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弁護士コラム

2020年06月26日
  • 財産事件
  • 住居侵入罪

住居侵入罪とはどんな罪? 具体例や逮捕後の流れを解説!

住居侵入罪とはどんな罪? 具体例や逮捕後の流れを解説!
住居侵入罪とはどんな罪? 具体例や逮捕後の流れを解説!

「著名人の自宅を突き止めて敷地内に侵入する」「元交際相手が暮らすマンションの中に勝手に入る」などの行為は、刑法の住居侵入罪にあたります。

令和2年4月には、首相の私邸敷地内に侵入した女が住居侵入の罪で逮捕される事件がありました。女は駆けつけた警察官に逮捕されています。

住居侵入は興味本位やちょっとした悪ふざけなどの軽い気持ちでおこなう人も少なくありませんが、ほかの犯罪が同時に成立するケースも多くあり、想像している以上に重い罰を受ける可能性があります。

本記事では住居侵入罪の概要や罪に問われた場合の対応方法などについて解説します。

1、住居侵入罪の概要

住居侵入罪とは、正当な理由がなく人の住居などに侵入する犯罪です(刑法第130条前段)。法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。未遂罪の規定もあるため、犯罪が達成できなかった場合も罪に問われます。

「正当な理由がない場合」とは、住人や管理人などの意思に反して不法に侵入することを指します。たとえば警察官が家宅捜索の令状をもって住居に立ち入っても住居侵入罪にはあたりません。他方、離婚した配偶者が暮らすマンションの一室に、隠しもっていた合鍵を使って許可なく入った場合は住居侵入罪が成立する余地があります。

  1. (1)処罰の対象となる場所の範囲

    「人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物、艦船」への侵入が処罰の対象です。


    • 住居:寝起きや食事などの日常生活を営む場所
    • 邸宅:空き家や閉鎖中の別荘など
    • 建造物:店舗や公共建造物、学校の敷地内など
    • 艦船:大型クルーザー、軍艦など


    ここで、住居とはどこまでを指すのかが気になる方がいるでしょう。住居は一軒家や集合住宅の建物内はもちろん、塀で囲われた敷地内や庭、ベランダなどのほか、ホテルや旅館における他人が宿泊している部屋も含まれます。

    またスーパーやコンビニ、役所など一般人が自由に出入りできる場所であっても、不法な目的があれば建造物侵入罪が成立します。たとえば盗撮目的でデパートの女性用トイレに侵入したようなケースです。

  2. (2)不退去罪との違い

    不退去罪は住居侵入罪と同じ刑法第130条の後段に規定された犯罪です。営業や宗教の勧誘などで玄関先に訪問した人が住人から「帰ってくれ」と言われたのに立ち去らないようなケースが該当します。

    二つの犯罪は次の違いがあります。


    • 住居侵入罪……許可を得ずに不法に住居に侵入する犯罪
    • 不退去罪……もともとは許可を得て、あるいは過失で入った場所について、退去するように命じられたにもかかわらず退去しない犯罪


    なお、不法に住居に侵入し、住人などから退去するよう命じられたにもかかわらず退去しない場合は、住居侵入罪のみが成立します。

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2、住居侵入罪が成立する経緯

住居侵入罪は単体でおこなわれるよりも、本来の目的が別にあり、住居への侵入が手段となっているケースが多いのが特徴です。

のぞきや盗撮、窃盗や強盗をするために侵入するケースが典型的です。ほかにも暴行や傷害、ストーカーやわいせつ・強姦、誘拐、殺人、放火など、犯罪を達成するために住居侵入がともなうケースは多数あります。

このように二つ以上の犯罪が成立し、それぞれの犯罪が手段と目的の関係にある場合を牽連犯(けんれんはん)といいます。
牽連犯ではもっとも法定刑が重い犯罪の刑罰が適用されます。たとえば強姦目的で侵入した場合、強制性交等罪の刑罰は「5年以上の有期懲役」と住居侵入罪よりも重いため、強制性交等罪の刑罰をもとに量刑が決定します。

なお、泥酔した人が他人が暮らす住居の敷地内に立ち入り逮捕されるケースは珍しくありませんが、「酔っていて覚えていない」といった言い訳は通用しません
そもそも酒に酔って覚えていないのは、寝て起きたら記憶がなくなっていただけで、犯行当時には犯罪だと自覚していた可能性があります。泥酔状態だとしても判断能力があったとみなされ、罪に問われる可能性が高いでしょう。

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3、住居侵入罪による逮捕と、逮捕後の流れ

住居侵入罪ではどのようなかたちで逮捕されるのか、逮捕後の流れとあわせて解説します。

  1. (1)現行犯逮捕

    犯行の最中や直後に逮捕状なしに逮捕することを現行犯逮捕といいます。現行犯逮捕に限っては犯人を取り違えるおそれが低いため、私人(一般人)による逮捕も可能です。被害者本人や目撃者、警備員などに犯行を現認(状況を確認)され、逮捕にいたるケースが考えられます。

    住居侵入罪では、住居の塀をよじ登っているところを目撃者に取り押さえられた、近所の人から「不審な人がいる」との通報を受けて警察官に取り押さえられたなどのケースが挙げられます。

  2. (2)通常逮捕

    通常逮捕は警察官などの逮捕権限のある者が、裁判所から発付された逮捕状をもとに逮捕することです。

    住居侵入罪は通常逮捕されるケースもあります。たとえば下着泥棒(窃盗罪)の被害者が警察に被害届を提出し、警察が捜査の過程で監視カメラを確認したところ住居侵入行為が明らかになるケースなどです。

    監視カメラは多くの場所に設置されており、防犯意識の高まりから自宅に設置する人も増えています。スーパーやショッピングモールなど人目につきやすい場所であれば多数の目撃情報から犯人だと特定される可能性もあるでしょう。

  3. (3)逮捕後の流れと傾向

    逮捕されると次の流れで刑事手続きが進められます。


    • 逮捕後48時間……警察官による取り調べ、検察庁への送致
    • 送致後24時間……検察官による取り調べ、裁判官への勾留請求
    • 勾留決定……原則10日間、延長10日間
    • 勾留満期まで……起訴・不起訴の決定


    住居侵入罪だけが成立する単純な事案で、被害者との示談が成立しているなどの条件が加われば、早期の釈放や不起訴となる可能性があります。

    一方で、多くのケースではほかの犯罪を目的としており、捜査機関も当然その目的があったと疑ってくるはずです。そうなるとほかの犯罪の成立も視野に捜査がおこなわれるため、捜査に時間を要します。つまり勾留される可能性が高いということです。勾留によって長期に社会から隔離されると勤務先からの解雇など不利益が生じるおそれが生じます。ほかの犯罪も認められた場合には、起訴される可能性も高まるでしょう。

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4、住居侵入罪で逮捕された場合の対処法

住居侵入罪で逮捕された場合の対応について解説します。

  1. (1)しっかりと反省の色を示す

    反省の色がみられなければ検察官や裁判官は「また同じことをやるだろう」と再犯のリスクが高いと判断します。一方で深い反省がみられれば、処分や判決の内容が軽くなる事情として扱われる可能性があります。

    ただし反省といっても、表面上の言葉だけを並べても意味がありません。罪と向き合い、被害者へ誠心誠意の謝罪をするとともに、二度と罪を犯さないための具体的な努力を示すことが大切です。
    家族に監督を約束してもらう、窃盗症や性依存症の治療をする、飲酒して住居侵入を繰り返しているなら断酒するなどの具体策が考えられます。

  2. (2)弁護士に相談する

    速やかに弁護士へ相談することで早期の身柄解放や不起訴につながる可能性を高められます。

    たとえば被害者との示談交渉ですが、住居侵入罪の場合、被害者は自分の住所などを知られているため加害者へ強い恐怖心を抱いているでしょう。処罰感情が高く、示談を拒否されるケースも少なくないため、慎重な交渉ができる弁護士へ依頼するべきです。

    取り調べの対応も重要です。住居侵入罪ではほかの犯罪の目的があったとして厳しく追及されるため、精神的なつらさから自身に不利な発言をしてしまう可能性があります。むやみに否認するなどして身柄の拘束期間が長引くケースも考えられるでしょう。
    こうした事態を回避するには、早い段階で弁護士のアドバイスを受ける必要があります。逮捕された本人は逮捕から72時間、外部と面会できませんが、弁護士とだけは面会してアドバイスを得ることができます。

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5、まとめ

住居侵入罪は人の住居内での安全や自由、プライバシーを害する犯罪です。決して軽い罪とはいえないため、罪を犯してしまったらしっかりと反省し、被害者への謝罪や被害弁済などの対応をすることが大切です。

ただし、住居侵入事件では同時に複数の犯罪行為がおこなわれるケースが多く、実際に成立する罪や刑罰の内容は事件ごとに大きく異なります。ご自身が起こした事件については弁護士に相談するのがよいでしょう。住居侵入罪を疑われてお困りであれば、住居侵入事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所にお任せください。

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本コラムを監修した弁護士
萩原 達也
ベリーベスト法律事務所
代表弁護士
弁護士会:
第一東京弁護士会

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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