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詐欺罪とは? 刑法246条の成立要件|詐欺になるケースと判断ポイント
詐欺罪の刑罰は「10年以下の拘禁刑」であり、罰金刑の規定がありません。
有罪となれば必ず拘禁刑が科されてしまいます。事実を適切に審議してもらい、不起訴処分や執行猶予付判決を得るためにも、放置せず、早めに弁護士に相談してください。
本コラムでは、自分の行為が詐欺罪にあたるかどうかの判断基準や、刑法246条の成立要件と刑罰、そして詐欺の疑いをかけられた場合に取るべき対応についてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、詐欺罪になる可能性がある6つのケース
詐欺罪は、人を欺(あざむ)いて財物を交付させ、または財産上の不法の利益を得る犯罪です(刑法第246条)。
まずは実際によくあるケースで詐欺罪に該当しうる行為についてみてみましょう。
次のようなケースは、詐欺罪に該当するかどうかが問題となりやすい典型例です。
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(1)フリマアプリやネットオークションで商品を送らない
フリマアプリやネットオークションで代金を受け取ったにもかかわらず商品を発送しない場合、詐欺罪に問われる可能性があります。
なんらかのトラブルが発生して送れなくなったとしても、出品した時点で購入者を欺く意思があったと認められれば、詐欺罪として扱われるケースがあります。
また、説明と大きく異なる粗悪品を送りつけた場合も同様です。 -
(2)借金をしたが、最初から相手に返す気がない
借金を返さない場合も、詐欺罪に問われることがあります。
借りたときは返すつもりがあったものの、資金繰りに窮して返済ができなくなった場合であれば、基本的には詐欺罪は成立しません。
しかし、借りた時点で最初から返済の意思がない場合は詐欺罪が適用されるケースがあります。 -
(3)だます前提で投資をさせ、損失を出した
存在しない投資案件を持ちかけてお金を詐取した場合はもちろん、「必ずもうかる」「運用してあげる」などと偽って出資金を集め、実際には運用せず使い込んだ場合も詐欺罪の対象です。
本当に運用しようとしていたけれど結果として損失を出した場合は、「最初からだます意思があったかどうか」がポイントになります。 -
(4)恋愛・婚活・マッチングアプリでだました
交際や結婚を口実に金銭を要求したり、感情的に依存させてから「トラブルが起きたので助けてほしい」などと持ちかけてお金を振り込ませたりする「ロマンス詐欺」「結婚詐欺」も詐欺罪に該当する可能性があります。
金銭そのものだけでなく、高額な贈り物をさせた場合も詐欺罪が成立しうる点に注意が必要です。 -
(5)架空請求をした
架空請求をした場合、つまり、存在しないサービスの利用料を受け取ったり、未払い料金があるかのように装って金銭を要求したりした場合も詐欺罪として立件される場合があります。
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(6)代金を払う気がないのにサービスを受けた
代金を支払う気がないのに飲食などのサービスを受けて支払わない場合も、「財産上の利益」を不正に得る行為として詐欺罪の対象となります。
2、これは詐欺罪? 判断基準のポイント
詐欺罪にあたるかどうかは、詐欺罪の構成要件に該当するかどうかによります。
構成要件の詳細は5章で改めて解説しますが、ポイントは次の通りです。
- 相手を欺く行為があったか
- 相手が「だまされて」財物や利益を渡したか
- 自分または第三者が財産的な利益を得たか
- 相手に財産的な損害が発生したか
- 行為をした時点で、だます意図(故意)があったか
これらすべてがそろうと詐欺罪が成立します。
- ※お電話は事務員が弁護士にお取次ぎいたします。
- ※被害者からのご相談は有料となる場合があります。
3、詐欺罪で逮捕される? 前科・実刑・不起訴の可能性
詐欺罪に該当する行為をすれば、逮捕される可能性が出てきます。
また、逮捕だけでなく起訴や実刑のリスクもあります。「初犯だから大丈夫」という認識は正確ではありません。それぞれの処分について解説します。
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(1)逮捕されやすいケース
詐欺の疑いをかけられた場合、必ずしもすぐに逮捕されるわけではありません。
逮捕されやすいのは、次のような場合です。- 被害額が大きい
- 組織的な犯行と見られる
- 計画的な犯行と見られる
- 証拠隠滅や逃亡のおそれがある
刑事事件で逮捕されたら72時間以内に勾留の要否が決定されます。
身柄の拘束を受ける期間が長期化するかどうかの分岐点となるため、初動が重要です。
早急に弁護士に相談することをおすすめします。
一方で、容疑を認めていて逃亡のおそれがない場合などは、身柄を拘束されずに在宅事件として扱われやすくなります。
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(2)逮捕されにくいケース
一方、逮捕されない可能性があるのは、次のような場合です。
- 被害額が小さい
- 初犯かつ単独犯
- 被害者と示談が成立している
- 罪証隠滅や逃亡のおそれがない
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(3)在宅事件となったとしても捜査は進んでいる
逮捕されなかったからといって事件が終了したわけではありません。
在宅事件として捜査が進められるケースもあります。在宅事件とは
被疑者が身柄拘束されずに捜査を受ける刑事事件のことで、日常生活を送りながら呼び出しによる取り調べを受けることになります。
在宅事件だからといって罪が軽いというわけではありません。
起訴され、裁判で有罪判決を受けることがあります。 -
(4)初犯でも実刑になるのか?
初犯だからといって不起訴になるとは限りません。
とくに被害者との示談が成立していなければ、被害額が大きいほど有罪になる可能性は高くなるでしょう。
詐欺罪は罰金刑がなく、有罪になれば必ず拘禁刑が科される重大な犯罪です。
つまり、示談の成立が処分結果に直結する可能性が高く、被害者との示談ができなかった場合などのケースで、起訴・実刑のリスクが高まります。
放置せず早期に行動することが不可欠です。
初犯だから大丈夫だろうと考えず、早期に弁護士に相談して示談交渉を進めましょう。
4、詐欺罪(刑法246条)の内容と成立要件
詐欺罪は、刑法第246条に規定されている犯罪です。
第246条には、1項に
- 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑に処する
と書かれており、2項には
- 前項の方法により、財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた者も、同項と同様とする
と書かれています。詳しく見てみましょう。
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(1)刑法246条1項に書かれている詐欺罪
1項に書かれている詐欺罪は「お金や物品をだまし取る行為」において成立します。
相手をだますことで、お金や物品そのものを直接受け取るケースです。
たとえば次のような場合があります。- 偽のブランド品を本物と偽って販売し、代金を受け取った
- 存在しない商品をフリマアプリに出品して代金を受け取り、商品を送らなかった
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(2)刑法246条2項に書かれている詐欺罪
一方で、2項に書かれている詐欺罪は「サービスの踏み倒しや債務の免除をだまし取る行為」において成立するものです。
お金や物品そのものではなく、本来支払うべきお金を払わずに済んだという利益を不正に得るケースにあてはまります。たとえば次のような場合があります。- 借金を「別の口座に振り込んだ」などとうそをついて返済を免除させた
- 偽の乗車券を使って電車に乗り、支払うべき運賃の支払いを免れた
なお、自身が管理を任されていた金品を使ってしまったケースは、刑法252条で規定されている「横領罪」にあたり、詐欺罪とは異なる罪とされています。
5、詐欺罪の構成要件
詐欺罪が成立するには、以下の各要件が満たされていることが必要となります。
加えて、行為者に「だます意思(故意)」があったかどうかも、争点になり得ます。
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(1)欺罔(ぎもう)行為
欺罔行為とは、相手をだますことです。
相手の財産をだまし取るために被害者の息子を装うような場合はもちろん、被害者に身分などの真実を伝える必要があるにもかかわらず、あえて伝えないケースも欺罔行為をしたとみなされることがあります。 -
(2)相手方の錯誤
錯誤とは、欺罔行為によって相手がだまされた状態に陥ることです。
相手が欺罔行為を見破っていた場合は、この要件を満たしません。 -
(3)財物の交付・処分行為
相手が、自らの意思で財物や利益を渡す行為も必要です。
つまり、「被害者が自分から渡した」というのがポイントです。だまされているとはいえ、被害者自身が渡すという判断をしているかどうかで、詐欺罪か窃盗罪かが検討されます。 -
(4)財物・利益の移転
実際に財物や利益が相手から自分や第三者へ渡った事実も必要です。
相手がまだ金品を渡していない段階では、詐欺罪は成立せず、詐欺未遂罪(刑法第250条・第246条)にとどまります。 -
(5)財産的損害
詐欺罪は財産を対象とした犯罪であるため、相手に実際の財産的な損害が発生していなければなりません。
たとえば、正規の商品を正規の価格で販売したケースなど、相手が見合った商品を受け取っているときは財産的な損害は生じていません。
一方で、粗悪品を高級品と偽って販売した場合は、支払った代金と実際に受け取った商品の価値の差額は「損害」といえます。
ただし、支払った代金と受け取った商品の価値が同等であっても、だまされて財物を渡したこと自体が損害であると判断されるケースもあります。
6、詐欺罪の刑罰と時効
詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
罰金刑の規定がないため、有罪になれば必ず拘禁刑が科されます。
詐欺罪の量刑や執行猶予がつくかどうかは、だまし取った金額のほか、前科や前歴の有無、被害者のとの示談成立の有無、犯罪の計画性や組織性などによって大きく異なります。
刑事事件としての詐欺罪の時効(公訴時効)は7年です。
犯罪行為が終了した時点(金品を受け取った時点)から進行します。
7、証拠隠滅や無視はNG! やってはいけない行動
詐欺の疑いをかけられたり、被害届が出されているかもしれないと感じたりしたとき、やってはいけない行動があります。また、取るべき正しい初動についても知っておきましょう。
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(1)やってはいけないNG行動
次のような行動は控え、不安を感じたらすぐに弁護士に相談してください。
- 放置する
- 警察からの連絡や呼び出しを無視する
- 証拠を消したり隠したりする
- 被害者と直接交渉する
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(2)正しい初動
反対に、取るべき正しい初動は次の通りです。
- 返金の検討
- 示談の検討
- 自首の検討
- 弁護士への早期相談
- 警察からの連絡や呼び出しへの適切な応答
8、詐欺罪の疑いをかけられたら、弁護士へ相談
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(1)早期に弁護士に相談することが重要
詐欺罪を疑われているものの身に覚えがないときは、早期に弁護士に相談することで、早期解放や不起訴処分を目指せます。
また、有罪となる場合でも弁護士は執行猶予付判決を目指したり、量刑判断を実態に即した適切なものとするために尽力したりします。
弁護士が行うサポートとして、以下のようなことが可能です。- 取り調べに向けたアドバイス
- 被害者との示談交渉
- 証拠の整理
- 検察官や裁判所への意見書提出
- 起訴後の保釈請求
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(2)刑事事件に強い弁護士の選び方
詐欺罪は、「欺罔行為があったかどうか」「故意があったかどうか」などが争点になりやすく、詐欺事件を多く扱っている刑事弁護士でなければ判断が難しい犯罪です。
依頼をするなら刑事事件についての知見が豊富な弁護士を見つけましょう。
たとえば、次のようなポイントを確認して、安心して刑事事件を任せられる弁護士が在籍する法律事務所かどうかを見極めてください。- 詐欺事件など財産犯の取り扱い実績が豊富か
- 夜間や休日の問い合わせへでも受付してもらえるか
- 逮捕直後の接見に迅速に対応できるか
ベリーベスト法律事務所には、刑事事件の専門チームがあります。
詐欺罪の解決実績も豊富で、逮捕直後から一貫したサポートが可能です。
「自分の行為が詐欺罪にあたるのか確認したい」「逮捕されてしまったがどうすればいいのだろう」「被害者との示談を進めたい」など、詐欺に関するお悩みは、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
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