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弁護士コラム

2021年11月18日
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違法アップロードされたものを視聴したら犯罪になってしまうのか?

違法アップロードされたものを視聴したら犯罪になってしまうのか?
違法アップロードされたものを視聴したら犯罪になってしまうのか?

インターネットが発達して大容量データの送受信が容易になり、映画・テレビ番組などの映像作品や音楽、漫画などのデータが違法にアップロードされるようになりました。国は、違法アップロードの規制に加えてさらに違法ダウンロードについても規制を強化し、著作権保護に努めています。

では、違法アップロードされた動画・静止画などをダウンロードせずに視聴した場合はどうなるのでしょうか?違法アップロード・ダウンロードと「視聴」の関係を解説します。

1、違法アップロード、違法ダウンロードにより逮捕される?

さまざまなメディアを通じて、違法アップロード・違法ダウンロードは犯罪になると広報されています。では、違法アップロードや違法ダウンロードをすると警察に逮捕されてしまうのでしょうか?

  1. (1)違法アップロードの逮捕事例

    違法アップロードによる逮捕事例でも特に社会の関心を集めたのが、人気漫画などを無断で公開していた海賊版サイトの摘発事例でしょう。一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構の試算によると、被害額は約3192億円にのぼるとされるこの事例では、令和元年7月以降、サイト運営に関与した男女4人が起訴されました。

    また、令和3年6月には、映画作品を短く編集した「ファスト映画」と呼ばれる動画を違法アップロードした疑いで、男女3人が逮捕されています。

    違法アップロードはコンテンツの製作者や権利者が得るべき利益を奪う悪質な行為であるため、逮捕される危険が極めて高い行為です

  2. (2)違法ダウンロードの逮捕事例

    令和3年8月時点では、違法ダウンロードの容疑で逮捕された事例は報道されていません。ただし、この事実を「逮捕されない」行為であると解釈するのは間違いです。違法ダウンロードが犯罪である以上、捜査のために必要があれば逮捕されるおそれがあることは間違いありません

  3. (3)違法アップロードされた動画・静止画を「視聴」すると逮捕されるのか?

    違法アップロードされた動画・静止画をダウンロードすると違法ダウンロードとなります。では、違法アップロードされた動画・静止画を「ダウンロードしない方式」で視聴しただけではどうなるのでしょうか?

    たとえば、動画投稿サイト「YouTube」で公開されている動画は、閲覧に際して一時的にデータをダウンロードするものの、ダウンロードと並行して再生する「ストリーミング」という技術が使われています。ストリーミング再生のためにダウンロードされたデータは自動的に削除されるため、パソコンやスマートフォンなどの端末には保存されません。

    政府広報や関係団体の広報においても、ストリーミングなどによる視聴は罪にならないとされているため、逮捕される危険は低いでしょう。ただし、この見解はあくまでも政府・関係団体によるものであり、裁判所の判断ではありません。裁判所がどのような判断を下すのかは明確ではないので、違法アップロードであることが明らかなコンテンツの視聴は控えたほうが賢明です

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2、違法アップロード、違法ダウンロードは著作権法違反

違法アップロード・違法ダウンロードは「著作権法」に違反する行為です。著作権法とは、どのような法律なのか、著作権法に違反するとどうなるのかを確認しておきましょう。

  1. (1)著作権法とは

    著作権法は、著作物・実演・レコード・放送・有線放送に関して、著作者の権利やこれに隣接する権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とした法律です。前身の「出版条例」が生まれたのは明治時代の初期で、国際的な条約への加入にあわせたかたちで明治32年に「著作権法」へと生まれ変わり、昭和45年には旧法の全改正によって現在の著作権法になりました。

    社会における著作物のあり方や世界的な流れによって規制を変化させる必要があるため、改正が多いという点が特徴的な法律です。

  2. (2)「著作物」とは

    著作権法第2条によると「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいうと定義されています。同法第10条1項には、次のようなものが著作物にあたると例示されています。

    • 小説・脚本・論文・講演その他言語など
    • 音楽
    • 舞踊・無言劇
    • 絵画・版画・彫刻その他美術
    • 建築
    • 地図・学術的な性質を有する図面・図表・模型その他図形
    • 映画
    • 写真
    • プログラム
  3. (3)著作権法に違反するとどうなるのか?

    著作権法に違反して著作権者がもつ権利を侵害すると、違反内容に応じて刑事罰が下されます。捜査のために必要があると判断されれば逮捕され、刑事裁判で懲役・罰金といった刑事罰を受けることになり、前科がついてしまいます。前科がついてしまうと、資格制限を受けて一定の職業に就けなくなったり、国によっては渡航制限がかかってしまったりするなどの不利益が生じてしまいます。

    また、著作権者などが得られるはずだった利益を損なってしまうため、著作権者などから損害賠償請求を受けることにもなるでしょう。先に挙げた事例のように数億円単位の損害を与えてしまう事態も想定されます。

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3、違法アップロードに該当するケース

どのような行為が「違法アップロード」となるのでしょうか?著作権法の規制に照らしながら確認していきます。

  1. (1)違法アップロードとは?

    映画などの映像作品や歌手などによる音楽、漫画や小説などは、すべて著作物として著作権法による保護を受けます。これらは、本来は有償で提供されるものが多く、その利益は著作権者が得るべきものです。

    違法アップロードとは、著作権者の「許諾」を得ないままインターネットなどで公開する行為を指します。通常、他人の著作物を使用する際には著作権者に対して許諾料・ライセンス料を支払うので、著作権者の利益を損なうことにはなりません。ところが、対価を得られないままインターネットで公開されてしまえば、著作権者は正規のルートで得られるはずの利益を損なってしまいます

    そこで、著作権法では、違法アップロードをはじめとした「侵害行為」に罰則を設けて、犯罪として規定しています。

    違法アップロードにあたりうる行為としては、次のようなものが挙げられるでしょう。

    • DVDから複製した映画や録画したテレビ番組の動画を動画投稿サイトにアップロードする
    • スキャナーを使って漫画を静止画化し、インターネット上のサイトにアップロードする
    • 有料で配信されている音楽データを購入したうえで、そのデータを自由に配信可能な音楽サイトにアップロードする
    • 正しい手順によって引用しないまま、楽曲の歌詞や楽譜などを個人ブログに掲載する
    • 映画・音楽・漫画などのデータをファイル共有ソフトでアップロードする
  2. (2)違法アップロードに該当しないケース

    著作権法の大きな目的として掲げられているのが「文化の発展への寄与」です。著作権は著作権者に対して独占的に与えられる権利ですが、著作権者の利益だけを唯一の保護対象にしているだけでは、文化の発展への寄与は期待できません。そこで、著作権法には「許諾を得なくても著作物を使用できる規定」が設けられています。これが「権利制限規定」です。

    権利制限規定にはいくつかの要件がありますが、違法アップロードに関係するものとしては次のような要件が挙げられます。

    • 正しい手順による引用である
    • 教育機関における複製である
    • 試験問題としての複製である
    • 時事問題に関する論説の転載や時事事件の報道のための利用である
    • 美術やプログラムの原作者・所有者による複製である
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4、違法ダウンロードに該当するケース

違法アップロードと同じく「違法ダウンロード」も犯罪にあたる行為です。著作権法の規定に照らしどんな行為が違法ダウンロードとなるのか、確認していきましょう。

  1. (1)違法ダウンロードとは

    違法ダウンロードとは、違法アップロードされた「侵害コンテンツ」をダウンロードする行為です。動画・音楽・漫画だけでなく、小説・写真・論文・コンピュータープログラムなどすべての著作物が規制対象に含まれています。

  2. (2)違法ダウンロードに該当しないケース

    著作権法が目的としている「文化の発展への寄与」という点から、侵害コンテンツのダウンロードを、一律に違法として規制しておりません。

    著作権法では、一定の要件に該当する場合に限って侵害コンテンツをダウンロードしたとしても、処罰の対象外としています。違法ダウンロードに該当しない例外は,次のような場合です。

    ● スクリーンショットの際の侵害コンテンツの写り込み
    適法にアップロードされた情報を保存する際に違法アップロードされた画像が写り込むなどの場合は違法ダウンロードとはいえません。

    ● 漫画の1~数コマなどの「軽微なもの」
    漫画・小説・論文・新聞記事のごく一部など、その分量では内容がわからないものは「軽微なもの」といえます。また、画質が低いなどそれ自体では鑑賞にたえない粗い画像・動画なども含まれます。

    ● 二次創作やパロディー
    漫画・アニメなどの原作をもとにファンが新たに創作した「二次創作」や「パロディー」のデータをダウンロードしても、違法ダウンロードとはなりません。ただし、二次創作者にも著作権が生じるため、二次創作・パロディーの画像・動画などを違法アップロードする行為や、違法アップロードであることを知りつつ、ダウンロードする行為は処罰の対象です。

    ● 権利者の利益を不当に害しない、と認められる特別な事情がある
    著作物の種類や経済的価値などから保護の必要性が低いと認められる、あるいはダウンロードの目的が正当で、著作権を持っている人の利益を不当に害しない場合は違法ダウンロードにはなりません。
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5、違法アップロード、違法ダウンロードの罰則

違法アップロード・違法ダウンロードをすると、どのような刑罰を受けるのでしょうか?
それぞれの罰則を確認しておきましょう。

  1. (1)違法アップロードの罰則

    違法アップロードによって著作権を侵害した場合は、著作権法第119条1項の規定によって10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。「併科」とは「両方の刑罰を科す」という意味なので、懲役と罰金の両方が科せられるおそれがあります。

    先に挙げた、人気漫画の海賊版サイトの事例では、第一審で主犯格の男に懲役3年・罰金1000万円の両方が下されました。さらに、海賊版サイトの運営によって得た広告収入を海外口座に送金させて犯罪収益を隠した容疑で、追徴金6257万円も言い渡されています。極めて厳しい刑罰が下される事態は避けられないと考えておくべきです。

  2. (2)違法ダウンロードの罰則

    違法ダウンロードについては、すべての違法ダウンロードに刑罰が科せられるわけではありません。著作権法第119条3項2号の規定によると、正規版が有料で提供されている著作物に関する侵害コンテンツを、反復・継続してダウンロードした場合に、2年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、またはこれらが併科されます

    令和3年8月までの段階では有罪となった例はありませんが、違法アップロードと同様、厳しい刑罰を下される事態は避けられないでしょう。

  3. (3)著作権法と親告罪の関係

    著作権法違反となる行為のほとんどが「親告罪」として規定されています親告罪とは、検察官が起訴する際に被害者の告訴を要する犯罪です。親告罪にあたらないものは「非親告罪」と呼ばれます。

    著作権法違反にあたる行為のうち、次のいずれかの目的をもっておこなう違法アップロードは非親告罪です。

    • 財産上の利益を得る目的
    • 有償著作物の著作権者が得ることが見込まれるはずだった利益を害する目的


    非親告罪にあたる事件では、たとえ被害者=著作権者が告訴を断念・取り下げした場合でも検察官の判断によって起訴されてしまうおそれがあります。

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6、違法アップロード、違法ダウンロードに刑事罰が課されるようになった経緯

著作権法は、知的財産に対する社会の考えかたや流通の方法などの影響を受けて改正を繰り返してきた経緯をもつ法律です。違法アップロードや違法ダウンロードも、もともとは規制対象に含まれていませんでした。

違法アップロード・違法ダウンロードが刑事罰化されてきた経緯をみていきましょう。

  1. (1)違法アップロードの刑事罰化

    インターネット上への違法アップロードが刑事罰化されたのは意外にも古く、平成9年の改正で実施されました。著作者・実演家・レコード製作者の権利として「送信可能化権」が新設されたことで、権利者の許諾を受けないままインターネット上にアップロードする行為が処罰の対象に含まれることになったのです。

    次いで平成14年の改正では、さらに放送事業者・有線放送事業者にも送信可能化権が認められ、インターネットを用いた無断送信の規制が確立しました。

  2. (2)違法ダウンロードの刑事罰化

    海賊版サイトなどによる被害が深刻化し、違法アップロードに対する規制だけでは歯止めがきかない状況となった平成22年の改正では、違法アップロードであることを知りつつ、ダウンロードする行為も違法となる規制が加えられました。この段階では、個々人による違法ダウンロードの被害は軽微であることや、家庭内の行為について規制の実効性を確保が難しいことから、刑事罰化は見送られています。

    ところが、権利者団体などから違法ダウンロードが正規流通を上回る規模でおこなわれているといった指摘を受け、平成24年の改正で違法ダウンロードも刑事罰化されることになりました。

  3. (3)違法ダウンロードの規制強化

    スマートフォンやタブレット端末などが急速に普及し、動画投稿や配信プラットホームも発達したことから、従来の法体制では規制できない事態が起きるようになりました。

    令和2年の改正では、スクリーンショット、生配信、CG化などによる「写り込み」が権利制限規定に含まれることとなり、事実上の規制緩和がおこなわれています。一方で、海賊版サイトなどへのリンクを掲載する「リーチサイト」や、「リーチアプリ」について、他人による、侵害著作物の利用を容易にする行為として、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらを併科するという罰則が新たに設けられました。

  4. (4)違法ダウンロードの対象拡大

    令和3年の改正では、違法アップロードされた著作物を「侵害コンテンツ」とし、従来は含まれなかった漫画・小説・論文などのダウンロードも規制対象に加えられました。また、有償で提供されている著作物について、侵害コンテンツだと知りつつも、繰り返し継続してダウンロードすることは、私的使用の目的であっても違法となりました。

    今後も著作権法については改正が繰り返される可能性が高いため、思いがけず著作権を侵害することがないように法改正の情報にも注意しておかなければなりません

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7、まとめ

現時点の著作権法の規定に従えば、違法アップロードされた動画などであっても視聴するだけなら罪に問われることはありません。ただし、令和3年には違法ダウンロードの対象が拡大されており、今後も規制が強化される可能性が高いため、侵害コンテンツの視聴は控えたほうが賢明です。

違法アップロード・違法ダウンロードには厳しい罰則が設けられています。思いがけず著作権侵害となってしまい、容疑をかけられてしまう事態も想定されるので、トラブルが発生した際は、知的財産問題や刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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