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弁護士コラム

2022年02月28日
  • その他
  • 児童福祉法違反

児童福祉法違反とは? 定義や罰則、禁止されている行為を解説

児童福祉法違反とは? 定義や罰則、禁止されている行為を解説
児童福祉法違反とは? 定義や罰則、禁止されている行為を解説

18歳未満の未成年は児童福祉法や児童に関するすべての法令によって保護されており、児童に対する違反行為をした場合は刑事責任を厳しく追及されることになります。

令和2年2月には、当時中学3年生の女子生徒に売春相手として会社員の男性を引き合わせたとして、児童福祉法違反および売春防止法違反の疑いで会社役員の男が逮捕される事件がありました。

本コラムでは児童福祉法の概要を解説しながら、児童福祉法違反にあたる行為や罰則の内容について解説します。

1、児童福祉法とは

児童福祉法は、児童が心身ともに健やかに育成されることを理念とした法律です。児童は成長の途上にあり心身ともに未成熟であるため、大人たちから不当に利用されたり不適切な行為を強要されたりして傷ついてしまわないように社会全体で守る必要があります。

児童福祉法第1条は、児童が適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、心身の健やかな成長、発達、自立が図られることなどその福祉を等しく保障される権利を有していると述べています。

また第2条はすべての国民に対し、児童が心身ともに健やかに育成されるよう努める義務を課すとともに、児童の保護者が児童の育成について第一義的責任を負うこと、国・地方公共団体が児童の保護者とともに児童を育成する責任があることを定めています。

このように、児童福祉法は児童を保護し、児童の福祉を支援する法律であり、児童福祉施設や児童に対する支援制度、禁止行為なども定めています。

なお、児童とは満18歳に満たない者をいいます性別は問わないため男児も女児も保護の対象です

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2、児童福祉法違反にあたる行為

児童福祉法第34条第1項各号では児童に対する禁止行為が挙げられています。

  1. (1)児童に淫行をさせる行為

    児童福祉法第34条1項6号では「児童に淫行をさせる行為」を禁止しています。判断能力の未熟さに乗じた児童に対する性的搾取を処罰するために設けられている規定であり、児童福祉法違反となる典型的な犯罪です。

    「淫行をさせる」とは、事実上の影響力を利用して、児童が淫行することを助長する行為をいいます。事実上の影響力を利用するというのは、児童の親や教師、実親の再婚相手などがその上位的、指導的な立場を利用して児童に淫行をさせることを指します。したがって、児童に対する事実上の影響力のない者が児童に淫行をさせた場合は児童福祉法違反となりません。ただし、ほかの法律や条例違反は成立します。

    また、「させる」という文言からは第三者を児童の相手方として淫行させる行為がイメージされますが、そのような行為に限らず、自らが児童の相手方となって淫行することも含むと解されています。

    淫行とは性行為やそれに類似する行為のことです性交はもとより、性的な目的で児童の身体を触る、児童に自慰行為を強要するといった行為も含まれます

  2. (2)そのほかの禁止行為

    児童福祉法第34条1項6号以外(1号~5号、7号~9号)では、以下の行為が禁止されています。

    • 障害のある児童を公衆の観覧に供する行為
    • 児童にこじきをさせ、または児童を利用してこじきをする行為
    • 公衆の娯楽を目的として、満15歳に満たない児童に曲芸などをさせる行為
    • 満15歳に満たない児童に歌謡、遊芸などをさせる行為
    • 児童に午後10時から午前3時までの間、道路などで物品の販売、配布、展示などを業務としてさせる行為
    • 道路などで物品の販売、配布、展示などを業務として行う満15歳に満たない児童を、その業務を行うために風俗店に立ち入らせる行為
    • 満15歳に満たない児童に酒席で接待をさせる行為
    • 刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、そのことを知っていながら児童を引き渡す行為
    • 正当な職業紹介の機関以外の者が営利を目的として児童の養育をあっせんする行為
    • 児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的で児童を自己の支配下に置く行為
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3、児童福祉法違反による責任

刑事責任とは罪を犯したとして刑罰を科されることをいいます。児童福祉法違反の中でもっとも重い刑事責任を追及されるのは第34条1項6号違反、すなわち「児童に淫行をさせる行為」です。罰則は「10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの併科」と非常に重くなっています(同第60条1項)。

また児童に淫行をさせる行為以外の第34条1項1号~5号、および7号~9号に違反した場合の罰則は「3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または併科」です(同第60条2項)。

さらに、刑事責任とは別に民事責任を問われる場合があります。民事責任とは、民法上の不法行為によって精神的損害などを与えたとして損害賠償金を支払う義務のことです。児童福祉法違反事件では、児童に対する淫行やそのほかの違法行為によって児童や児童の保護者に損害を与えたとして損害賠償金を請求される場合があります。

刑事責任と民事責任は別の責任なので、どちらかを果たせばどちらかは免れるというものではありませんしたがって、児童福祉法違反で刑罰を科されたかどうかにかかわらず、損害賠償金を請求されるおそれは残ることになります

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4、児童福祉法違反に関連する法律・条例

児童はさまざまな法律・条例で保護の対象となっているため、自身の行為が児童福祉法違反に該当しなくてもほかの法律・条例により処罰される場合があります。

  1. (1)青少年保護育成条例

    青少年保護育成条例とは、18歳未満の青少年の保護、健全育成を目的として各自治体が定める条例の総称です。不健全図書類の販売規制や青少年に対する禁止行為などを定めた条例ですが、青少年との淫行を禁止する規定があることから「淫行条例」と呼ばれる場合もあります。

    たとえば東京都の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では「何人も、青少年とみだらな性交または性交類似行為をしてはならない」という規定があり、違反した場合は「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処せられます(第18条の6、第24条の3)。

    なお、ひとつの行為が児童福祉法と青少年保護育成条例の両方に違反する場合は、罰則が重い一方が適用されます。児童福祉法違反と青少年保護育成条例違反の刑罰を合計するわけではありません。

  2. (2)児童買春・児童ポルノ禁止法

    児童買春・児童ポルノ禁止法は正式には「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」といいます。児童買春および児童ポルノに関する行為の処罰や児童の保護のための措置を定めた法律です。

    児童に対価を供与し、またはその約束をして性交や性交類似行為をすることを児童買春といい、違反すると「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」を科せられます(第4条)。

    また児童の裸体や下着姿、性交する様子などが記録された写真や画像などを「児童ポルノ」といい、児童ポルノの所持や提供、製造、輸出入といった行為が禁止されています(第7条各項)。

    罰則は違反行為により異なりますが、たとえば児童ポルノの提供や製造は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」、不特定多数への提供や公然陳列は「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または併科」です。

  3. (3)売春防止法

    売春を助長する行為の処罰などについて定めたのが「売春防止法」です。売春とは対価を受け、またはその約束をして不特定の相手と性交することをいいます。

    児童の売春をあっせんした、児童を支配して売春をさせたといったケースは売春防止法で処罰される場合があります。売春の周旋をした者は「2年以下の懲役または5万円以下の罰金」(第6条1項)、児童を欺き、困惑させ、または親族関係による影響を利用して売春をさせた者は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」に処せられます(第7条1項)。

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5、児童福祉法に違反してしまったら弁護士へ相談を

児童福祉法違反は逮捕・勾留を受けたうえで起訴され、重い刑罰を科されるおそれが大きい犯罪なので、思い当たる行為があれば早急に弁護士へ相談することが大切です。

  1. (1)弁護士なしでは示談交渉が困難

    児童福祉法違反は社会的法益に対する犯罪とされているため示談が成立しても必ず処分が軽減されるわけではありませんが、直接的な被害者といえる児童との示談交渉は刑事手続き上極めて重要です

    児童福祉法違反における示談の相手方は多くが児童の保護者となります。保護者は自分の子どもが犯罪に巻き込まれたことで処罰感情が強く、加害者との接触を拒否するケースが多いため、本人やその家族による直接の交渉は困難だと言わざるを得ません。

    第三者の立場で守秘義務もある弁護士が粘り強く交渉することで交渉に応じてもらえる場合があるため、示談交渉は弁護士に一任することをおすすめします。

  2. (2)不起訴処分を目指した活動

    検察官が起訴・不起訴の判断をする前に示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性が高まります。不起訴処分になれば即日で身柄を釈放されて刑事裁判が開かれないため、刑罰を受けることも前科がつくこともありません。また起訴されても裁判官が量刑判断で有利な事情として扱い、刑が減軽される可能性があります。

    弁護士は示談交渉以外にも、家族に監督を約束してもらう、小児性愛や性依存の傾向が強い場合は専門機関のカウンセリングを受けさせるなどの再犯防止策を検討し、検察官や裁判官に再犯のおそれがない旨を主張します

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6、まとめ

児童に売春させる、児童と淫行するといった行為は児童福祉法違反やそのほかの法律・条例で厳しく処罰されるおそれがある行為です。事件が発覚すると逮捕・勾留による身柄拘束を受ける危険も高いため、違反行為をしてしまったのなら弁護士に相談してサポートを受けましょう。

刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所が力を尽くします。お一人で悩まずにまずはご相談ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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