内の煙草売場の方に行きかけた時点【最高裁 昭和39(あ)2131 昭和40年3月9日】
    • 通行中の女性を強姦しようと企て、抵抗する女性をダンプカーの運転席に引きずり込もうとした時点【最高裁 昭和45(あ)619 昭和45年7月28日】
  2. (2)未遂罪は例外規定

    刑法では、犯罪が既遂に達した場合に処罰することが原則とされています。しかし、例外として、各犯罪の条文に規定がある場合に限り、未遂も処罰されます(刑法第44条)。たとえば、殺人罪、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪などには未遂罪がありますが、公然わいせつ罪や器物損壊罪などは未遂罪の規定がありません。これらの犯罪を見ると、とくに重大な犯罪には未遂罪が設けられていることが分かります。

    なお、未遂罪を定める目的についても、論争の対象となっています。ひとつの考え方として、「犯罪結果を生じさせる現実的・具体的危険を引き起こす行為が、処罰に値する」とするものがあります。

  3. (3)未遂でも逮捕されるのか

    未遂で終わった場合、「犯罪の目的を完遂していないから、逮捕は免れる」と考える人もいるでしょう。しかし、未遂であっても、逮捕される場合はあるのです

    たとえば、窃盗未遂罪では、人の鞄から財布を抜き取ろうと鞄に手を入れた時点で被害者に気づかれて、その場で現行犯逮捕されることがあります。

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2、未遂罪の種類

どのようなケースで未遂罪が成立するのかについて、未遂罪の規定がある代表的な犯罪を挙げながら解説します。

  1. (1)窃盗未遂罪

    窃盗罪は「他人の財物を窃取すること」で成立する犯罪です(刑法第235条)。「窃取」とは、他人が占有する財物を、占有者の意思に反して自分や第三者の占有下に移すことをいいます。

    窃盗未遂罪は、他人の財物を窃取する行為に着手したものの、財物が自分や第三者の占有下に移らなかった場合に成立します。たとえば、次のようなケースが窃盗未遂罪にあたるのです。

    • 店で万引きをしようと棚にある商品をポケットに入れようとしたが、思いとどまって商品を棚に戻した
    • 下着泥棒を企てベランダに干してある下着に手を伸ばしたが、住人に見つかったので下着を盗らずに逃走した
  2. (2)強盗未遂罪

    強盗罪は「暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取し、もしくは財産上の不法の利益を得ること」で成立する犯罪です(刑法第236条)。

    強盗未遂罪にあたるのは、暴行や脅迫を行ったものの、財物や利益の移転がなかった場合です

    • コンビニの店員に刃物を突きつけて「金を出せ」と要求したが、店員が抵抗したため何も奪わずに逃走した
  3. (3)強要未遂罪

    強要罪は「相手や親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害すること」で成立する犯罪です(刑法第223条)。

    強要未遂罪が成立するのは、脅迫や暴行行為があったものの、相手方が応じなかった場合です

    • クレーマーが店員の胸ぐらをつかみながら土下座を強要したが店員が屈せずに土下座をしなかった
    • 気に入った相手の弱みにつけ込み性的関係を迫ったが相手が拒否した
  4. (4)詐欺未遂罪

    詐欺罪は「人を欺いて財物を交付させることや、財産上不法の利益を得、又はこれを得させること」で成立する犯罪です(刑法第246条)。詐欺罪は、以下の要件をすべて満たすことで既遂に達します

    • ① 被害者を欺く行為がある
    • ② 被害者が錯誤(嘘を信じ込む)に陥る
    • ③ 錯誤にもとづき被害者が自分の意思で財産を交付する


    したがって、次のようなケースでは未遂にとどまります。

    • 嘘の投資話をもちかけたて騙そうとしたが、相手がこれを信じず投資話には乗らなかった
    • オレオレ詐欺の被害者が騙されて銀行のATMで現金を振り込もうとしたが、銀行の職員が不審に思って被害者に話しかけたため、実際には現金を振り込まなかった
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3、未遂罪の刑罰と量刑

未遂罪は既遂の場合と同じ法定刑が適用されるため、実際にどれくらいの刑になるのか(量刑)は、各犯罪の法定刑の範囲で裁判官が決定します。

ただし、未遂罪は刑法第43条が定める「未遂減免」の規定により刑が減軽される余地があります。つまり、犯罪の結果が生じた場合と比べて、刑が軽くなる可能性があるということです

  1. (1)障害未遂の場合

    刑法第43条は「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」としています。そのうち、外部的要因により犯罪の結果が生じなかった場合を「障害未遂」といいます、たとえば、犯行におよぼうとしたが人が来たのでできなかった、相手に強く抵抗されたので諦めて逃亡したといったケースが考えられます。

    「刑を減軽することができる」とあるように、障害未遂は刑の任意的減軽事由となります。「任意的減軽」とは、裁判官の裁量によって刑を減軽される場合があることをいいます。

    減軽の方法は刑法第68条に定められています。たとえば有期の懲役または禁錮を減軽する場合、刑の長期と短期をそれぞれ2分の1にすることができます。

  2. (2)中止未遂の場合

    刑法第43条はただし書きで「ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、または免除する」とあります。中止未遂といい、障害未遂のような外部的要因ではなく、自分の意思によって犯罪を中止した場合を指します。もっとも、「自己の意思」については、単に自分の意思で中止しただけでなく、反省や後悔、同情などの感情にもとづき中止したことが要求されるケースが多くなっています。

    中止未遂は「刑を減軽し、または免除する」とあるように、刑の必要的減免事由となります。「必要的減免」とは、刑を必ず減軽または免除することです。刑の免除とは、有罪ではあるものの刑罰は科されない場合をいいます。

    障害未遂では減軽の「可能性がある」にとどまるのに対し、中止未遂は「必ず」減軽または免除されます。自らの意思で犯罪を中止しているため、障害未遂の場合よりも情状がよくなり、有利に扱われるのです。

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4、殺人未遂罪とは

ここからは、未遂罪の中でも「殺人未遂罪」に着目し、どのような犯罪なのかを見ていきます。

  1. (1)殺人未遂罪の定義

    殺人未遂罪とは、殺害行為におよんだものの、実際には人が死ななかった場合に問われる罪です。刑法第203条は「第199条及び前条の罪の未遂は、罰する」と、殺人未遂罪について処罰する旨を定めています。

  2. (2)殺人未遂罪の刑罰

    殺人未遂罪は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」と、殺人罪と同じ法定刑が適用されます。日本の刑罰でもっとも重い死刑が規定されており、最低でも5年の懲役に処せられる重罪です。

    ほかの犯罪で懲役が選択された場合、判決に執行猶予がつけばただちには刑務所に収監されず、社会の中での更生を目指すことができます。しかし執行猶予は前提条件として3年以下の懲役の言渡しを受ける必要があり、殺人未遂罪は執行猶予の条件を満たしません。つまり、殺人未遂事件では原則としてかならず実刑判決が下されるのです

    ただし、殺人未遂罪の場合は刑法第43条の未遂減免が適用される可能性があります。またDV被害に遭っていた、介護疲れで誰も頼れる人がいなかったなど犯罪の情状に酌むべき事情が認められるケースでは、刑法第66条が定める酌量減軽がなされる可能性も残されています。これらの規定が適用され、刑が3年以下に減軽された場合には、執行猶予の可能性が生じることになります。

  3. (3)殺人未遂罪の具体例

    殺人未遂罪にあたるのは、以下のようなケースです。

    • 殺意をもって相手の胴体に包丁を突き刺したところ、相手は重傷を負ったがその後の治療により死亡には至らなかった
    • 相手の心臓をめがけて拳銃を発砲したが、弾は心臓に命中せず腕にあたったため死亡には至らなかった
    • 殺すつもりで相手の首を絞めたが、相手が懇願するので気の毒に思って手を離した
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5、殺人未遂罪の成立要件

殺人未遂罪は、①意をもって②が死亡する危険性の高い行為をすることで成立します。

  1. (1)殺意があること

    殺人未遂罪が成立するためにとくに重要なのは、殺意があることです。殺意をもって犯行におよべば、仮に相手が無傷ですんだ場合でも殺人未遂に問われます。一方、殺意がなければ殺人未遂罪は成立せず、暴行罪や傷害罪などほかの罪の成立が問題となります。

    殺意とは、相手を死に至らしめる危険性を認識・認容していることをいいます。積極的に殺害しようとする強い意思がある場合はもちろん、「相手が死ぬかもしれないが、それでもかまわない」という程度の意思(未必的殺意)があった場合にも、殺意があったと認められます。

    殺意は行為者の内面の問題ですが、単に「殺すつもりがなかった」と主張するだけでは、殺意がなかったと認定されるわけではありません。被害者との関係性や犯行前後の言動、攻撃箇所や暴行の程度といった客観的な事情・証拠から、総合的に判断されるのです。

  2. (2)人が死亡する危険性が高い行為をすること

    殺人未遂罪が成立するには、殺意のほかに、「人が死亡する危険性が高い行為をすること」も必要とされます。逆に言えば、強烈な殺意があっても、人が死亡する危険性が高い行為が認められない場合には、殺人未遂罪は成立しないのです。

    たとえば、毒を盛る、首を絞める、屋上から突き落とす、腹部を刺すなどの行為です。これらの行為をすれば、人が死亡する危険性が高いと認められるでしょう。

    また、この行為は現実的危険を有している必要があるため、たとえば人を呪い殺そうとして呪いの儀式を実行しても、現実的に人を死に至らしめる危険はないために殺人未遂罪は成立しません。

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6、殺人未遂罪の量刑

殺人未遂罪で実際に言い渡される量刑はどれくらいになるのでしょうか?量刑相場や量刑に影響を与えやすい要素について解説します。

  1. (1)殺人未遂罪における量刑の相場

    殺人未遂罪でどのくらいの量刑になるのかは事件の内容によって大きく異なるため、統一的な相場と呼べるものはありません。執行猶予がつくケースもあれば、実刑となって10年や15年という長期にわたり刑務所に収監されるケースもあります。個別の事件における量刑の見通しを知りたい場合は弁護士へ相談することをおすすめします

    ただしある程度の傾向を探ることはできます。弁護士白書によると、平成24年から平成30年における殺人未遂罪の量刑分布は、執行猶予つき判決となったケースが約35%ともっとも多く、続いて7年以下の実刑が約17%となっています。

    殺人未遂罪では刑が減軽されたうえで執行猶予がつく可能性も十分にあるといえます。

  2. (2)殺人未遂罪における減軽の限度

    殺人未遂罪の法定刑は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」です。これを刑法第68条が定める減軽の方法に照らすと、刑が減軽される限度が見えてきます。

    殺人未遂罪について刑の減軽が行われると次のようになります。

    • 死刑……無期懲役または10年以上の懲役
    • 無期懲役……7年以上の有期懲役
    • 5年以上(20年以下)の懲役……2年6か月以上10年以下の懲役


    したがって、殺人未遂罪では2年6か月の懲役を限度に減軽される可能性があります。3年以下の懲役という執行猶予の前提条件を満たすため、情状によっては執行猶予が付される可能性も生じることになります。

  3. (3)殺人未遂罪の量刑に影響しやすい要素

    殺人未遂罪では以下のような要素が量刑判断に影響を与えます。

    • 行為様態の悪質性
      残忍性や執拗姓、危険性などから総合的に判断されます。たとえば、執拗に何度も攻撃したなどのケースでは悪質性が高いと判断され、量刑が重く傾きます。
    • 被害結果
      被害結果が大きいほど量刑は重くなります。傷の程度や後遺症の有無、傷害を負わせた人数などをもとに判断されます。
    • 犯行動機
      わいせつ目的や金銭目的、逆恨みなど自己中心的な動機であれば量刑が重く傾き、介護疲れや被害者による虐待を受けていたなどの事情があれば量刑が軽くなる要素になります。
    • 計画性の有無
      事前に被害者の動向を探る、用意周到に準備をするなど計画性がある場合は突発的な犯行よりも量刑が重くなります。
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7、殺人未遂罪の判例

実際に殺人未遂罪が適用された事例を見てみましょう。

職場の同僚に睡眠導入剤を混入した飲み物を飲ませたうえで運転するように仕向け、交通事故を引き起こさせたうえで1名を死亡させ、4名を負傷させた殺人および殺人未遂事件です。

【第1の事故】
被告人は同僚Aが自動車で通勤していることを知りながら、睡眠導入剤を混入させたコーヒーを飲ませたうえで運転するように仕向けました。Aは運転中に急性薬物中毒にもとづく仮睡状態に陥り、交通事故を起こして死亡しました。またこの事故の相手方であるBは傷害を負いました。

【第2の事故】
第1の事故の後、被告人は同僚Cがその夫Dに職場まで自動車で送迎してもらっている事実を知りながら、CおよびDに睡眠導入剤を混入させたお茶を飲ませ、Dに対し、運転してCと共に帰宅するよう仕向けました。Dは運転中にCと共に急性薬物中毒にもとづく仮睡状態に陥り、対向車線を運行するE運転の車両に自動車を追突させ、C、D、Eはそれぞれ傷害を負いました。

最高裁は、被告人は自己の行為の危険性を認識しながらAやDに運転を仕向けており、事故の相手方であるBおよびEが死亡することもやむを得ないと認識・認容していたと判示しました。Aに対しては殺人罪が、B、C、D、Eに対しては殺人未遂罪が成立しています。

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8、家族が殺人未遂罪で逮捕されたら早めに弁護士へ相談を

自分の家族が殺人未遂罪で逮捕されたら早急に弁護士へ相談しましょう。

  1. (1)殺意の否定や情状の主張

    殺人未遂罪では重すぎる刑を回避するための方法として、殺意がなかったとしてほかの犯罪の成立を主張する、殺意は認めても中止未遂や有利な情状を主張して刑の減軽や執行猶予を求めるなどが考えられます。

    しかし、これらはいずれも本人が主張したところで簡単に認められるものではありません。弁護士が客観的な証拠をもとに、検察官や裁判官に対して説得的に主張していきます

  2. (2)取り調べのアドバイス

    逮捕後の取り調べでは、取調官から「被害者が死ぬかもしれないと思わなかったのか?」などと、殺意を認める供述をするよう質問されケースが多々あります。不利な供述をすると後で覆すのは困難なので、取り調べで何を供述するのかは極めて重要です。早急に弁護士に面会してもらい、取り調べ対応のアドバイスを与えてもらうべきでしょう

  3. (3)被害者への謝罪や示談交渉

    殺人未遂事件では、被害者に対して真摯に謝罪し、ケガの治療費や慰謝料を含む損害賠償金を支払うなど誠意を尽くすことが大切です。被害者との示談がまとまれば、被害者の処罰感情が緩和され、一定の被害回復がなされたとして、量刑判断に際して有利にはたらく可能性が生じます。

    しかし殺されそうになった被害者の恐怖や処罰感情は筆舌に尽くしがたいものがあり、示談はおろか謝罪さえも受け入れてもらえない場合が多いでしょう。本人やご家族だけで対応できる問題ではないため、弁護士に相談のうえで謝罪や示談交渉に取り組むべきです

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9、まとめ

未遂罪は犯罪の実行に着手したものの、犯罪を完全には遂げなかった場合に成立します。窃盗罪や強盗罪、詐欺罪などのほか、殺人未遂罪も未遂罪のひとつです。殺人未遂罪の成立をめぐっては、しばしば殺意の有無が争われます。
殺人未遂罪に問われている場合に、本人だけの力で殺意を否定するのは困難なので、早急に弁護士にサポートを依頼しましょう。

家族が殺人未遂罪やほかの未遂罪で逮捕されてしまった、重すぎる刑を回避したいなどのお悩みがあれば、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が全力でサポートします。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
刑事事件問題でお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所へお気軽にお問い合わせください。

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