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債務不履行とは? 借金返済ができず詐欺で告訴された場合の対応

2020年11月12日
債務不履行とは? 借金返済ができず詐欺で告訴された場合の対応
  • 財産事件
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債務不履行とは? 借金返済ができず詐欺で告訴された場合の対応

友人や知人などからお金を借りて急場をしのいだところ、収入が少なかったり、ほかの事情があったりして、約束どおりに返済できなくなってしまったというケースは珍しくありません。返済するつもりがあるのに、相手から「詐欺だ」と犯罪者であるかのようなそしりをうけてしまうこともあるでしょう。

契約を守らないことを法律では「債務不履行」といいますが、借金の返済ができない場合は「だました」とみなされて詐欺罪に問われてしまうのでしょうか。このコラムでは、詐欺罪と債務不履行の関係について解説します。

1、返済するつもりがあっても詐欺罪にあたるのか?

借金をすると、契約や弁済計画にしたがって返済をしていくことになります。ところが、さまざまな事情や予定外のトラブルが発生してしまうと、その約束や計画が守れなくなってしまう事態も起こりうるでしょう。この場合、詐欺罪にあたるのかについて、まずは解説します。

  1. (1)債務不履行とは

    冒頭のように、お金の返済に限らず、契約上の義務を守るつもりがあっても、原則として不可抗力以外の事情で、義務を守れなくなってしまう事態のことを、総じて「債務不履行」と言われています。

    民法第415条は「債務者がその債務の本旨にしたがった履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる」と定めています。この第415条の前半、「債務者がその債務の本旨にしたがった履行をしないとき」こそが「債務不履行」にあたるのです。

    債務とは、借金はもちろん、物の受け渡しや行動なども含む、相手と合意したことによって生じる義務を指します。たとえば「借金」であれば、お金を借りた側は金銭返還債務の「債務者」に、貸した側は金銭返還債務の「債権者」と称されます。

    債務者は、債権者に対して消費貸借で引き渡された金銭を返還するという債務を履行する義務を負い、債務が履行されない場合は債権者に対して損害を賠償する責任が生じ得ます。

    債務不履行には、状態によって大まかに3つの類型があると考えられています。

    • 履行不能……取引上の社会通念上債務の履行が不能といえる状態
    • 履行遅滞……合意した弁済期に返済できない状態
    • 不完全履行……合意の趣旨に合致した返済ができていない状態


    借金である金銭返還債務は、履行不能という状況は観念できないと考えられています。金銭は、通常その価値が取引上重要なのであって、どの紙幣、どの硬貨なのかなど、種類などは重要ではないと考えられているので、価値での返還が不能という事態はあり得ない、と考えられているためです。
    したがって、借金返済のお金が用意できないことは、履行不能なのではなく、返還期日までに返還できないだけの、履行遅滞と考えられています。

  2. (2)詐欺罪と債務不履行の関係

    詐欺罪とは、相手を偽り、財産をだまし取る犯罪です。刑法第246条第1項、第2項によって規定されている犯罪行為であり、罪を問われます。他方、債務不履行は、民法上の義務に反するだけで、反したからといって、直ちに刑罰を科せられる行為というわけではありません。

    詐欺罪は「だまし取った」という違法、有責な行為に着目して刑事罰を科すものであり、契約を守れなくなってしまった債務不履行は、債務を履行しなかったため、相手に損害が発生したのであるから、その損害を補填するという民事上の責任を問うものであるという点に違いがあります。

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2、詐欺罪が成立する要件とは?

詐欺罪が成立する要件は、以下のようになります。

  1. (1)詐欺罪の成立要件

    詐欺罪が成立するのは、次の5点を満たす場合です。

    ●欺罔行為(ぎもうこうい)
    財産的行為の判断をするうえで、重要な事項について、人を錯誤に陥らせるような行為のことです。手段は制限されていません。

    ●錯誤(さくご)
    観念と真実との不一致を指し、財産を処分することを動機づけられるようなことを指します。

    ●処分行為(しょぶんこうい)
    財産を処分する行為です。売買、贈与、交換、貸借など、財産を何らかの形で処分することを指しています。「交付」と呼ぶこともあります。

    ●因果関係(いんがかんけい)
    欺罔行為を行った結果、錯誤に陥ったり、処分をしたり、損害が発生していたりしていなければなりません。

    ●財産的損害
    真実を告知されていれば、被害者は財産処分行為をしなかったであろうという状況が必要です。このような状況であれば「損害」が発生したといえるからです。

    これらの要件がひとつでも欠けている場合は、詐欺罪は成立しません。たとえば「来月の給料が入ったら返済する」という約束で借金をしたところ、突然の解雇を受けてしまい予定どおりに給料が入らず返済できなかった、といったケースでは欺罔行為が存在しないため、詐欺罪は成立しないといえます。

  2. (2)詐欺罪の刑罰

    詐欺罪の刑罰は、刑法第246条によって「10年以下の懲役」と規定されています。つまり、詐欺罪で有罪判決を受けると1か月以上10年以下の範囲内で刑が言い渡される可能性がある、ということになります。

    詐欺罪の刑罰は懲役刑のみで罰金刑は規定されていません。したがって、有罪判決を受けてしまえば、執行猶予が付されなければ、刑務所へと収監されてしまう可能性が高いでしょう。

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3、債務不履行が詐欺罪として成立する可能性のある例

一見すると民事上の債務不履行にみえる借金でも、状況によっては詐欺罪が成立する可能性があります。いくつか例を挙げていきましょう。

  1. (1)重要な事実を偽って借金をした

    たとえば、実際は浪費によって生活費が足りないためであるのに「仕事で失敗して、補填のためにお金が必要」などとウソをついて借金をしていた場合、詐欺罪が成立する可能性があります。他にも、ご自身の年収や、勤め先など、借金をするうえで重要な判断事項を偽って金銭交付を受ければ、詐欺罪が成立する可能性が生じます。

    仮に約束どおりに返済したとしても、ただの浪費であれば、債権者は、お金を貸さなかった可能性があるため、お金を受け取ると、損害が発生したと考えられ、詐欺罪が成立してしまう可能性があります。ウソをついて相手を錯誤に陥らせて金銭を交付させた事実は変わらないため、返済をしても詐欺罪は成立してしまう可能性があります。

  2. (2)肩書を偽って借金をした

    肩書は名義人本人を示すものではないので、私文書偽造罪は必ずしも成立するものではないといえます。しかし、記載する文書の性質から、肩書を記載することで公共の信用を有する文書であった場合には、肩書を偽ることで「偽造」に該当し、私文書偽造、同行使罪(刑法第159条第1項)が成立する可能性が生じます。
    さらに、当該文書を使用して財産的処分行為を受ければ、同法第161条の偽造私文書行使罪および詐欺罪も成立する可能性が生じ牽連犯(刑法第54条第1項)として処断される可能性が生じます。相手が金銭の交付を判断するにあたって重要な情報であればあるほど、詐欺罪に問われる可能性が高まります。

    加えて、前述のように、たとえ約束どおりに返済する意思があったとしても、借金を申し入れる段階でウソをついていれば、詐欺罪に問われてしまうことがありうるといえます。

  3. (3)債務整理の直前に借金をした

    「債務整理をすれば借金が帳消しになる」と考えて、手続きの直前や手続きの事実を隠した状態で借金をすれば詐欺罪が成立する可能性があります。

    債務整理を予定している、すでに債務整理の手続きを取っているという状態での借金は、返済の意思がないのに、借金をしたと考えられるからです。

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4、刑事事件への発展を防ぐには

借金が返済できないことで詐欺罪としての疑いをかけられてしまった場合は、どのように対応するべきなのでしょうか?

  1. (1)すでに詐欺罪を疑われている場合

    個人で「きちんと返済をする」と抗弁しても、すでに詐欺罪を疑われている状況では相手が警察に被害を相談して刑事事件として捜査が進められてしまうおそれがあります。直ちに弁護士に相談してサポートを受けましょう。

    弁護士に相談すれば、次のようなサポートが得られます。

    ●代理人として相手と交渉してもらえる
    個人間では信用してもらえなくても、弁護士が「虚偽ではない」「返済の意思はある」と説明することで、一定の信用が得られる可能性があります。弁護士を介して返済の計画案を示せば、一時的な返済猶予や一部減免などが認められることもあるかもしれません。

    ●詐欺罪が成立しないことを主張してもらえる
    弁護士が代理人となって借金の目的や理由などに虚偽が存在しないことを相手に説明すれば、刑事事件としての被害届の届出が回避できる可能性があります。詐欺罪の成立を避けるために必要な証拠などについても具体的なアドバイスが得られるでしょう。

    万が一事件化した場合も、弁護士は、警察や検察、裁判所に対して適切な弁護活動を行えます。トラブルの当初より対応していれば、多くの情報を集めることができるため、より合理的な対応を行うことが可能です。長期にわたる身柄拘束や起訴されてしまう事態を回避するためにも、まずは弁護士に相談してください。

  2. (2)債務整理の対応も可能

    借金問題は放置していても解決できません。だからこそ、弁護士に相談して「債務整理」を行うことをおすすめします。借金の負担が大幅に軽減される可能性があるためです。

    借金の内訳に消費者金融などが含まれている場合、すでに支払った利息分を再計算したうえで将来支払うべき利息分をカットする「任意整理」を利用することができます。借金を返済し続けているのに、なかなか借金総額が減らないというご経験はありませんでしょうか。任意整理による和解が成立すれば、返済によって元本が減っていくので無理のない範囲での返済を行うことも期待できるでしょう。

    マイホームなどの財産を手放したくない場合は「個人再生」、借金が多額で返済が不可能であれば「自己破産」といった手段もあります。状況に適したアドバイスが行えるため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

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5、まとめ

さまざまな事情があって借金が返済できない、返済が遅れているといった事実があっても、民事上の債務不履行と刑法の詐欺罪は別に成立しうるものです。借金の段階でウソがあれば、詐欺罪の加害者として刑事責任を問われる可能性があります。

借金の返済が難しい、返済期日を守れないといった事情で詐欺罪の疑いをかけられてしまいお困りなら、借金トラブルや刑事事件の解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所へご相談ください。

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監修者

  • 萩原 達也
    弁護士萩原 達也

※本コラムは公開日当時の内容です。
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