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弁護士コラム

2022年04月12日
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示談交渉を代理人ではなく弁護人(弁護士)に依頼すべき理由とは?

示談交渉を代理人ではなく弁護人(弁護士)に依頼すべき理由とは?
示談交渉を代理人ではなく弁護人(弁護士)に依頼すべき理由とは?

刑事事件の加害者は被害者との間で示談が成立することで、逮捕・勾留を免れたり不起訴処分を獲得するなどして、早期の身柄釈放の可能性が高まります。また裁判になった場合も量刑判断に際して有利な事情として扱われるため、刑が減軽されることも期待できます。

本記事では、刑事事件における示談や示談交渉の意味を確認しながら、示談交渉の代理人を弁護士以外に依頼できるのか、弁護士に示談交渉を依頼するべき理由、示談交渉の具体的な流れなどについて、弁護士が分かりやすく解説します。

1、示談交渉とは

まずは示談交渉とは何かについて解説します。

  1. (1)示談とは

    示談とは、「私法上の争いを民事裁判によらないで、当事者間の合意にもとづいて解決する手続き」のことです。示談は民事上の手続きですが、窃盗や暴行・傷害、性犯罪など被害者のいる刑事事件においても行われます。

    刑事事件の示談とは、加害者が被害者に対して慰謝料や治療費などを示談金として支払い、被害者が被害届や告訴状を取り下げることを指します。被害者と示談が成立することで、加害者の不起訴処分や刑の減軽につながることが期待できます。

    また逮捕・勾留された場合は、示談の成立によって逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断され、早期に身柄を釈放される可能性が高まります。

  2. (2)示談交渉とは

    示談交渉とは、示談を成立させるために行う、当事者間の交渉のことです。刑事事件に際して行われる示談交渉では、加害者が支払う示談金の金額の擦り合わせや被害届・告訴状の取り下げ、遵守事項などについて話し合いを進め、合意に至れば示談書を作成して双方が署名・捺印します。

    刑事事件における示談交渉はできるだけ早い段階で開始し、示談を早期に成立させることが望まれますが、強引に示談交渉を進めればかえって不利な結果を招いてしまうことがあります。

    被害者の心情や状況に配慮するとともに、刑事手続きの進行状況を見ながら適切なタイミングで示談交渉を開始して、示談を成立させることが大切です。

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2、示談交渉を代理人に任せられる?

金銭的な理由やその他の理由により、示談交渉を弁護士以外の者に任せたいと感じる方がいるかもしれません。弁護士ではない代理人に示談交渉を任せることはできるのでしょうか。

  1. (1)家族や知人が代理人として交渉することは可能

    刑事事件の示談交渉をするために必要な資格はないので、家族や知人が加害者の代理人として被害者と示談交渉をすることは可能です。しかし、加害者の家族や知人であることを理由に被害者が交渉を拒否したり、法律知識や示談交渉の経験がないために、適正な金額で示談できないなどのリスクが生じる可能性はあります。

    また、示談交渉の代理人として報酬をもらう行為は弁護士法72条で禁止されている「非弁行為」にあたるので注意が必要です。

    非弁行為とは、弁護士以外の者が、法律事件に関する鑑定、代理、仲裁、和解など、弁護士しか認められていない法律事務を行うことをいいます。

    違反した場合には同第77条の規定により「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処されるおそれがあります。報酬は金銭に限らないので、示談交渉の代理をしてもらうお礼として物やサービスを提供すれば示談交渉を任せた知人などが非弁行為で罰せられてしまうことになります。

    したがって現実的には、弁護士以外の代理人に交渉を任せることは避けるべきだといえるでしょう

  2. (2)司法書士や行政書士には頼める?

    示談交渉の代理人を弁護士ではなく、司法書士や行政書士に依頼することはできるのでしょうか。

    結論を言えば、原則として司法書士や行政書士に示談交渉を依頼することはできません。ただし、法務大臣が認定した「認定司法書士」なら、限定的に示談交渉を依頼して報酬を支払うことができます。

    認定司法書士は、簡易裁判所が管轄する140万円までの民事上の争いについて、民事訴訟手続、即決和解手続、支払督促手続、証拠保全手続、民事保全手続、民事調停手続などの訴訟代理関係業務を行うことができます。

    つまり認定司法書士は示談金が「140万円以内」なら示談交渉の代理人となることができますが、140万円を超える場合には代理人となることはできません。

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3、示談交渉を弁護士に依頼すべき理由

刑事事件においては、示談成立は早期の事件解決につながる重要な要素です。示談交渉を適切に進めて早期に示談を成立させるためにも、弁護士に交渉を依頼しましょう。

  1. (1)刑事事件における示談の重要性

    示談が成立し、示談金として慰謝料などを支払った事実は、加害者が謝罪と反省の気持ちを真摯に示している証しとなります。そして検察官や裁判官は、示談が成立している以上は、被害者が加害者を許しており、加害者に対する処罰感情がなくなった、または低くなったと判断します。そのため検察官が不起訴処分を下す、裁判官が刑を減軽するといった可能性が高まります。

    示談の成立は、早期の身柄釈放にもつながります。刑事事件で逮捕・勾留された場合には、起訴されるまで最大で23日間もの身柄拘束を受けます。起訴された後は保釈が認められない限り、裁判が結審するまでさらに身柄を拘束されてしまうのです。長期間におよぶ身柄拘束は、自由がないだけでなく、仕事や学校など通常の社会生活に戻るうえで大きな不利益をもたらします。

    しかし、示談が成立すれば逮捕・勾留を回避できる、早期に身柄を釈放されるなどしてスムーズに社会生活に戻ることができるでしょう。

  2. (2)示談交渉を弁護士に任せるべき理由

    刑事事件の示談交渉は弁護士に任せるべきです。

    その理由のひとつとして、まずは犯罪の加害者が被害者と直接の交渉をするのは困難なケースが多いことが挙げられます。

    そもそも被害者の連絡先が分からない場合、捜査機関が教えてくれることはありませんが、弁護士なら捜査機関を通じて被害者の氏名・住所などを入手できる可能性があります。最初から被害者の連絡先が分かる場合でも、処罰感情の強さから示談交渉を拒否されるケースがほとんどです。

    弁護士は被害者心情に対応しながら交渉を進めるため、示談に応じてもらいやすくなるでしょう。

    また加害者が自分で示談交渉を進めると、適正な示談額や条件が分からずに被害者からの過大な要求に応じてしまうおそれがありますが、弁護士なら法律知識と経験にもとづいた適切な示談金額と条件を提示できます。

    さらに示談書の作成方法や影響も理解しているので、損害賠償請求など後の法的リスクを回避できるでしょう。

    刑事事件の示談交渉にはある程度のスピード感も求められます。特に逮捕・勾留された場合には、起訴・不起訴が決定されるまでに最大で23日間しか猶予がありません。不起訴を望むならそれまでに示談を成立させることが必要です。刑事事件における示談交渉の経験豊富な弁護士なら適切な示談成立にも期待できるでしょう。

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4、示談成立までの流れ

刑事事件における示談成立までの具体的な流れは、次のようになります。

  1. (1)弁護士に示談交渉を依頼

    弁護士に示談交渉を依頼するにあたっては、支払い可能な示談金額や遵守事項など、示談で取り交わす条件ついて打ち合わせをします。

    事件発生からすぐに弁護士に相談すれば、被害届や告訴状の提出をやめてもらったり、すでに提出されているときは取り下げてもらったりして、逮捕されない可能性を高めることができます。

  2. (2)被害者の情報を問い合わせる

    被害者の氏名・住所などが不明な場合には、弁護士が担当の警察官や検察官に対して、「謝罪と示談の意思を示したいので、被害者の情報を教えてほしい」と伝えます。警察官や検察官が被害者に連絡し、被害者の了承を得られれば、情報を入手できます。

  3. (3)被害者に連絡し、示談交渉を開始する

    弁護士が手紙や電話などで被害者と連絡を取り、具体的な日時などを決めて示談交渉を開始します。

    刑事事件の示談交渉では、被害者が事件でショックを受けている、加害者に対する強い処罰感情を持っているなどの事情から、示談交渉に応じてもらえないケースは少なくありません。示談に応じることが難しい被害者に対しては、被害者の心情や状況に配慮しながら、弁護士が粘り強く交渉を続けていきます。

    被害者が示談に応じてくれた場合には、示談金額や支払方法・期日、被害届・告訴状の取り下げ、接触禁止などの遵守事項など、示談書に記載する内容について双方が納得するように交渉を進めていきます。

    刑事事件の示談でとりわけ重要なのが清算条項と宥恕条項です。

    清算条項は示談書に記載されている以外に、債権債務が存在しないことを確認する条項をいいます。これにより、今後被害者から損害賠償を請求されるリスクを下げることができます。

    宥恕条項は被害者が加害者を許し、処罰を求めないという意思表示のことです。宥恕条項がある示談書を検察官や裁判官に示すことで、刑事処分が軽減される可能性を高められます。

  4. (4)示談成立

    話し合った内容について合意に至れば、合意内容を記載した示談書を作成して双方が署名・捺印します。加害者は、示談書で定められた支払い期日までに示談金を支払います。

  5. (5)示談成立後

    弁護士は、示談書の写しを捜査機関や裁判官に提出するなど、逮捕・勾留の回避や不起訴処分などの身柄釈放に向けた活動を続けます。起訴された場合には、保釈請求書とともに示談書の写しを提出して、裁判所に対して保釈請求を行います。

    裁判となった場合には、裁判所に示談書の写しを提出し、示談成立を有利な情状として主張立証し、執行猶予付き判決や刑の減軽を目指します。

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5、まとめ

刑事事件の加害者となった場合に、被害者との示談交渉を家族や知人に任せることはできます。しかし、弁護士法違反に問われる、交渉が難航してしまう、適正な示談金額で合意できないなど、さまざまなリスクが生じるおそれがあります。示談の成立は加害者の身柄釈放や起訴・不起訴、量刑が判断されるうえで重要な要素となるため、弁護士に依頼するのが最善です。

刑事事件でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所にご依頼ください。

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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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