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弁護士コラム

2024年01月09日
  • 財産事件
  • 口座売買

口座売買で問われる罪とは? 逮捕されやすいケースや解決方法

口座売買で問われる罪とは? 逮捕されやすいケースや解決方法
口座売買で問われる罪とは? 逮捕されやすいケースや解決方法

近年SNSなどにおいて、「口座買い取ります」「口座売買で簡単にお小遣い稼ぎができます」「#口座買取 #裏バイト」などの投稿を見かけることがあります。こうした投稿にひかれて、軽い気持ちで銀行口座を売買してしまう人が少なくありません。

しかし、銀行口座を売買することは、犯罪を助長する悪質な行為です。また、口座売買そのものが犯罪に当たり、刑事罰を受けるおそれもあります。もし口座を売買してしまったら、重い刑事処分を避けるために弁護士へご相談ください。

本記事では、口座売買について成立する犯罪や逮捕例、口座を売ってしまった場合の対処法などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

この記事で分かること

  • 口座売買がなぜ犯罪にあたるのか
  • 口座を売ってしまった場合に問われる罪や刑罰とは?
  • 口座売買で逮捕された実例と逮捕されやすいケース

目次

  1. 1、「口座売買」とは?
  2. 2、銀行口座を売るとどうなる? 問われる犯罪と刑罰
    1. (1)詐欺罪
    2. (2)犯罪収益移転防止法違反
  3. 3、口座を売ると逮捕される可能性あり|逮捕の実例・逮捕されやすいケース
    1. (1)口座売却の疑いで逮捕された実例
    2. (2)口座売却で逮捕されやすいケース
  4. 4、口座を売ってしまった場合、どうすれば逮捕や刑罰を避けられるのか?
    1. (1)金融機関に連絡して口座を停止してもらう
    2. (2)警察に対して自首する
    3. (3)刑事事件に詳しい弁護士に相談する
  5. 5、まとめ

1、「口座売買」とは?

「口座売買」とは、銀行口座を売買することを意味します。

他人の口座を買い取ろうとする人(業者)は、振り込め詐欺の受取口座に利用するなど、何らかの不正な目的を有している場合が大半です。自分の名義で開設した口座を犯罪などに利用すると身元が発覚しやすいので、他人の口座を使うために口座を買い取ろうとします。

口座売買が行われる際には、まず売り主側ですでに持っている銀行口座や新しく銀行口座を開設した後、その口座の通帳やキャッシュカードなどを買い主に交付し、代金の支払いを受けます。暗証番号についても売り主が買い主に対して共有するため、買い主は売り主名義の口座を使えるようになります。

口座売買の勧誘は、SNSなどインターネットを経由して行われるケースが多いです。銀行口座の開設手続き自体はそれほど複雑でない反面、数万円程度の代金を受け取れるため、お金を必要としている若者などが口座売買の勧誘に応じてしまうケースが増えています。

2、銀行口座を売るとどうなる? 問われる犯罪と刑罰

銀行口座を売買する行為は、詐欺罪や犯罪収益移転防止法違反に当たります。逮捕・起訴されて刑罰を受けるおそれがあるので、軽い気持ちで口座売買を行ってはいけません

  1. (1)詐欺罪

    詐欺罪は、他人をだまして財物を交付させる行為について成立する犯罪です(刑法第246条第1項)。法定刑は「10年以下の懲役」とされており、窃盗や恐喝と並んで代表的な財産犯のひとつです。

    口座売買に先立ち、売り主は銀行において口座開設の手続きを行うことになります。
    その際、本当は口座売買の目的があるにもかかわらず、それを秘して「生活費決済」「給与振り込み」「資産運用」などと別の目的を伝えることになるでしょう。「口座売買のため」と正直に目的を伝えると、銀行口座を開設することができないからです。

    口座売買の目的を隠し、通帳やキャッシュカードを交付させることは銀行をだましていることになるため、詐欺罪に当たります。口座売買で摘発された場合は、詐欺罪の責任を問われるおそれがあるので注意が必要です。

  2. (2)犯罪収益移転防止法違反

    犯罪収益移転防止法(通称:犯収法)は、犯罪による収益の移転を防止することを目的とした法律です。同法に基づき、銀行口座の開設時において、金融機関は本人特定事項や取引目的などの取引時確認を行うことが義務付けられています。

    犯罪収益移転防止法では、他人になりすまして金融機関との間で預貯金契約を締結することなどが処罰の対象とされています(同法第28条第1項)。法定刑は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
    また、相手方に上記の目的があることの事実を知っていながらも、相手方に預貯金通帳などを譲り渡したり交付したり、または提供した場合も同様に処罰されます。元々は正当な目的のために取得した口座であっても、詐欺業者などから勧誘を受けて口座を売却すると、この処罰規定に抵触する行為になります。

    口座売買に関与すると、その関与段階に応じて詐欺罪や犯罪収益移転防止法違反の責任を問われる可能性がある点に注意しなければなりません。

3、口座を売ると逮捕される可能性あり|逮捕の実例・逮捕されやすいケース

前述のとおり、口座の売却は詐欺罪や犯罪収益移転防止法違反に当たるため、実際に行うと逮捕されるおそれがあります。
ここでは口座売却の疑いで逮捕された実例や、逮捕されやすいケースを紹介します。

  1. (1)口座売却の疑いで逮捕された実例

    他人に対して口座を売却する目的で預貯金口座を開設したことによって、実際に逮捕された事例が相次いでいます。


    ① 横浜地検・自衛官による口座売却
    令和5年3月に、いわゆる闇バイトに応募して、銀行口座を他人に売り渡したとして、自衛官が犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕されました。また別の自衛官もキャッシュカードを他人に譲り渡したとして逮捕されました。
    自衛官2名は、同月中にいずれも不起訴となりました。

    ② 広島県警府中署・還付金詐欺用口座の売却
    令和5年8月に、広島県福山市において20代の男性が、第三者に譲渡する目的で同市内の金融機関の普通預金口座を開設し、通帳1通とキャッシュカード1枚をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されました。
    男性が開設した普通預金口座は、その後還付金詐欺事件の振込先として利用されたとのことです。
  2. (2)口座売却で逮捕されやすいケース

    銀行口座の売却は、詐欺業者などの勧誘に応じて軽い気持ちで行ってしまう人が多いといえます。この場合、一般的には詐欺業者などのほうが悪質であり、口座を売却した人は利用されただけであるため、厳しい刑事処分の対象にはならないこともあります。

    それでも、以下のような事情が認められる場合には、被害の大きさなどに鑑みて、口座を売却した人も逮捕される可能性が高いと考えられます。


    • 売却した口座が特殊詐欺(振り込め詐欺など)に利用され、多くの被害者が発生している場合
    • 売却した口座を用いた詐欺などが大々的に報道され、関係者に対する処罰の必要性が高まった場合
    など


    ただし、逮捕される可能性が高いと考えられるケースであっても、後述するように金融機関への連絡や自首、弁護士への相談などを通じて、逮捕の可能性を低くすることができます。

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4、口座を売ってしまった場合、どうすれば逮捕や刑罰を避けられるのか?

違法とは知らずに銀行口座を売却してしまった場合は、逮捕や刑罰を避けるため、早急に以下の対応をとりましょう。



  1. (1)金融機関に連絡して口座を停止してもらう

    違法に銀行口座を売却してしまった場合でも、その後被害の拡大防止に役立つ対応をすれば、被疑者にとってよい情状として考慮され、逮捕や刑罰を避けることにつながります

    銀行口座を売却した人が被害の拡大防止のためにできるのは、金融機関に対して速やかに連絡し、口座を売却したことを伝えてその口座の入出金を停止してもらうことです。
    金融機関によって口座が停止されれば、その口座を用いた詐欺の被害は発生しなくなるので、口座を売却した人に対する処罰の必要性は低くなります。

  2. (2)警察に対して自首する

    金融機関への連絡と併せて、警察に対して自首することも検討すべきです。

    罪が発覚する前に自首すれば、被疑者が罪証隠滅や逃亡をするリスクが低くなるため、逮捕する必要がないと判断される可能性が高まります。
    また、仮に起訴されたとしても、自首したことは減軽事由となり、被疑者にとってよい情状とも評価され、重い刑罰を受ける可能性が低くなります

  3. (3)刑事事件に詳しい弁護士に相談する

    銀行口座の売却について重い刑事処分を避けるためには、弁護士のアドバイスとサポートを受けることが大切です。

    逮捕された場合、弁護士は刑事弁護の一環として、犯情の軽さや被疑者のよい情状などを挙げて、検察官に対して被疑者を起訴しないようにはたらきかけます。弁護活動の結果として、不起訴となる被疑者が少なくありません。

    また、弁護士に相談すれば、刑事手続きの流れや取り調べに臨む際の注意点などについてもアドバイスを受けられます。被疑者が刑事裁判にかけられることになっても、弁護士が重い刑事処分を避けるためにサポートいたします。

5、まとめ

銀行口座を他人に対して売却した場合、詐欺罪や犯罪収益移転防止法違反によって処罰の対象となります。特に銀行口座が大規模な詐欺に用いられている場合や、口座を用いた詐欺の被害者からの被害届が相次いでいる場合などには、口座を売却した人も逮捕される可能性が高くなるので注意が必要です。

銀行口座を売却したことを理由とする重い刑事処分を避けるには、速やかに口座を開設した金融機関に連絡して、その口座を停止してもらいましょう。被害の拡大防止に寄与したことがよい情状として評価され、重い刑事処分を回避しやすくなります。

そのほか、警察に自首することや、弁護士に相談することも検討すべきです。特に、すでに逮捕されている場合や、今後逮捕されることを強く懸念している場合には、対応方針や刑事手続きの流れについて弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、刑事弁護に関するご依頼を随時受け付けております。刑事手続きについて分からないや不安なことがある方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。

監修者
萩原 達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

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※本コラムは公開日当時の内容です。
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