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弁護士コラム

2024年03月05日
  • その他
  • 逮捕後の流れ

逮捕されるとその後はどうなる? 逮捕後の流れと家族にできること

逮捕されるとその後はどうなる? 逮捕後の流れと家族にできること
逮捕されるとその後はどうなる? 逮捕後の流れと家族にできること

刑事事件で逮捕されると、最長23日間身柄が拘束され、起訴されればその後も身柄拘束が続きます。もしご自身や家族が逮捕されたら、早急に弁護士へ相談することが大切です。

本記事では、刑事事件で逮捕された後の流れ、逮捕された被疑者のために家族ができるサポートなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

この記事で分かること

  • 逮捕の要件、期間とは
  • 20歳以上、20歳未満における逮捕後の刑事手続きの違い
  • 早期に釈放されるためにできること

目次

  1. 1、逮捕に関する基礎知識
    1. (1)逮捕の種類と各要件
    2. (2)逮捕の期間|最長72時間
    3. (3)逮捕中に面会(接見)できるのは弁護士のみ
  2. 2、逮捕後の流れ|20歳以上と20歳未満で異なる
    1. (1)20歳以上の被疑者が逮捕された後の流れ
    2. (2)20歳未満の被疑者が逮捕された後の流れ
  3. 3、逮捕後、早期に釈放されるためには?
    1. (1)勾留却下を求めて活動する
    2. (2)被害者と示談する
    3. (3)勾留に対して準抗告を申し立てる
    4. (4)不起訴に向けた弁護活動を依頼する
  4. 4、逮捕された被疑者・被告人のために家族ができるサポート
  5. 5、刑事事件を起こして逮捕されたら弁護士に相談を
  6. 6、まとめ

1、逮捕に関する基礎知識

まずは逮捕に関する基礎知識として、逮捕の種類と要件、期間、逮捕中の面会について確認しておきましょう。

  1. (1)逮捕の種類と各要件

    逮捕には「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」の3種類があります。


    ① 通常逮捕(刑事訴訟法第199条第1項)
    裁判官が発行する逮捕状に基づく逮捕です。被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ逮捕の必要性があることが逮捕状発行の要件とされています。

    ② 現行犯逮捕(同法第212条)
    現に罪を行い、または現に罪を行い終わった者(=現行犯人)に対する逮捕です。無令状で逮捕することができます。

    ③ 緊急逮捕(同法第210条)
    急速を要し、裁判官の逮捕状を請求するには時間的余裕がない場合に行われる逮捕です。
    死刑・無期・長期3年以上の懲役または禁錮に当たる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由があることが、緊急逮捕の要件とされています。
    また、緊急逮捕を行った場合には、直ちに裁判官の逮捕状を請求する必要があります。


    通常逮捕と緊急逮捕は、検察官・検察事務官・司法警察職員(警察官)のみが行うことができます。
    これに対して現行犯逮捕は、誰でも行うことが可能です。ただし、検察官・検察事務官・司法警察職員以外の者が現行犯逮捕をした場合には、直ちに被疑者を検察官または司法警察職員に引き渡さなければなりません(同法第214条)。

  2. (2)逮捕の期間|最長72時間

    逮捕の期間は、最長72時間とされています(刑事訴訟法第205条第2項)。

    ただし検察官は、被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると判断した場合には、裁判官に対して勾留請求を行います。
    裁判官によって勾留状が発せられると、逮捕から勾留に切り替わり、被疑者の身柄拘束が続くことになります。勾留期間は最長20日間で、逮捕と併せると最長23日間です。

  3. (3)逮捕中に面会(接見)できるのは弁護士のみ

    逮捕されている被疑者と面会(接見)できるのは、手続法上は弁護人または弁護人になろうとする者のみです。被疑者の弁護人になることができるのは弁護士のみなので、逮捕中の被疑者には弁護士しか面会できないルールになっています。

    家族が被疑者に面会できるようになるのは、逮捕から勾留に切り替わった後です
    ただし、接見禁止命令が発せられている場合には、勾留に切り替わった後も家族による面会は禁止されます。面会ができる場合でも、時間は15分程度までに限られます。

    したがって、逮捕された被疑者に伝えたいことがある場合は、弁護士に依頼することになります。

2、逮捕後の流れ|20歳以上と20歳未満で異なる

被疑者が逮捕された後の刑事手続きの流れは、被疑者が20歳以上の場合と20歳未満の場合で異なります。

  1. (1)20歳以上の被疑者が逮捕された後の流れ

    被疑者が20歳以上である場合、逮捕後の刑事手続きの流れは、以下のとおりです。


    ① 逮捕~勾留
    逮捕・勾留を併せて、起訴前の身柄拘束期間は最長23日間です。この間に、被疑者に対する取り調べなどの捜査が行われます。

    ② 起訴・不起訴
    起訴前勾留の期間が満了するまでに、検察官が起訴処分または不起訴処分を判断します。不起訴処分の場合は、釈放され、前科もつきません。

    ③ 起訴後勾留
    起訴された場合は、被疑者から被告人へと呼称が変わり、引き続き身柄が拘束されます。起訴後勾留への移行後は、裁判所に対して保釈を請求可能です。
    起訴後勾留の期間中には、公判手続きに臨む際の方針を決め、準備を整えます。

    ④ 公判手続き・判決
    裁判所の公開法廷において、被告人の有罪・無罪および量刑が審理されます。審理が熟した段階で、裁判所が判決を言い渡します。

    ⑤ 控訴・上告
    一審判決に対しては控訴、控訴審判決に対しては上告による異議申し立てが認められています。

    ⑥ 判決の確定・刑の執行
    控訴・上告の手続きを経て判決が確定し、有罪判決の場合は刑が執行されます。
  2. (2)20歳未満の被疑者が逮捕された後の流れ

    20歳未満の被疑者(=少年)が逮捕された後の刑事手続きの流れは、以下のとおりです。


    ① 逮捕~勾留
    逮捕の期間は、被疑者が20歳以上の場合と同様に、最長72時間です。勾留に移行することもありますが、少年が被疑者であるときは、勾留状はやむを得ない場合にしか発することができません(少年法第48条第1項)。

    ② 家庭裁判所への送致・観護措置
    少年事件は、非行事実(≒被疑事実)が存在すると検察官が考える場合、全件が家庭裁判所へ送致されます(少年法第41条、第42条)。
    家庭裁判所では、調査官が少年の家庭環境や性格などについて調査を行います。また、より詳しく少年の性格を分析する必要がある場合や、勾留の判断と同様に罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれなどがある場合には、少年鑑別所における観護措置が行われることもあります。

    ③ 家庭裁判所の審判または検察官送致(逆送)
    少年事件では原則として、家庭裁判所が審判によって少年に対する処分(不処分・保護観察・少年院送致・児童自立支援施設送致など)を決定します。
    ただし、禁錮以上の刑に当たる罪の事件につき、通常の刑事裁判によって裁きを受けさせるのが相当であると判断した場合には、家庭裁判所が事件を検察官に送致します(少年法第20条)。

    ④ 公判手続き~刑の執行
    逆送を受けた検察官は、少年に犯罪の嫌疑があると判断した場合、原則として少年を起訴しなければなりません(少年法第45条第5号)。
    少年が起訴された場合は、通常の刑事裁判によって有罪・無罪および量刑が審理され、有罪判決が確定した場合は刑が執行されます。

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3、逮捕後、早期に釈放されるためには?

被疑者が逮捕されたとしても、勾留されずに釈放されることもあります。この場合、逮捕から72時間以内に身柄が解放されます。
また、勾留されても起訴されなければ、逮捕後23日間以内に釈放となります。

身柄拘束の長期化を回避し、逮捕後早期に釈放されるためには、以下の対応を行いましょう。



  1. (1)勾留却下を求めて活動する

    逮捕の時点でご依頼頂いた場合、まだ勾留されるかが決まっていません。また、この時点では捜査機関も十分に被疑者に関する事情を把握できていないこともままあります。このような中で、弁護士が積極的に身柄拘束の必要性に関する事情を証拠に基づいて立証することにより、勾留自体を防ぐことができます。

  2. (2)被害者と示談する

    被害者のいる犯罪で逮捕された場合には、被害者に対して謝罪を尽くし、被害弁償を行うことが非常に重要です。示談を通じて謝罪と被害弁償を行えば、被疑者にとって有利な情状として考慮され、早期に身柄が解放される可能性が高まります。

    逮捕された状態では自ら示談交渉を行うことができないので、弁護士に示談交渉の代行をご依頼ください

  3. (3)勾留に対して準抗告を申し立てる

    裁判官の勾留処分に対しては、準抗告による異議申し立てが認められています(刑事訴訟法第429条第1項第2号)。
    準抗告を申し立てると、裁判所が勾留の理由と必要性を再審査し、不適切と判断すれば勾留処分を取り消します。

    準抗告に当たっては、勾留処分が不適切である理由を説得的に裁判所へ伝えることが大切です。そのため弁護士によるサポートが不可欠といえます。

  4. (4)不起訴に向けた弁護活動を依頼する

    弁護士が検察官に対して、被疑者の反省や更生環境が整っていることなどの有利な事情を伝えれば、検察官が起訴を控える場合があります。また、冤罪であると主張する否認事件に置いては、被疑事実が立証可能かどうかについて疑義があった場合、不起訴の判断がとられる場合もあるため、やはり勾留期間中の対応によって結論が変わってきます。
    逮捕後に早期の身柄解放を目指すためには、不起訴に向けた弁護活動を早い段階で弁護士へご依頼ください。

4、逮捕された被疑者・被告人のために家族ができるサポート

逮捕された被疑者・被告人のために、家族ができるサポートとして以下などが考えられます。

① 面会・差し入れ
被疑者と面会し、物を差し入れることができます。ただし、面会時間は15分程度に制限されるほか、接見禁止命令によって面会ができないこともあります。

② 起訴後の保釈請求
起訴された被告人の身柄を一時的に解放してもらうために、裁判所に対して保釈を請求できます。ただし、保釈保証金の預託が必要となるほか、保釈が認められない場合もあります。また、保釈は刑事訴訟法89条及び90条に基づいて法的に判断されるものであるため、実質的には弁護士に依頼して行わざるを得ません。

③ 弁護士への依頼
逮捕された被疑者の代わりに、弁護士に刑事弁護を依頼できます。被害者との示談交渉や不起訴処分に向けた活動など、逮捕後には適切かつ早急な弁護活動が必要となります。そのため、被疑者に代わって家族が弁護士へ依頼することが大切です。


特に弁護士への依頼は、早ければ早いほど刑事弁護の幅が広がりますので、お早めにご相談ください。

5、刑事事件を起こして逮捕されたら弁護士に相談を

家族が逮捕された場合や、ご自身が逮捕される可能性がある場合には、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。

刑事事件について弁護士に相談するべき理由は、主に以下のとおりです。

  • 逮捕直後から制限なく接見できる
  • 取り調べに関するアドバイスを受けられる
  • 早期の身柄解放に向けた弁護活動を依頼できる
  • 公判手続きにおける弁護活動を依頼できる


弁護士へのご依頼により、早期に身柄が解放される可能性が高まります。また弁護士が適切に示談交渉などを進めることで不起訴処分の可能性も高くなります。ご家族やご自身が犯罪を疑われている場合は、弁護士にご相談ください。

6、まとめ

逮捕後に早い段階で身柄を解放してもらうには、勾留に対する異議申し立て(準抗告)や不起訴に向けた弁護活動を弁護士にご依頼ください。弁護士はさまざまな手段を尽くして、被疑者の身柄を早期に解放できるように尽力いたします。

ベリーベスト法律事務所は、刑事弁護に関するご相談を受け付けております。ご家族が逮捕されてしまった方や、ご自身が逮捕されるのではないかと不安に感じている方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
当事務所では、元検事を中心とした刑事専門チームを組成しております。財産事件、性犯罪事件、暴力事件、少年事件など、刑事事件でお困りの場合はぜひご相談ください。

※本コラムは公開日当時の内容です。
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