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弁護士コラム

2023年08月28日
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迷惑行為が罪に問われるケースとは? 適用される犯罪や刑罰

迷惑行為が罪に問われるケースとは? 適用される犯罪や刑罰
迷惑行為が罪に問われるケースとは? 適用される犯罪や刑罰

インターネットやSNSの発展によって、誰もが気軽に情報を発信できる社会になりました。有名人や著名人ではない一般の個人でも一躍ネット上で有名になることもあるので、SNSを中心に注目を集めようとするユーザーがあふれています。

たしかに、有益な情報や社会が関心を寄せやすい情報には注目が集まりますが、注目を集めることばかりに躍起になり、決して感心できない情報が発信されるケースも少なくありません。軽い気持ちで発信した情報が社会を混乱させてしまう事態に発展し、非難が集中することもあります。

ちょっとした面白半分のいたずらや嫌がらせのつもりが、大事件に発展して罪を問われる事態になってしまうケースもたびたび報じられているのだから、他人や店舗・企業に迷惑がかかるような行為は控えるべきです。

本コラムでは、迷惑行為が罪になってしまうケースを罪名別に挙げて紹介しながら、逮捕されてしまった場合の流れや解決法などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、迷惑行為の多くは偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪にあたる可能性が高い

迷惑行為と呼ばれるケースでは、刑法第233条の「偽計業務妨害罪」または同第234条の「威力業務妨害罪」にあたるものが目立ちます。
ここでは、偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪にあたる迷惑行為を具体的なケースを挙げながら解説しましょう。
なお、威力や偽計に至らない程度であっても、業務妨害類型は軽犯罪法の対象にもなります。(軽犯罪法1条31号)

  1. (1)飲食店における不衛生な行為をネット上に発信した

    大手の回転ずし店において、客に提供される共用のしょうゆの容器に口を当ててなめる行為をはたらき、その様子を撮影した動画をSNSで投稿した迷惑行為が大きな問題になりました。
    この事件で適用されたのは威力業務妨害罪です。

    威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害した者を処罰の対象としています。
    ここでいう「威力」とは、相手の自由な意思を制圧する行為という意味です。
    単純には暴力や脅しが該当しますが、この事例のような飲食店における迷惑行為でもしょうゆ容器をなめるような物理的な影響力を与える行為を用いているので本罪が適用されることになりました

    威力業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です

  2. (2)危険でもないのに鉄道の非常停止ボタンを押した

    鉄道・列車を写真で撮影する、いわゆる「撮り鉄」の行き過ぎた迷惑行為もたびたび問題となっています。
    良い写真を撮りたいという理由で鉄道の運行を遅らせようと考え、踏切に設置されている非常停止ボタンを押したという事例もありました。
    このようなケースでは、非常停止ボタンを押すという有形力によって、鉄道会社の自由意志を制圧し、円滑な業務を妨げたと評価されるため、威力業務妨害罪が適用されます

  3. (3)うその犯罪を予告した

    SNSやネット掲示板などに「毒物をばらまく」など虚偽の犯罪予告を投稿して検挙されるケースもたびたび報じられています。
    このようなケースに適用されるのは、偽計業務妨害罪です。

    偽計業務妨害罪は、虚偽の風説を流布する、または人を欺いたり人の錯誤や不知を利用したりといった方法で他人の業務を妨害した者を処罰の対象にしています。
    うその犯罪予告によって、警戒にあたった警察や関係施設が正常な業務を妨害されたという考え方です

    法定刑は威力業務妨害罪と同じで、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

2、業務妨害以外で罪に問われる可能性が高い迷惑行為とは?

迷惑行為に適用されるのは、偽計業務妨害罪・威力業務妨害罪だけではありません。
これから挙げるように、別の犯罪が成立する可能性もあるので注意が必要です。

  1. (1)飲食店への迷惑行為で器物損壊罪が成立するケース

    飲食店におけるいたずら半分の迷惑行為が、刑法第261条の「器物損壊罪」にあたるケースもあります。
    たとえば、回転ずし店でレーンを回っている他人が注文したすしの上に大量のわさびを乗せた、牛丼屋で卓上に置かれている紅しょうがの容器に自分のはしを入れて直接食べたなどのケースでは、器物損壊罪が成立する可能性が高いでしょう。

    器物損壊罪は「物を壊す」という行為を罰する犯罪ですが、本罪における損壊行為は物理的に壊すことだけに限りません。
    本罪における「損壊」とは、物がもつ本来の性能や価値を失わせることを指します
    大量のわさびを乗せられても食べ物であることには変わりがないので、食べることは可能です。
    しかし、刺激が強すぎて本来の味や風味は損なわれ、誰が乗せたのかもわからず不衛生なので、一般的に考えると口に運ぶことはできません。
    他人のはしが入ったからといって、容器内の紅しょうががすべて汚れるわけでもありませんが、やはり衛生上の観点や、利用する客の心理的忌避感を考えると残りの紅しょうがは廃棄するしかなくなるため、器物損壊罪が成立します。

    ほかにも、慰霊碑に供えられた千羽鶴にライターで火をつけて燃やしたなど、迷惑行為に器物損壊罪が適用されるケースは多数です。

    器物損壊罪には、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料が科せられます。

  2. (2)「撮り鉄」が不法侵入にあたるケース

    撮り鉄のなかには、試運転の車両を撮影したいといった目的で営業終了後の駅構内に侵入したり、撮影に適しているからという理由で他人の敷地に勝手に入ったりする迷惑行為をはたらく人もいて、問題視されています。

    営業終了後の駅構内や他人の敷地に勝手に立ち入る行為は、いわゆる不法侵入です。
    不法侵入にあたる行為には、刑法第130条の住居侵入罪や建造物侵入罪が適用されることになります
    空き巣などの犯罪目的ではないので見つかっても謝れば許してもらえると考える人がいるかもしれませんが、電車や列車の撮影は正当な理由にあたらないため犯罪の成立は免れられません。

    住居侵入罪・建造物侵入罪には、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。

  3. (3)SNSでの誹謗中傷やさらしが名誉毀損(きそん)罪・侮辱罪にあたるケース

    SNSで店舗や会社を名指しにして誹謗中傷をしたり、店舗関係者の個人情報をネット上でさらしたりする行為は、刑法第230条の「名誉毀損罪」や同第231条の「侮辱罪」に問われる可能性が高いでしょう
    評判をおとしめようと考えてうその情報を流すことで会社や店舗の経済的な信用を傷つけると同第233条の「信用毀損罪」が成立することもあります

    各犯罪の法定刑は次のとおりです。

    • 名誉毀損罪……3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
    • 侮辱罪……1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料
    • 信用毀損罪……3年以下の懲役または50万円以下の罰金
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3、迷惑行為で警察に逮捕されるとどうなるのか? 刑事手続きの流れ

迷惑行為が犯罪に該当し、警察に逮捕されるとその後はどうなるのでしょうか?
刑事手続きの基本的な流れを確認していきます。

  1. (1)逮捕・勾留による最大23日間の身柄拘束

    警察に逮捕されると、警察の段階で48時間以内、検察官の段階で24時間以内の身柄拘束を受けます。
    この期間は、自宅へ帰ることも会社や学校へ行くことも許されないだけでなく、たとえ家族であっても面会さえ許されません。
    逮捕された本人と面会が可能なのは弁護士だけなので、家族との連絡も弁護士を経由することになります。

    さらに、逮捕から72時間以内に検察官が「勾留」を請求し、裁判官がこれを許可すると、初回で10日間、延長請求があればさらに10日間以内の身柄拘束を受けます
    勾留中も自由な行動は許されませんが、勾留決定の段階からは接見禁止がつかなければ家族などとの面会が可能です。

  2. (2)検察官による起訴・不起訴の判断

    勾留が満期を迎える日までに、検察官が起訴・不起訴を判断します。
    起訴は刑事裁判を提起すること、不起訴は起訴を見送る処分のことです。

    起訴されると被疑者の立場は被告人へと変わり、さらに勾留が続きます
    被告人としての勾留にも1か月の期限がありますが、刑事裁判が終了するまで何度でも延長可能なので、刑事裁判が長引けば勾留も長引いてしまいます。

    不起訴の場合、刑事裁判は開かれません
    被疑者の身柄を拘束しておく必要もなくなるので、検察官から即日で釈放するよう指揮が下されます。

  3. (3)刑事裁判

    起訴から約1~2月後に初回の刑事裁判が開かれます。
    以後、おおむね1か月に一度のペースで公判が開かれますが、特に争う点がなければ起訴から3か月以内で終結するケースが多いというのが実情です。

    刑事裁判の最終回では、有罪・無罪の別と、有罪の場合は法律が定める上限を超えない範囲で適切とされる刑罰が言い渡されます。
    期限内に不服申し立てをおこなわなかった場合は刑が確定し、懲役や禁錮の実刑判決なら刑務所へと収監されます。

  4. (4)損害賠償を求められる可能性もある

    ここまでの流れは、すべて刑事責任に関する部分です。
    迷惑行為をはたらいて他人や店舗・企業に大きな損害を与えてしまった場合は、相手から損害を賠償するよう求められる可能性があります
    損害賠償を尽くす責任は民事的な部分なので、刑罰を受けて罪を償ったとしても賠償責任がなくなるわけではありません。

    最近では、迷惑行為をはたらいて動画を拡散させたことで数千万円単位の高額賠償を求められたケースも大々的に報じられました。刑事・民事の両面で責任を追及されると、人生を狂わせてしまうほどの大きな問題に発展する危険があることを覚えておきましょう。

4、迷惑行為で罪を問われたときの解決法とは?

迷惑行為が問題となり、刑事事件に発展して罪を問われる事態になった場合は、どうすれば解決できるのでしょうか?

  1. (1)弁護士への相談を急ぐ

    迷惑行為をはたらいたことですでに警察から罪の疑いをかけられている、あるいはまだ警察に届け出があったかどうかはわからないが事件になってしまう可能性のある迷惑行為をはたらいた自覚があるという方は、弁護士への相談を急いでください。

    弁護士に相談すれば、ご自身の行為が罪にあたるのか、罪にあたる場合はどんな犯罪になるのかを正確に把握できます。刑事事件に発展したり、逮捕されたりする可能性を知ることも可能なので、まずは状況を整理して今後の対策を練るためにも弁護士への相談は欠かせません

  2. (2)被害者との示談交渉による解決を目指す

    迷惑行為には必ず被害者が存在します。
    基本的に警察は被害者からの被害届や刑事告訴を受けて本格的な捜査を開始するので、早い段階で示談を申し入れて被害者に謝罪し、生じた損害の賠償を尽くせば、被害届や刑事告訴を阻止できる可能性が高まります

    すでに事件化されている場合でも、積極的に示談交渉による解決を図るべきです。
    捜査の途中でも、被害者との示談が成立すれば被害届の取り下げや告訴の取り消しによって逮捕を回避できたり、検察官が不起訴として罪を問われずに済んだりする可能性も高まるでしょう。

    ただし、迷惑行為が大きな社会問題に発展しやすい現代では「迷惑行為には厳しく対処する」という姿勢を堅持する企業も増えています。
    加害者本人が謝罪して示談を申し入れても相手にしてもらえないケースも想定されるので、示談交渉は公平な第三者である弁護士にまかせたほうが安全です。

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5、まとめ

飲食店における不衛生ないたずら行為、マナーの悪い撮り鉄などによる鉄道の運行妨害や不法侵入、インターネット・SNSにおける誹謗中傷といった迷惑行為は、いずれも法律に照らすと犯罪にあたります。
ちょっとした悪ふざけや嫌がらせなどのつもりでも、警察に逮捕されて厳しい刑罰を科せられてしまうこともあるという点はしっかり覚えておくべきでしょう。

迷惑行為で警察から犯罪の被疑をかけられている、自身の行為が犯罪にあたるのか不安などの悩みがあるなら、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
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監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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